ボクの奥さん

ボクの奥さんは、甲斐よしひろさんの大ファン。そんな彼女との生活をお話したいと思います。

ロミオとジュリエット3(ネタバレあり)

2018-12-14 18:34:00 | ライブ
クドカンさんが初めて、ご自身で書かれたのではない作品の演出…
それも「ロミオとジュリエット」という古典中の古典を取り上げられたのは
甲斐さんがカバー曲をアレンジなさる際に
「あまり原曲は損なわれてないけど違うなっていうのが一番美しい」
…という「綺麗な裏切り方」を探されるのと似たような
チャレンジなんじゃないか?と奥さん

まあ「なるべく まんまやる」とおっしゃいつつ
随所に「クドカン流」をちりばめておられたみたいで(笑)
ベタなところでは、モンタギュー家の人々が関西弁だったり(笑)

ジュリエットの「もうすぐ朝だわ」というセリフが
「もうすぐ(舞台)転換が始まるわ」になっていたり(笑)
ロレンス神父(田口トモロヲさん)にも
「盆が回り出した、上手から下手へ」と言わせたり…(笑)

ロミオの親友マキューシオ役の勝地涼さんが「前髪クネオ」のごとく(笑)
常に体を動かしながら話をする…というキャラになっていて(笑)
「俺も夕べ夢を見た…『動き過ぎだ!』って
シェイクスピアから灰皿を投げられる夢だ(笑)
『第三幕第一場で殺してやる』と言われた」というセリフがあり(笑)

ロミオの代わりにティボルト(皆川猿時さん)と対決して死んでしまう場面で
「今、何幕何場だ?」とクネオさん(笑)
「三幕一場だ」との答えに場内爆笑(笑)
更に、その死を悼む仲間たちが、思いっきりマキューシオの体を揺さぶり
死体が苦笑いするというオマケつき(笑)

その後、早着替えで別人として生き返った(笑)
勝地さんへの「新婚イジリ」まであったらしく(笑)
「ふざけてると思われるかも知れないけど…(笑)」と三宅弘城さん(笑)

田口トモロヲさんは「イヤ、ふざけてるでしょ
シェイクスピアが死んでるのを良いことに…(笑)
いまだかつてないくらい、IQの低いロミジュリになる」とおっしゃってます(笑)

とはいえ、基本的には「シェイクスピアが書いたセリフ」で、物語が進行していく訳で
キャストの皆さんは、その独特な言い回しに苦労なさったらしく
「とにかくセリフが覚えられない」
「覚えたと思っても、すぐに忘れてしまう」と嘆かれる方多数(苦笑)

田口さんは「こうなったら、堂々と台本見ながらやるしかないな」とか(笑)
「シェイクスピアに試されてる気がするんだよね
お前たちにこのセリフが言えるのか?って、すごいパワハラされてる気分
シェイクスピアの陰謀を感じる(笑)
だから今は、どこにカンペを置こうかな?ってことばかり考えてる」とか(笑)

「こんなに笑う稽古場は、人生初ですよ
みんなも笑うし、宮藤くんも笑うし…
普段ここまで笑うことないですから
セリフ覚えるのに、全然集中できなくて…
何でもそこに話を繋げてる」と話されてます(笑)
もっとも、松岡和子さんによれば…
「普段、言ったことがないような言葉を言えることをこそ楽しんで欲しい」そうだけど…(笑)

ともあれ…「ふざけてる」といえば、一番「ふざけてる」のが
三宅さん演じる「おっさんロミオ(失礼!)」なのは間違いなく(笑)

いきなり「あ~あ…」と大きなため息と共に
円形の水筒を斜めがけにした「とっちゃん坊や(笑)」が現れ
ロザリンドにフラれた切ない心情を語っていても
「でしょうねぇ…」と、一向に気の毒に思う気持ちが湧かず(苦笑)

小柳友さん演じる親友のベンヴォーリオが
ひょいと、リンゴを木からもぎ取るのを見て
三宅ロミオが真似しようとするも、ジャンプしても届かず(笑)
「惜しい!(笑)」などと思いながらでは、セリフが入って来るはずもなく…(苦笑)

田口さんが「50代のロミオっていうのは史上初でしょ
そこは常に『ロミオ感』を出して行かないと
お客さんが途中で忘れちゃうかも知れない
『このおじさん誰だっけ?』って…(笑)」とイジられ

「映画だと、あのディカプリオがやってた訳でしょ」とおっしゃるや
勝地さんが「藤原竜也(も)」と続かれ
小柳友さんが「佐藤健」と参戦され
再び、勝地さんが「城田優」とたたみかけられたトコで
「俺、ひとつもカブってない」と三宅さん(笑)

よーかいくんさんだけが「三宅さんがロミオだって聞いた瞬間
大丈夫かもなって…何となく、僕、安心したんです」とフォロー?なさって(笑)
三宅さんは「ナンか貶してるのか?褒めてるのか?よく判んないな」と…(笑)

ただ、勝地さんは「自分もまだロミオをやれるチャンスがあるかも知れないな」
…と、このキャスティングに希望を見出だされたらしく(笑)
「次は『ハムレット』観たいなー
すっごく悩んでる三宅さんが観たいです」とおっしゃってました(笑)

ちなみに、シェイクスピアは「あて書き」をする作家だったみたいで
少し中年太りが始まった俳優がロミオを演じる際には
そのような容姿のロミオを描いたり
かつて「オールメール(全員男性)」で興行を行っていた頃
お気に入りの美少年を主人公にジュリエットを書いたと言われているらしく

確かに、ジュリエットは「13歳」という設定になっているし…
って、じゃあ「アラフィフ」のロミオがつき合うなんて
現代だったら犯罪ですよねぇ(苦笑)

でも、こうやってプログラムを読んだり、ネットでググったりすると
「真面目で堅苦しい」イメージのシェイクスピア劇も、そもそもは大衆演劇であり
悪役が登場すると、客席から「死ね!」などとヤジが飛んだみたいで
役者さんの方も「死ぬか!ボケ!」などと言い返していたそうですし(笑)

よーかいくんさんが「それ、ちょっと
ロックのコンサートみたいですね」とおっしゃるように
クドカン流のロミジュリは、ちょっと当時を彷彿させるものなのかも知れませんね(笑)

とにかく、奥さんは「悲劇」にではなく
あまりに笑い過ぎたゆえに涙が止まらず(笑)
気分爽快で帰途に着いたんだけど
もっと遠慮なしに大声で笑えるであろう大阪公演と
時間がなくて甲斐さん御用達のバーに行けなかったことが心残りだったんだとか…(笑)
コメント
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