ボクの奥さん

ボクの奥さんは、甲斐よしひろさんの大ファン。そんな彼女との生活をお話したいと思います。

亀和田武さん8

2017-02-10 18:24:00 | 日記
亀和田さんと甲斐さんが似ておられる点は
お顔立ちとお好きなレスラーの他に
「オールディーズ、あるいは懐メロ」だそうで
「この話になると、我々の会話は俄然盛り上がりを見せる」と亀和田さん

NHKホールでの甲斐バンドのコンサートで甲斐よしひろは
「[僕は小学校に入る前に、その年の紅白歌合戦の曲を
全部歌うことが出来て神童かと噂された]…と観客を笑わせていたが

確かに彼のその辺の能力というのは凄くて
おまけに記憶力がやたらに良いもんで
興が乗ると、ウン十年前の曲を歌ってくれたりする

こんな風に敵もなかなかのものであるから、懐メロ談義となれば
記憶力とセンスと体力の勝負になると言っていいくらい
凄まじい掛け合いとなるのだ

長州力 対 藤波辰巳のように
片一方が技をかければ、もう一方がそれを見事に受けてみせ
返す刀で更に華麗な技を仕掛ける…というやり取りが成立する間柄を
[手が合う]とプロレス・ジャーナリズムは呼んでいる

確かセックスの相性が良い場合は[肌が合う]と言ったっけ
で、こういうケースは何と呼ぶのか知らないのだが
私と甲斐よしひろの好みの懐メロというのは
本当にピシャリと重なってしまうのである

それも小ヒットした曲であるとか
B級の歌謡曲の好みというのが、恐ろしいくらい一致する
一例を挙げるなら、中村泰士作曲で、以前、ザ・ピーナッツが歌い
その後、いしだあゆみもカバーしている【大阪の女】がそうである

あるいは、世間では愛田健二といえば
【京都の夜】と相場が決まっているのに
我々が彼の代表曲と推すのは【琵琶湖の少女】と

もう1曲タイトルを失念したが
[これでぇー、お別れなっのー、アッナタとはー
おなごり惜しいけどー]という歌詞のアレである」と記されてますけど

この歌詞を見てタイトルが判るのは、作詞家の方以外
愛田さんと甲斐さんだけなんじゃないかと…(笑)

ともあれ…「つまり、私と彼では、ポップスないし歌謡曲に関する
ま、何と申しましょうか、審美眼とでも呼ぶべきものが、ほぼイコールなのだ
…となれば、そんな甲斐よしひろの作るメロディが私の気に入らない訳はなく

結局のところ、私が甲斐バンドを好きなのは
日本のロックシーンに占めるその独特なポジション云々のせいではなく
とにもかくにも彼の作る曲が、私の身体にスーッと入り込み、同調するからである」んだとか…

もし、亀和田さんがミュージシャンでいらしたら
甲斐さん風のメロディをお書きになったのかも知れませんね(笑)

そうそう!亀和田さんには
「甲斐よしひろにもヒケはとらない、秘かな特技がある」そうで

「1時間、2時間といった長電話をやらかす時
甲斐よしひろとは、必ずパラキン(パラダイスキング)と
(そのリードヴォーカルの)佐野修の話に話題が移行し
更には、何フレーズかお互いに歌ってみせるというところまで行く

僕の秘かな得意技というのは、佐野修のモノマネが
もう抜群に巧い!ということなのだが
甲斐よしひろも佐野修の真似っこに関しては
相当な自信の持ち主らしいのだ

でも[こと佐野修の歌マネに関しては俺の方が一枚上手だな]
と、内心ホクソ笑んでいたのだが、これでは客観性がない

そんな時、甲斐よしひろが以前[セイヤング]で
【電話でキッス】を歌っていたという話を聞いた

【電話でキッス】は、オリジナルをポール・アンカが歌い、日本語バージョンをパラキンが手掛けたヒット曲だ
僕は、その[セイヤング]のカセットを入手するのに成功した

で、ある日、僕はカセットに
パラキンと甲斐よしひろの両方の【電話でキッス】を吹き込んで
若い女の子たちの前に持参した

まず、佐野修がリードヴォーカルをとっている
パラキン版【電話でキッス】を聴かせる

ついで、甲斐よしひろバージョンの【電話でキッス】を聴く
そして、ジャーン!最後に真打ち
亀和田武版【電話でキッス】を聴いて貰った

女の子たちは、もお、ホトンド感動に近い表情を浮かべていた
この僕が、歌に関して…
たとえ10代の少女たちが誰も知らないような歌手のモノマネであっても

…甲斐よしひろよりも巧かったことに
彼女らは深い衝撃を受けたようなのだ
でも、なんとなく悲しい特技だなあ」と結ばれてるんだけど

「60年代ポップ少年」の中に
亀和田さんのもう一つの悲しい特技が紹介されてます

「スポーツはどれも苦手だし、絵が描ける訳でもない
楽器の演奏だって出来ないし
公園や道端に咲く花の名前すら言い当てられない

そんな私に特技と呼べるものがあるとすれば、唯一ツイストを踊ることだ
ただ難点がひとつだけある
それはツイストが忘れ去られた過去のダンス音楽だということだ(笑)

若い連中には[え、なんすか?それ]の一言で片づけられ
同世代からも[ああ、流行ったね、昔
体をクネクネさせる、あれだろ]
といった反応しか起こらない

あげくの果てには[しかしツイストなんて、お前も古いねえ
そんな大昔のこと、よく覚えてるな]と呆れられるのがオチだ」と亀和田さん

「ツイストの帝王と呼ばれたチャビー・チェッカー
日本でツイストを踊らせたら、他に並ぶもののいなかった藤木孝
そんな二人の特徴をよく掴んで、上手くマネてるじゃないか

そんな感想のひとつも欲しいところだが
肝心の藤木孝やチャビー・チェッカーの踊る姿を
覚えている人がほとんどいないのだから
似てる似てない、上手い上手くないの評価が返って来る訳もないのだ」

…と嘆いておられますが、この特技が悲しいホントの理由は
亀和田さんが中学生の頃、大抵の真面目な生徒は坊っちゃん刈り
不良たちはスポーツ刈りという「棲み分け」があったらしいんだけど

亀和田さんは「ポップミュージックの虜」でいらしたため
坂本九さんやジェリー藤尾さん、飯田久彦さんといった
和製ポップス歌手の皆さんがスポーツ刈りになさっていたのをご覧になり

「だったら、私も髪を短く刈って
前髪パラリにしない訳にはいかない」と真似されただけなのに
「番長候補の本命と目されているKくん」に
「いきなり思いがけないパンチの洗礼を受けた」そうで

「部屋で一人になると、レコードプレーヤーに【ルイジアナ・ママ】を置いた
アメリカの陽気な恋のポップス
飯田久彦と一緒に歌いながら、激しく全身を使ってツイストを踊る
たったの2分45秒で、顔の痛みの半分はとれた

もう一度、シングル盤に針を落とす
今度はB面の【電話でキッス】だ
恋と涙の詰まった2分45秒の完璧な虚構の世界に惑溺するため
私は毎日、家に帰るとツイストを踊った
一人ぼっちのツイスト
こうして私の悲しい特技が生まれた」んだとか…
コメント
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