ボクの奥さん

ボクの奥さんは、甲斐よしひろさんの大ファン。そんな彼女との生活をお話したいと思います。

THE NEW YORK BOX その4

2016-07-03 08:29:00 | メディア
「甲斐バンドは、86年[リピート&フェイド]をリリース
その発売日の直前、深夜の記者会見の席上
大森信和が聴覚障害を理由にバンドを離脱すること
それを受けて、バンドも12年間の活動に終止符を打ち、解散することが発表された」と萩原さん

甲斐さんが「GOLD」のミックス中に考えておられたことは
「家族がいる」年齢になったんだと実感なさったことで
「それっきり心から消した」そうですが

後のインタビューで…「メンバーのことを考えた時に
[やめられないな]と思ったの
自分の脆さに自分でガックリ来ましたけどね
[俺って優しいんだな]って(笑)
それまでは自分のことを[ひどいヤツ]だと思ってましたから

僕は表現で諦めたりするようなことは絶対にイヤだし
出来る限りやって来てないんだけど
それは諦めざるを得なかった幾つかの内の一つですね

でも、それは今思うとそうして良かったと思うけどね
やっぱり表現というのは、情愛というのも
その裏づけの中にないと絶対にダメだからね」と話されてます

でも、甲斐さんがその思いを封印された
「その数年後、ギタリストからバンドの脱退を告げられることになる
気分はわかるし、説得したが駄目で
準備があるので、発表まで1年間待ってもらった
泣きたい気分だった。メンバーにではなく自分に。自分自身にだ」

「埋まることがないポッカリと空いた隙間というものがある
隙間を埋めるために次の何かに挑み、成し遂げることで、それを埋めるしかない
いや、埋まらないだろうその隙間を
成し遂げた何かで忘れようとする
果敢に挑む熱で癒すためにみんな生きるのだ」と記されてます

「SONGS」で「バンド活動からリリースされたい」というメンバーの思いを
「大森さんが代表して言ってくれたんじゃないか?」
…といった話をなさってましたが
「気分はわかる」というのは、この「解放」を指しての言葉じゃないかなあと…

当時のマスコミには「金銭トラブルだ」とか
「甲斐のワンマンぶりに嫌気がさした」と騒がれてたけど(苦笑)
萩原さんも「良くも悪くも甲斐よしひろという強い個性による独裁という
一面があればこそ成立しえていたはずの甲斐バンド」と書かれていて

奥さんに言わせれば…印税を4等分する代わりに独裁政治をやると
甲斐さんがプロデューサーなり広報担当なりを務めておられたから
そういう部分ももちろんあったでしょうし
周りの方々にそう見られるのは判るんだけど

バンド名にしても、甲斐さんが考えた訳じゃないし(笑)
最後まで解散に反対したのは甲斐さんだし
(最終的に決断されたのは、大森さんから3回目に打診された時らしい)

「甲斐バンドが俺のワンマン・バンドじゃなかったことは
俺が一番よく知ってる(笑)」とか

「甲斐バンドはもっと続いていくはずだった
空中分解っていうのなら
かえってやりやすかったんだろうけど、不慮の事故でしょ
大森の聴覚障害というのは、バンドにとって
アクシデント以外の何物でもなかったからね

じゃあ、他のギタリストを入れればいいかっていうと
そういう問題じゃない」とおっしゃっていて
「やっぱり、博多から一緒に出て来た仲間と作った[甲斐バンド]は
生涯唯一無二のバンドだった」ってことが、ナンで判らないんだろう?と…

萩原さんがおっしゃる「最後の最後になって
ひたすら民主的なフォーマットを全うしたアルバム[リピート&フェイド]」は
いわばプロデューサーとしての甲斐よしひろが
他のメンバーの解散後の進路にまで目配りしてプレゼンした作品」というのも
まあ「解散プロジェクト」の一部であり「大きなお世話」らしい(笑)

実際、すでに「ラブ・マイナス・ゼロ」と並行して
レコーディングしておられたはずの「ストレート・ライフ」
解散プロジェクトのために中断されたとはいえ

作業を再開なさるまでに、ジャパンエイドに出られたり
中島みゆきさんのアルバムをプロデュースされたりと、時間を置かれたのは
「ハイ、じゃ、ソロ行きましょうって
ウキウキしながら戻る気にはとてもなれなかった」からで

「甲斐バンドは、自分のバックボーンだったと思う
それはまず、間違いなく…
バンドが持っていた流れを御破算には出来ない

だけど…本当にあのバンドがどういう存在だったのか
ソロ・アルバムにとことん力を注いで答えを探すしかない

逆にソロ・アルバムをキッチリ作れなかったら
甲斐バンドが自分にとって何だったのかなんて言えないと思う」という
甲斐さんご自身が、一番進路に悩まれていたんじゃないでしょうか?
コメント (2)
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