ボクの奥さん

ボクの奥さんは、甲斐よしひろさんの大ファン。そんな彼女との生活をお話したいと思います。

ラストソングその3

2014-09-27 08:24:04 | 日記
杉田監督は、映画のパンフレットの中で…

ご自身が故郷を離れ上京された時の『期待と不安』を
この映画の主人公たちも抱いていただろう

夢が大きければ大きいほど
手触りはかすかなものになっていったろう
…と話されているんだけど

その撮影中にご子息が
『ベースギターで一旗あげるため』に渡米されたらしく

コイツはこれから劣等感で眠れない夜や
自分の存在がいかに小さいものかという恐怖と不安の日々を
いくつ数えるだろうか

大人に成り切れない自分をいつ発見し
一人では生きられないことをいつ知るのだろうか…と思われたそうだ

『この頃』を大切なものとして思い出すだろうか
…という杉田監督に対して

脚本を書かれた野沢尚さんは…
思い出というものは、遠く過ぎていくほど
美しい潤色が加えられていくものだと…(苦笑)

でも、この映画の主人公たちは
宝石のように美しく育った(笑)
『青春時代』という記憶の置き場所を
ちゃんと心得ている人間たちだとおっしゃってます

パンフレットやフライヤーに記されている
フレーズやコピーを見ると…

…これは、まだアナログのレコードに針が落ちていた頃
青春も音楽も、あの塩化ビニールのドーナツ盤のように
傷つきやすかった頃の物語だ

その頃、私たちはまだ
本当の青春を知らなかったのかもしれない

あいつがいて ロックがあった 夢しかなかった…。等々

甲斐さんがナンとおっしゃろうと(笑)
奥さんがこの映画(の特に前半)に
甲斐バンドを重ね合わせて観たのも無理はないかも…(笑)

石坂浩二さん演じる
『地元のラジオ局のプロデューサー(爆)』も登場されてるし…

もっとも、このプロデューサーは
『やめとけ!食い物にされるだけだ』と
上京に反対される役なんだけど(笑)

博多が『日本のリバプール』と呼ばれた頃は
岸川さんも相談を受けるたびに
『やめとけ!』とおっしゃっていたらしいし…(爆)

『友だちを失くしたことがありますか。』
というこの映画のコピーとは少し意味が違いますけど

リーダー役の本木さんが、吉岡さんをメンバーに入れるために
それまで一緒にやって来たギタリストを切るシーンが
デビュー前のエコーズにもあったという辻仁成さん

『どんな形でも音楽に関わっていた方がいい』と
その元メンバーの方をマネージャーとして引き留められたことが
かえって傷つける結果になってしまったんだとか…

この映画の脚本を読まれた時
吉岡さん演じるギタリストに栄光の座を奪われる
本木さんの役とその方がダブったそうで

その方へのアンサーソングのつもりで書かれた挿入歌は
2曲共に本木さんが歌っておられます

吉岡さんの写真に添えられた
『アイツのために、ラストソングだ』というコピーが突き刺さるなあ…

杉田監督いわく…

『あの頃』は社会や他者とぶつかることで
傷つきながら己を知っていった

青春とは挫折でさえもエネルギーになることを
映画で示したかった

どんな風に観て貰えるのか
正直不安だとおっしゃいながら

ご自身の『あの頃』から何十年経っても
人間というものは、いささかも変わってないと信じたい

『大人になり切れないのは俺のほうか』という監督(笑)
そうじゃないと、この映画は撮れないと思います♪
コメント (2)
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