花あそび

庭で育てた花々や嵯峨御流の花、そして時には野の花を
いっときいただいてそばに置きました。

燕子花(かきつばた)

2009年05月19日 | 嵯峨御流

先週燕子花のお生花を稽古していただきました。
稽古の数日前に笠岡の菅原神社の境内にある御手洗池の燕子花を見てきました。
今年は例年より1週間ほど早く開花したそうですが
この日はもう満開!珍しい白花も何輪か咲いていました。
バックの古風な石造りの眼鏡橋によく映えて優雅な雰囲気がとても素敵でした。

 

 

 

 

 

さて燕子花をお生花にいける場合
開花時期(初花・中花・晩花)によってそれぞれ花の高さが異なります。

まず最初に稽古するのは初花の扱い
もっとも高い三枚組の葉(体)よりも低くします。
今年燕子花の鉢をいただいたので
一番花がほんとうにそういう位置に咲くか観察できると期待したのですが
残念ながら花がつきませんでした。
菅原神社で見たものはもうすでに葉よりも花が高くなっていました。
これはもう晩花の扱いになります。
ですから時季的には晩花ですが、生徒さんたちには初めての燕子花だったので
まずは初花の扱いで稽古していただきました。

 

 

いけた時には蕾でしたが翌日にはもう二花とも開きました。


また菅原神社でみた雰囲気の花を花を葉よりも高くし
晩花の扱いでいけてみました。



薔薇をいける(7)白樺と野茨

2009年05月17日 | 嵯峨御流

数年前庭に植えた白樺`ジャコモンティー’
これは暖地でも生育可能な品種です。
そのせいかぐんぐんと大きくなり隣の敷地にまで枝葉を伸ばし始めたので剪定しました。
その枝に野茨や海老根(えびね)などを添え
新緑美しい高原の湖畔をイメージしていけてみました。

 




白樺`ジャコモンティー’
野茨
海老根

立浪草
雪の下


どれも庭に咲いていた花たち
庭もこんな雰囲気だといいのですが現実はね。。。
あこがれの景色を託すことができるいけばな、そしてお花たちに感謝です。


薔薇をいける(6) 紫玉

2009年05月15日 | バラ

日本で生まれた薔薇
詳しいことはわかっていないそうですが明治の頃から栽培されていたとか。
昔はどんな場所で咲いていたのでしょうか。
苔むした庭の竹垣の傍でそっと枝垂れる・・・
そんな景色にぴったりな薔薇です。

 

 

紫玉
マダム アルディ (Mme. Hardy)
アルベリック バルビエ(Alberic Barbier)


薔薇をいける(5) 私の野茨

2009年05月10日 | バラ

庭に植えている野茨(ノイバラ Rosa multiflora)が咲き始めたので
ひと枝折って挿しました。

 

 

 

 

 



ノイバラは日本の野バラの代表的な種で日本各地の山野に自生しています。
その多くは白色ですがこれがほんのりと桜色
どう♪ べっぴんさんでしょう
近くの山に咲いていた枝をいただいて挿し木したものです。
もっと日当たりが良い場所だとさらに濃い色で咲きますが私は
これぐらいほんのりした色合いが好きです。

そしてくしゅくくしゅひらひらとした大輪の薔薇は
マダム サンシィ ドゥ パラベール(Mme. Sancy de Parabere)
これはフランスで生まれた薔薇です。

日本の野バラはこんな華やかな西洋の薔薇にも負けず劣らず素敵です。


アーモンド

2009年05月09日 | 庭の花

今日Kさんから珍しい木をいただきました。
アーモンド!
実物を見たのは初めてです。

 

 

微妙に形の違う実がいろんな方向を向いているところが面白いです。

 

 

 



実の表面にはやわらかな産毛があり触るとベルベットのような感触です。



若山侑さんの花器に挿してみました。
この木一本で充分ですが、それでも何か添えてみたくて。。。
kさんはお花の生徒さんですが
もうひとりの生徒さんからずっと以前にいただき鉢栽培している草苺の実が熟しています。

 




毎年花は綺麗に咲くのですが
鉢に対して花がつきすぎるせいか実までめったについたことがありません。

でも今年は枝数を減したせいかなんとかこれだけ実がなりました。

 



大好きな実物!をあわせてみました。

 

 




後で知ったのですがアーモンドってバラ科の植物
草苺もバラ科だね
フフフ 生徒さんも私もみんなバラ(科)好きなのね


鑑賞会。。。

2009年05月07日 | 嵯峨御流

連休中オットと片岡珠子展&重森三玲展を観ました。
その後館内でお茶していた時手にとった三玲の本にこんなことがかいてありました。

日本人の住宅に床を作ったのは先人の大きな発明である。
外国ではせいぜい壁に絵をかけるぐらいであるが
日本人は生活の中に美術館を持っている。。。

連休後半オットも子どももそれぞれ出かけ、私はのんびりお家でした。
庭にでて草花や子育て中のシジュウカラの様子を
そしてダイニングから見える和室の花を眺めながら過ごしました。
我が家の床は美術館などというにはおそれおおい簡易床ですが
お軸をかけ、季節の花をいける そして眺める。。。
今まで私は花をいけるという行為を楽しむことはできても
そのいけた花をゆっくりと味わうことはあまりなかったことに気づきました。
独り鑑賞会もなかなかいいものです。




薔薇をいける(3) 三重切

2009年05月06日 | 嵯峨御流

竹器は当流では宝器とされています。私にとって
お庭の宝ものといえばやはり薔薇です。
大切なこのふたつを出逢わせてみました。
竹器に生花をいける場合、花材にしても数種の花材を取り合わせていける時には
上より木物、草物、水物の順にいけ
また花の色も上より白紫黄紅赤の順という決まり事があります。
そういう約束事もできる限り心を配りながら
楽しんでいけるという気持ちも大事にしながらいけてみました。

選んだ薔薇は下の写真にあるロサ・オドラータ
断定はできませんが別名白長春と呼ばれている薔薇です。
蕾は紅色がさしてますが、開いたその花はほとんど白にちかいお色です。
フェンスの左下の枝をカットして上口にいけました。
中口には草物として淡紫色のクレマチス`風車’
下口には水物の燕子花をいけました。

こんな古典的な花器に薔薇をいけるなんて。。。
ずっとそういう想いがあったので今まであまり庭の薔薇をいけばなの花材としてみていませんでしたが
今年は薔薇(ガーデンローズ)をいけばなに!
これをすこしだけめざしてみようと思ってます。

 

 

来年こそはRosa banksiae normalisをこの竹器に!


端午の節句の花

2009年05月05日 | 嵯峨御流

今年もまたお伝書にある「端午の節句の花」をいけました。
一年ぶりにあのかぐわしい菖蒲の香りと再会です。
蓬の幼いころから慣れ親しんだ懐かしい香りとともに
心地よい香りに包まれながら
こどもたちともども無事一年過ごせたことに感謝しつつ
また今年もどうぞよろしくと願いをこめていけました。


 

菖蒲
花菖蒲

 

いけた二日後、こどもの日にあわせて
雇い花として加えた花菖蒲の花が咲いてくれました。

 

 




また玄関近くにある飾り棚には
菖蒲の葉を剣に見立て、風車を一輪そえて
邪気をはらってもらう門前飾りとしました。

 


薔薇をいける(2)

2009年05月04日 | バラ

薔薇の季節になりました。
大好きな大好きな私の薔薇。。。
その多くはオールドローズといわれる類のものだったり
原種またはその交配種、また日本の野山に咲く野薔薇だったりします。
心をこめて育ててきた薔薇たち
今年はこの薔薇を心おもむくままにできるかぎりいけてみようと思います。
毎年白木香薔薇についで咲くのはこの薔薇ロサ・オドラータ
ちょっと謎多きオドラータですがうちのオドラータは一季咲き 棘はほとんどありません。
蔓薔薇のように枝を伸ばすのでフェンスに誘引して仕立ててます。
紅色の染めが入る蕾がほころぶと淡桜色
ふんわりと咲き、
そう強くはありませんが甘い香りを放ちます。
そして桜のごとくその花びらははらり散ります。

 

 

 

 

斑入りのいたどりとあわせてみました。
斑の入り方にもいろいろ呼び名があります。
詳しくはありませんがこれは散り斑でしょうか。
桜は潔くよく散る風情が日本人の心をとらえたともいわれます。
同じような風情をもつロサ・オドラータ
散り斑もまたそんなオドラータによく似合うように思います。