今年もまた燕子花の季節になりました。
葉組の生花のなかでも水仙とともにもっとも愛されているものですね。
一年に一度必ず手にする花材です。
燕子花は一度葉と花をすべてばらした後
中央の葉が低くなる出生に従って葉を組み直します。
そののち水合わせという手法を用いて葉と葉と合わせたのち花態に応じて仕立てます。
その水合わせの方法もいろいろあり、
研磨スポンジを用いたりオスバン液や水糊を使ったりもすることがあるそうですが
私は昔ながらの方法、水にくぐらせた葉を指先で葉面にある微毛を寝かせるようこすります。
その力のいれ具合等指先に手練が必要
園芸界でいうところの緑の指`グリーンフィンガー’みたいな。。。(欲しい)
こうやって生けた燕子花は出生に従って生け直したといえ
自然の姿とはまったく異なった姿です。
自然のありのままの姿である「実」を尊びながらも
それ超えた「虚」に美しさを求める
それこそが「虚実等分」いけばなの美学です。