虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

2歳児さんたちの個性を引きだす関わり方 2

2013-11-22 18:07:31 | 0~2歳児のレッスン ベビーの発達

☆ちゃんは、おもちゃに付いているタッチペンをひとつひとつの料理のメニューに当てていました。

それを見て、わたしは「☆ちゃんは思った通り目ざとい子だなぁ」と感じていました。

わたしが黙って一度だけやって見せた素振りをしっかり見ていて、

こちらが引き出しに片付けた後も、それを出してきて、わたしがやった通り再現して

遊んでいるのですから。

「こうしたら?」「これをする?」と勧められて遊ぶのではなく、自分でやりたいことを決めて、

自分で必要なものを取ってきてからはじめたことは、

長い間、試行錯誤を続けていることもわかりました。

 

そこでわたしは、

「こんな時は、どんな言葉をかけたらいいんでしょう?」とたずねる☆ちゃんのお母さんに、

言葉をかけるのを急がず、☆ちゃんがどんなことをしているのか

よく観察することを勧めました。

絶え間なく言葉をかけ続けている場合、少しそれを控える時間を持つと、

その子が何かをしようと決めて、ひとつのことに関わっていく時の流れや長さ、

心の動きや目線の動き、興味のあり様や個性的な能力などが見えてきますから。

時間に隙間がないと、自分でイメージしたことを実行に移す途中で気がそれてしまうし、

新しいことやより広い範囲に注意を向けにくくなりますよね。

 

そうやって☆ちゃんの姿を受け止めると、こんなことに気づきます。

☆ちゃんは観察したことを再現するのが上手ですから、

言葉で指示を与えるのではなく、

さまざまなおもちゃや道具の扱いや見立て遊びのお手本を

実際にやってみせてあげるといいのでしょう。

お料理のお手伝いや家事の真似っこも楽しいでしょうし、

外出先でお店で働く人や少し年上の子どもたちが何をしているのか見て、お家で真似したり、

動物や魚や昆虫をていねいに眺めるのも面白がるはずです。

「これする?」「あれする?」と言葉でたずねても、見たことがないものは返事のしようがありませんから、

まず、いろいろなものを見せてあげるといいのかもしれません。

 

そんな話を伝えた後で、こんな一コマがありました。

おやつタイムに、★くんと●くんが持参したラムネを食べていました。

☆ちゃんはうらやましそうにじっとそれを見ています。

わたしが、「★くん、ひとつちょうだい」と言って手を差し出すと、

それを見た☆ちゃんも、「ちょうだい」と自分から手を出しました。

★くんは「いいよ」とふたつ返事でラムネを渡しました。自分からあげることができたことが

とてもうれしそうでした。

 

☆ちゃんが持ってきた丸いパンを食べ始めると、●くんはとてもお腹がすいていたようで

欲しがって泣き出しました。☆ちゃんのそばに行って、手を差し出すので、

「☆ちゃん、ちょっとだけパンをちょうだい」と言葉をそえると、☆ちゃんのお母さんが、「もう1個、パンがあるわよ」と

ビニール袋に入ったままの新しいパンを☆ちゃんに手渡しました。

すると、☆ちゃんは落ち着いた口調で、「あんぱんまん、かばん、開けて」と言いました。

そうして自分のあんぱんまんのかばんを開けると、新しい方のパンをその中にしまいこんで

きちんと蓋を閉めてから、ゆっくりと●くんの方を向き直り、

自分の手に持っている食べかけのパンを半分に割って、それを●くんに差し出しました。

☆ちゃんが自分が考えたことを実行し終えるまで、お母さんにはがんばって声をかけないように

していただいたのですが、

そのかいあって、☆ちゃんは自分の行動に大満足の様子で、

それまではお友だちの遊ぶ様子にあまり関心がなかったのに、

教室全体に活動範囲を広げて、お友だちの様子やわたしのすることに寄せる関心の

質が変化したことが感じられました。

 

☆ちゃんと同じ2歳前半の子とはいえ、★くんも●くんも、興味の持ち方や能力の発揮の仕方に

ずいぶん個性が出てきています。

★くんは想像力が豊かで問題解決能力が優れた子です。

お母さんが、恐竜を椅子の上を歩かせていって、端まで来たところで、「落ちちゃう、落ちちゃう」と言うと、

さっと新しい椅子を取ってきて横に並べていました。

人形をお風呂に入れて、「熱い、熱い」とか、「冷たいよ」と言っては

水や湯を足す真似をしたり、さまざまなケースに対応を変える宅配便ごっこして喜んでいました。

 

●くんは、「自分で!」と何でも自分でやりたがる子で、感覚が優れているようです。

お手本を見せると、最後までていねいに真似しています。

視覚に訴えるお手本なら、かなり長いものもしっかり覚えて、

できるようになるまで何度も取り組もうとします。

 

相手が2歳の子であっても、そうしたそれぞれの個性を

面白いなと感じながら受け止めていると、

その子らしさが輝きはじめます。

 

 

遊びのアトリエのレオ先生が、熊本へうかがった時にした話にちなんで

「いいこと考えた!」3、4歳児さんの考える力

という記事を書いてくださっています。

よかったらブログにお邪魔してみてくださいね。

 

 

 


2歳児さんたちの個性を引きだす関わり方 1

2013-11-21 20:36:32 | 0~2歳児のレッスン ベビーの発達

今日は2歳前半の子たち、★くん、☆ちゃん、●くんのレッスンでした。

 

親御さんたちがこの時期の子たちとの関わり方を学ぶことで

それぞれの子の個性が輝きだすように感じています。

 

ままごと遊びをする☆ちゃんとお母さん。

わたしはお母さんの☆ちゃんに対する言葉かけや遊びの内容が少し気になって

何度もダメ出しをすることになりました。

 

言葉のかけ方と遊びの付き合い方の一部に気にかかる点があるとはいえ、

☆ちゃんのお母さんは

子どもと接するのが上手な方ですし、☆ちゃんともいい関係を築いておられます。

☆ちゃんも言葉の発達がいい落ち着いたしっかりさんに成長しています。

 

ですから、わたしのダメ出しもあまり深刻に受け止めずに、

子育てをより楽しいものにするアイデアのひとつとして取り入れていただけたらと

思っています。

 

気になった言葉のかけ方というのは、☆ちゃんのお母さんが

ほとんど毎回のように、

「~する?」「~しよっか?」「~やりたい?」と☆ちゃんに気持ちをたずねるような

言葉のかけ方をしていたことです。

また、そうやって☆ちゃんの返事を得た後で、☆ちゃんの遊びに付き合っていたことも

ちょっと引っかかりました。

 

もちろん、これは程度の問題で、そうすることが悪いわけではないのです。

でもかける言葉のほとんどが、☆ちゃんからの返事や同意を求めるものに

なっていたことは、☆ちゃんの興味を狭めたり、いきいきと活動を広げるのを邪魔している

ようにも見えました。

 

☆ちゃんのお母さんに、「毎回、何かたずねられて、答えを出さなくてはならないのは、

☆ちゃんの負担になるのではないでしょうか?」と質問すると、

「わたしのすることに付き合わせるのではなくて、この子のやりたい遊びをいっしょにしてあげたいのです」

とおっしゃりました。

確かに、それは大事なことですよね。

でも、今の形だと、そうした思いがかえって

真逆の結果を生んでしまうようでもありました。

 

「○○で遊びたい?」とたずねられて、☆ちゃんがその遊びを選ぶ場合、

まだ2歳になったばかりで言葉だけで想像するのは難しい年齢ですから、

どうしても聞き慣れない言葉に関心を示さず、やりなれた遊びにだけ

反応することが続いていました。

またお母さんとの言葉のキャッチボールに気を取られて、

遊びが集中力の欠けたものになったり、お母さんとばかり関わって他の子のところへ行こうとしなかったり

することにもつながっていました。

 

そこで、☆ちゃんがおもちゃの入っている引き出しのところに向かったついでに、

わたしが☆ちゃんの相手をするところを見ていただくことにしました。

 

引き出しの中に、レストラン等で注文を取る時に使う機械のおもちゃがありました。

わたしは引き出しを開けてそのおもちゃを取り出すと、「ご注文は?オムライスですか?

カレーですか?」とたずねながら、ひもでつながっているペンで、タッチ画面を選んで押す動作をしました。

☆ちゃんは、興味しんしんでその様子を眺めています。

☆ちゃんがおもちゃに強い関心を示しているのがわかったので、わたしは

わざとそのおもちゃを元の場所にしまうと、そうっと引き出しをしめておきました。開けやすいように

少しだけ開いた状態で。

 

すると、☆ちゃんは自分で引き出しを開けにいくと、おもちゃを取り出して

遊び始めました。

 

☆ちゃんがそのおもちゃをいじっている間、お母さんは何と声をかけたらいいのか

わからず戸惑っているようでした。

そして、おもちゃを手に自分の世界に浸っている☆ちゃんを前にして、

「こんな時は、どんな言葉をかけたらいいんでしょう?」

とたずねられました。

 

 


幼児がよく考えるようになるステップ <見る><見た後で><聞く><聞いた後で> <感じる>

2013-11-21 07:40:00 | 幼児教育の基本
「うちの子あまり考えません~」と親御さんが嘆く子に会ってみると、

考えるために必要ないくつかのことが身についていないのがわかります。

上手に「考える」ことができるようになるには、
その前にできるようになっておくといいステップがあります。

ひとつは、上手に「見る」ことです。

よく見る
ていねいに見る
よく似ているものを思い浮かべたり、違いを考えながら見る
見て不思議に気づく
見て好奇心が刺激され、調べたいと思う
動きのあるものを見る
考えながら見る
人の表情をよく見る 目を見る

というように「見る」ことを極めていけば、必ず「よく考える」ことにつながっていきます。

1歳代の子とお散歩に行くと、歩く先々で「じっくり見る」と面白いものにぶつかります。
小学校の校庭をのぞくのも好きですし、水たまり、花のおしべめしべ、
ポストの投入口の中、ありの行列、はとたちの日向ぼっこ、
日光が当たっている部分と影になっているところ、
お風呂屋さんのえんとつなどなど……きりがありません。
幼い子ほど、そうしたものに感動し、よりていねいにじっくり見ようとします。
葉っぱに毛虫がいれば、何度でも何度でも見たがります。

合理的に効率的に目的地に直行!
ではなく、歩いて、子どものペースでさまざまなものを見て、
見たときの思いや発見を話し合って共感しあうことが、
「見る」能力を高めて、
「考える」力のベースになります。

幼児にしても、小学生にしても、「よく考えない」ということの裏に、
「よく見ていない」ということがあります。
算数の問題も、国語の問題も
「よく見る」だけで解けるものは多いのです。

でもいったん「見ない」癖がついてしまった子には、
どうすればいいのでしょう?

子どもがぼんやりしているように見えるとき、「ぼんやりしている」と思うのでなくて、「何を見ているのかな?」と視線の先を見ると、
何かに気を取られていることがよくあります。
そうした子どもが見ているものについて、いっしょにおしゃべりして
楽しむようにすると、見方が変わってきます。
また、「よく見ない」子には、忙しく動き回るという子もいます。
外で、子どもが発見したものを報告してもらって「すごいね~!どこどこ?」と感動していると、
さらに面白いものを見つけようとするはずですよ。
 
幼児はいろいろなものを「見る」のが好きですね。

「見る」にもいろんな技術があります。
理解力や思考力、発想力が高い子というのは、この見る技術に長けた子が多いです。
親子で楽しめる「見る」技術をいくつか紹介しますね。

見ているものを言葉で表現する

クワガタとか、恐竜とか、新しい靴とか、アニメのキャラクターとか、子どもの今のお気に入りをよく見て、それについて話をすると、子どもはいくらでも話したがりますよね。
「ここはとがっているね。のこぎりみたい。黒くてつるつるして、ランドセルみたいな色ね。手に乗せたらちくちくするのは、どうしてかな?」

子どもの好きなものを見ながら話をするとき、
色や感触、何に似ているか、どう感じたかなど、
大人も本気でよ~く観察して、言葉にしようとつとめると、
子どもの感性や表現力が変化してきます。
色にしても、「うすい茶色、空のような透き通った水色、濃い赤、光っている黄色」など、観察するほど、表現が工夫できますよね。
教えるよりも、いっしょに楽しむことが大事です。

文章の表現力がつくだけでなく、IQの問題や小学校受験問題などを解く力もアップします。

見たときのヒラメキを言葉にする

子どもは、何か見ているとき、
「そうだ!いいこと考えた!」と思いつくことがありますよね。
例えば、
「冷たいコップをほっぺたにあてたら、ほっぺが冷たくなるんだよ~すごいでしょ~」といった大発見を報告してくれます。
そんなとき、すごいね~と関心をしめしたり、
大人もちょくちょくこうした発見やアイデアを口にしていると、
発想やアイデアが言葉にしやすくなって、何か作るときや問題を解くとき
良いアイデアが浮かびやすくなります。

ある時間をおいて見る

「家の前の水たまり、~~くらい大きいね」と会話して、次の日どうなったか見る。
お月さまの位置を話題にして、何時間かしてから見る

水たまりに葉っぱ落として変化を見る など。

推理する力や理由について考える力などが刺激されます。

鏡 虫眼鏡

鏡を通して見る
虫眼鏡で見る

観察の仕方を工夫すると、考えることが楽しくなってきます。

見たものを遊びで再現する

美容室に行った後で、美容師さんになりきってお仕事する
宅配便のお兄さんのまね、
駅員さんのまねなど、経験したもの見たものを再現して遊ぶと、
記憶力や観察力が高まってきます。

見たものを工作やブロックで作る

働く車を見たあとで、働く車をブロックや工作で作ってみる
といったことをすると、
工夫したり、考えたりすることが楽しくなってきます。

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「見る」ことが上手になれば、画数の多い漢字を覚えるのも
易しくなりますね。
親子で楽しく「見る」技術を身につけると、
いつでもどこでも、しっかり考えることができるようになりますよ。


写真は10個の小豆入りボトルを数え中の男の子。
 
 



上手に「考える」ことができるようになるには、
その前にできるようになっておくといいステップのふたつめは

上手に「聞く」ことです。

2,3歳の子にはじめて会うと、
耳の機能には何も問題がないのに、
まるでまったく耳が聞こえていないように見える
時がある子がけっこういます。

お母さんや私が呼びかけても、振り向いたり音のほうに顔を向けたりしないで、
好きなことをしています。
また、何かをひっくり返したりして、ガラガラ大きな音がしても、
その方をちらりと見ることもないのです。

幼い子は同時に2つのことをするのが苦手ですから、
何かに夢中になると、耳がお留守……となりがちなのですが、
わざと聞こえていても無視しているように見える子の場合、
大人の対応や生活環境に気をつけると、直ってくることがほとんどです。

「聞く」力の良し悪しは、自分の心の中で考えた言葉を「聞く」力とも
関係がありますから、「考える」力に大きな影響を及ぼします。
もし「見える」ものだけで反射のように答えを出すばかりだと、
少しも考えが深まりませんよね。

人の話も周囲の音も自分の心の声も、しっかり集中して「聞ける」技術
を身につければ、じっくり考える力が育ってきます。

それでは、どうしたら「聞く」のが上手になるでしょう?

一番良い方法は、お母さんが不必要なことをしゃべりすぎないことです。
「語りかけ育児」という言葉があるくらいですから、
シャワーのように子どもに言葉をかけたらいいんじゃないの?
と思うかも知れません。
確かに、語りかけるコツをきちんと押さえて、子どもの興味と聞きたい思いを
引き出しながら、語りかけていくのなら、とてもすばらしいのです。
でもだいたいの場合、
お母さんが子どもに声をかけるほど、子どもは音への反応を鈍化させて、

全部聞いていたらきりがない上、きちんと聞いてもどうでもいいことばかりだからBGMのように聞き流す

という習慣をつけています。
そうした場合、声かけというのは、「遊んできたら?それか~し~てっていって。何がしたい?よかったね。ほら、あれで遊んでおいで。これで遊ぶ?」といったものです。
それも、子どもが新しいものを目にして、真剣に頭を使おうとしているとき、
お家よりもお外で遊ぶ際や、お友だちを前にした際、
大人がしゃべりすぎてしまうと問題が大きい気がします。


2、3歳の子なら、「何をしようかな?」「あれ面白そうだな」
「触ってみようかな」「あれで遊ぼ」と、自分の頭で考えて決めることを
すべて、お母さんが横から
ロボットのリモコンスイッチを押して操作するように
言葉で指示を出しているのです。
もちろん、幼児の方は、そうしたことは自分で決めるべきと
わかっていますから、自分で自由に遊び出すのですが、
お母さんがたくさん指示を出す場合、
大人の声にはいっさい耳をかさないことが習慣になっている子も多いです。
そこでさらにたくさん声をかけ、さらに無視するという
悪循環に陥っています。

軽度発達障害があって、呼びかけると聞こえていないようだったかと思うと、小さな音にも敏感……という子もいるのですが、
ほとんどの場合は、自分に向けられる音が多すぎて、全てに反応していられないから、
自分に呼びかけられる声に鈍感になっているという障害とは無関係の
もののように見えます。

また赤ちゃんの時期から、そうした「こうしたら?」「ああしたら?」と背後から子どもの気もちを代弁する声かけは多いけれど、

あやして笑わせたり、手遊びしたりして、
子どもの顔を見て反応を引き出しながら、きちっと声をかけることは
少なかったという場合、

「聞く」ことが、とても苦手な子になりやすいように感じます。
 
「聞く」にもいろんな技術があります。記憶力が良く、語彙が多く、
園や学校生活をいきいきと楽しんでいる子というのは、この聞く力が発達した子が多いです。

「語りかけ育児」や、アウトプットを求めずにシャワーのように子どもに
言葉をかけましょう~

と最初に発言した方は、
おそらく、子どもと大人の間に自然なコミュニケーションの形があることを前提として、そうした方法を紹介したのだと思います。

絵本の読み聞かせにしてもそうです。

まだ言葉がしゃべれない赤ちゃんであっても、
非言語の状態で、大人と子どもの間に、身振りや表情や目の動きや、
なん語によって、
「思い」がいったりきたりする関係があって、それを補うように
「語りかけ」や「読み聞かせ」があるのなら、
それは子どもにとって貴重な体験となるはずなのです。

が、この「語りかけ」や「読み聞かせ」が、子どもの「聞く」力を鈍らせ、
大人に素直に心を開かない状態を作ることもあるのに注意していただきたいのです。

どういう声かけがよくないか……というと、
日本人がテレビ画面に向かって、「あほやな~こうしたらいいのに、ぶつくさ~」と独り言を言うことよくありますよね。
テレビから返事があるとは思ってないので、
自分が見たまま、そこで感じたことを外に吐き出してそのまま~という言葉です。

また、テレビゲームをしていて、
「もっと右右!」「だめだめ、そうじゃなくて、あっちに行かなきゃ。はやく取りに行って!」とゲーム画面の主人公に向かって、
声に出さないとしても、独り言を言い続けるときがありますよね。
これも、テレビから返事があるとは思っていないので、
言いっぱなしです。

カセットテープに絵本を音読して録音するとき、
ひたすら読むことに集中しますよね。
これもカセットテープが何を考えてるかなんて考えず、
言いっぱなしです。

この機械に向かって「言いっぱなし」の習慣が、
そのまま乳幼児に向けての言葉かけでも使われているケースを
多々見かけます。

そうした機械に対するような言葉かけは、どこで集中して、どこで受け答えすればよいのかコツがつかみにくい上、

子どもの内面から伝えたい、しゃべりたい、会話のキャッチボールがしたいという気持ちを
引き出しにくいです。

「伝えたい、しゃべりたい、会話のキャッチボールをしたい」という気持ちを育てるには、
大人の側に、子どもの言葉を聞きたいという姿勢があって、
子どもの言葉に共感する言葉と、
それを膨らまして子どもの気持ちを引き立てる言葉を返すことが
大事だからです。

つまり、「語りかけ」が上手になるということは、

まず大人が「聞く」のが上手で、
「うなずく」のが上手で、
子どもの言葉をうまく膨らますという点で「語りかける会話が豊富」という
意味だからです。

そんな風に大人が上手に「聞く」姿勢をしるしていれば、
子どもは自然に、どうやって人の話を
聞けば良いのかマスターします。
「聞く」といった簡単な動作でも、やはりお手本がないと難しいからです。
 
 
幼児が「よく考える」ようになるために大事な3つめのことは、
「感じる」です。
特に自分の気持ちを感じて味わうという意味の「感じる」が大切だと思います。

「感じる」って、考えることと関係がなさそうですが、
幼児期に情緒的なものが十分発達しないと、
小学生になって、
ちゃんとがんばる気持ちの軸になるものがなくて、
「だるい~」「なんで、そんなんしなきゃならないの?」「どうでもいい」「べつに~」が口癖の子になってしまうかもしれません。

「できるようになりたい」
「ほめられたい」「認められたい」
「達成したとき気持ちがいい、スカッとする」「お友だちと共感しあいたい」「自分自身に満足」「もっとお話を読みたい」「あんな風になりたい」
といった前向きな気持ちは、

幼児期に、はずかしい、悲しい、うれしい、くやしい、さみしい、
といった気持ちをたくさん経験して、
大人に共感してもらったり、ゆっくり気持ちと向き合うのにつきあってもらって、自分の気持ちに通じていく先に生じてくる思いです。

幼児期に、悲しくても、寂しくても、「早く早く」「今忙しいから」「まだ泣いてるの?」「もうお姉ちゃんでしょ」と、感情を無視するように
教えられていると、
自分の基本の気持ちがだんだんわからなくなってきますよね。

そうすると、「どうして、人に優しくしなくちゃいけないのかわからない」
「どうして勉強しなくちゃいけないのかわからない~」
と、気持ちに関わることには、どれにも疎くなってしまうのも
仕方ありません。

子どもと接するとき、「教えたい」ことで接するのでなく、
気持ちを通いあわせることを一番にすることが、
「考える」ことを得意にする近道です。

ふしぎなだ、うれしいな、わくわくするな、悔しいな!できたらいいのにな、
いいな~うらやましいな、気持ちいいな、楽しいな

そうした気持ちが引き金になって、「知りたい」「学びたい」「考えたい」
という意欲が生まれるからです。

気持ちに気づけないのに、
知識だけインプットされても、
無気力や燃え尽きにつながる過剰ながんばりを生むだけですよね。

幼児期は、気持ちいいな、面白いな、不思議だな~といった「感じる」を
育むように心がけると、
自然と学ぶ意欲が高くて、
よく考える子に育っていくと思いますよ。

機能不全家族について  もう少し 14

2013-11-20 20:45:43 | 番外(自分 家族 幼少期のことなど)

前回、熊本の親子のお泊まり会で、

「わたしは親から愛されたり構ってもらったりしたことがないため

子どもにどう向き合っていいのかわからずにきました。

先生がブログで書いておられるような機能不全に陥っている家庭に育ったので、

特に、3歳や4歳の頃は、子どもの相手をするのが苦痛でしょうがなかったのです。

年長のうちの子の遊びが幼く考えることが苦手なのは、それが原因でしょうか。」

という相談をいただいた話を書きました。

 

熊本に向かう直前まで、「機能不全家族について もう少し」という記事を書いていて、

現在、苦しい状態に身を置いている方から、

「どうしたらそこから抜け出せるのか」

「断ち切るヒントを」という声をいただく度に、

役に立つかどうかはわからないけれど、わたしなりのひとつの答えを出しておかなくては

と考え続けていたところでした。

 

そんな最中に、熊本でも同様の悩みの中にある方々に会って、

それまで自分の中でぐるぐると巡らせていた思いを伝えることになりました。

遠回りになるとはいえ、こんな教室の話題から話しはじめました。

 

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こうした話題は、お互いにタブーでもあって、よほどのことがないと

切り出しにくいものです。

「発達障害の診断を受けて……」と教室に連れてこられる子にしても、しばらく付き合ううちに、

どうもこの子の行動の問題は、生まれつきのハンディーキャップによるものというより、

家族の関係による部分が大きいのではないか、

と感じる時があるのです。

 

子どもが自分のしたいことや自分自身のことより、大人の一挙一動に気を取られてばかりいたり、

褒めると、「わたしは悪い子だから」とつぶやくことが多かったり、

家族の中でのひとつの役割とか、決まった性格のようなものを担わされているようだったり、

母子の間のやりとりにしっくりこないことがよくあったり、

発達上の問題がお母さんの目に、誇張されて映っているようであったり、

お母さんが子どもの言動に白黒つけすぎていたり、お母さんがやたら原因を追及するのを急いだり、

即座に結論づけようとしたりする姿が気にかかる場合です。

 

問題の根っこは、子どもの個人的なハンディーうんぬんではなさそうだと

感じてはいても、

そこまで踏み込んで話せることはまれで、

たいていは、表面的な課題を解決することに終始してしまいがちです。

 

でも、こうした「機能不全家族」という言葉を取り上げて文章を書いたことで、

そのように表面的な解決に努めるだけでは行き詰っていた方に、

「実は、これこれこんな点が気にかかっていて……失礼なのですが、

お母さん自身がこれまでの育ちの中で、家族関係の問題を抱えていたということはありませんか?」

という質問をぶつけたことがありました。

 

すると、「家族の問題が深刻で、高校生の頃からひとり暮らしをしていて、

受験も就職も孤独と苦しさを抱えながら全てひとりで乗り越えてきました……」といった

答えが返ってきました。(プライベートな事情を少しだけ書かせていただくお許しを得ました)

どんな厳しい状況にあっても、弱音を吐かずに、

真面目に一生懸命努力してこられたことが伝わってきました。

ただ、そうした自分に対して、いたわったり、よくがんばってきたというねぎらいの気持ちは

抱いていないようでした。

むしろ、そうした辛い時期によって自己肯定感が奪われて、

自分自身や自分の生き方に自信を持てず、

子育てにも迷いが多いようでした。

 

 

 

 

 


自閉っ子が喜ぶ 理科工作

2013-11-19 13:40:13 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

自閉っ子たちと工作をする時は、理科の世界に親しむことができるような

物作りを心がけるようにしています。

たいていの自閉傾向のある子たちは、空調機やリモコン、電気コード、パソコンのキーボード、

カセットテープ、ラジオ、携帯電話、電気のスイッチに関心を示しますし、

皮膚感覚の過敏さがある一方で、スライムやゼリー状の物質に触れたり、

科学反応が起こる様子を眺めるのをとても喜びます。

 

理科工作は、科学的な力を利用して

動きを生み出すので、

手先が不器用でも、簡単に作れるものがたくさんあります。

てこ、空気、風、磁石、電池、モーター、鏡、光、音、静電気、ゴムなどの

働きを使って工作をします。

また100円ショップなどで、ライトや電池で動く簡単な機械類などを購入して

工作の一部に加えるのも楽しいです。

 

また、理科工作とは少し異なりますが、

自閉っ子たちが好きな、電気器具を作るのも

楽しいです。

 

理科工作に親しむことで、教科学習への興味を育むこともできます。

 

写真は、自閉症の3歳の★くんと作った

電気コードです。

トイレットペーパーの芯にストローとひもを貼って

コードのできあがり。

ティッシュペーパーの空き箱に

コードをさすための穴を開けたらできあがり。

いっしょにレッスンしている自閉っ子の年少さんの●くんも

同じ電気コードとコンセントの穴を作りました。

●くんは、100円ショップの自転車用のライトを中に取り付けて、

コードをさして、ライトを点滅させるようにしました。

●くんがとても気に入っていた

円形のトレイの上でビー玉を回して行く遊び。

●くんは、よく似た物の非常に微細な違いにこだわる子です。

この日も、他のさまざまな玉を使って、トレイの上を回転させる遊びを

長い間続けた後で、ぶつぶつがついている丸いビーズが一番面白いと言っていました。

 

見たところ、これは工作といえないかもしれませんが、

少し加工することで、車のレース場やビー玉ゲームなど

の作品作りにつながりやすいです。

●くんが、持参してきたお菓子の袋で

空気の力で物を飛ばす道具を作ってあげると喜んでいました。

★くんは綿を紙コップに詰めて

食べ物作りをした後で、●くんが始めた列車に雪が積もっているという

設定の遊びに参入しました。

★くんは、教室に来るたびにティッシュ箱でエレベーターを作って

天井まで引き上げる遊びをしたがります。

その遊びの後で、紙コップを投げ始めたので、

天井から写真のようなプラスチックの容器をつらして

玉入れ遊び風の

紙コップ投げができるようにしました。

 

★くんが、お弁当箱のふたの波模様に指をはわせて

音を出して遊んでいたので、楽器作りをしました。

楽器作りは他にもさまざまな理科工作があります。

これも毎回やりたがる天井からスズをつけたひもをつらしてやる

お宮参り遊びです。

ひもを揺らしてから、お賽銭を入れて、手を合わせて遊びます。

「バターを作る」という★くん。

綿をティッシュでつつんで、上から黄色いフエルトを乗せました。


子どもたちが夢中になるユーモアとは?

2013-11-18 22:16:33 | 幼児教育の基本

子どもたちが夢中になるユーモア、

特別に子どもを魅了するユーモア、子どもたちの心で共鳴しあうユーモアというものがあるな、と感じています。

 

わたしはこの独特の子どもの感性に響くユーモアの力を借りて

子ども間の衝突を収めたり、緊張を緩めたり、学習に興味を抱かせたり、

遊びの世界を深めたり、いきいきとした楽しい雰囲気を作るようにしています。

 

同じユーモアでも、テレビでお笑い芸人たちが披露するような

ユーモアでも、子どもたちはゲラゲラと大笑いするでしょうが、

そうしたユーモアは、子どもたちのテンションを上げるばかりで、学ぶ意欲を奪うし、

集中できなくなったり、いじわるな友だちをからかうような態度を身につけさせることに

つながりがちです。

 

本当に子どもの心に届くユーモアは、そうした大人たちの笑いを作るためのものとは

一線を画するものだな、と思っています。

激しくぶつかりあっていた子どもたちが、思わず笑い出して

仲直りしたり、

ぼんやりして学習に集中しなかった子が身を乗り出して聞き入ったりする

「面白さ」というのは、

どれもわたしが子どもの頃触れた物語の世界から拝借してきたものです。

 

それは『不思議な国のアリス』

の世界にあるような数学や算数の世界を感じさせる言葉遊びや

アイザック・シンガーの書くユダヤの昔話「ヘルム」の村でやりとりされる会話や

アーノルド・ローベルの作り出す愛すべきキャラクターたちのつぶやきや真剣な思考の過程、

『くまのプーさん』の世界にあるブラックユーモアなどです。

教室でレッスンをする時や子どもたちと過ごす時は、それらを今の場面に合わせて、

構造はそのままで、上に乗せる言葉だけ変えて使っているのです。

 

そうしたユーモアは、子どもたちの目をたちまち輝かせて、笑いをはじけさせますが、

大人の方々は、それが面白いことだと気づきもしないことが

ほとんどです。

このブログでも、そうしたユーモアを交えた子どもとのやり取りを

記事中に残していますが、

それが何かのパロディーだと思って読んでいた方はあまりいらっしゃらないのでは

ないでしょうか。

またの機会に、具体的な会話場面とそこに含まれるユーモアが

どんな物語の中にあったものなのか、書きますね。

 

 

 

 


機能不全家族について  もう少し 13

2013-11-18 13:06:58 | 日々思うこと 雑感

 

  

この記事の続きにすると、前置きが長くなりますが……まず、熊本の話題から。

 

熊本での一日目は、年中さん、年長さんのお子さんをお持ちの親御さんたちといっしょに

宿泊施設として再利用されている旧校舎で、工作したり、実験したり、算数を学んだりして過ごしました。

工作も実験も算数も熊本っ子たち(他県の子も参加していましたが)に大盛況で、

「もっともっと、やりたい!」という声がうれしかったです。

 

子どもたちが寝た後は、お母さんたちとの雑談タイム。

日中の活動を通してそれぞれの子どもたちの様子から気づいたことをお話したり、

子育ての相談に乗ったりするうちに、夜中の2時を回っていました。

 

特に、親御さんたちが関心を示しておられたのは、

2~3歳という自己中心的な要求の時期に続く

3~4歳にあたる子たちが、

いかに親を必要としているかという話題でした。

 

山梨大学の加藤繁美先生によると、

3~4歳とは、子どもの中に形成された「自我」

(「こうしたい、ああしたい」という要求の世界)

と、「第二の自我」

(社会的存在として自分がどう行動すべきか、知性として認識される

規範的自我、理想的自我)とが、

激しく葛藤する時期。

 

生活の中で起きるトラブルにていねいにつきあいながら、

葛藤する自我がそこから抜け出し、答えを見つけられるように見守ることで、

子どもたちはこの難所を越えていけるのですよね。

 

3、4歳児の心は、

ごっこ遊びの世界に浸ったり、絵本や紙芝居に感情移入したり、

秘密を共有したり、冒険を出かけたり、頭の中で創りだした虚構の世界で

互いに響きあったりしながら、次の段階へと成長していきます。

 

しかし、実際の3、4歳児さんたちは、

家でも集団生活の場でも

トラブルを大人の指示のもとでもみ消されてしまうか、叱られてお終いとなるか、

トラブルさえ起こらないような環境に置かれているのではないでしょうか。

 

大人の安易な対応で、

この時期の子が、自分を律し、自己統制力が育っていくための体験の

ほとんどが奪われているのです。

 

また、かつてのように兄弟姉妹、近所のお兄ちゃんお姉ちゃんといっしょに作っていくような

遊びの世界の豊かさがない現在、

3、4歳の子が自分の要求や好奇心に従って

共感的な世界を拡大していくには、大人の心や言葉や子どもの言動に対するフィードバックが

とても大切になってくる……

そんな話をしたところ、それに対してお母さん方からさまざまな意見や感想、疑問が飛び交いました。

 

たいていの親御さんが、子どもが3歳を過ぎる頃に、「早くひとり遊びをするようになってほしい」

「早く友だちと上手に遊べるようになってほしい」「早く自立してほしい」「賢くなってほしい」

「子どもとふたりで過ごすのが辛い」という

思いに駆り立てられて、親である自分がどのように子どもと関わって行くかという部分を

軽んじてしまうようです。

3、4歳という時期に大人と感情を共有しながら

自分の世界を大きく広げていくことができる子は、とても少ないのかもしれません。

 

子どもにとって必ず通らなくてはならないステップを踏まずに先に進むと、

5、6歳になって本格的に友だち同士で遊ぶ時期になっても、

遊びがワンパターンになりがちで、

考え方にも社会性にも幼さが目立ちやすいです。

 

そんな話題で盛り上がっていた時、

「わたしは親から愛されたり構ってもらったりしたことがないため

子どもにどう向き合っていいのかわからずにきました。

先生がブログで書いておられるような機能不全に陥っている家庭に育ったので、

特に、3歳や4歳の頃は、子どもの相手をするのが苦痛でしょうがなかったのです。

年長のうちの子の遊びが幼く考えることが苦手なのは、それが原因でしょうか。」と

おっしゃる方がおられました。

すると、別の年中さんのお母さんも同様の悩みを口にされました。

  次回に続きます。

 


明日から3日間、熊本の遊びのアトリエさんのところにお邪魔させていただきます♪

2013-11-14 19:28:31 | 日々思うこと 雑感

明日から3日間、熊本の遊びのアトリエさんのところにお邪魔させていただきます。

あちらで、5つの園の園長先生、主任の方々に

「子どもの困り感を知ることと、支える技術について」というテーマで

お話することになっていて、少し緊張しています。


先日、娘と息子といっしょに外で食事を取った際、

「うちのような小さな教室と幼稚園では、ずいぶん勝手がちがうから役に立つ話ができるかはわからないけど、

小さい空間で少人数を相手にしているからこそ気づくことと、耳に届く親の声を

うまく伝えられたらと思うのよ。

どの切り口で何から話すべきか、まだ迷っている……でも、

ほら、お母さん暴れる子やわがままが過ぎる子の相手をするのがうまいでしょ?

子ども同士のトラブルが頻発する時の具体的な対応法なんかも盛り込むといいのかもね。」

と冗談混じりに言うと、

娘が、「あー、きっと大きい幼稚園でも役立つと思うよ。あれは。

だって、わたしもいつもお母さんが子どもたちの大騒ぎの揉め事収めるの見てるから、

その方法、バイト先でマナーが悪いややこしいお客さんが来て、周囲の雰囲気が悪くなったら

使わせてもらってるのから。

かなりきくよ、トラブルメーカーは静かになるし、

ピリピリしてた店の雰囲気がなごむよ。」と言いました。

 

「えっ?お母さんは子ども相手だから、どうにでもなるけど、

大人で、しかもややこしい性格の人を黙らせるのは難しいでしょ?」と驚いて聞き返すと、

「そんなことない。大人にも十分通用するよ」と娘。

 

「で、お母さんがしてるっていうどんな方法を使ってるの?」と半信半疑でたずねると、

こんな答えが返ってきました。

「お店に出入り禁止になるような困った人がいても、直接、個人攻撃をすると

言われた人もイライラするだろうし、場の雰囲気もまずくなるでしょ。

だから、ユーモアを交えながら、全体に注意が行き渡るような伝え方をするの。

ほら、お母さんがいつもやってるでしょ。気まずい場には、ユーモアは絶対いるよ。

そうやってそこにいる全員がでルールを共有しなおして、明るい感じで、ルールに納得すると、

しつこく困ったことする人もそれ以上は調子に乗れなくなるのよ」

 

それは、わたしの方法……というより娘の話術かもしれませんが……。

 

ブログは11月8日~10日までお休みさせていただきます。

 

 

 

 

 

 

 


ブロック講座 の まとめ

2013-11-14 19:11:38 | 初めてお越しの方

ブロック講座のまとめ記事をお探しの方がいらっしゃったので、再度アップします。

秋に未就園児と親御さん、冬に幼稚園児と小学生のブロック講座を開きました。

2日ほど記録できなかった回があったのは残念ですが、(それぞれの子への対応に他の回より時間をかけなくてはならなかった日で、

写真撮影をしている余裕がなかった日です)

記録としてもかなりの分量になりました。

 

特に幼稚園児と小学生の部は、子どもたちそれぞれの個性や思いが

伝わってくるような作品群です。

写真を眺めているだけでひとりひとりの作っている時のいきいきした表情が浮かんできます。

 

ブロック講座期間の夕食時に、息子とこんな会話を交わしました。

(その日子どもたちが作ったブロック作品はそのまま教室内に残しておいて、後から

うちの子どもたちに披露することがたびたびありました。)

 

息子 「お母さんのしているブロック講座は、どの子もゼロから作ってるところがいいよな。それから1時間で完成しているってところも。

一番いいところは、その作業が、自分ってこういうやつなんだ、こういう子なんだって具合に、

アイデンティティーを確認する体験にもなってるってことだろうけど。」

 

母 「そう、アイデンティティー……。これまでそういう風に考えたことなかったけど、確かにそうね。

自分のアイデンティティーと出会える時間、そうした時間が作りたいし、実際、そうなっているわ、たいていね。」

 

息子 「子どもの個性を育てるとか、才能を育てるとか、魅力的に聞こえる趣旨の習い事や教育プロジェクトは

あちこちでやっているんだろうけど、結局は大人がウンチクなり技能なりを先に教えておいて、

一時的にてきているように見えているものを

褒めるっていう茶番が多いじゃん。

そういうのは、子どもの側からすると、

持ち上げられるだけ、どこかで冷めた感情を抱えがちだと思うよ。大人にいいように騙されているような。

 

そういうんじゃなくて、どの子にもその子の持っているものってのがあるからさ。

人に見せて、ここんところが自信で、これが自分ってところが

どの段階でもあるはずでさ。

自分が何級でどのレベルで、他の子と競っているレール上の

どの位置にいるのかを確認していくような活動だと、自分のアイデンティティーを垣間見るような

瞬間はないと思うよ。

何を持っていいとするかそのものを自分で創造していくような……他の子の作品を見て、こんなこと考えてるのかすごいな~

と思いつきそのものに感動するとか、色の組み合わせとか、作品のとがったところとかユーモアとか、

そうした一部分だけで価値をお互いに感じあえる場ってのは、

ありそうでなかなかないからさ。

そういう意味で、お母さんのやってる講座は面白いよ」

 

母 「そう?そう言ってもらえると、うれしいわ。毎回、わたし自身が感動しているから。

作品にってこともあるけど、その子にってことかな?

ひとりひとりの個性は面白いからね。子どもに自由に題材を選ばせたら、大人はエンターテイメント性の高いもの

ばかり選ぶように思うかもしれないけど、実際は寺好きの子やら博物館好きの子、地味な題材に凝りまくる子から、

どこまでも豪華さを追い求めていく子までいて、何を選ぶか自体が個性で、『その子』を表現しているのよね。

ただただ思うままにそれをアウトプットしていく時間って、☆(息子)が言うように、

それぞれの子が自分のアイデンティティーと向き合っている

時間なのかもしれないわ。」

 

息子 「個性を大事にする教育って、できる限り、多様性を認めていくってことなんだろうけど、

突き詰めると、子どもを伸ばすという大義名分の上で、それぞれの子の持っているものを消したり奪ったりしない

ってことだと思うよ。

それぞれの子のそれまでの歩みとか、その時の立ち位置が、

スタート地点で子どもをふるいにかけてしまうと、どんなにきれいな言葉で飾ったって、

個性を消したり奪ったりすることにつながるよね。

たまには、習い始めて何年目とか、練習を毎日しているか、なんて違いを一掃して、

全てをリセットして、ゼロから自分を表現する時間があるのはいいと思うよ。

それも、次に引き継いで……なんてなくて、その場で完結しているような時間がさ。

どの子も自分に対して、根拠のない自信満々さを持っているだろうし、

それで周囲をびっくりさせたり、喜ばすことができる体験いるよね。

お母さんのやってる講座はそういう時間として、ちょっとうまくいってるのが不思議なくらい成功しているよ。

あまり巧緻性を要求されないブロックってのがいいのかもな。」

 

母 「そうね。普段、やる気のない構えで周囲に防御をはっている子が、

あふれるような自信満々さで何か作ってる時ほど、うれしい気持ちになる時はないわ。

特に、ブロックで爆弾作りをしている時とか、そういうことあるのよ。

お母さんが子どもの頃は、子ども同士で団地の庭に落とし穴を掘るようないたずらを仕掛ける子は

たくさんいてね、そういうのも才能のひとつ、個性の一つだったわけ。

それでつまらない日常が、ワクワクドキドキするようなものに変化するし、

そういう仕掛け人の子は、多少やんちゃでも子どもの世界では重宝がられていたし、その子も自分の価値を

そこで確認していたのよ。

大人の世界がそうした子どもの世界から奪ってしまった価値とか、価値などないものとして

扱っている価値ってたくさんあるわよ。

大人にしたら問題とか悪のように見えるけれど、それが本当の危険を防止したり、本当の悪

から守ってくれているようなものとか。

子どもの多様性をあるがままに表現させていると、世間的に良いと認められているもの

だけじゃないものの中に、その子独自のすばらしいものが潜在していることはよくあるのよ。

もちろん、悪いことを奨励していくわけじゃないけど……その子の本質が悪いわけでもなくて、

さまざまな物事は善悪、表裏一体で、見る角度によって悪や劣るものとして封じ込めていた何かが、

別の角度から見ると、その子が実現するかもしれない

魅力的な何かを予感させてくれるってことが、物作りの場ではよくあるのよ。」

 

 

 

 

 未就園児と親御さんのブロック講座 (作り方と子どもへの関わり方を親御さんに学んでいただく講座です)

 

ブロック講座 1日目  (ブロック講座、その後で)

ブロック講座 2日目  (基本を自分で発展させていく方法いろいろ)

ブロック講座 3日目 (乗り物好きくん、ピタゴラスイッチ大好きさん のブロックで動きを作りだす遊び)

ブロック講座 4日目 (ブロック遊びと性格タイプ)

ブロック講座 5日目(「ゴム」の性質に夢中になる。「高さ」で遊ぶ)

ブロック講座 6日目(ブロック遊びで考えること、想像することが好きになる 1)

               2

ブロック講座 7日目(子どもがよく考えるようになる関わり方のポイント 1)

               2

               3

ブロック講座 8日目 (子どもの興味に合わせて、基本を発展させたり、応用させたり。)

ブロック講座9日目(それぞれの子の発達段階に合わせた発展のさせ方1)

               2

ブロック講座 10日目 (それぞれの子にとって魅力を感じるレベルの難しさ 1)

 

幼稚園児、小学生 の部 (子どもたちに自分の作りたいものを作ってもらう講座です)

              

ブロック講座 11日目 (平面を組み合わせて立体を作る)

ブロック講座 11日目 午後(洞窟、牢屋、火山、ジャングル、むかでさそりロボット、すてきなお家)

 

ブロック講座 12日目 (ブロック遊びと見る力、聞く力、想像する力、考える力 1)

              2

              

ブロック講座 13日目 (忍者屋敷、クリスマスのキラキラお家、ビー玉コースター ジャングルと滝 1)

           2

ブロック講座 14日目 (将来は歴女?地理女?さんたちの作品。那智の滝と青岸渡寺の三重塔)

ブロック講座 14日目 午後(車が入る時にスライドして上がる扉がある船、ロケット、動物の森と飛行機)

ブロック講座15日目(螺旋を滑り降りるコースが作りたい!ぼくの駅、飛行機のお仕事)

ブロック講座16日目(九九を具現化した九九タワー、合体メカ、屋根のあるお家、遊園地)

ブロック講座     (ほんの一瞬の間に崩壊した九九タワー)

ブロック講座 17日目(鉄道博物館、お寺、魚釣り場)

ブロック講座 17日目午後 (リサイクルで作った豪邸、ノアの箱舟風飛行機、ドリンクバーのある駅)

ブロック講座 18日目 (ロボット大集合、戦闘機、モノレール、へび年にちなんだロボット)

ブロック講座 19日目午前、午後(からくりの基本を応用させること

ブロック講座20日目(海上のピラミッド、モン・サン・ミッシェル、水族館、ハムスターおせち?すてきなお家2種)

ブロック講座20日目午後(乗り物いっぱいの街作り、ハムスター敷き詰め大流行)

ブロック講座 21日目午前午後  (東京スカイツリー、エレベーター、宝石でできた家、動物ランド、宝石探し)

ブロック講座22日目午前 午後 (お城の縄張り図、冒険迷路、冒険ステージ、戦闘機)

ブロック講座 最終日 (ピラミッドへ続く道、いちごの宝箱、お家、誕生ケーキ、ストーンヘイジ)

 

 

 

 

 


運動会シーズンが終わった後で、教室に創造的な雰囲気が戻ってきました♪ 2

2013-11-13 22:25:03 | 工作 ワークショップ

虹色教室に来る途中、車の中から虹を見た、という話を興奮気味に報告してくれた

1年生の○ちゃん。

「虹を描きたい」と言うので、虹の絵画作りを楽しめそうな素材をいろいろ用意してあげました。

 

作り方は、下絵に両面テープを貼った上から好きな素材をつけていく方法です。

いっしょにレッスンに参加している年少さんの☆ちゃんも

○ちゃんを真似て虹の絵作り。

とてもすてきな作品ができあがりました。

年中さんの★くんの作った『だんじり』

 

ビリヤードをした後で、発泡スチロールのトレイを使って

自分用のビリヤードを作っている年長さんの●くん。