虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

2歳児さんたちがよく考える瞬間 と 算数の学び

2019-04-16 20:27:59 | 0~2歳児のレッスン ベビーの発達

2歳半のAくんと2歳10ヵ月のBくんのレッスンの様子です。

AくんもBくんも、うまくいかない場面にぶつかるたびに、少し待っていると、

自分なりにいい方法を思いついて、それを口して試してみる姿があります。

 

線路のマスキングテープを貼った細い板は、電車好きくんたちの

お気に入りのおもちゃです。

線路をどんどんつないでいった先に段差があって、これ以上つなげることがでいないという

場所に遭遇しました。「どうするのかな?」とみていると、

ゆっくりとうまくいかない状況を味わってから、線路を横につないで、

「こうやって、こっち向きにつないだらいいよ」と言って、自分の考えに大満足の様子でした。

そうして線路を曲げてつなぐことに成功したBくんは、どんどん線路をつないでいきました。

Aくんは横から、「もしもそうやってつないだら、電車が落ちちゃうよ」とか、

「こうしたらいいよ絶対に」といった流ちょうになったおしゃべりでいろいろな

コメントを入れていました。

そうして線路をひとめぐりさせた後で、「でもね、ここがひっついてない」と

線路と線路のつなぎめに隙間ができることに不満そうでした。

そこで、コンパスで線路の板の幅の半径を測って円を描き、

隙間に入れる扇形を切り取るとってあげると、興味津々で手順を

観察していました。

トンネルを作りたいBくん。

でも、どんどん高くなるばかりでなかなか横に屋根を取り付けることができません。

でも、しまいに、小さなパーツをちょっとずつ加えていく自分なりの

方法で、屋根をつけようとしていました。何度も失敗しても

屈せずにいろいろな方法で取り組んで、しまいに、ちょっと無理やりな形とはいえ、

自己流のトンネルが完成しました。

AくんもBくんも簡単なすごろく風の

ゲームで最後まで遊べるようになってきました。

Aくんはまだルールがきちんとわかっていないのですが、Bくんは

ルールの理解がずいぶん進んできました。

算数タイムに犬のぬいぐるみたちに、「2個ずつお菓子を配ってあげてね!」と

お願いしたところ、

最初は、1個ずつ配っていたBくんは、「あれ、足りないねぇ。」と1個であることを意識させると、

もうひとつ犬の前に置き、それから2,3度、試行錯誤をした後で、

「2個ずつ」の意味をきちんと理解して、1匹に2個ずつ置いていき満面の笑みでした。

Aくんは「1,2,3」と上機嫌で数えながら、配る遊びを楽しんでいました。

 

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幼い頃に見えるその子の本質

2019-03-24 19:51:38 | 0~2歳児のレッスン ベビーの発達

人の本質というのは、そうそう変わるものではなくて、

一粒の種子が人生の全てを包むような核心を成しているのに似ているという

話を目にしたことがあります。

<特に子どもというのは、小さいがゆえに経験より想像力に頼るため、

その時期に「何を作りだし、何を垣間見たのか」が、

良くも悪くも深くその人の本質を形成してしまうのです。>

としめくくられていました。

 幼児と接していると、特に3歳以下の幼い子らといっしょにすごすと、

もうすでにその子にしかない個性のきらめきがあって、

心を打たれます。

そうしたその子らしさの芽を大事に見守っていると、

最初は欠点にしか見えなかったものや、誰にも気づかれない目立たないもので

あっても、その子にしかない核となるものがどんなに面白く

魅力的に展開していくのか、毎回驚かされます。

 

写真は2歳児さんふたりのレッスンの様子です。

2歳7か月のAくんは、教室に動物園のパンフレットを持ってきて、

うれしそうに見せてくれました。

そこでいっしょに紙コップで動物園を作って遊ぶことにしました。

Aくんは元気よく紙コップを切っていました。折り上げて、名前を書くと、

動物たちの家ができました。

Aくんのはお出かけ先のパンフレットを大事にしていて、何度も見ているようです。

これまでも教室にそうしたタイプの子がいたのですが、

そうした子は現実に見聞きしたことを、図鑑や本で確かめたり、

自分でも本や新聞を作ってみたり、地図を見ながら宝さがしをしたり、

説明書を見ながら何か作ったりするのが大好きな子に成長していました。

もっと大きくなると、自分の未来を思い描いて、「外国に行きたいからその国の言葉を勉強しよう」と

自発的に勉強をしはじめたり、自分の経験を振り返って、じっくり考えて言語化しようとしたり

する姿がありました。

この日、Aくんがやりたがったのは、ちょっとお兄ちゃん向けの教具でした。

以前、年上の子らが遊ぶ姿を見て、自分もしてみたいと思っていたようです。

 

Aくんは全ての面をひとりで埋めきってとても満足そうでした。

いっしょにレッスンしていた2歳3か月のBくんは

模倣が上手で要領がいい子です。

小学生のお兄ちゃんが立方体の展開図の学習でつまずいていたので、

お母さんがアドバイスをしていたところ、Bくんがすっかり覚えてしまって

先生気取りで解説していた姿に笑いました。はさみなどの道具も

大人が使う姿を見ていて、上手に扱っていました。

そうした姿の中で、Bくんらしさというのは、

ただ真似するのではなくて、物事の大事な要の部分を

ちゃっかりつかんで真似するところだな、と感じました。

おそらく、これから先、大きくなるにつれて、Bくんにとって、「あこがれる」ということが、

とても強いモチベーションになっていくんだろうな、と感じました。

 

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1歳児さん、2歳児さんと工作を楽しむコツ

2019-03-22 22:09:07 | 0~2歳児のレッスン ベビーの発達

1歳児さんや2歳児さんと工作を楽しむコツを紹介します。

 

1歳児さんや2歳児さんと工作をする時は、

① テーマ選び

② 道具と材料の工夫

③ 子どもが「自分で作れそう」と思えるレベルのわかりやすい手本を示す

の3つが大切です。

 

テーマは、「最近、子どもが夢中になって見ていたもの。触りたがっていたもの。」

にするのがいいです。その子の個性と好みについて、日頃からよく観察して理解しておくと

関わりやすいです。

完成度の高いものより、できれば一部分だけを再現したようなものが

最適です。

 

散髪屋さんのくるくるまわるポールが気に入っていたら、

「トイレットペーパーの芯を棒などに通してくるくる回るようにするだけ」など。

 

紙箱を「連結」「連結」と言いながら、

布テープで貼っていくのも喜びます。

 

一部分だけ、本人が納得するような作りになるように手伝ってあげたら、

後はどんな塗り方をしようと、切り刻もうと

自由に作らせてあげます。

 

 

 

子どもが素材と触れ合うのを楽しめるような材料を用意します。

ねんど、小石、ビー玉、濡らした紙、シール、ストロー、輪ゴムなど。

紙コップ、トイレットペーパーの芯、ティッシュ箱は作りやすい材料です。

描く道具やはさみやテープは、扱いやすいものにします。

 

↑の写真は100円ショップで売られているつるつるした小石です。

冷たくて適度に重たいので幼い子たちがとても喜びます。

 

紙コップに穴をあける時は、鉛筆のようなもので強く押してあけるようにすると、

「力を込めて穴をあける」という行為が

自分でできることをとても喜ぶ子は多いです。

穴の中に小石やビー玉などを入れていって

楽器や下から出てくるおもちゃなどを作ります。

 

セロテープも子どもが大好きな材料です。

「何から何までテープで貼りまくりたい」という時には、思う存分、貼らせてあげます。

物を貼りつける時に、子どもの力でもはずれないような

作品を作るのにはガムテープが便利です。

 

輪ゴムを貼るだけでカスタネットのような楽器ができます。

 

 

子どもはコロコロ坂道を転がってくる小石やビー玉が大好きです。

トイレットペーパーを貼っただけのトンネルや

紙で坂を表現しただけの滑り台なども、

子どもに自分で作ったという満足感を抱かせて、「次は、おすな(砂場)つくる~」

といった意欲につながることもあります。

ヨーグルトなどのコップを空き箱に貼って、

『ポケット』といった工作も1,2歳児さんにとって

魅力的でわかりやすい作品作りです。

 

工作遊びでは、たとえ本人が作らなかったとしても、

大人が物作りをする様子を観察して、

「手本を見る」ことを学ぶのも大事です。

「かんかんかん、作って!」と、自分が作ってほしいものをイメージする力を

育むのも大事です。

物を作る時間を楽しみ、自分のお気に入りがなくなっても、

新しく作ることができることを見せていると、情緒が落ち着いてきます。

 

「自分で」できた時に自信がついてくるので、

きれいな作品作りを目指すのではなく、

たとえぐちゃぐちゃになって終わっても、本人が「できた」「自分でやった」という

満足を得るような工作の時間にします。

作ったものをビリビリぐちゃぐちゃしはじめたら、思い切りビリビリぐちゃぐちゃさせてあげて、

「どろんこね」「雨」「ビリビリさん」「ゆきだるま」など本人が知っている言葉を

かけて、見立てるのを楽しみます。

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100円ショップのイースターの卵

2019-03-05 14:29:27 | 0~2歳児のレッスン ベビーの発達

2歳児さんは手指を使った活動がたっぷりできるおもちゃが大好きです。

100円ショップで手に入れたイースターの卵に

おはじきを入れて遊んでいます。

集中して熱心に卵作り中。

できあがった卵をこんこん叩いて、上手に割る真似をしていました。

 

まだ本格的なルールで遊びのは難しいけれど、順番にピザのピースをめくって

自分のピザを作るゲームことに集中していました。

笑顔、笑顔です。

 

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後々まで影響する時期ごとの接し方 

2019-01-18 13:11:02 | 0~2歳児のレッスン ベビーの発達

 

 

 子どもの月齢や発達の時期によって、後々まで影響を及ぼすような大事な接し方があると

感じています。

3歳の子たちは、いろいろな形で自分の頭を使いはじめるものの、

常識の伴わないでたらめともいえる考え方をします。

人は、「重要そうに見えて正しいこと」は、尊重するけれど、

「無意味に見えること」「どうでもいいような思いつき」「つじつまがあわない考え」

などは、軽んじたり、適当に受け流したりしがちです。

また、3歳の子が口にすることよりも、

世間一般で良いとされていることや大人にとって価値があることを

優先することが多々あります。

 

でも、この時期は、無意味に見え、どうでもいいことばかりで、つじつまのあわない考え方をするからこそ、

まだ生まれたばかりの思考の芽として、その弱さを守ってあげなくてはならないと

実感しています。

大人が軽んじて無視すれば、子どもは自分が考えようとしていたことすら忘れて、

大人の思考の誘導に従ってしまうからです。大人が否定すれば、

ただイライラする感情だけが残って、ぐずってイヤイヤいうことに終始するかもしれません。

3歳の子たちの知恵がどのようなもので、どうやってそれを守るのか(これまでも何度も書いてきていますが)は、

次の機会に書くことにして、

今回は、4歳の子たちに大事だと思う接し方について書こうと思っています。

 

上の写真は、もうすぐ年中になる子たち、4歳になってまだ日が浅い子たちの

工作風景です。

この時期の子と接していると、模倣が新しい段階に入ったのを感じます。

それまね大人や友達の真似をしてきた経験の蓄積ゆえか、多くの子が、

相手の行動を見るだけで、それは自分にできそうか、理解できるレベルの活動かを

判断するようになるのです。

この時期に、技術面や理解の面で、その子の能力の許容量(キャパシティ)を

超えるものをたくさん目にすると、

「できない」「ママ、やって」「先生、やって」とすぐに大人を頼るように

なることがよくあるのです。

そこで、お手本を見せる時は、子どもがわかるレベルで、できそうだと感じ、

やってみたいという気持ちがそそられるように気をつけています。

 

3歳が頭を使い始める時期だとすると、4歳は頭と体の両方を使う活動を始める時期と

いっていいかもしれません。

 

 

自分で、「こういうことをやってみよう」と思ってやりはじめて、

それに考えを乗せていきます。

行動こそ似ているようでも、それまでは、絵を描きだしたら、描く作業に

気を取られてそれだけで終わるか、「こうしたい」「こうだよ」とアイデアを出す時は、

しゃべることに夢中で、大人の手助けがないと、何をしらいいのか思いつかなくなる子が

ほとんどなのです。

でも、4歳の子らは、自分の「やりたい」に何が必要なのか、どんな手順で何をしていけばいいのか

手本を見ながら読み取るようになります。

といっても、体と頭を統合させる活動をしはじめる時期ですから、

それも身近な人が気遣ってあげないと、まだそれは簡単に摘み取られてしまう

新芽の段階です。

上のしゃしんは、4歳の子がうずまきを描いて、「ぺろぺろキャンディー」を作っていた

時の写真です。切り取った「ぺろぺろキャンディー」をお家の階段の横に

貼り付けて、

「ぺろぺろキャンディーみたいだったけど、ぺろぺろキャンディーの

すべりだいみたいになった」と言っていました。

 

 

 

 

 

上の写真は1歳3ヵ月のAちゃんの写真です。

1年生のお兄ちゃんがいるので、写真のクラッシュアイスゲームを購入したところ、

お兄ちゃんとお母さんがピースをはめて氷面をセッティングして、

Aちゃんが氷面を一撃で壊すという関係が繰りかえされているそうです。

教室でお家と同じクラッシュアアイスゲームを見つけたAちゃんは、

氷のピースをお母さんとわたしに手渡しては、早く氷面を完成させるよう

催促していました。

 

1歳の子たちは、「はい、どうぞ」とお母さんや身近な大人に何かを手渡すこと

1歳ちょうどの子たちは、自分の持っていたものを相手の手に落としていくか、押し付けていくような感じですが、

1歳3ヵ月くらいになると、はいどうぞ」と手渡すと、相手がそれをどう扱うかよく知っていて、

それを期待して渡すようになります。

Aちゃんの場合、「いくつもいくつもピースを渡すうちに

お母さんが順番にそれをはめていくので、

最終的に氷の面ができがって自分がそれをたたいて遊べるな」とかなり先のことまで見通した上で

遊んでいます。

Aちゃんのように相手からフィードバックを期待して働きかけるようになる時期、

子どもが何を期待しているのか、こちらの行動から何を読み取っているのかに

思いをはせながらていねいに接していると、

その後の他者から学ぶ力に大きな影響を与えるのを感じています。

 

 

上の写真は、1歳1か月のBちゃんが

自分の靴下をくつの中に入れようとしているところです。

Bちゃんのお姉ちゃんのひとりが、いったん脱いだ靴下を、なくならないように靴の中に入れておく

習慣があるそうなのです。

それで、Bちゃんも自分の靴下を手にすると、玄関の靴に向かっていくのです。

こうした真似っこは、繰り返すうちに、次第に真似する相手の意図を読み取りつつ模倣する

という一ステップ進歩したものへ変化していきます。

 

↑えんぴつでらくがき。

 

1歳前半の子たちは、小さいものをつまんで、ひっぱるのが大好きです。

↑の写真は、Bちゃんのために作った「ひっぱるおもちゃ」で遊ぶ

Bちゃんとお母さんの姿です。

こういういたずらのような遊びは、「遊んでいるな」と、

ただ見守る場合が多いと思うのですが、大人が返すフィードバックと環境(主に情報を減らして、

子どもが違いや用途に気づくようにすることです)

をわかりやすいものにすると、

1歳児さんたちは、大人とのやり取りに興じながら、相手の考えていることに

関心を寄せ始めます。

「こっちは長い」「こっちは短い」「こっちはストローをさしておいて引き抜く。なぜなら、そういう形だから」

「こっちは指で押さえる。」といったことを、模倣しながら理解していくだけでなく、

相手の行動と理由の結びつきに敏感になっていきます。

子どもたちの育ちを観察していると、

この時期の関わり方が、3歳頃の理由への関心や問題解決能力に影響を及ぼしている

のではないかと感じています。

 

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怖いものしらずで聞き分けのない2歳児。強く叱った方がいい?

2019-01-04 09:30:23 | 0~2歳児のレッスン ベビーの発達

怖いものしらずで、聞き分けのない2歳3カ月の☆ちゃん。

 

そうした相談をママ友や祖父母にしたところ、

「まだ2歳だから言うことを聞かないのは当たり前。いちいち怒る必要はない」というアドバイスと、

「昔のように怖い人がいないから、大人の言うことを聞く気がない。

もっと大きな声で厳しく叱った方がいい」という正反対のアドバイスを受けて、

どう接したらいいのかわからなくなったそうです。

 

叱られても知らんふりするか、笑い声をあげるかして、

悪さを続ける☆ちゃんに対して、

怖がらせるほど強く叱った方がいいのか、

危ないことをしたときには体罰を加える必要もあるのか、

まだわからないのだから、抱きしめて気をそらしてやればいいのか、

迷っていたのです。

 

そんな相談をうかがいながら、

わたしは☆ちゃんと☆ちゃんのお母さんと連れだって公園に遊びにいきました。

そうしていっしょに過ごすうちに

☆ちゃんのお母さんが叱り方に悩んでいる理由がよくわかりました。

というのも☆ちゃんは、道路で車が通りかかったとたん、

突然、手を振り払って車の方に走っていこうとしたり、

他所の家の郵便受けを開けることとか、汚いゴミを触ることとか、

どうしてもやめさせなければいけないことばかりしたがる上、それにしつこく固執するところ

があったのです。

抱いて連れて行こうとすると、反り返って激しく抵抗します。

アスレチック付きの滑り台にのぼっていく際、小学生のお兄ちゃんたちが

滑り台の前のスペースでカードゲームをして遊んでいたのですが、

ひるむことなくお兄ちゃんたちの輪のなかを横断すると、滑り台に上についている鉄棒に

ぶらさがりました。

その後、滑り台をいきおいよく滑ってきて、何度もそれを繰り返しました。

言葉でだけ説明すると、

 

「2歳児はまだものがわかっていないから、そんなの当たり前」と

言えばお終いなのですが、

どうも☆ちゃんには一般的な2歳児とは微妙な点で異なる面があって

☆ちゃんのお母さんを悩ませていることがわかりました。

 

それは「危険に対する警戒心のなさ」「危険そうなものに惹かれてこだわる傾向」といったものです。

 

「危ない、ダメ!」と強い口調でストップをかけたにも関わらず、

子どもが突然走っている自転車に近づこうとしてヒヤッとする……といった出来事が重なると、

大人が大きな声で「ダメ!危ない!」と注意したら、

ストップできるようにだけはさせておかなくちゃ、

怖いものがないから言うことを聞かないから普段からこの人は怒ると怖いよっと

わからせておかなくちゃ、と思うようになる気持ちはわかります。

 

また、☆ちゃんのように、わざわざ触って欲しくないものにばかりこだわったり、

他人に迷惑をかけることをしつこくやりたがったりする場合、

「怖がらせておかなくちゃ」という気持ちがだんだんエスカレートして、

2歳児相手に一日中、怒り続ける行為にもつながりがちです。

 

☆ちゃんのようなタイプの子には

どのように接するのがいいのでしょうか?

 

☆ちゃんを見るうちに、叱ったり、怖がらせたりするより

先にするべきことがあるように感じました。

 

わたしが気になっていたのは、☆ちゃんのお母さんを求める気持ちの薄さです。

 

☆ちゃんは誰にでもすぐ甘えて人懐っこい半面、

お母さんと他の人のちがいがわかっていないようにも見えました。

そのためか、転んだり、軽いけがをするような場面で、

泣いてお母さんに甘えるのではなく、

一瞬、泣き顔になって、放心したように突っ立っていたかと思うと、

たちまちケロリとして動きだすことがたびたびありました。

痛みや不快な体験に対する鈍感さのようなものも感じました。

 

暗い部屋にひとりでスーッと入っていって遊んでいたり、

ちょっとこれは危なそうだぞ、という人や場所にも

躊躇せずに近づいたりする姿も目立ちました。

 

わたしには、☆ちゃんの問題は、厳しく叱る大人がいないため怖い物がなくて

危険なことをするというより、

人見知りをする時期の子が他人に見せる警戒心のようなものの足りなさや、

「怖い」とか「不安」といった感情に対する鈍感さにあるように感じました。

 

そこで、☆ちゃんのお母さんに、

☆ちゃんが、「お母さんじゃなきゃだめ。お母さんが一番好き」と感じるくらい

たくさんスキンシップを取って、☆ちゃんにかかわるように勧めました。

 

また、日常の小さな体験を☆ちゃんの目線でいっしょに味わいながら、

「そうっとそうっとね」とか「痛い痛い」「怖い怖い」など、

感情を言葉やジェスチャーで表すようにもしました。

身体が固くて、背中を触られても気づかないような

鈍感さが気になったので、ごろごろ転がったり、ピョンピョン飛んだりする遊ぶなど、

感覚を統合する遊びを増やすことも提案しました。

 

それから2週間後、わたしを見るとすぐにだっこするようせがんでいた

☆ちゃんが、少し固い表情でわたしを見上げました。

そして、お母さんには何度も笑いかけながら、抱きついていきました。

 

そんな風に、お母さんが一番、他所の人はちょっぴり怖い……という

人見知りに近い態度が出てくると、

気になっていた鈍感さが、目に見えて減っていました。

まるで耳が聞こえないかのように振舞うことも多かったのに、

呼ぶとパッと振り向いたり、

「それ、ちょうだい」と指さして指示すると、

ちゃんと指さしている先のおもちゃを取って渡してくれるようにもなりました。

「怖いね、怖いね」とか「どうしよう、どうしよう」など、

感情をいっしょに味わうのも上手になって、

おそるおそる覗きこんだり、怖がる真似をしてキャッキャッと笑い声をあげるように

なってきました。

 

そんな風に、いろんな感情を感じとりやすくなってくると、

危険なものに会うと、ちょっと振り向いて、

お母さんの表情をうかがうようになってきます。

そうした☆ちゃんの変化を見て、

愛着の薄さが感じられるときに、叱って怖がらせて

さらに愛着がつきにくい状態にしなくてよかったとしみじみ感じました。

 

強く叱るべきかどうか迷ったときには、

まず子どもの様子をていねいに観察してから、

接し方を決めるといいですね。

 

 

 

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2歳児さんたちの数の敏感期のおしゃべり、遊び方。

2018-11-01 09:15:54 | 0~2歳児のレッスン ベビーの発達

2歳になったばかりのAくんと2歳4か月のBくん。

言葉が爆発的に出始めたAくん。とにかくしゃべりたくてたまらない様子です。

AくんもBくんも2歳のお誕生日を迎えて、サイズと数にとても敏感になっている数の敏感期特有の遊び方が目立ちました。

道路の板の上にミニカーや電車を走らせていたので、ブロックでトンネルを作ってあげたところ、

Aくんが2度車をくぐらせてから、大きな車をくぐらせようとしました。

すると、トンネルの天井にぶつかってしまいました。

すると、Aくん。

「できるよ。こうすればいいんだね」といって、ブロックをつぎたそうとしました。

ところが天井部を高くしてしまいうまくいかない模様。

でも、サイズが合わない時に、大人がサイズを調整する姿を見てきて、自分でも真似して

調整しようとしたようです。

AくんもBくんもお兄ちゃんたちの遊ぶビ―玉転がしのおもちゃで遊びたくてたまりません。

大きな玉をレールに乗せようとして、「ちがうね。大きいね」とAくん。

よくわかっています。

レールの隙間に緑色の毛糸のボールが詰まっていました。誰かがいたずらして詰めたようです。

二人が気にするので、ピンセットを用意してあげると上手につまんで取っていました。

「ピンセット」という言葉も真似てうれしそうでした。

 

 

「指は10本」と動物の小物を指先に置く遊びが気に入っていたので、積み木を10個並べると、

熱心に動物のおもちゃをひとつずつ乗せていました。

工作では「くつやさん」と「ぼうしやさん」をしました。

足形を取って、切り抜き、細く切った紙を足のサイズに渡して、サンダルを作るのです。

これはBくんがそれは気に入っていました。

Aくんの足形も自分で取っていました。

Bくんが4ピースの猫のパズルをした後で、次に6ピースの犬のパズルをしたがりました。

それが、この犬のパズルの表面をめくってしまった子がいて、1枚だけピースの絵がなかったんです。

それで、「このパズルはもう捨てておくね。別のパズルを用意してあげるね」とBくんに言ったところ、

真剣な訴える顔でじっと私を見ていたBくんが、

「なおして!」と言いました。

「そうだったね。捨てたらいけないね。なおそうね」と謝って、ピースに足りない絵を描くことにしました。

すると、Bくんも大好きな黄色の色のマジックを持って絵を描くのを手伝いました。

そうしてできあがったパズルを完成させて大満足のBくん。

2歳児さんたちも、いろいろな自分なりの思いを抱いているんだと感じました。

 

2歳のCちゃん。犬のぬいぐるみたちの服を着せたりぬがせたり。お世話でおおいそがしです。

いっしょに犬を運ぶかごをおりがみで作りました。

せっせせっせと椅子を移動させるのが楽しくてたまらないCちゃん。

がんばったお仕事と記念撮影。

こうして自分のやりたいことをいっぱいした後は、急に難しいことにチャレンジしたくなるようです。

お姉ちゃんたち用のゲームやパズルも出して遊んでいました。

 

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2、3歳児の「へりくつ」や「意味のわからない要求」にどのように関わればいいのでしょう?つづき

2018-03-11 19:44:54 | 0~2歳児のレッスン ベビーの発達

2、3歳は子育ての要ともいえる非常に大切な時期だと言われています。

この時期の大人との関わり方いかんで、その後の成長が左右されるような

ところがあるからです。

人間関係の土台が、この時期に作られるといっても過言ではありません。

 

『人とのかかわりで「気になる」子』という保育実践の本に

次のような文章がありました。

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自我の肥大期ともいえるこの時期(2、3歳)の子どもたちは、

次に示すような矛盾する二つの顔を持ちながら大人との関係を作っていくが、

そこでどのような関係を保障されるかということが、

その後の人格形成に大きな影響を及ぼすことになる。

 

A 自己主張が強く、それが実現しないと強烈なダダコネをして抵抗する

B 保育者と気持ちが一つになるような関係ができたとき、素直に喜びを表現する

 

この場合Aの方が、子どもの内面から湧き上がる要求を出発点にするのに対して、

Bの方は、マテマテ遊びやじゃれつき遊びのように、

保育者が作る積極的な関わりを通して子どもたちが感じる、

解放された幸福感のようなものを基礎に形成されていく点を特徴としている。

ここでとりわけ重要な意味をもつのが、強烈なダダコネまでして

自己主張するこの時期の子どもたちを、彼らに寄りそおうとする大人が、

いったいどこまで受け止めることができるかという点である。

どんなにダダコネしても、そんな自分を辛抱強く受け止めてくれ、

身体が「心地よさ」を感じるまでつきあってくれる。

そんな体験を積み重ねた子どもたちが、

自分の思いを受け止められる喜び、聴き取られる喜びをベースに、

今度は相手の言葉を聴く姿勢を自分のものにしていく……。

この時期の子どもたちは、まさにこうした関係の中で自分を

ステキに育てていくのである。


『人とのかかわりで「気になる」子』現代と保育編集部・編/ひとなる書房P31〜32

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2、3歳児を育てる大人の仕事は次の3つです。

 

★ どんな自己主張も、受け止めてあげること

★ ゆったり受け止めた後で、子どもが混乱した状態から抜け出ることができるように

そっとサポートして、良い大人と子どもの関係を作っていくこと

★幸福を身体全体で感じるようなコミュニケーションを含んだ遊びを体験して、

成長した次の段階の「幸福の形」を見つけることができるように導くこと

 

もし、大人が、

「そうはいっても、子どもが自己主張するとイライラして受け止めることができない」

と言う場合、

子どもはダダコネ段階からいつまでも抜け出せずに、

「へりくつ」や「意味のわからない要求」ばかり繰り返す魔の2歳児を

卒業していくことができませんよね。

 

子どもが激しく駄々をこねるということは、それまで十分可愛がられてきて、

自分を思いきり表現しても、受け止めてもらえるという信頼感があるからでもあります。

(ただ、その姿に、「感覚過敏が原因?」や「これはパニックでは?」といった

ちょっと一般的なダダコネとは種類が違うと感じたときは、注意が必要です。)

 

自分の思いどおりにいかないことで泣きわめいてごねているのなら、

きちんと自我が成長している証拠とゆったり構えて、

まず子どもの気もちを受け止めて、でたらめなへりくつや

意味のわからない要求をたくさん言わせてあげることが大切です。

 

そうするうちに、身体が疲れるまでダダをこねつくした後には、

心の中に湧いていたムシャクシャするわけのわからないものがすっきり消えて、

「お母さん、お父さん、大好き!」という気持ちだけが残っていて、

今度はたっぷり甘えるうちことを繰り返すうちに、いつの間にか、

この難しい小さな暴君のような一時期を卒業していくはずですよ。

 

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2、3歳児の「へりくつ」や「意味のわからない要求」にどのように関わればいいのでしょう? 

2018-03-10 21:01:27 | 0~2歳児のレッスン ベビーの発達

2、3歳の子というのは、「へりくつ魔王」のような存在で、

どこからそんな理由が飛んでくるのかという理由を持ち出して、

自分に起こったできごとを説明することが多々あります。

 

うちの子の育児記録に次のような話が残っています。

娘がもうすぐ2歳という時期のこと。

実家に寄っていた妹に、その時まだ赤ちゃんのまこちゃんといっしょに

スーパーに買い物に連れて行ってもらいました。

帰宅した妹は、「おねぇちゃん、またよ~もう★(娘)は……」と

やれやれとため息まじりにスーパーのお菓子売り場の前でひっくり返って

駄々をこねていた娘の様子を説明しました。

私が娘にそのことを問うと、こんな返事が返ってきました。

「ちあうの。まこちゃんね、おかちほしいな~ほしいな~言ったのよ。

ちょうだいして、ほしいなほしいなして悪い子だったのよ。」と。

「★はどうしてたの?」とさらにたずねると、

「あのね、んなちゃん(自分のこと)、まこちゃんめんめんよって言ったの」

とのこと……。

付け加えておきますが、

当時、まこちゃんは「んまんま……」くらいしかしゃべれませんでした。

こんな風に、幼い子に何かたずねると、

「トンデモ発言」や「ありえないへりくつ」が飛び出してきて、

親が数十年間築いてきた常識的な世界観がグラグラとゆすぶられることが

しょっちゅう起こります。

保育現場で働いている方々は、こうした意味不明のへりくつに日々向き合っているようで、

保育の実践報告を読むと、思わず笑ってしまうシーンが多々あります。

 

『人とのかかわりで「気になる」子』という保育者向けの本の中にこんな話が

載っていました。

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二歳から三歳くらいの子というのはすごくおもしろいへりくつをつきます。

わーわー泣いているときに、どうしたの、と聞くと、

「○○ちゃんのはながたれていたからいやだ」とか、

「くつしたがぐちゃぐちゃになっているから」と言ったりします。

そんな他人のことなんかでどうして、それとあなたが泣いていることとどんな関係が

あるの、と思ったりしますが……。

でも、「あー、それがいやだったのかー」なんて受けたりします。

そうするとはながたれてるなんて言われた子は余計腹立てて怒ったりしてね。

そんなことが日々の生活のなかにいっぱいあります。

子どもたちは、そんな「へりくつ」をいっぱい出して、それにすがりながら、

立ち直りをつくっていくのだと思います。

  『人とのかかわりで「気になる」子』(現代と保育編集部/ひとなる書房)P81

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「へりくつ」をいっぱい出して、それにすがりながら、

立ち直りをつくっていく二、三歳の子。

でも、もし、大人がそのへりくつの間違いを正して、子どもにわかるように説明して、

妙に大人っぽい物分かりのよい子に育ててしまうとどうなるのでしょう?

2歳や3歳の時期から、言葉で言えばわかるわがままやだだこねの少ない子にして

しまうとどうなるのでしょう?

最近の子育てでは、できるだけ早く大人の望むように仕立てあげてしまうことが

他人に迷惑をかけない、しつけの行き届いたいい子を育てているかのように

捉えられているところがあります。

もちろん、0、1歳から愛情を込めた年齢にそったしつけは必要なのです。

好き勝手させて放任していていいわけではありません。

でも、子どもがおりこうさんで大人の言うことを聞いてしまうからという理由で

わがままやだだこねを十分せずにこの時期を過ごしてしまうと、

子どものなかに自己をコントロールする力がきちんと育っていかなくなることが

保育の場で指摘されています。

 

前述の『人とのかかわりで「気になる」子』に次のように書かれています。

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子どものなかに自己をコントロールする力を育てていくということを考えると、

何かあったとき、おとなが「だめ、だめ」といいながら、つけていくようにするのか、

子ども自身のへりくつの固まりのような良い分を受け止めながら、

そっと方向性だけを示してあげるのか、

その対し方のいかんが保育者としてためされるのではないでしょうか。

(略)

そのへりくつを押さえ込んでいったら、子どもたちは何も言わなくなってしまいます。

ただ泣くだけ、暴れるだけになってしまうのではないでしょうか。

ただそれが、年長さんくらいになってくると、自分が今なんで暴れているのかと

おとなの方で理解しないと満足しなくなります。

ただ、だっこしたりおんぶしたりだけではダメだと思います。

悪いことは悪い。

「あなたのしたことは悪いと思うよ。でもそうしたかった気持ちはわかるよ」

という説明があってはじめて、落ち着く。

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家庭での子育ての様子をうかがうと、

上のような保育の姿勢が逆転しているケースが多いようです。

2、3歳児には「最初が肝心だから」と強圧的なほど言葉と大人側の常識で

「わからせて」しまい、そのせいで、4,5歳に問題行動が出てきます。

すると、4、5歳児には「問題行動に困って読んだ本によると子どもを受容するのが

大事とあったから」と言って悪いことを悪いとはっきり言わずに受容するか、

「しつけをしないと小学校に入ってから困るから」という理由で、

悪いことをわからせて修正させるだけで、そうせざる得なかった気持ちを

無視してしまうのです。

こうした困った親子関係がどうして生じるのかというと、

2、3歳児の「へりくつ」や「意味のわからない要求」が、その後の成長にどのような

良いものをもたらすのか知らないことによると感じています。

 

昆虫や鳥の世界も4つ足で歩く動物の世界も、

子どもが親をわずらわすことってそれほどありませんよね。

もちろん、ライオンの子育ての様子なんかを映像で見ていると、

子ライオンがしつこくいたずらをして、親ライオンがガブッと軽く噛みついて

どこからどこまでが許されるのかしつける姿があるのです。

でも、そうした子育てはいたってシンプルで、

人間の子ほど次から次へと親に新たなわずらわしい課題を与えることはないでしょう。

 

どうしてこんなに人間の子がめんどくさいか……といえば、

勝手に自分で育ってしまわずに、

大人の手をわずらわして成長する必要がるからなのでしょう。

それほど高度な生き物なのです。

ややこしいから大人が関わって、そうして関わり合うから

一人で育つ場合にはとうてい不可能なほど大きく成長するのですから。

子どもを効率的に最善の形で発達させるために、進化の過程で得た能力のひとつが、

成長過程で親をわずらわすということなのでしょうね。

 

『関係からみた発達障碍』(小林隆児/金剛出版)のなかで、

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「親(育てる者)-子(育てられる者)」という非対称的関係における

コミュニケーションの過度的段階でのある特徴を見て取ることができるように思う。

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という一文に出会い、

大人の手をわずらわせながら成長する子どもが

特にややこしくてめんどくさい時期について

大切な視点を与えてくれる内容だなと感じました。

「コミュニケーションの過度的段階のある特徴」ってどんなものでしょう。

この著書によると、この過度的段階のコミュニケーションとは

次のような意味をになっています。

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ことばの獲得過程のいまだ途上にある子どもにとっては、

ことばは自ら自由に操ることができるような道具ではない。

しかし、ことばを獲得して大人文化の仲間入りをしたいという欲求(自立したい欲求)

を持つがゆえに、子どもは母親を自らの方に引き寄せて、

母親に自分の内的表象をことばで語ってもらうことが、大きな喜びとなっている。

母親に依存しながらも、ことば文化を取り入れたいという欲求をも同時に表現している。

依存(繋合希求性)と自立(自己実現欲求)が深く錯綜しながら展開している

母子コミュニケーションの一断面をみる思いがする。

     『関係からみた発達障碍』(小林隆児/金剛出版)P129

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「過度的段階のコミュニケーションが大事なのはわかったけど、

それって具体的にいうとどんなもの?」と思いますよね。

「大人文化の仲間入りをしたいという欲求(自立したい欲求)を持つがゆえに、

子どもは母親を自らの方に引き寄せて、母親に自分の内的表象をことばで

語ってもらうことが、大きな喜びとなっている。」ときの子どもの姿は、

↑の著書に次のようなエピソードが紹介されていました。

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<エピソード1>

絵を描いて、自分が何を描いたか、私に言わせようとする。

絵を指して、私の方を向いて<言って>というふうに少し催促する声を出す。

目を見ても<これはなんだ?>と<言ってみて!>という気持ちがよくわかる。

すぐにパッと答えてあげれれば大満足で安心する。

でも、ときどき忘れてことばにつまることがある。

そんなときは、小さな声でそっと頭文字のことばを教えてくれる。

「パーキング」なら「パ」、

「プリンスホテル」なら「プ」、頭文字がはっきり聞こえず、こちらがわからないと、

すごく怒る。一日に数回は怒らせてしまう。

たまに、途中で私がわかって正解を言うと、パッと目に涙をためながらも

笑ってくれて落ち着く。

切り替えは早い。

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<エピソード2>

数日間から朝起きるとすぐに「(何かを)トッテ」と要求することが多くなってきた。

母親にしてみると何をとってもらいたいのか、

本人の好みがいくつかあるので想像はできるのであるが、何かはっきりとはわからない。

そのため時折違った物を持ってくるとひどく不機嫌になってしまう。

自分の希望の物を持ってきてもらうととてもうれしそうに反応している。

ではどうして何をもってきてほしいと明確に言わないのか、言えないのだろうか。

日ごろはほしい物に関して何らかの表現方法は身につけているのであるから

言ってもよさそうなのだが、それを母親に直接的に言わない。

なぜなのか母親は首を傾げている。


(関係からみた発達障碍』(小林隆児/金剛出版)より引用
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子育て中の方は日々体験しているでしょうが、

子どもって自分で言わずにわざわざ大人に言わそうとして、

ややこしい行動をとるものですよね。

ユースホステルでのレッスンで、教室での定期レッスンにも通ってくれている

2歳のおしゃべりの男の子のお母さんから、

「うちの子良い子すぎて心配なのですが……」という相談をいただき、

「えっ?★くんが?いえ、★くんは、いつもけっこう好き放題言ってて、

良い子すぎじゃないから大丈夫ですよ~」と思わず笑いながら応えてしまい、

後から、「奈緒美先生、ひどいですよ~あれは結構傷つきました」と

これも笑いながら告げられた出来事がありました。

というのも、★くんはそうとうなぐずぐずさんで、

激しいかんしゃくこそ起こさないものの、何かするたびに、

ぐずぐずぶつぶつぐだぐだ~とややこしいこと極まりないのです。

★くんのお母さんは大らかな性質の方でとにかく★くんがかわいくてたまりませんから、

いちいち「これはどう?」「ならこれでは?」と延々と相手をしてます。

そうしてたくさん相手をしてもらっているので、しょっちゅうぐずぐず言っていても、

それが★くんのお母さんにとってわずらわしいことのようには感じられず、

楽しい親子の交流の時間になっているのです。

そうして相手をしても少しも苦とは感じないお母さんももとで、

★くんは2歳とは思えないほど表現豊かに会話したり、

考えたことを言葉にするのが上手になっていました。

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ケンカの仲裁 (トラックの取りあいの後で)

2017-11-29 21:15:27 | 0~2歳児のレッスン ベビーの発達

ひとつしかないものの物の取り合いが起こると

「それなら、作ろうか?」とたずねるのが虹色教室のお約束となっています。

幼い頃から通っている子らは、友だちがおもちゃの取り合いを始めると、

「そんなの作ればいいじゃん!作った方が面白いよ」と仲を取り持つ子らもいます。

 

先日、子鉄くんたちのレッスンで、教室の佐川急便のトラックの取り合い勃発。

 

そこで、友だちのトラックを欲しがってかんしゃくを起こしかけている子に

「そのトラック作る?」とたずねると、すなおにうなずきました。

 

適当にあるもので。

 

アルミ箔の空き箱にプリンターのインクの空き箱を貼り付けたらできあがり。

アルミ箔の箱は刃の部分をはずし、後ろを両開きの扉にしています。

箱の底に輪ゴムを貼り付けているので、ブロックの車に簡単に装着できます。

 

このトラック、見栄えは悪いけれど、とても魅力的な使い道がありました。

 

教室にあるNゲージの新幹線がきれいに収まるのです。

新幹線輸送トラックです。

この日、トラックの取り合いを遠巻きに眺めていた2歳の○くんのお母さんから

こんなコメントをいただきました。

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電車の乗れるトラックのドアがお家で早速つくってみらた大ヒットでした。

虹色教室で、★くんの作っていたトラックなのに、

「せんせいのところでそうちゃんつくったねぇーー」と自分が作ったことに

なっていました。

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物の取り合いのけんかとも

トラック作りとも関係なかった(その場に居ただけ)の○くんですが、

○くんの記憶では自分が作ったこととして、いい思い出になっていたようです。

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