虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

自分の気持ちを言葉で表現するのが苦手な子、語彙数が少ない子 と ピッケのつくるえほん 1

2014-09-30 20:33:31 | 工作 ワークショップ

教室の子たちが『ピッケのつくるえほん』というアプリで、

リレー方式で作ることになった『1000の言葉』BOOK。

 

小学生の子たちが、『10才までに覚えておきたいちょっと難しい1000の言葉』から

好きな文字を選んで、文字にあったイメージの絵やお話をつけて

言葉図鑑を作成しています。

選ぶ時、あまり自由すぎると、易しい言葉ばかり選ぶことになるしゲーム性もないので、

見開き分の10個の言葉の中から……先に思いついた人から順番に……というルールで

作っています。(ぐずぐずしていると、難しい言葉になるのですが、そんなドキドキ感が

楽しい様子。)

 

 

 あとから修正を加えなくてはならない部分(意味がどれを指しているのかわかるよう

色を変えるなど)もあるのですが、それは子どもたちと話しあいして直しながら、

作りためていこうと思っています。

 

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ピッケのつくるえほんのワークショップが近いので、

教室の自由活動の時間に、iPadでピッケの絵本作りをしています。

すると、自分の気持ちを言葉にするのが極端に苦手で、

学校で嫌なことがあっても何も言おうとしない子らが、ピッケのえほんの中では

積極的に自分の内面世界を表現しようとすることに驚きました。

 

上の写真は、普段、ネガティブな思いを口にすることがほとんどない、

小4のAくんの作品。

いつもほかの子らの意見に同調していて、損ばかりしている場面でも

自分の意見を言いません。

お母さんからは、「厳しく叱る時も、ただ黙っていて、言い訳をするわけでもなく

言い返しもしないので、何を考えているのかさっぱりわかりません。

まさにのれんに腕押しの状態で、つい叱りすぎてしまいます」という話を

何度も伺っていました。

 

レッスン終了時、Aくんのお母さんが、自分だけの世界で完結しがちなAくんについて

相談をされていたとき、傍らでiPadをいじっていたAくんがこんな作品

(『おこルナよ!!オコルXX!!』)をこしらえていました。

 

 

 

これまで教室で何をたずねても、「しらん。わからん」と、返すだけで、

自分の思いを口にしようとしなかったAくんですが、

「こんなことを考えていたのか……感じていたのか……」とびっくり!

 

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次回に続きます。

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早期教育の弊害 と早期教育の大切さ

2014-09-29 21:34:26 | 記事のまとめ(リンク)

記事を探している方がいたのでリンクを貼っておきます。

 

早期教育の弊害 と早期教育の大切さ 1

 

早期教育の弊害 と早期教育の大切さ 2

 

早期教育の弊害 と早期教育の大切さ 3

 

早期教育の弊害 と早期教育の大切さ 4

 

早期教育の弊害 と早期教育の大切さ 5

 

早期教育の弊害 と早期教育の大切さ 6

 

早期教育の弊害 と早期教育の大切さ 7

 

早期教育の弊害と早期教育の大切さ8

 

校長先生とサーカス団への電話

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「ADHDの正しい理解のために」というアニメ 紹介

2014-09-28 22:29:17 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

リンク先が正しく貼られていなかったようです。直しておきました。


ADHDを理解するのに役立つ動画を紹介します。

 

https://adhd.co.jp/about/animation/default.aspx

 

 

リンク先のサイトの

ADHDの子が苦手なこと 難しいこと

ADHDの子に起こりやすい問題

成長時の過程

もぜひ読んでみてくださいね。

 

 

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ブロックで遊びの世界を豊かに (まとめ記事)

2014-09-28 19:24:45 | 記事のまとめ(リンク)

 

デュプロブロックで荷物の上げ下ろしをするコーナーを作るには?

 

ピラミッドに続く道 といちごの宝箱

 

お城の縄張り図

デュプロブロックで0~2歳児用のおもちゃ作り

変形メカの手作り解説書

 

忍者屋敷

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あわせて10レストラン♪

2014-09-28 19:12:15 | 初めてお越しの方
10の合成への理解を深める遊びです。
デコレーションボールの代わりに
ブロックやビー玉を使うのもOK.

3つ、4つ、9つと、1~9までのデコレーションボールを乗せたお皿(紙皿など)と、何も乗せていないお皿を用意します。

「空っぽのお皿に、合わせて10になるようお料理を乗せてね」と言います。
「7個入りのお皿と3個入りのお皿」のように合わせて10の
組み合わせができたら、右手と左手に、(レストランのウェイターやウェイトレスがするように)お皿を乗せて、
お客さんのもとに届けます。

お客さん役の子は、きちんと10になっているか数えて確かめてから、
受け取って食べる真似をします。

応用編

「30個ください」と注文を出し、
10の組み合わせを3セット作り、
皿を3枚ずつ積み上げて運びます。
今にも落ちそうなお皿を運ぶのは、とっても面白いですよ。
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子育ての迷いや悩みから抜け出すため の あれこれ 27

2014-09-27 07:42:18 | 日々思うこと 雑感

たった3語の「叱る」という言葉にしろ、それがひとりの人というブラックボックスを

通過すると、百人百様の解釈と表現の仕方があります。

 

「褒める」という言葉についてもそうです。

前回の記事でわたしは、「もともと甘めの性格なので叱るより褒める方がずっと多い」と

さらっと書いてしまったけれど、ここで書いたわたしの「褒める」という行為は、

アドラー心理学でいう「褒めない」という態度に非常に近いものでもあるのです。

「褒める」という言葉に対する認識の違いを、

「子どもは褒めて育てなければ……」と信じて子育てしている方と

過ごしている時、痛感することがあります。

 

アドラー心理学では、子育てのあり方として、

「褒めないこと、叱らないこと」を勧めています。

どうして褒めるのがいけないのかというと、

褒められて育った子が、他者に褒められるかどうかを行動基準にしていて、

人の顔色をうかがう依存的な性質を身につけがちだからです。

皮肉なことに、褒める子育てで育った人は、叱る子育てで育った人と似ていて、

誰かの承認を得ないと自分の価値が感じられない方が結構いるのです。

自分の本心を偽って無理していい人を演じ、自分の可能性を狭めるような不自由な

生き方をすることもあります。

アドラー先生は、「褒める」「叱る」というのは、上の人が下の人へ、

能力のある人が能力のない人に下す評価であって、

対等な人間関係では、起こらないものだ、とおっしゃいます。

 
 
わたしはアドラー心理学に強く共感するし、いわんとしていることもよくわかるけれど、
 
実際の子どもを前にして褒めないかというと、そんなことはありません。
 
ごく自然に子どもを褒める言葉をたくさん使っていると思います。
 
でもその褒め言葉の中に、賞罰教育にある「褒めることで、大人の思うような良い子に
 
なってほしい、他者から良く見える行為をしてほしい」といった
 
子どもをコントロールする意図はまったくありません。
 
「褒める」が「おだてる」とイコールで結ばれていないのです。
 
「おだてる」とは、何かをさせようと、ことさら持ち上げて、
 
うれしがらせてやる気にさせようとすることです。
 
ならわたしはどうして褒めるのかというと、
 
「あなたはこんな素敵なところがあるんだね。気づいたよ」
 
「あなたのしていること、思っていることに関心があります。すごいなって感動したよ」
 
とその子の存在について心で受け止めたことを伝える場面で使っています。
 
といってもほとんど無意識に使っているわけですが。
 
でも、「子どもは褒めて育てるんですよね」とおっしゃる方が、褒める行為で
 
子どもの気になる態度を誘発しているのを目にして、(わたし自身は、しょっちゅう
 
子どもを褒めておきながら)「褒めて育てよう、子どもを褒めなくちゃ、と意識して
 
子どもに接しない方がいいかもしれませんよ」とアドバイスすることもあるのです。
 
というのも、「子どもを褒めなくては」と強く意識しておられる方というのは、
 
その方自身が、ひとつひとつの物事についてわたしに承認を求めているように
 
見えるところがあって、わたしはそう感じていなくても、その方の言葉と行為によって
 
わたしが上でその方が下という対等ではない関係ができてしまうように感じられることが
 
あるのです。
 
そうした親御さんが子どもを褒める場合、まなざしは子どものできていないところや
 
ちゃんとしていない行為をチェックしているのに、
 
言葉では、不必要に赤ちゃん扱いしているように見えるほど褒めているということが
 
多いです。いかにもおだてているという感じです。
 
次回に続きます。
 
 
 
 
 
 
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子育ての迷いや悩みから抜け出すため の あれこれ 26

2014-09-26 19:28:28 | 日々思うこと 雑感

ユースホステルでの座談会で、グレーゾーンの子を育てている親御さんが、

「医者も発達障害の子向けの本を書いている人も、

園の先生もなおみ先生もそれぞれ別のことを言うので、どれに従ったらいいのかわかり

ません」と困惑した様子でおっしゃいました。

 

本には、こうした子には叱ってはいけないとかこのように対応すべきとあるのに、

園の先生はいろいろな体験をして慣れていくと言うし、ここでも別のことを言われる……

発達障害の子の本を読んでいると、まさに自分がその通りだったなと感じて、

今まで辛い思いをいっぱいしてきたから子どもにはそんな体験をさせたくないので、

小さいうちにしこんでおくというか、先々、困らないよう正しい対応をしておきたい

のに、皆が違うことを言うので、何を信じたらいいのかわからないという話でした。

 

こんな時、真剣に話しあえば話しあうほど、相談する方も相談される方も、

こんがらがってきて、何が何やらわからなくなってしまうということも起こりがちです。

 そうもこの問題をややこしくしているのは、

子育ての迷いや悩みから抜け出すため の あれこれ 24 で書いたように、

同じ言葉を使い、同じ活動を展開していても、

子どもに関わる人の「人格・人間性のブラックボックス」を通過すると、

とたんに実践は異質なものへと変容していくものだからでしょう。

言葉を伝える側も言葉を受け止める側もどちらも人間です。

誰かの言葉が誰かに届く時には、

少なくとも二回はこのブラックボックスを通過しているはずなのです。

 

 この相談で、「誰の意見を信じるのか」と単純に選ぶのなら、

かかりつけの医者や本を書いているような専門家の意見を尊重するのは当然です。

でも、診察室で子どもと数分間対面する医師やさまざまな読者を想定して執筆している

本の著者が、「こんな時はこうしなさい」と簡潔に表現するアドバイスが、

重度の自閉症の子からグレーゾーンと呼ばれる軽度の子らまでの個々の特性や、

発達段階を隅々まで把握した上でそれを書いているとは言い難いのも事実。

おまけに、それぞれ環境が異なるそうした子らが日々遭遇する体験のすべてを見通して

正確な対処法を語るなどそもそも不可能なのです。

 

ですから、機械の取り扱い説明書を活用するように、

いつでもどこでも「本にあったひとつの正しさ」で乗り切ろうとするのではなく、

専門家の意見は、「基本の方向性」や「心にとめておいて判断の参考にするべきこと」

くらい捉え、現場での親の「観察力」「分析力」「判断力」を磨くための一助とするのが

妥当だと感じています。

 

発達障害の子向けのペアレントトレーニングの本では、

良くない行動は注意はせずに無視して、良い行動を褒めることで

子どもを正しい行動に導くことを推奨していることがよくあります。

また、さまざまな情報媒体で、「発達障害の子は特殊な受け止め方をするので、

叱ってはいけない、肯定的な褒める言葉で接するべき」という意見を

目にすることがあります。

 

わたしはもともと子どもに甘めの性格で、

悪いところより良いところが目につきやすいし、

わざわざ意識しなくても、叱るよりも褒めることのほうがずっと多いです。

そんな理由からか、いちいち注意しなくてもいっしょに過ごしているだけで

子どもの問題行動は減っていきますし、正しい良い振舞いが増えていくので、

こうした情報に一理あることは重々承知しているのです。

 

でも実際には、「発達障害の子は叱らずに褒めて育てなければならない」と

信じて実践している方の親子関係を見ると、

そうした情報がかえって子育てに悪影響を与えているように感じることも

たびたびあるのです。

 

「発達障害の子は叱らないこと」というモットーで子育てするうちに、

親御さん自身が社会的な常識や他者の痛みに、

疎くなっているように見える場合があります。

また、悪いことをしているのに叱られていないという状況にある緊張感から

どんどん悪さをエスカレートさせて大人を挑発しているように見える子もいます。

「叱らない」という対応が、いつの間にか、「発達障害の子を傷つけてはいけない」

という過剰な防衛につながっていき、親が子どもを叱らない代わりに、

周囲の人や子どもの友だちに心の中で攻撃的な思いを抱いたり、

コントロールしようとしたりする姿もよく見かけます。

 

次回に続きます。

 

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2、3歳児向けの算数問題

2014-09-25 22:00:14 | 算数

2、3歳の男の子たちのグループレッスンです。

 

遊びや物作りやお料理や実験などをしたあとで、最後に算数の学習タイム。

 

「何歳ですか?」とたずねると、指を2本立てる2歳児さん、3本立てる3歳児さん。

「それでは、お誕生日の時には何本ろうそくを立てたの?」とたずねると、

立てている指を得意そうにつきだして、「にー」「さん」と答えます。

 

「では、今からお誕生日。立てたろうそくをフーッと消すよ。

☆くん、ろうそく3本、フゥー、フゥー、フゥーと消せるかな?」と、

指で見立てたろうそくを、1本ずつ消す真似をすると、☆くん、上手にできました。

ところが、●くんは、フゥー、フゥーと2本だけ消しておしまいとしています。

「●くん、1本ずつ、フゥー、フゥー、フゥーよ」と言いますが、

やはり、2本だけ消す真似をして終わってしまいます。

まだ、1対1対応が怪しい様子。

それでもこうした遊びを通して、しっかり数について理解していくはずです。

 

電車のおもちゃを2台用意して、「3人に配るわよ」と言うと、

「はーい」と大喜びのお返事。

でも、1台を◆くんに。2台目を●くんに……と配ったところで、電車がなくなって

しまったところを見せると、その段になって、「えぇー!???」と驚愕した表情で、

おろおろする☆くん。

 

わたしが2台の電車を持っていた時点では、3人いる自分たちに配ると

足りなくなるかもしれないことは思いもよらなかった様子です。

「◆くんと、●くんと、☆くんで、3人だもんね。

電車は1,2……2台だもんね。足りないね。

さぁ、こっちからもう一台出して、はい」とケースから電車を出して☆くんに渡すと、

満面の笑みでニコニコしていました。

 

最後に、そうした算数問題をいくつか解いたところ、よほど面白かったのか、

「もうちょっと教室にいる~」とめそめそしている子がいました。

 

↑ ホットケーキを作っています。

「白いのが、だんだん黄色くなった!」とびっくりしながら報告してくれる

●くん。

 

 

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デュプロで作る分解を学ぶ算数ゲーム

2014-09-24 09:47:16 | 算数

過去記事です。

数の分解を学ぶ算数ゲームをデュプロブロックで作ってみました。

子どもたちに大盛況で、(帰宅時間だったので)もう一度やりたがるのを諦めさせるのに

一苦労しました。

 

ブロックを上の写真のようにブロック用の基礎板に取り付けます。

2人で遊ぶ時は、同じものを2つ用意します。

基礎板がない方は並べるだけでもOKです。

あひる3羽をスタート地点からゴールに全て到着させたら、勝ちです。

サイコロを振って、出た目の数だけ、アヒルを動かすことができます。

アヒルは3羽のうちどれを動かしてもいいし、数次第で何羽動かしてもいいです。

 

例えば、サイコロで4が出たら、1匹のアヒルを4つ進めて、

ゴールに到着させることもできるし、

4の数を1+2+1と考えて、

1羽を1進め、もう一羽を2進め、もう一羽を1進めることもできます。

 

「同じ色と形の組み合わせを作ってみよう」というゲーム中。

2段にチャレンジしています。

 

お正月に遊ぶ手作りゲームの見本のひとつです。『忍者ゲーム』。

 

 

3歳10ヶ月の★ちゃん、4歳2ヶ月の☆ちゃん、4歳6ヶ月の●ちゃんの

レッスンの様子です。年長の★ちゃんのお兄ちゃんの◆くんと

2歳2ヶ月の●ちゃんの妹の◎ちゃんも参加しています。

 

クリスマス向けの劇に出演したという★ちゃん。

「それなら、劇場を作ってみようか?」というと大喜び。

劇場の前に長いすをセットしていたところ、◆くんが、

「こういうふうに上から光らせるライトがいる」と言いながら、

ブロックで作った台の上に懐中電灯を乗せました。

そこで、透明セロファンでスポットライトの色を変える仕組みを作ることに。

 

◆くんの意見で、劇場の前に駐車場や飛行場がセットしてあります。

飛行機で劇場に来る人が……?

 

●ちゃんが絵具を使いたがったので、みんなで絵具遊びをしたあとで、

こすってお金を作ったり、紙を挟んで立体的な形を作る道具で遊んだりしました。

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発達の凹凸のある子たちの思考力と社会性を育む関わり 1

2014-09-23 17:15:50 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

「発達に凹凸のある子たちのグループレッスンの様子を記事にしてほしい」という

要望をいただいていたのに、なかなか時間が取れずにいました。

レッスンで気をつけていることと子どもたちが成長していく姿を

少しだけ言葉にしておこうと思います。

 

発達の凹凸のある子たちのグループレッスンでは、半分くらいを子どもたちだけの

自由活動の時間、残りの半分を学習時間にあてています。 

 

子どもたちだけの活動時間は、ゲーム、実験、工作、ごっこや劇遊びなどから

自由にやりたいことを選ばせて遊んでいます。

といっても、あまりに自由に選ばせていると、

やることが偏ったり、遊びが発展しにくかったり……。

選ぶめんどくささから「何もしたくない」という態度につながるかもしれません。

適度に枠を作って、新しいチャレンジに対して意欲に火がつくように

いろいろな工夫をしています。

 

学習以外の活動では、子ども自身の「こんなことがやってみたい」という気持ちに応える

ことを重視しています。大人にやらされるのではなく、自分の発想や想像力や創造力や

思考力を自由にふんだんに使える環境を目指しています。

また、それぞれの子の個性的な才能を伸ばすことにも配慮するようにしています。

 

でも、発達の凹凸のある子の中には、

小学生になっても、1歳くらいの子の探索活動のように、あっちの引き出し、

こっちの戸棚とあれこれ取り出して広げるものの、即座に飽きて、

うろうろするばかりの子もめずらしくありません。

どんなことがしたいか、何をやってみたいのか、目で見て比べられる

遊びの例を提示しても、返事もせずに、箱に入った積み木をぶちまけたり、

物を投げたり、お友だちやわたしにちょっかいを出すことに終始する子もいます。

 

そのため、発達の凹凸のある子たちのグループレッスンの開始時は、

カオスな状態になることも多々あるのです。でも、2回、3回とレッスンの回を

重ねるうちに、たいていの子は落ち着いて取り組めるものが一つ二つと増えてきて、

物作りに熱中したり、友だちと一緒にゲームや実験に興じたりするようになっていきます。

 

その過程で感じるのは、ひとりの子の成長の筋道の多様さです。


DIR/フロアタイムで知られるグリーンスパン先生が、

「多動で扱いにくい子を育てている親が、あまりの大変さに、

自己防衛として非合理的な考えに飲み込まれてしまう」ということを

書いておられました。

食べ物の添加物、学校の環境、テレビの影響のような単純な原因にばかり

吸い寄せられて、その結果、現実にある複雑な要因に目を向けられなくなる、

とありました。

 

実際には、発達に気がかりのある子の行動や伸びを左右する要因は、多種多様で、

日常のあらゆる場面に散らばっています。

成長のきっかけ成長していく道筋も数えきれないほどあります。

ですから、子どもが園や学校でちゃんと座っていたかや

勉強で何ができるようになったかだけで、子どもの真の姿がわかるわけではありません。

それは子どもの育ちのほんの一部分にすぎないのです。

 

わたしが学習時間同様に、むしろそれ以上に自由な活動の時間を大切にしているのも

ひとりの子どもの複雑さにより近づきたいと願うからです。

 

発達の凹凸のある子たちといっしょにする活動では、グリーンスパン先生の挙げる

七つの目標のうち①~⑤を常に念頭に置き、スースホステルでのレッスンでは親御さんと

ゆっくり話しあうことで、⑥⑦にも対応するようにしています。

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①運動機能を伸ばす


②動きや考えを、組み立ててつなげるようにする

 

③感覚の反応を調整する


④振り返って考える


⑤自己肯定感を確かなものにする


⑥家族内のダイナミクスを変える


⑦健康的な環境におくこと

       

   『ADHDの子どもを育む』

   スタンレー・グリンスパン・ヤコブ・グリーンスパン著/広瀬宏之監訳(創元社)


 固い書き方になってしまいましたが、次回は具体的にレッスンで起こったことを中心に、

どのようにして①~⑤の対応しているのか書かせていただきますね。

(前回までの記事の続きも近いうちに書きます)

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