虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

嫌な学習を前にすると怒りを爆発させる自閉っ子と

2018-07-25 20:47:40 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

自閉症スペクトラムの中程度~軽度の子らといっしょに、

ユースホステルでのレッスンに行ってきました。

子どもたちそれぞれと、自分が毎日、

かんしゃくを爆発させてしまっていることについて、

分岐する矢印を書きながら、気持ちや態度を書き上げていく作業をしました。

すると、子どもたちに思わぬ大ヒットで、「ぼくのも作りたい」「わたしのも作りたい」

とすごく盛り上がっていました。

 

どこで、自分が「やっちゃった」という事態に進んでいくのがわかったようです。

 

 

上の写真のような2つに分岐する矢印を書きながら、

気持ちや思いがどんな展開に進むのか言い合っていくんです。

自閉っ子は大きな子でもこうした作業をひとりでするのは難しいと思います。

だから、矢印を書きながら、心の軌跡をたどるのを支援していきます。

この矢印を子どもたちと作るうちに、わたしが思っていなかったような原因で、

周囲があぜんとするような切れ方につながることに気づきました。

子どもたちの声を集めると、自閉の程度こそちがえど、

激しい感情爆発やがんこなこだわりはだいたい同じ流れをたどっているようでした。

 

思っていなかったような原因というのは、こうなんです。

まず、宿題が難しい時、「めんどくせー、むずかしくて腹立つ、やりたくない」など思うのですが、

次に続く矢印では、「宿題を出した学校、作った先生などが悪い」

「問題をむちゃくちゃにしてやりたい。えんぴつでぐるぐるぬりつぶしてやりたい」などと思うそうです。

 

この部分で、集まった子全員が、まるで、宿題の問題自体が嫌がらせをする対象であるか、

問題に出した先生や学校というものが貼りついていて、それが自分の目の前で妨害している

かのごとく近く感じるようでした。

 

そして、次の矢印の先では、宿題に向かっていた怒りは、

それをやるように見張っているお母さんへの怒りになります。

そして、お母さんが「ゲーム禁止」「お父さんに言いつける」

「さまざまな罰」「しかりつけてだっこしてくれない」などの罰を加える

のではないかという気持ちにつながるということでした。

 

 

親としたら、目の前のふたつの選択肢でしぶっているように見える時、

自閉っ子は自分の頭がこしらえたあまりに大きな敵を相手にしているので、

言うことをきけるはずがないし、死に物狂いの癇癪は当たり前なのかな、と感じました。

で、実際にそうした罰を親がしたからそれがトラウマになっているのかというとそうでもないんです。

むしろそうした罰を与えない親のもとで、そうした妄想が膨らみやすいようでもありました。

それは見たところ、普段罪悪感を感じていないかのように見える自閉っ子の

自動生成する罪悪感のなれのはてのようでもありました。

自分が悪いことをしているという思いが、大好きな人からすごく罰せられるの

ではないかという不安につながり、難しい問題を見た時点で、

あらゆる恐ろしい罰や大人たちの怒りが自分に迫ってくるような感覚があるようでした。

 他の自閉っ子たちも、問題が難しいと認識した時点で、

悪い方向の矢印の思考の流れを瞬時にたどっているようでした。

そしてお母さんが、「難しいなら、こういう風にやったら?」とやり方をアドバイスしようにも、

子どもの頭の中では壮大な罰絵巻が展開していて、それを戦っているので、とうてい、悠長に

そんな指示に従っていられないようでした。

 

そうした自分の脳内の自動生成システムを、子どもたちの声を集めながら

洗いざらい書いていった後で、

今度は、いい方向に進む矢印をいっしょに書いていきました。

 

すると、そのいい方向の矢印を進む時点で、それぞれの子に、

その矢印が先に進めなくなるような思い込みがあり、

矢印を遮断する決めつけが存在していました。

 

たとえば、「絵を描くと、難しくなくなるかも」というと、

「絵を描いたら、先生に怒られる」というのです。

 そこには過去の記憶の認知のずれからくる間違った解釈がありました

 上の決めつけをしていた子は、よく聞くと、テスト中にプリントにらくがきをしていて注意されたらしいんです

 それ以来、「勉強中は絵を描くと怒られる」の反射的に判断を下すんです。

 

また、良い方向の先に、「お母さんにほめられる」ということがあると、

「でも、ほめられなかった。できたのにほめられなかった。だから、やってもむだ」と、

過去の一度の経験の記憶によって、

悪い方向しか選択肢がないという思い込みへといざなわれているのです。

 教育関連の仕事に就いている知人は、

「困った感のある子が罪悪感を多く持ち合わせているのはとても理解できます。

自分はうまくできないという罪悪感が怒りに変化して、

またその行動から怒られて負のスパイラルに入ることがよく職場でもあります」

とおっしゃっていました。

わたしはこの矢印の紙を作って、まずいっしょに楽しみながら、

悪い方向に思いが展開するのを指でたどりながらいっしょに、ネガティブな言葉を吐いて、

不安がすっきりするようにします。

 

そそれから、いい方向に向かう選択肢の分岐点に物をおいて、

「あーこれだけひとつすれば、いいんだよね。いけるかな、どうしよう。どきどきするねー」

といいながら、子どもが、「長い文章題の1行だけ読んでみる」など、

できそうな課題に分割した難しい問題をひとつずつクリアしていくのを助けました。

 

大事なのは、悪い思考の展開を大人といっしょにオープンに味わってみて、

無意識の世界から意識の世界で眺めて笑えるものにすることなんです。

悪い思考の流れを大人が罰すると思っていることで、

その悪い思考のループから抜けられなくなりますから。

 

先日も苦手な問題にぶつかると、激しいかんしゃくを起こす小5のAくんと、

いっしょにこの矢印の先の内容を埋めているうちに、

爆発寸前だったAくんが自分でも図の中に書き込みをするうちに、

落ち着いたすがすがしい気持ちになってきて、

嫌がってののしっていたケタ数の多い計算に取り組んでいました。

後から指でたどって、今どの分岐点にいるのか見れるようにしたことで、

思いが暴走して、不安で何も手がつけられなくなる状態から抜けられたようです。

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プログラミングの基礎を学ぶボードゲーム

2018-07-22 22:45:40 | それぞれの子の個性と才能に寄りそう

先日、去年、卒業したグループの子たちが集まって遊んだり勉強したりしていました。

一番、盛り上がったのは、ロボットタートルズ というプログラミングの基礎を学べるゲームです。

このゲームを作ったのは、マイクロソフトやグーグルで活躍した職歴を持ち、

いくつもの会社の創始者でもある方です。

教室の小さな子たちは、このゲームのルール通りに楽しんでいるのですが、

小4のこの子たちは、このゲームを使ってオリジナルの問題を作って

友達にスタートからゴールまでのカードを全部並べさせて、解かせる

という遊びをしていました。

そこで、せっかく作った問題を他の子らにも楽しんでもらえるように

簡略化して紙に写しておくことにしました。

紙に簡単に写せるように、キッチン用の穴の開いたシートを

ボードのマスの数に合わせて切りました。

 

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育てにくい子らの大きな成長

2018-07-17 11:10:31 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

(↑年中のAくんの作った絵本です。絵とストーリーはAくん。文字はお母さん)

 

この土、日、月の間に、レッスンに来ている子たちの劇的な成長を感じることが

重なりました。

そうした子の多くは、他の同年代の子に比べて、

ちょっとしたやりすぎ行き過ぎが目だっていた子なんです。

「さあ、勉強の時間です」と告げて、気持ちを切り替えさせるということに、

小学校の中学年を超えるまでかかっていた子たちです。

 

その子たちが、非常に高い知的な能力を発揮しだしただけでなく

精神的にも制御のきくしっかりした子に成長してきたことで、

親御さんたちが非常に喜んでおられました。

 

そこで親御さんたちと、何がこの子たちをこれほど成長させたのか、

という話になりました。

その子たちの出した成果に関しては、持って生まれた能力ということもある思います。

また親御さんが子どもがその子のペースで成長していく間、

自己肯定感を下げないよう教室と協力して親の心を調整してきたこともあるはずです。

でもそれとは別に、そうしたタイプの子たちのこんな一面も成長の追い風と

なったのではないかと感じています。

 

それについて書く前にちょっと脱線させてください。

私事ですが、私が物語を書いていることは何度か書かせていただきました。

実は若い頃から小説家志望だったため、自分なりに一生懸命、

章修行に励んでいたものの、

長い間、なかなか最後まで物語を書ききることができずにいました。

それが最近になってスムーズに書き進めて、自分の書きたい物語を

最後まで仕上げることができるようになってきました。

単純に力がついてきたのもあるのですが、思うように書いていけるように

なったのは、これのおかげかな、と思いあたることがひとつあるのです。

 

直観的にひらめくのは得意でもじっくりねばり強く考え抜くのは苦手な私は、

もともとは自力で難しい課題を突破できないところがあるんです。

でも、だからといって難しい局面を避けていては、

長編の小説を書くことなど不可能です。

それで、物語を書いていく時、私は今書いている原稿について、

自分の思考が行き詰まるところを目指して、考えられるところの

境界線ぎりぎりまで行って、

そこでどんなことについて自分は答えがでないで困っているのか、

自分の思考の先端までいって確認したら、それで眠るんです。

すると、朝になると、自分でも思いつかない最適な答えや

新しいアイデアが浮かぶんです。

考えを練って苦しむということはないんですが、

必ずといっていいほど、考えあぐねるよりはいい答えを得ます。

 この頃は浮かぶ解が鮮明になり、質が向上し、

気づきを得るのも早くなったと感じます。

 

こうしたイメージ世界で行き止まりまで行く作業は、

子どもの問題を相談されたり、他の生活上の問題を考えたりする時もしていて、

そこで得られた答えは、意識の中でわたしが考えあぐねて

出した方法による結果より

ずっとうまくいくと感じています。

 

この話、先ほどのちょっと難しい子たちが劇的に成長していく姿と

とどこか重なるところがあります。

日常のさまざまな場面で一筋縄でいかないというのは、

それはしばしば大人の管理からのはみだし、抵抗、衝突を生んだり、

シンプルな大人がしくレールからの脱線、停滞を生み続けるタイプのことです。

そうした子らというのは、見方を変えると、

私がイメージの世界でしている「自分のできることの先端まで、

境界線のところまで行く」

という行為をいろいろな場面で試してみる子でもあるんです。

そうした子らと関わる時、わたしは自由を許し、

自由が暴走する手前で叱る、余白を作り、

余白の中で迷いや混乱に呑み込まれる前に創造の波に乗せる、

自分を外で出し切らせることで、外から伝えたいことをその子に届ける、

そうしたやりとりを続けます。

その難所で長い間、停滞するもので、周囲に余裕がなかったり

不安が強かったりすると、子どもの自己肯定感がとことんダメになるまで

追い詰めてしまいがちですが、

少し気を楽にして、他の子と同じように成長させよう、

すぐに問題を解決しよう

とせずに、子どもがさまざまな場面でぶつかる問題の前で、いっしょに

会話したり慰めたり叱ったり、ていねいに教えたりして足踏みします。

 

そして、実際にその問題を何とかしようとして手を尽くすのではなく、

ちょっと寄り道して、

また子どもの好奇心のアンテナが立った方向に、結果を気にせず行ってみる、

親子関係がよりよいものになるように調整する、ということをしていると、

ある一定の時間が経つと、不思議なほど問題が解決していることに気づくのです。

 

この子って天才だろうか、この子にこんなすごい潜在力が隠れていたのかと

目を見張るような成長があるのです。

 

 

何を書きたかったのかというと、成長過程に難しさを持つ子、

できるできないにばらつきを持ちつつ育っていく子が、

どこもかしこも四面楚歌のように、

行きついた果てで行き止まりにぶつかっているように見える時も、

それは現状の最適でないことすべての先端までいききったうえで、

それらすべてを解決するより大きな成長を成し遂げることがあるな、

ということなんです。

環境に適応しやすい子たちが、大人の求めるものを早くから発達させる傍ら、

環境への適応が難しい子たちは、経験であれ、感情であれ、

探索活動であれ、試行錯誤であれ、

想像であれ、失敗であれ、とにかくしつこく行きつくところまで行って

境界線上でちょっとした嵐を巻き起こしているんですから、

いったんそれらが収束するなり統合するなりすると、

思いがけない価値が生み出される、

とも感じているんです。

 

↑  薬の容器の中に色水を作りました。

 

 

 

 

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年長さんの算数レッスン

2018-07-13 23:50:58 | 算数

年長のAちゃんとBくんといっしょに1~50までの数カードを並べました。

子どもたちはこうして数カードを並べるのが大好きです。

 

問題を出して、答えの上に絵カードを置いてもらいました。

15たす10は?

29たす20は?といった問題です。

ふたりとも答えが一段下の数字になることに気づいて、うれしそうでした。

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子どもたちの発見 <貨車に荷物を積み込む方法><丸い形><一方が下がれば一方が上がる>

2018-07-10 21:21:44 | 子どもたちの発見

 

子どもたちの発見 <貨車に荷物を積み込む方法>

教室の子たちは、貨車に荷物を積み込むのが大好きです。

どんな風に積むのかアイデアを練るのは楽しい作業です。

 

年長のAくんとBくんのレッスンでのこと。

Aくんがスロープを使ってどんぐりやビー玉を貨車に乗せて遊んでいました。

スーパーボールは跳ねるので、スロープと貨車を少し離さないといけないことや、

線路が曲線なので、スロープの向きがとても大事なことに気づいていました。

チーズの空き箱の穴を開けて、

こんな積みこみ方も試してみました。

チーズの空き箱の中央には、モールを通しているので回転します。

穴と穴が重なると、スーパーボールが下に落ちて、貨車の中に収まる仕掛けです。

大成功!

Bくんは、回転する積み込み道具に玉がたまるように

ピタゴラ装置を作っていました。 

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子どもたちの発見 <丸い形と輸送> 

 教室で、『丸い形』でどんなことができるか、をいろいろ探究しています。

今回、梱包材を巻いていたというダンボールの筒をたくさん持ってきてくれた子がいたので、

さっそく、この「丸い形で何ができるか」遊びが始まりました。

上の写真は、箱を灰色の画用紙で巻いて、刻印をつけているところです。

大阪城に出かけた時の刻印石がよほど印象的だったようです。

 

筒を半分ずつに切って6本の丸太にして、石を運ぶ道具にすることになりました。

石をゆっくりひもで引っ張ると、丸太が回転し、少ない力で前に進みます。

石の移動に合わせて、後ろの丸太を大慌てで

一番前に置きにいきます。

4人の子どもたち、一致団結して、これをくり返し、

壁まで進んだら、また最初の地点に戻って遊んでいました。

石の運搬中、横で応援するための旗も作っていました。

今日のレッスンで見たもうひとつの『丸い形』の利用です。

4歳の生き物が大好きなAくんいわく、「この舟は、もし悪いのが来たら、くるくるくるっと丸まったら、

もう踏まれても大丈夫。丸くなっている時は、ぜったいやられない」ということでした。

どんどんトレイをつないでいくうちに偶然丸くなることを発見したようですが、

昆虫や動物が、丸まることで、敵の攻撃を避けることが

思い浮かんだようです。

↑ 丸まったところ。

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子どもたちの発見 <一方が下がると一方が上がる>

カップ(ひもの取っ手をつけています)とカップを

ひもをつないだだけのシンプルなエレベーター。

「一方に重りになるものを入れると、もう一方のエレベーターが

上に上がる」

という単純な作りです。すぐ作れるので、教室の遊びのあらゆる場面で活躍しています。

 

今回は、水遊びの小道具としてこのエレベーターが使われています。

水でっぽうの水で、機関車を動かして落とします。

うまくカップの中に落ちると、もう一方のエレベーターが上がります。

大成功です♪

新年中のAくん。

「青いスーパーボールは100点で……それから……。」と考え込みながら、

「あのさ、玉がたくさんあるやつが、小さい得点になるようにするんだよ。1とか!」と言っていました。

納得!でも、どれが一番たくさんか、判断しずらいですね。

 

 

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犬を作ったよ♪

2018-07-08 19:43:51 | 工作 ワークショップ

 

1年生の自閉っ子のAくんが犬を作りました。

「食べたものが、お腹を通って出てくる」という風に作りたいAくん。

喉とお尻に穴を開けて、犬の身体に筒を渡しました。

モールをえさにして、磁石で体内を移動させるというのも

Aくんのアイデアです。

 

途中で、段ボールを切るのが面倒だったのか、

「こうやってストローでつけて、羽根にする。空飛ぶ犬にする」と言っていました。

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子どもたちの発見<形の発見から不思議いろいろ>

2018-07-06 19:35:00 | 子どもたちの発見

 基礎的な発見の名前を子どもたちの発見に改めました。

子どもたちの発見<90度を見つけ出す>

年長のAちゃんのマイブームは紙を折って90度の角度を作りだすことです。

 

折った紙を90度の角度のところまで広げると屋根の形に似ているという気づきが、

Aちゃんの最初の発見です。

 

それ以来、平面の紙を一方が垂直に立つように折って

立体を作ることをもとにして、イメージする物を何でも作り上げます。

床と壁で90度を作るだけでなく

壁と壁で90度を作りだすと、あっという間に立派なお家が建ってしまうから

すごいです。

 

円の縁を折って立たせると、皿になります。

Aちゃんが作ったお家の中を覗くと、

さまざまな家具が配置されていました。

Aちゃんの家作りをうらやましそうに見ていた同じ年長のBちゃん。

紙を折って屋根を作っていました。

 

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子どもたちの発見<三角形の不思議>

三角形は不思議で魅力的な形です。

教室では、箱の端を三角形に切るとできる

こんな形がとても人気です。

ショベルカーのバケットになるし、お家や屋台の屋根になるし、ピタゴラ装置の切り替えにも使えます。

とにかく想像力や遊び心を刺激してくれる形です。

上の写真の取っ手部分、2~3歳の子たちが、割り箸に輪ゴムをかけて開閉する

ハサミにしてごっこ遊びに使っているものです。それに

この形を貼りつけると、掃除道具になりました。

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子どもたちの発見<正方形の対角線は辺より長い>

 

人形ごっこで大活躍する正方形のふろしき。

折り方によって、身体に巻いて前で結べたり、結べなかったり。

三角形に半分に折って、対角線を身体に巻くと

しっかり結び目が作れること、巻く部分の長さが長くなることは、

遊ぶうちに子どもが自然に発見することのひとつです。

 

 

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基礎的な発見 <すでに身につけている技術を別の場面で利用する>

2018-07-05 20:46:51 | 子どもたちの発見

工作をするにしろ、算数やパズルの問題を解くにしろ、

すでに身につけている技術を別の場面で利用するようになると

急速に上達しはじめます。

 

1年生のAくんは、ブロック遊びや工作に熱中するうちに、

一度、何かを学んで身につけると、あらゆる場面で使ってみるように

なりました。

この日、牛乳パックで作った車を教室に持ってきたAくん。

自分の作品をうれしそうに披露しながら、「本当に乗れる車が作りたいよ。

エンジンとか機械のところがちゃんとついているのを!」と言いました。

なんとか箱をつぎたして、自分が乗り込める車を作った後で、

「前のところをパカッと開けるとエンジンとか機械とかが

あるようにしたい」と言いました。

Aくんがエンジン作りを始めたので、他のグループの子が思いついた

トイレットペーパーの芯に切り込みを入れて折る方法を教えたところ、

さっそくその方法を駆使してエンジン部分を作り始めました。

 

 

感心したのは、トイレットペーパーの芯に切り込みを入れるという方法を

紙コップや丸めた紙など、筒状の形があるところでどんどん使っていたところです。

 

また、これまで高架の上の線路や道路などを作ってきた時の方法を採用して

筒と筒を紙でつないで、機械と機械がつながりあっているところを再現していました。

ボンネットを開けるとこの通り。

 

 

「車のドアが開いたり閉ったりするようにしたい」と切り込みを入れ、

「ちゃんとカギがかかるようにしたい」と、箱についていた取っ手を使って

カギがかかるようにしました。このあたりの問題解決はわたしがお手伝いしたのですが、

「車の後ろの壁がちゃんと立つようにしたい」とか、「小さく折りたたんで、お家に持って帰れるようにしたい」

というアイデアは、友だちが口ぐちにアドバイスをしていました。

 

「壁が倒れないように、箱を貼ればいい」というBくん。

「倒れない」という点ではいいアイデア。でも見た目が……。

乗れる車をこんなに小さく折りたためるようにしたのですが、

お迎えにきたお父さんに、「大きすぎるから持って帰れないよ」と言われ、

目に涙を溜めながら、エンジン部分だけ持って帰ることに納得したAくん。

作ったものは、泣く泣く手放すことになったけれど、

次の作品作りに活かすことができる技術や思考法はたくさん

手に入れたはずです。

 

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基礎的な発見<自分のしたことを報告する>

小学2年生の男の子たち(1年生もひとり参加)のレッスンでの出来事。

『風林火山』という戦国国取りボードゲームで土地の奪い合いに、「トントン相撲」で戦うルールを採用しています。

みなが転ぶか転ばないかは、人形の体型の違いによると思いこんでいた時、

Aくんが、人形をひっくり返して、「裏が少しでこぼこしているのとつるっとしているのがあるよ。

つるっとしている方が勝つよ。それと、裏が大きい(広い)方が強い」と言いました。

「Aくん、すごい発見ね」と感心して、子どもたちを集めて、Aくんの大発見を披露したところ、

Aくんの笑顔がはじけました。

 

これまでAくんが自分から話かけることはあまりなかったのですが、

それからはどんなに小さな気づきでもわたしのところまで報告しにきてくれるようになりました。

 

ボードゲーム後、スーパーボールすくいの道具を作りました。

この道具は、適当に切ったトイレットペーパーの芯にストローを1本貼りつけて

作るのですが、Aくんは2本貼りつけて、「先生、1本だと、スーパーボールをすくう

時にぐらぐらして取りにくいんだよ。2本にしたら、勝手に動かないから取りやすくなったよ」と

説明してくれました。

それを聞いたBくんが、「ぼくは3本ストローを貼ったよ」と言いました。

Bくんは、学校での学習につまずいて

すっかり自分に自信がなくなってしまった状態で教室に来はじめた子で、

自分の意見を言うことはほとんどありませんでした。

でも、「ぼくは3本ストローを貼ったよ」と言った後で、「もっともっと伝えたい」「もっともっと自分が発見したことを言いたい」

という気持ちが溢れるような様子で、

「それから、このじゃばらのところにね、緑のテープを貼っておくんだ。どうしてかというと、じゃばらのところが、

ぐらぐらするんだよ。ここを貼ったら動かないから、スーパーボールが動かないんだ」と言い添えました。

すくっては量ることを繰り返していた時、ちょうど500グラムすくった子がいました。

「コップ3ばい分で500グラムということは、

コップ1ぱいだとだいたい何グラムくらいかしら?」とたずねたところ、

2年生のAくん、Bくん、Cくん、1年生のDくんの4人が

真剣に考えて意見を言い合う姿に感動してしまいました。

「250グラムかな?でもちがうね。それだと、コップ2つの場合だもん。500割る2は250でしょ?」

「じゃあ、200グラムずつだとしたら、200、200、200だから600だから多いから

150グラムずつにしたら、150たす150は300で……」

「じゃあ、それだと、450グラムだから、まだ足りないから、

だいたい175グラムくらいじゃない?」とのこと。

この真剣さが生まれたのは、大人にしたらどうでもいいように映る

トントン相撲での人形の足の裏についての発見やストローの本数を変えることについての

発見を報告したことによるようでした。

自分の内面から生まれる言葉を口にして認められると、自信を持って

自分の言葉を口にするようになりますから。

 

 

Bくんが発見したすくう道具の角度が

どんな場合もスーパーボールが落ちない切り込みの入れ方。

↑Bくんの発見。

 Aくん作。最強無敵のスーパーボールすくい。

 

Cくんがはかりのめもりが指しているところを

大きく書きなおしためもりの紙で示してくれています。

「Cくん、ひとめもりは何グラムなの?」とたずねると、「5グラムだよ」との返事。

「めもりは、5グラムの半分ね」と言って手の平をさしだして、5を2つに分けると

だいたいいくつといくつだと思う?」と聞くと、

「だいたいじゃないように言いたい、うーん、2.5でしょ?」と答えました。

「わかった152.5グラムだ」とのこと。Cくん、ナイスです。小数点は習ったことがないのですが、

普段の生活で見聞きしていることからわかったようです。」

すると、Dくんが、「それ知らない。どういうこと?」と寄ってきました。

ものさしを見せて、1を10個に分けたうちの1つが0.1と説明すると、「それなら、ここが1.1でここが1.2」と

一生懸命読もうとしていました。

芯を長いサイズにして、「たくさんスーパ^ボールをすくえるのを作ったよ」と

報告するAくん。

興味を持っていたBくんに上のような絵をかいて

円の半径がいくらになるのかたずねると、

「10,10、10,10だから、5でしょ?」としっかり答えていました。

 

 算数タイムは、いつになく大盛りあがり。

「計算させて」「ぼくが解きたい」と意欲にあふれていました。

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知的裕福な育ち?

2018-07-03 19:06:54 | 理科 科学クラブ

(↑ビー玉コースターを作る男の子)

 

いかに課題を解決するプログラムをスピーディーに正確に記述するか」を競う大会が

近いため、泊まり込みで競技の準備に明け暮れている息子。

適当な場所で寝て、適当な物を食べて、ひたすら問題を解きまくる日々。

裕福で衣食住と常に高いレベルで満たされて育ってきた息子の友達は、

食事がまずいといった環境の質の低下にかなりのストレスを感じているそうです。

「その点、ぼくはどこで寝ようと、何を食べようと平気」と、なんだか申し訳ないような

たくましさで、息子は楽しそうに今の忙しさを乗り越えているようです。

「それは、ごめんね。うちの家庭環境が適当すぎて」と謝ると、

「ぼくは、どんな環境かでストレスになることってないけど……」と言いかけて、

「そうそう、子どもの頃から、常に知的裕福な環境は与えてもらってきたから、

ほら、本とか頭脳パズルとかボードゲームとか実験道具とかパソコンなんかだけど、

そういうものが一日でもない生活は耐えられないな」と笑っていました。

考えてみると、息子が小さい頃は、バブル崩壊のあおりで旦那がリストラにあったもんですから、

極貧生活をしていた時期もけっこうあったんです。

でも、日本に住んでいると、図書館はあるし、実験くらいそこらへんのもので何でもできるし、

ゲームもおもちゃもなければ作ればいいしで、知的な面では裕福な暮らしを満喫していたのかもしれません。

番外 白い紙と えんぴつと… 

という文章で書いたことがあるけど、1年365日、タタで大量のいただく白い紙でせっせと工作していたこと

を思い出すと、そうした日々にどんなにお金を積んでも買えない価値を感じます。

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教室の年長の男の子が、お父さんと公園に行くたびに砂鉄を集めを楽しむようになったそうです。

そうした楽しい経験の積み重ねの結果、教室でも磁石に興味を抱くようになっていました。

そこで、教室にあった100円ショップの「おえかきのおもちゃ」を分解して、

どんなしくみで絵を描いているのか目で確かめるととても喜んでいました。

(ラスチックのおもちゃを分解する際、割れたプラスチックが飛ぶと危ないので、

ゴーグルをつけて作業したり、破片が飛ばないような工夫をして作業したりしてください。)

ひっくり返すと、こんな風になっていました。

砂と砂鉄でおもちゃを作りました。

後から女の子が来た時は、化粧水のボトルに砂と砂鉄を入れて

ていねいにテープで封をして、砂の中から砂鉄が磁石で飛び出してくるおもちゃも作りました。

すっかり磁石に夢中になった教室の子たちと、

砂鉄を使って切符の磁気データーを調べる実験もしました。

切符の裏面に砂鉄をふりかけます。

余分な砂鉄を落として、切符にセロテープを貼ると、

下のような磁気データーがセロテープにひっついてきました。

(このデーターに乗車駅や日時時刻、運賃などの情報が記録されているそうです)

 砂鉄がない場合、使い捨てカイロの中身を取り出して、ふるいにかけて、細かいものをとりわけるといいそうです。

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基礎的な発見(回転のいろいろ)

2018-07-02 08:09:09 | 子どもたちの発見

ひもをつけた紙コップにストローを2本さして曲げるだけで、くるくる回る

散水機ができあがります。

 

今、虹色教室内では、このシンプルな散水機からスタートした

「水の力で、回転するのって、面白い!!」

というワクワクが、新しいアイデア合戦へと発展しています。

 

「ストローを4つつけたら?」「10こつけたらどんな風に動くの?」

という疑問へのチャレンジ。

 

「くるくる回転するのかな?」と期待に満ちた目で見守られていた

ストローいっぱいの散水機。

水を入れたとたん、一瞬でなくなりました。

一同、唖然!

これを作るのに、すごく苦心していた姿を見たので、

水道の蛇口から水を注ぐのを許しました。

 

水を入れると、水が出ていく力で丸い舟をくるくる回すのに成功しました。

 

ストローから出てくる水で、流れるプールを作って、水を回そうとしています。

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2017-09-07 09:18:40 | 基礎的な発見

重さ比べをして遊ぶ道具の作り方を紹介します。

プリンやヨーグルトの空き容器にひもで取っ手をつけます。

それぞれの取っ手にひもを結びつけて、下の写真のように

ブロックの土台に引っ掛けたらできあがりです。

くわしい作り方、遊び方等は近いうちの算数のオンライン教材内でアップする予定です。

 

おはじきを一方にたくさん入れると、入れた方が下がり、もう一方があがります。

重さについて、さまざまな発見があります。

 

 

 

 

4歳のAちゃんと簡単な観覧車を作りました。

Aちゃんは動く仕組みが大好きな子です。

総菜やお菓子が入っている丸に近い形の空き容器を利用します。

空き容器の中央に穴を開けて、モールを通します。

空き容器側にモールが少しだけ出ている部分にセロテープを貼って

モールが抜けないようにします。空き容器の後ろ面に長く

モールが出ている側は、ブロックで作った土台に挟みます。

 

基本は、これだけでも観覧車として十分遊べますが、

写真のように透明ファイルを切り取って正面に貼り付けて、

扉を切り取ると、遊びやすくなります。

 

 

 「カピパラが一番下に来た時、一番上に来るのは誰ですか?」といった

回転の問題に楽しく取り組むこともできます。

 

 

子どもたちって、回転するしかけが大好きですね。

いつもさまざまな年齢の子たちが、回転の仕組みに興味を持ち、

それにまつわる工作をしています。

教室の子どもたちが回転の仕組みを使って工作したり遊んだりする様子を

紹介します。

 

下の写真は年長のAちゃんが「回転ずし屋さんを作りたい」というので、

古い既存のおもちゃ(100円グッズ)を分解して作った回るしかけ。

 

 

魚釣りのおもちゃをドライバーで分解すると、

下の写真のようなパーツが取り出せたので、それを箱に取り付けて

おすし屋さんを作りました。

 

ねんどでおすしをつくりました。

 

 

Aちゃんがおすし屋さんを作る様子を見て、光る絵具で星座を作っていたBちゃんも

「回転ずし屋が作りたい!」と言いました。

いらなくなった古いおもちゃ

(分解していいものをいくつか入れている箱があります)を探すと、

回転する部分がふたつある魚釣りのおもちゃがありました。

ドライバーで分解しようとすると、はずせないようにストッパーがついていて分解できませんでした。

そこで、そのまま箱に埋め込むことに。

 

ところがそこで、問題が発生しました。

古いプラスチックのおもちゃなので、プラスチックが割れて、

ゼンマイのねじの部分がバラバラに壊れてしまったのです。

そこで、代わりになるゼンマイ式の乗り物おもちゃを持ってきましたが、

動きが弱くて、魚釣りのおもちゃを動かせそうにありませんでした。

あれこれ苦心した結果、モーターを使って動かすことにしました。

モーターの先にねじを取り付けて、動かそうとしたところ、

大失敗。

歯医者さんの機械ようなキーキーいうプラスチックを削る音が出るだけで、

回転しません。

仕方なく、モーターを箱の横に取り付けてみました。

すると!!

何と、モーターの振動で、回転ずし用の丸い面がゆっくり回りだしました。

難点は重いものを乗せると回らないこと。

軽いおすしを開発しなくては!

 

下の写真は小2のCちゃんの泳ぐ折り鶴。

回転盤に磁石をつけているので、下の回転盤をまわすと、

鶴が水面を回るように泳いでいきます。

 

100円ショップのしゃぼん玉マシーンの風が出てくる仕組みが気になって

分解中の年長のAくん。なんと、モーターが洗濯槽のようなはねで覆われていました。

びっくり!

 

こちらは年中のBちゃん。

おもちゃのカメラと同じものが作りたくて、いいことを考えました。

色画用紙をあてて、はさみで面ごとにに切り取るのです。

この作り方はBちゃんが自分で思いついたアイデアなので、やる気がちがいます。

完成するまでそれは熱心に一面、一面、紙を切り取って、貼り合わせていました。

最後に綿を詰めて、直方体のカメラの出来上がり。

 

おまけ。Bちゃんは、こんな観覧車も作りました。

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