虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

文字作りゲーム 楽しみ方いろいろ

2018-05-30 20:19:44 | 国語

年中、年長グループで、文字カードゲームを作って遊びました。

それぞれの子が、画用紙を切って作ったカードに自分の書ける文字を書きました。

文字を書くことができない子は、薄い紙になぞり書きをしてカードを作りました。

文字カードの隅には、1や2や3など好きな数字を書きます。

 

 <遊び方>

作ったカードを表の状態で場に置きます。

順番に場からカードを選らんで言葉を作ります。

写真の「いす」でしたら、カードにある数を足して、

「3+2=5」とし、5つチップをもらいます。

たくさんチップを集めた人が勝ちです。

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カードに書く数を自由にしていたら、200や1000の数を書く子もいました。

チップの代わりに子ども銀行のお札を使ってゲームをしました。

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『メークワード』という古い古いゲームが、教室内で流行っています。

このゲームを手に入れるのは難しいでしょうが、

お家にひらがなカードがあれば作れるので、

興味のある方はいらなくなったカードを再利用して遊んでください。

 

教室では、本来のゲームのルールを少し変えて遊んでいます。

(その方がゲームの流れがスムーズになったり、計算の答えが大きくなったりして、

ゲームが面白くなるので)

 

◆教室で遊んでいるルール。

たて、よこ、ななめに文字を作っていきます。

クロスワードのように置いた文字が成り立たない場所ができなくても、

ひとつの文字ができればOKという甘めのルールです。

 

かんばん→かんばんとう(ばんとう)→かんばんとうがらし(とうがらし)

 

と文字を下に続けていくのはOKだけど、

必ず、自分が置いた文字が最後の一字(他の文字につながらないところ)

になるよう置きます。

 

文字カードにはそれぞれ異なる数が書いてあります。できた文字にある数を足して

得点にします。

最後の文字を置いた場所が、「2倍マス」「3倍マス」なら、

文字を足しあわせたものを2倍、3倍にします。

 

(お家にあるひらがなカードでゲームする場合、ボードを作るのは大変なので、

紙の一部「2倍」「3倍」と書いておき、その部分にカードが重なった時に

かけざんするルールでも遊べます。

 

文字が、同時にふたつ以上できた場合(たて、よこで二種類読める時など)

(2+3+5+6+1)×2+(3+3+5)×3

のような計算になります。

 

得点のチップをもらえるとなると、子どもはこうした暗算を

とても楽しくおこないます。

 

高学年の子らとこのゲームをする時は、

「形容詞と動詞だけで、文字を作る」時間、

「固有名詞がOK」の時間、

「形容動詞と名詞だけで、文字を作る」時間などを設けると、

とても面白かったです。

30とか100といったある得点が貯まった時に

交換するグッズを用意しておくと、得点計算が楽しくなります。

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やる気と本気のスイッチが入るもと それぞれ 

2018-05-30 20:18:36 | 通常レッスン

自分の書いた本が虹色教室内でベストセラーになっていると聞いて、

物書き魂に火がついた小3のAちゃん。

前回のレッスンでは、ベストセラー書の続編を書くために、

帰り支度をする数分の間も惜しんで書いていました。

1冊目よりも長い話にしたかったらしく、家に持ち帰って続きを書くことにし、

今回、仕上げて持ってきてくれました。

と、さっそく同じグループの子らの間で回し読みが始まりました。

それを見て、俄然やる気が出たAちゃん。3冊目を書く決意を固めて、

本にする紙の束を持って帰りました。

 

教室では本の他にマンガ雑誌も作っています。

なめこ図鑑 と 虹色教室の月刊マンガ雑誌

マンガ雑誌の編集会議に寄せられたマンガ原稿

 

カセット付き絵本と音読教材も作っていますよ。

旅のスクラップブックと音読教材 1

旅のスクラップブックと音読教材 2

 

やる気と本気のスイッチが入るもとは、人それぞれですよね。

子どもも同じです。

何がモチベーションになるか、ひとりひとりの子の違いは見ていて面白いです。

将来もきっと、そうしたやる気と意欲のもとが、

仕事や日々の暮らしをいきいきさせてくれるのでしょうね。

 

わたしにしても、今、心から楽しいと思えるものはどれも、

子どもの頃にワクワクした体験と根っこのモチベーションはいっしょですし、

うちの子らにしても、赤ちゃん時代も二十歳を過ぎた今も

やる気を本気スイッチが入るもとは、変わってないな~と感じます。

 

百人一首をした時のこと。

勝ち負けのあるゲームに参加をするのをしぶるAちゃんは、札を読む役を買ってでました。

98枚の札(2枚なくなっています)を全て読み切ったAちゃん。

「負けるんじゃないか」「上手くできないんじゃないか」と思うと

すること自体にしりごみしがちなAちゃんですが、実際、実力があるし、

やり始めたことを根気よく続けていくエネルギーは誰にも負けないのです。

長距離走を完走しきったような興奮の後で、

算数の学習では、他の子らが手を着けなかった問題を力技で解き切りました。

 

 

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小学1年生の子たちの高い視点からの気づき

2018-05-28 21:14:17 | 工作 ワークショップ

子どもはどの子も基本的に自分のアイデア、自分の考え、自分の興味関心、自分の愛着などを

中心に工作をするのが好きです。

その時、ちょっとした工作技術を教えると、子どもの心に深く響く時があります。

何が強く響くかは個性にもよりけりですが、年代によっても特徴があります。

小学1年生の子らは、それより年下の子たちとちがって、

工作技術を教えた時に、「そういう原理だったのか!」「そういう仕掛けだったのか!」「そういう意味が

あったのか!」というより高い視点からの気づきのようなものがあります。

上の写真は、1年生の子が作った『電子レンジ』です。

この子はボタンをテープで貼って、自分のアイデアに大満足でした。

その時、「とびらのボタンを取り付ける時、穴をあけて、とびらの裏から短く切ったモールを通し、

次にボタンの穴に通し、再びとびらの穴に通して、とびらの裏でモールをテープを止める」という

方法を教えました。

すると、1年生の子たちは、

上からテープでボタンを貼り付けるよりずっときれいで、強度が増すことに

心から感動していました。

それより幼い子たちだと、きれいにできあがったことに喜ぶところで、

一本の短いモールが、こんなすごい働きをすること、

知恵を使うことの面白さに感動しているのです。

 

 

この1年生のグループで、こんなシーンもありました。

クレープやアイスクリームのコーンを作るための

簡易コンパスを作ったところ、

どの子もクレープやアイスクリームができあがるということ以上に

ふたつの穴が円を描くことに驚き、感激していたのです。

簡易コンパスは、食品の発砲トレイ、楊枝、半径サイズに穴を開けて

切った厚紙を用意したらできあがりです。

この同じコンパスも2年生の子たちに見せた時は、別の場所に穴を開けると

どうなるのか、ということに関心が向かっていました。

コメント

自分の時間を過ごしている子は、抽象的な思考ができる状態に自然に発達していく

2018-05-25 20:34:21 | 教育論 読者の方からのQ&A

上の写真は、紙飛行機を飛ばす道具を作る小学生たち。

電池の向きを変えると、モーターの回転の向きが変わるので、

飛行機が飛ばないことに気づいて驚いていました。

 

(過去記事です)

コメント欄で次のような質問をいただきました。
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この4月から、4年生の理科を担当しています。
1学期は、自然観察、天気と気温の関係、電気のはたらきと学習を進めてきました。(教科書の順です。)
前の2つの学習では、テストをしても大した差は見られず、平均点もよかったのですが、
「電気」の授業・テストをして、これは!と歴然とした差が子ども達の中にあるのを感じました。
前の二つの学習は、目に見えるものを扱っています。
気温にしても、体感でどの子もある程度の経験量がある。
でもこの「電気」は、目に見えない上に、経験にも大きな差が。
問題を解こうとすると、抽象的な思考を要するんですよね。
するととたんにできなくなる子が続出!
見えないものをイメージするのがかなり難しい様子。
担任の先生方に聞くと、算数でも同じような状態になっているとのこと。
抽象的な考え方って、どれくらいで身につけていくものなんでしょう?

9歳~10歳の4年生の今が、そういう時期なのかなとは思うのですが、
(だからこそ、教科書にもそういった内容を扱う学習が出てくるのだと思うのですが)
一朝一夕に、身につけられる力ではないと思うのですが、
そうであっても、ただ何もせずそういう力がついてくるのを待つしかないのでしょうか?
そんなことを考えながら、ブログを読んでいたら、この記事に出会いました。
自分の手を使って、切ったり、貼ったり、組み立てたり・・・。
「工作」する中で、抽象的なものの見方などを育てることもできるのでしょうか?
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この質問をいただいてから、以前、教員をされていた☆さんと、

このコメントの内容についてお話する機会がありました。

(質問主さんと☆さんは別の方です)

「抽象的な見方や考え方は、どのようにして育つのでしょう?」とたずねると、

☆さんは、小学校高学年と低学年のふたりのお子さんをこれまで育ててくるなかで、

感じた考えを聞かせてくださいました。

☆さんの上のお子さんは、小さい頃から飲み込みが早く、記憶力が良くて、

人と関わりながら学ぶのが大好きな子でした。

おまけにまじめで聞きわけが良く、学習習慣もつけやすくて、

自分から進んでワークをするおりこうさんでした。

それで、☆さんは、この子にさまざまなことを教え、この子は驚異的なスピードで

マスターしていました。

ところが、このおりこうさんぶりが災いして、

9歳~10歳になった頃、抽象概念の理解につまずきはじめました。

この子はとても賢い子ではあるのですが、それまで大人が教えることを

できるだけ効率的に受動的に学ぶ習慣が身についていました。

そうして、教わってできるようになることの繰り返しでは、学習をどれほど先に進んでも、

それが抽象的な見方に発展していかないところがあったのです。

「ひとつの答え」を急いで求めようとする早押しクイズをしているような態度や、

大人から正しい解き方の説明をしてもらって、できるだけ素早く正確にマスターしようと

する態度は、抽象的な思考につながりにくいどころか、

それを邪魔するような遠ざけるような面があったのです。

一方、下のお子さんは、工作やブロック制作や自由遊び、親子の会話や日常生活の中で、

自分で体験して学ぶことが主で、☆さんは、極力、「教える」ことを控えて子育て

してこられました。すると、下のお子さんは、まだ低学年なのにも関わらず、

自分で論理的な筋道を立てて考えたり、抽象的な概念も正確に理解して問題を解いたり、

高い思考力で問題解決をするように育ってきました。

そこで、☆さんは、上のお子さんにも、教え込んで、その日のうちにわからせて

しまうことを避け、自分で自由に試行錯誤するゆったりした時間を与えるように

しました。また、日々の生活をゆっくりマイペースに過ごせるようにしたり、

友だちとの遊び時間を大切にしてあげるようにしました。

すると、時間はかかりましたが、上のお子さんにも、

抽象的な見方や考え方が芽生えてきました。

☆さんは、現在も教育関連のお仕事をなさっていて、そこで、子どもたちの知能の

発達や抽象概念を扱えるようになる子とならない子のちがいについて、

ていねいに観察しておられました。

☆さんいわく、「抽象的な見方や考え方は、大人に抽象的思考を教えられたから

身につくものではなく、子どもが自分で日常の体験を味わうことが大事で、

そうして自分の時間を過ごしている子は、脳が、ちゃんと抽象的な思考ができる状態に

自然に発達していくものですよ」というお話でした。

次回は、『よみがえれ思考力』(ジェーン・ハーリー  大修館書店)に書かれて

いる抽象的な見方や考え方を育むための方法を紹介しますね。

 

『よみがえれ 思考力』 ジェーン・ハーリー  大修館書店

には抽象的な見方や考え方について、次のように書かれています。

(要約して紹介します)

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十代の初期には、物の世界を習熟し終えて、抽象的な考えの操作へ進まなければ

ならない。

ある人は、ピアジェのいう「形式操作の思考」である抽象的な思考の段階に

達しているのは大人のに3分の2だけだと考えている。

おそらく、抽象的な問題に対して創造的な答えを生み出すことが要求される「課題発見」

とよばれる究極の段階に到達する者は、きわめてわずかだろう。

われわれの社会が、そういった能力をもつ人々をもっと多く必要としていることは

誰も異存はないだろう。

 

<抽象的思考の手立て>

◆ 演繹的推論  
人間の脳は経験の中に規則や秩序をさがし求めるようにされている。

幼い子どもは情報のさまざまな断片に注目し、大きな規則や広いカテゴリーへと

それらの情報をまとめていくことを学習する。

「昆虫は全て足が6本みたいだ。だから昆虫であるということの規則は足が

6本であることにちがいない」というのは、帰納的推論である。

この語、一般的原理を取り入れ、未知の状況へ応用する。

 

◆ 仮説検証

問題について可能性の高い答えを考えだし、うまく機能する答えが見つかるまで

系統的に検証していくことは、科学的な推論の基盤である。

一つの考えに固執して、事実を無理やりそれに合わせてしまう傾向がある時期は、

大人の援助が必要。毎日出会うさまざまな問題に、心をひらいて対処していくことは、

この仮説検証という重要な成長へと向かう明確な水路である。


◆ 命題的論理

「メアリーはサリーより背が高く、サリーはマージーより背が高い。一番、

背が高いのは誰でしょう」という問題は、具体的操作を習得した子なら理解できる。

しかし、「雨が降っている。夏にちがいない。とすれば、夏であれば雨が降るのじゃ」

といった命題を理解することは困難である。


◆ 比率

比を扱う問題を心で操作できるようになるには、具体的な材料や公式を必要とする。


◆ 二次表象システム

代数と文法はどちらも別のシンボル体系を表すシンボル体系である。

幼い子たちには、規則を抽象的に応用することを期待すべきではない。

◆ 「抽象的な心的態度」

状況の外側に立ち、通常のかたちでは相伴うことのない考えを結びつける能力。

隠喩、文の中ではあからさまに述べられていないような推論、ある種のユーモア、類推、

自分自身の現実的な評価などである。

感受性の高い大人であれば、質問を正しくすることで、この種の推論へと

子どもたちを引き上げることができる。 


◆ 抑制することの重要性

われわれは脳が活動的であることを好むが、過度に活性化された脳というのは、

一度にあまりにも多くの刺激に反応し、

考えから考えへと飛躍してしまうといった問題を生じやすい。

前頭葉の発達の研究では「内言」(自分自身との心的な対話)の重要性を強調している。

衝動的に行動を起こすのではなく、問題に対して心の中で一通りの言葉を使って

考えることができる生徒は学校において優秀であり、高次の思考技術をより早く

獲得することができる。

 

◆ 意志決定

身につけた新しい精神的見識が、個人の意志決定のための全く新しい構造を

若者たちにもたらす。その構造を使って実践するにつれて、

彼らは依存したいことと主張したいことをふるい分けるようになる。

       (『よみがえれ 思考力』 ジェーン・ハーリー/大修館書店より)



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前回の記事で、知人の「抽象的な見方や考え方は、大人に抽象的思考を教えられたから

身につくものではなく、子どもが自分で日常の体験を味わうことが大事で、

そうして自分の時間を過ごしている子は、脳が、ちゃんと抽象的な思考ができる状態に

自然に発達していくものですよ」という発言は、上の<抽象的思考の手立て>を読むと

納得できるものです。

「演繹的推論」ができるようになるには、自分で身の回りの世界から規則や秩序に

気づく体験の蓄積が必要です。

でも、大人が教えたり、図鑑を見て最初から一般的原理を教えたのでは、

脳が経験不足に陥ったり、考えずに鵜呑みにする悪い癖が身に付きますよね。

また、「仮説検証」についても、子どもに教え込んでいく学習をさせると、

「自分が大人に教わったものだから正しい」というよく考えを練りもせずに、

ひとつの考えに固執して、事実の方を無理やりそれに合わせてしまう癖がつきがちです。

私が、大人や現代の環境が、子どもから、「内言」が発達することを奪っているように

感じています。自分自身との心的な対話は、子どもが自分でいろんな体験をして、

ゆったりしたその子の時間を与えられなかったら生じてきませんよね。

 

子どもをお勉強マシーンのように捉えて、次々課題をこなさせて、

そうした過度に脳を活性化させるばかりの活動が続くと、自分で自分と対話する

静かな時間が失われるのです。

その静かな子ども自身の時間を、学習漫画やパソコンやゲーム機でする知識を

インプットする知能が向上しているような錯覚を覚える活動で埋めては、

お得感(時間を無駄にせずにすんだという理由で)を感じるという親御さんがいます。

抽象的な思考力の発達という点からすると、そうした反射的な思考回路ばかり

強化するのはとても危険なことのように思われます。

 

子どもはボーッとしてゆったり過ごす時間に、自分で自分と対話をし、

自分の経験を振り返ってそこから規則を見出したり、自分の意志で選びたいものに

ついて夢想したりするからです。

といっても、ただ放任して時間を十分に与えたからといって、

どの子も抽象的な見方や考え方ができるようになるかというと、難しい問題です。

-抽象的な見方や考え方ができるようになるには、

次のふたつの体験がベースになっています。

 

◆ 身体、五感でする体験。

◆ 物に触れて、操作しながら具体的に考えること。

 

このふたつの体験の豊かな蓄積の上に、抽象的思考は成り立ちます。

「抽象的な思考力がないと「9歳の壁」を越えられない……だから、思考力を鍛える

ワークや頭脳パズルを早くから学習に加えよう」と考える方もいます。

でも、それは抽象的な思考力のごく一部にしか通用しないかもしれません。

思考力を養う教材で抽象的な思考を養おうとするのでは、

実際、抽象的に考える段階になったときに、身体感覚からのインプットの量も、

遊びや創作活動を通して触れる具体的に目で見て、手で扱って考えた体験の量も

少なすぎるからです。

 

物事を正しく認識し、文字や数など抽象的なシンボルを扱う思考力は、

身体を通して学び、感覚を統合させていく体験と、おもちゃや工作の素材に、

自由に働きかけて、手を使って何かを作りだしたり、想像力を使って見立てたり、

自分のアイデアを形にしたり、うまくいかない時には工夫して解決したりする体験を

通して養われます。 



↑の写真は、ユースホステルでの工作作品です。

機械が大好きな2歳の★くんが、クーラーの室外機のファンが回る様子に

強い興味を示していたので、お母さんが★くんといっしょに作ったものです。

★くんは、紙コップで作ったファンをくるくる回したり、

スイッチをつけたり消したりする真似をして、大喜びでした。

2歳くらいの子にとって、「ある物が、何かの内部にある」という関係も、

実際、手で触れて出し入れしてみないと難しいものです。

このようにティッシュ箱の中に何かが入っている状態というのも、体験して初めて、

「わかる」ものだし、こうして手で扱えるものになってから、

「こうしたらどうなるのかな?」「こうやったらこうなるのか」

「あの機械は、こんな風な力で動いているのか」「くるくる回るのはこうするから

回るのか」と具体的な体験を通して考えることができるのです。

 

抽象的な思考をする力を育むには、

「身体と五感を通じてする体験の蓄積」

「遊びや創作活動を通じてする具体的な物の操作」

「内言を育むこと」

「親子の対話」

「読書」

「身近な大人が抽象的な思考を使う姿を見せること」

の6つが、とても大切なように感じています。

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虹色教室のグループレッスンでは、それぞれの年齢の子たちが好む遊びの機会を

提供して、それがより洗練されたものに展開する手助けをしています。

さまざまな年齢のグループレッスンに付き合っていると、

非常にさまざまな内容の濃い遊びや活動を展開する幼児たちに比べて、

小学生のグループは年齢が上がるにつれて、地味であまり活発とはいえない

遊び方に変化していきます。

 

<教室で子どもたちがしている遊び>

◆機能
1歳くらいから、目と手を協応させる遊び、手指の感覚を育てる遊び、

身体を使ってする遊びがはじまります。

 

★象徴

2歳くらいから、つもりやみたてがはじまり、

3歳くらいから、ごっこ遊びがはじまります。

模倣や社会的役割の理解と獲得が進みます。

 

☆構造

2歳半くらいから。
空間認知、創造性、仲間との協調性が育む構造遊び。

 

○数の世界
2歳半くらいから。数の敏感期とともに遊びが展開していきます。

 

■ルール

3歳半くらいから ボードゲーム カードゲーム

 

●知恵

4歳くらいから 頭脳パズルなど ニキーチンの積み木など

 

■抽象的思考

対話の中で、抽象的な考え方を深めていく

 

でも、表面的には、同じトランプゲームを繰り返したがったり、

だらだらおしゃべりしていたがったりして非生産的に見える時も、

それに適度に関わっていると、子どもの内面で具象から抽象へ、

興味の変化が起こっていて、大人の手を借りてそれをより深めたがっているのが

わかります。

 

現代の小学生は、きょうだいが少ないので、自分の家にも近所にも、

少し年上のお姉ちゃんお兄ちゃんという存在と接することができない子が多いです。

そのため、抽象的な思考力が発達する時期には、同年代の友達同士のおしゃべりや、

ひとりでぐるぐるろ同じところを回っていた考えを、

身近な大人にそっと軌道修正してもらう必要があるように思います。

間違いを正してもらうのではなくて、脱線しそうになる考えを、ひとまわり大きな

枠組みから捉えたり、他の視点から眺めたりできるような

質問をしてもらったり、相槌を打ってもらうことがいるんだな、と感じているのです。

 

先日も、小学校高学年の女の子たちのグループで、

「私はいつも運が悪いわ。先生(私のこと)は、今、運が悪いんだったら、

後でいいことがたくさん起こるんじゃない?なんて言ってたけど、前に運が悪かった

ときから思うと、今は後だと思うけど、やっぱり今も運が悪いわ」とぼやいている子が

いました。

「運が悪いって、具体的にいうと、どんなことがあったの?」とたずねると、

「具体的にいうって?」と聞き返します。

「ほら、よく石につまずくとか、くじびきで、はずればっかりだとか、実際に

運が悪いと思う理由になったひとつひとつの出来事のことよ」

「なら、ウノをするときは、運が悪い。配られたカードが悪いのばかりだから……でも、

ボードゲームとかだと、運が良いときもある。トランプのときも、

あんまり運が悪くない」

「Aちゃんは、ウノだと運が悪くて、他のゲームだと運が悪くないのね。

それなら、私はいつも運が悪いわって言葉は、私はウノをするときいつも運が悪いわ、

っていうある部分に限定した言い方に変えた方がいいんじゃない?」

「そうだけど……」と、ちょっと不服そうに口ごもりながらも、考え込んでいました。

グループのお友だちもこの問題についていろいろ考えていました。

 

<AはBである> (私はいつも運が悪い)

なんていう子どものつぶやきも、それをテーマに対話をすることによって、

抽象的に考えていく方法を学ぶ機会になります。思春期に近くなるにつれ、子どもたちは、

活発に楽しげに遊びを繰り広げるのではなくて、こうした日常で感じた心のささくれの

ようなものを相手に、「ああでもない、こうでもない、でも……」とぐずぐずと悩んだり

愚痴ったりするようになります。

でも、よく聞いていると、それは抽象的な思考を試して練習している場合が多いです。

脳が、そうした脳内の言葉だけの操作を求めるようになるんですね。

でも幼い頃から、「はやくはやく」とせかされて、ひとつの正解を求めて練習を

積むような訓練をたくさんしている子は、こうした自然な抽象的な思考への移行が

見られないときがあります。

子どもにゆっくりと考えを練る時間を与えてあげたいですね。

 
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大人気 ATM カードガチャのしかけ

2018-05-24 21:15:16 | 工作 ワークショップ

教室で大人気のATMとカードガチャ作りのしかけです。

基本はラップの芯などに輪ゴムを巻くだけ。

カードが出てくる口を細長く切ります。

ゴムを巻いたラップの芯をくるくる回すと、カードやお札が

箱にあけた出口から出てきます。

 

 

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個性的な資質を伸ばすのに大切な3歳児 (もう少し大きくなった子の親御さんも読んでくださいね)

2018-05-23 10:33:09 | 幼児教育の基本

 

個性的なその子その子の資質を伸ばしていく上で、
とても大事だな~と感じているのは、3歳の時期です。

1,2歳から親子レッスンで、子どものお世話をさせていただいている場合、
親御さんの考えと私の考えに微妙なずれが生じやすいのも、
この時期でもあります。

3歳の子というのは、
2歳のころの「大人の言うことや環境からの刺激を
吸い取り紙のように何でも吸収する姿」がまだ残っている上に、

「本人の意志でやりはじめること」は、
折り紙でしたら、ぐちゃぐちゃっとして、
名前をつける程度の
大人からすれば目を引かない……見栄えのよくない行動が多いのです。

3歳の子に、英語を習わせたり、音楽を習わせたりすると、
家に帰ってから習った英語を真似てみたり、
楽器を弾いたり、本人も楽しそうだし、親御さんも次はどんなことをさせてみようかとわくわくするようです。
また、幼児用のプリントを与えると、喜んで何枚もしたりして、
このまま学習習慣をつけてあげたいとも思うようです。

こんな風に3歳になったとき、
さまざまなことに積極的に集中してチャレンジできるのは、
2歳の時期に、目と手を協応させて、
遊びにじっくり関われるように育んできた結果でもありますから、
「いろいろやれる」のだから、無理強いはせずに「いろいろさせてみる」のは
何の問題もないように
見えるかもしれません。

私にしても、「これはまだ教えるのは早い」とか思うものはなく、「いろいろさせてみる」こと自体には何の問題も感じていません。

それなのに、親御さんと私の間に考え方の「ずれ」が生じるのは
なぜかというと、
親御さんが3歳の時に感動してあれもこれも伸ばしたいと注目しているポイントが、植物でいうと子葉の部分……つまり、3歳までの子の特有の長所に注目していることが多く、

私は、3歳ごろから芽を出し始めたばかりの
植物でいうと本葉の部分を見ていて、
まだ目立たない個性的な資質のあらわれを、守って、磨きをかけ、
大事に育んでいきたいと考えていて、

そこで、どちらに重点をおくかで、何度か話し合いになることがあるのです。

もちろん、どちらも大事にしていくことはできますし、私もそれを目指しています。
気をつけなくてはならないのは、
3歳という時期は、
「あまり重要でないもの」が立派に見えて、
「その子にとって重要なもの」は、生まれたばかりで目立たない
ということなのです。

この「重要でない」「重要」の差は、
写し絵と、本物の絵のちがいのようなものです。
まだ上手に絵が描けない子に、写し絵ばかりさせて褒めていれば、
何だか立派なものができたというパフォーマンスにはなっても、
絵を描く能力を衰えさせていくのは目に見えていますよね。

これは写し絵をさせてはダメだということでは、ありません。
写し絵をして伸びるかもしれない、手先の巧緻性を無意味だと
言っているわけでもないのです。

「重要でない」ことをさせて良いかどうかの問題ではなく、

「重要」なことは、他の何に気持ちが奪われていても
無視してはいけない

ということなのです。

3歳の時期、子どもの遊びは、
だんだん「意味」と「目的」を持ったものに
変化しはじめます。
遊んでいるうちに、「こうしたいな」「ああしたいな」と思いがふくらんだり、
前にうまくいった方法を発展させて何かしようとしたりします。

写真では、3歳の★くんが、ビー球が転がる先に鉄琴を置いてみて、
音を楽しんでいます。
その前に、鉄琴の上にいろんな物を落としてみて、音を面白がっていたのです。
それで、ビー球を転がしている時に、
それを思い出して、「転がったボールが鉄琴に当たるとどうなるだろう?」と
考えたようなのです。

3歳の時期には、

どんなことがやりたいか見つける(自分がやったら楽しいものがわかっている)
「こんなことがしたい」という思いを持つ

遊びながら工夫して、「さらにこうしたい」「こんなこともためしたい」と思いがふくらんでいく

前の経験を思い出し、今の遊びに活用する

ということができはじめます。

2歳の頃なら、ただ絵を描くだけだったのが、
いろいろな経験の幅を広げてあげると、
絵を描いたあとで、
「飾ってほしい」と言ったり、「切手を貼ってポストに入れよう」と言ったりします。

他の人のアイデアと、
自分のアイデアとに、ものすごく大きな興味の違いをしめすときでもあります。
他の人がすることよりも、
自分がすることは、「すごくてすばらしくて大満足!」
という時期でもあります。

面白いなと思うのは、3歳児の描いた何だかよくわからないプリキュアの
絵を3歳の子たちに見せると、
大人の描いた上手な絵よりも感心して、
「じょうず~」「りぼんじょうず~」と絶賛したりすることです。
この時期の子は、「自分でできそうだ」ということに
心が揺さぶられるようです。
 

3歳の時期、親御さんの考えと「ずれ」が生じる時があります~と書いたのは、
ちょうどこの頃から、
「難しいことはさせていないので、楽しくやらせているので、
~~をさせても大丈夫ですよね?」とたずねられることが増えるからです。
内容は、
ピアノや文字のワークや英語やリトミック、体操などです。

どの内容なら良いのか、どれくらいするのなら良いのか、さまざまな意見があるので、迷うそうです。

私が、う~ん、と返事に悩んでしまうのは、

子どもって、1歳でも、2歳でも、3歳でも、「楽」なことなんてしないで、
自分の能力の限界まで力を出しきっていろんなことをしているな、と感じているからです。
1歳児は懸命に歩こうとするし、2歳児は手を使う仕事に一生懸命です。

3歳児はというと、記憶したことを取り出したり、
自分で選んだり、
決定したり、目的を定めたり、自分の気持ちを言葉にしたり、
経験したことをごっこ遊びのなかで再現してみたりと、
自分の頭を使うことになら何でも真剣そのものです。

そのどれもが、録音、録画機能のある機械にも、計算機にも、ロボットにも
できないことばかりです。

そうした3歳児が「自分の頭を使いたい」と思っていることに
理解のある親御さんたちは、できるだけ子どもの言葉に耳を傾けて
周囲よりのんびりと生活しています。

子どもが上手にしたら、「上手に自分で達成できた事実」を、教えてあげています。

失敗したら、子どもが自分で気づくように見守っています。
あれこれすることを指示するのでなくて、
子どもがやりたい、達成したいと思う内容を
自分で見つけて
探求していくのを支援しています。
のんびりペースで、5歳、6歳を迎えると、想像力豊かで、思考力が高く、手先も器用で、意欲的な子に成長しています。また個性的なその子しかない才能は、その頃にはもう輝きだしています。


前の話題にもどって、
私が何をう~んと悩むのかと言えば、

3歳の子は、まだ自分の頭で考えることを始めたばかりですから、

しょっちゅう、考えるのを中断されたり、

自分で選んだり、決めたりできない場所でいろいろ指示されて真似することを繰り返したり、

自分の考えを実行に移すよりも
大人の求めるものを真似した方が褒められる体験をしていると、
「考えること」自体をやめてしまうからなのです。

集団でリトミックや英語などを体験するのが悪いわけではないのです。
大人の価値を置くものが外に向いていて、
お家でも、移動中も、お外でも、
あまりにも幼児の「頭で考える」時間が奪われている場合、
問題なのです。

脳の基本の操作がきちんと実行できるように、
この時期の子にはこの時期の子の
やっておかなければならない大切な仕事がたくさんありますよね。

見たり聞いたりしたことを、
遊びの中で再現しなおして、
記憶したことを、きちんとアウトプットできるようにしたり、
手で何か作ることで、
イメージしたものをアウトプットすることもそのひとつですね。
 
知的な課題が好きな子に育つお母さんの態度 嫌いな子に育つお母さんの態度



小学生と話していると、
「マンガを読むのもめんどくさい」
「ゲームをするのもめんどくさい」という子がけっこういます。
遊ぶのもめんどくさいし、何をしようかと考えるのもめんどくさいそうです。
以前、児童館でボランティアをしていたとき、
児童館の館長先生が、
「多くの子どもが、おもちゃで遊ばず、おもちゃを壊す、崩す、蹴ることばかりするのは、
どうしたものか……」と嘆いていたことがあります。

子どもたちの姿を見ていると、
どんなことをすれば自分が楽しい気もちになるか、それが持続できるかが
わからない様子でした。

子どもは、3歳くらいから、ひたすらそれを探求しはじめます。

どんなことをすれば自分が楽しい気もちになるか、それが持続できるか
は、探求すればするほど、
遊べば遊ぶほど、豊かになり、洗練されていき、
自分の個性的な潜在能力と結びつきます。

人は自分が最も得意としていて、
伸びる可能性のあることに
本気で取り組んでいるとき、一番楽しい気持ちになるし、
いつまでもそれをしていたいと思うからです。

幼児は、全身全霊をかけて自分の潜在能力探しをし続けている
と言っても良いくらいです。

大人がそれを手助けしようと思うなら、次のようなことが大切です。

★ まだ上手に言葉にできない部分を助けつつ、よく話やアイデアを聞いてあげること

★ 問題にぶつかったとき、自分で切り抜けられるように見守り、
適度に手をかすこと

★ 子どもの興味をより広い世界につなげてあげること

★ 大人が「ここは干渉しない方がいい」というタイミングを知り、我慢できること

★ 子どもが必要なもの(紙や描く道具やはさみやブロックやシンプルなおもちゃなど)と、前回の経験が生かせるような忙しくない生活リズムが確保されていること
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年長さんたちの算数レッスンと小2のお兄ちゃんの知恵

2018-05-22 20:30:37 | 算数

年長のAちゃんとBちゃんの算数レッスンの様子です。

ハムスターの人形をきれいに並べていく作業は子供たちに大人気です。

10ぴきずつ、5列並べた後で、Aちゃんに、「何びき?」とたずねると、10,10,10……と塊ずつ数えていって、

「50ぴき」と答えました。

「50ひく1は?」

「49」

数についてよくわかっています。

たくさんの数を眺めるのはわくわくするようです。

 

 

 

年長さんたちのグループに小学2年生のお兄ちゃんのCくんも参加していました。

ハムスターを10ぴきずつ並べようと思うと、1ぴき多かったり、1ぴき少なかったり

したので、その都度、「+1」「ー1」と列の横に紙を置いていきました。

 

Cくんは算数の規則を発見するのが大好きな子です。

「このたくさんのハムスターをいちいち1ぴきずつ数えなくても、何びきいるか

わかる?」

とたずねると、少し考えてから、いいことを考えてくれました。

 

ハムスターは15列です。もし、全部、10ぴきずつ並んでいたら、150ぴきいるはずなんです。

Cくんは、まず、+1とー1のカードを合わせて、消していき、ー1だけのカードの

上に余ったハムスターを乗せていきました。

そして、「10ずつなら150だけど、それより、引くカードが4になるから146だよ。でも、

ハムスターの列の前にも2ひきハムスターがいるから、答えは148ぴき」と言いました。

Cくんは、こうした計算方法などのアイデアを練るのが大好きです。

学校では、こうした算数のセンスを持っている子が、「そんな能力があってもまったく無意味で、

優しい問題をミスなく早く解くことだけが大事なこと」と叩き込まれるので、

だんだん自分に自信を失ったり、学ぶことに興味をなくしたりしていくので

とても残念です。

難しい問題をじっくり考えることが好きな子や

独創的な解法を思いつく子が、勉強嫌いにならないような

授業のあり方を望みます。

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時間内に正解しなかったことを褒める時

2018-05-20 20:10:03 | 算数

1年生の女の子たちのグループレッスンで。

どの子もこの半年ほどで考える力がとても伸びてきました。

『最レベ問題集』を解いている時、こんなことがありました。

 

Aちゃんは言語能力や理解力が高くややこしい文章題も、自力で解いていく子です。

が、この日解いたのは、水を大きさの異なる容器に移し替えた時に、

水の中に立てた棒が濡れる高さがどう変化するか選ぶものや

棒に針金を巻き付けた絵がいくつかある中から2番目に短いものを選ぶ際、

違いが微妙なもの。

どちらも言葉を介さず考える問題だったため、何を基準に判断したらいいものか

困ったようです。

「これかこれ」というところまで答えを絞った段階で、

どうも腑に落ちない様子で首をかしげたり、

「ああでもない、こうでもない」と迷ったりしていました。

 

よく似たいくつかの答えから正しいと思うものを選んで丸をつける時、

たいした根拠もなく、「これかな」と丸をつけてみて、大人の表情を見て、

「ちがってそう、やっぱりこっちかな」と変える子や

「ほかの子は何を選んだのかな」と隣の子のプリントを覗き見て

丸をつける子は多いです。

点数や評価にこだわる子や、「時間内に正解しなくてはならない」

「間違えてはいけない」という気持ちで問題を解く子は、特にそうなりがちです。

 

Aちゃんは大人のいうことをよくきく真面目な優等生タイプの子なので、

少し前までは、何かするごとに、良い成果を出さなくてはならないと思うあまり、

わからない問題にぶつかると、考えて納得するより、先に書いたような困った態度に

陥ることがたびたびありました。

でも、この半年ほど、自分の頭で考えることに自信がついてくるにつれ、

時間内に正解しようと焦らず、「何がどうわからないのか、どのような理由で迷って

いるのか、何に納得していないのか」を言葉にして考えを練るようになりました。

 

Aちゃん、よく悩んだので、

「棒に針金を巻き付けた絵がいくつかある問題」の場合、何となく直観的に

長短を比べるのではなく、巻きつけるスタート地点になっている部分と

巻き付け終わりの地点のそれぞれを慎重に見比べて判断することを理解しました。

こんなふうに、判断の根拠を理解した上で正解すると、今後、どんな応用問題が出ても

大丈夫でしょう。

もし適当に選んだものが正解してしまうと、今日の成績は良くても、

応用問題の引っかけにかかってしまうかもしれません。

 

「水を大きさの異なる容器に移し替えた時に、

水の中に立てた棒が濡れる高さがどう変化するか」の問題は、

Aちゃんだけでなくほかの子らも混乱していました。

そこで、実際にサイズの異なる容器で問題をシュミレーションしてみたり、

みなで「こうじゃないか」「ああじゃないか」と話しあううちに、

「わかった!」とひらめいた子らが一生懸命、ほかの子らに説明しようとしていました。

 

でもAちゃんは、どうしても腑に落ちない部分があったようで、

「こうだし、ああだし……」と言いながら、考え込んでいました。

その言葉から、Aちゃんは、家に帰ってもじっくりこの問題を考え、

近いうちに、心から納得する瞬間を迎えるに違いない、と思えました。

 

そこで、時間内に正解した子らを褒めたのはもちろんなのですが、

Aちゃんが、時間内に正解せず、腑に落ちない部分を何としても突きとめて分析して

答えようとがんばっていた姿勢を褒めて、

「家に帰ってから、お風呂で実際に試して、答えを出してね」と、

その問題は答えを書きこまない状態で持って帰るように勧めました。

Aちゃんの表情には自信と意欲がみなぎっていました。

 

キラキラしたものが大好きで、鉱物図鑑を持ってきていた子がいたので、

化石や鉱物を発掘する絵本を作ることになりました。

 

 

化石は、古生物や恐竜の骨のフィギアや本物の貝殻を

紙の下に敷いて、クーピーペンシルでこすって型を取っています。

 

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年長さんたちの算数のレッスンの様子です

2018-05-20 20:08:33 | 算数

年長の女の子たちのレッスンの様子です。

キラキラした小物を並べて大きな数を学んでいます。

 

☆36のふたつ前の数は?

☆35+25=

☆30-3=

☆10円みっつ分はどのくらい?

など。


最レベ1年生の少し難しい問題にもチャレンジしました。

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1から 2つとばしに 19までのばんごうをつけた犬がいます。

こやの中には なんばんの 犬が かくれていますか。

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最初に、飛ばす数のところで手を叩きながら、「1つとばし」「2つとばし」の数を

唱えました。


それから、問題にある「2つとばし」の数を1から紙に書いていきました。

ふたりとも、「2つとばし」の意味は理解してどんどん書けるけれど、

19までの番号をつけた犬がいるということは、どこまで書いていけばいいのかは

難しいようでした。

 

紙を切って作った犬(紙を重ねて一度に切ります)に番号をつけて、

問題にあるイラストを見ながら、犬を置いていきました。

「4番はいる?次は16番。その次は、13番……」という具合に。

7番と13番の犬がイラストにはなかったので、小屋の中にいることがわかりました。

 

問題集のイラストには小屋の中の犬のしっぽがひとつ見えるだけなのですが、

答えは、2ひき分の犬を当てなくてはならないのです。

こうした子どもが勘違いしそうなところは、

「しっぽはひとつしか見えないのに、実は2ひきも犬小屋にいた!」という事実を

存分に面白がって、「絵を見たらだまされそう、だまされそう、でも、

答えのところに、(  )ばんと(  )ばん……って書いてあるから、

わかったよね」など、話をしています。

そんなふうに算数の問題を楽しむことで、問われていることに興味を抱き、

注意深く問題を解くようになっていきます。

 

算数タイムが終わった後で、AちゃんもBちゃんも教材だった犬に目鼻をつけたり

犬小屋を作ったりしはじめました。

 

3歳くらいから親しんでいたブロック遊びの影響か、

何でも立体で表現するのが大好きなAちゃん。

犬2ひきをつなげて、隙間に紙を入れて立つようにしていました。

 

犬小屋も立つようにしたいから……と試行錯誤して、木片を貼って落ち着きました。

 

おしゃれで渋い柄の折り紙を選んだBちゃん。

時計を作って貼りました。

 

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Bちゃんが沖縄旅行で購入したという魚のスタンプを持ってきていました。

そこで、画用紙を折って、ミニブックを作ることになりました。

 

市販のはんこ遊びをするうちに、オリジナルの型が作りたくなりました。

 

<ステンシル風のはんこ遊び>

折り紙を型抜きで抜き、

アイスの棒などにティッシュを巻いて、上から布でくるんでゴムでとめて、

色をつける道具を作りました。

 

小さい文字を覚えている最中のAちゃん。

 

<折り紙で作る封筒>

折り紙で封筒を作りました。

上の2枚の写真のように折って、余分にはみ出ている

部分を中に折りかえします。

 

上の写真のふたりが手にしているのができあがりです。糊づけをしています。

 

<便せん作り>

封筒のサイズに合わせて、折り紙を折って切ります。

正方形と長方形の違いがわかるようになります。

 

<切っ手作り>

なみなみばさみで切っ手の外枠を作ります。シールを貼ったらできあがり。

 

小学生の子らと郵便遊びを楽しむ時は、切っ手の上から押す

日付入りスタンプを作って楽しんでみてください。

作り方は、お菓子の袋などに水性マジックで逆さまになるように

日付を書いて、切っ手に押し付けて、上からこすります。

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「競技プログラミングがやってみたい!」

2018-05-18 18:27:00 | 算数

 小学3,4年生の男の子たちのグループレッスンが終わりしばらくした時のこと、

子どもたちと親御さんが忘れ物をしたとのことで、教室まで戻ってきました。

ちょうど息子がいたので、軽い雑談をするうち、息子が熱中している競技プログラミングの世界について

子どもたちにちょっと触れさせてあげよう、という流れになりました。

 

 最初に、子どもたちと、

カシギの数え方』 おねえさんといっしょ! みんなで数えてみよう!

 という動画を見せてあげると、年長の弟くんまで、かじりつくように見ていました。

「組み合わせ爆発」という言葉が、小学生たちのツボにはまっていました。

そして、最後の「現在のアルゴリズム技術を使うと……」のくだりで、

子どもたち全員、歓声をあげて喜んでいました。

息子が競技プログラミングについて、説明すると、小4のAくんは、「やってみたい!!」と

真剣な顔で言っていました。

 

競技プログラミングについて

プログラミングをやったことがないという方にもわかるようにていねいに解説してくれている初心者向けのサイト

息子に教えてもらいました。

 

コードを書いてみて、すぐに試してみることができるサイト

教えてもらったので、わたしもちょっとずつ勉強してみようかと思っています。

 

 

 

 

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