虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

数の規則を見つけるのは面白い

2019-03-14 20:01:28 | 算数が得意?苦手?の分かれ目

 小2のAくんのレッスンで。

Aくんは将棋や数独など、じっくり考えるゲームやパズルが大好きな男の子です。

 

1+2+3+4+5+6+7+8+9=

の計算をブロックを使って考える課題では、

90÷2だから45 とすんなり正解しました。

 

とはいえ、

2の段の黄色いブロック(2+4+6+8+10+12+14+16+18)が

いくつになるかは難しかった模様。

そこで、先ほどの赤いブロックをはずして

黄色と同じ高さになるよう埋めていくことにしました。

埋め終わってから、黄色いブロックの数をたずねると、

「90?あっ90か!」と納得していました。

 

⇧ Aくんの足だけが写っています……

 

階段状に増えている数がいくつなのかパッと見てわかるようになると、

一見難しそうに見える規則性の問題も、簡単に解けるようになるかもしれません。

 

上の写真のように

右から1番目に1つ、2番目に4つ、3番目に9つ、4番目に16こというように

ブロックを並べていきます。


①10番目の一番下の段にはブロックがいくつならぶでしょう?

②10番目のブロックはぜんぶで何こならぶでしょう?

 

こういう問題、ブロックを上の写真のように分けると、

階段がふたつできることに気づくと、一番下の段は、

4番目の時は、4+3で

5番目の時は 5+4で……ということに気づきます。

 

10段目だと一番下の段は10+9で19こですよね。

 

 

こういう規則性の問題も

階段になっているものをパズルのように2つ組み合わせて考えてみると、

急に簡単に見えてきます。

 

Aくんに、100番目のぜんぶのブロックの数をたずねると、

ちゃんと101×100の半分と100×99の半分を足した数だと

理解していました。

 

三角形を重ねた規則性の問題も、

「三角形の数をブロックで表現したらどうなるか?」と考えてみると

と同じですね。

 

Aくんと『Lunar Lockout』という頭脳パズルで遊びました。

このパズルは、詰め将棋とニュートリーコ というゲームに似ている

わたしが持っているパズルの中で一番面白いと感じているものです。

残念ながら今は手に入らないようです。

よく似たパズルでも8000円以上の値がついていました。

 

すっかりこのパズルにはまったAくん。

あんまり楽しそうだったので、お家に持って帰れるように

手作りすることにしました。

 

問題をコピーして、トレーディングカード用のビニール袋に1つ1つ入れています。

 

Aくんは「絶対に答えを言わないで。答えも渡さないで」と言って

一生懸命解いていました。

几帳面なAくんはダンボールで作ったボードの下に

きれいな小箱を貼り付けて、コマやカードをその中にしまって帰りました。

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1000×100=100000に納得できない子に教えるには?

2017-09-27 09:15:44 | 算数が得意?苦手?の分かれ目

コメント欄で、こんな質問をいただきました。

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現在小3の発達障害の子供についてです。

算数で、1000円が100枚はいくらですか?という様な問題で、どうして1000×100=100000なのかに納得できず、こだわっています。納得できないと先に進めないタイプです。ですので絵を描いたり、小さな額のお金を使って実際の数と式が同じな事を見せたりしていますが、いまいち腑に落ちないようなのです。どこにこだわり、何を知りたいのかが私にはわからず、お手上げ状態です。過去記事にあったら申し訳ないのですが、お知恵を拝借できたら嬉しいです。

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×10や ×100は、0を増やすだけですむ計算のはずなのに……

「わからない」と言い続ける子どもを前にして、

「どうしてこんな簡単なことをいつまでも納得しないのか」と

途方に暮れることと思います。

この「こんな簡単なこと」と思われることに、いつまでも納得しない様子は、

発達障害のあるなしに関わらず、子どもにはよくあることです。

 

この「子どもにはよくあること」と知っていること、

つまり、簡単すぎるほど簡単に見えるものでも、

いろいろ工夫して説明しても、その時間内に理解できないということは、

子どもにはめずらしくないんだ、と捉えていることは、大事です。

 

めずらしくないことですから、唖然とするほど物分かりが悪い姿を目にして、

イライラしたり、子どもを傷つけたり、うまく教えられない親側が挫折したりするのは

百害あって一利なし、です。

 

1000×100=100000を教えていた時につまずいたのでしたら、

1000×10から、その子が「できそうだ」と感じるアプローチで

考えさせていきます。

 

子どもたちがかけ算を習う時、九九という暗記物として学ぶため、

かけ算で求められるものを現実の生活の中で、

きちんと心に落とし込めていない場合が多いんです。

たとえば、紙皿にラムネを7こずつ入れていく、

おはじきを横一列にどんどん並べていって、楊枝を使って、5ずつ区切っていく、

100円玉を5個用意する、

紙に5という数字を丸で囲って4つ書く、

カレンダーに1週間ごとに色を変えて、3週間分色付けしてみる、

そうしたことが、どれもかけ算で表されることを、

普段の生活で体感させておくことも大事です。

 

そうした上で、両手を広げて、指1本を1000円という

ことにして、1000,2000、3000……と

数えあげていき10本目で、10000になったことがわかったら、

「どうして、1000×10=10000になるのかな、

0が1つ増えるのかな?」と子どもにたずねて考えさせます。

その後で、家族の両手や人形の両手、足りなければ、両足の指などもくわえて、

1000かける100を数えあげてみて、再び、どうして、

0がふたつ増えたのか考えさせます。

発達障害の子で指で見立てるのが難しいようなら、

コピー用紙を切って20枚ほどお札を作り、

1000かける1は1000円、1000かける2は2000円……と唱えながら、

10枚目で、「どうして10000円になるのか、どうして0が増えるんだろう?」

と子どもといっしょに考えます。

「1000円札が100枚でいくらかな?」とたずねてると、子どもが100枚

お札を作りたがる時があります。

そんな時は思い切ってそれにつきあうと、納得して、

1000×100や1000×1000といった計算を

理解するようになるかもしれません。

 

子どもは、「わからない」「できない」という状況にストレスを感じ、

自分の感情に対処するだけでいっぱいいっぱいになりがちです。

ですから、

追い詰めながらわからせようとするより、

「みんなよく、わからない、わからない、って言うのよ。

でも最初は絶対、無理!って思っていたことも、ゆっくり落ち着いて考えていたら

できるようになるよ。わからないのは★くんだけじゃないからね。

できなかったことは、時間が経つとできるようになっているし、

わからなかったことは、何度か考えているとわかってくるものよ」そう安心させて、

あせないで何度も取り組めるようにしてあげることが大事です。

 

発達障害のある子の場合、最初に、

自分が「わからない」と判断してしまったために、

いつまでたってもわからない、ということがよく起こります。

0か100かという極端な考え方をする子が多いので、

「わからない」という印象から入ると、たちまちすべてがわからない状態で

黒く塗りつぶされたもののように捉えてしまい、それからどんな説明をしても

耳に入らない時があります。

また、いったん「わからない」という思いを抱くとそこから

気持ちが切り替わらなくて、その日は、そう教えても無理だけれど、何一か日を置いて

問題にあたると、ちゃんと解けるということもあります。

絵を描いたり、具体物を操作させて教えても「わからない」「できない」という場合、

子どもが、描かれている絵や具体物に、自分のイメージを重ねることができない、

場合があります。

イメージする力が弱くて、見立てるという感じがピンとこない子がいるのです。

 

それなら、どのように教えたらいいか、というと、

その子がわからなそうだと思ったら、具体物を操作したり

イラストを描かせたりして、ちょっとしたヒントをあたえ、

それでも難しそうなら、いったんその問題は後回しにするようにします。

(本人が、「わからない」という気持ちにとらわれないように、一度、休ませます)

それから、先に紹介した指遊びやお札作りのように子どもが

乗り気になるアプローチで、まず子どもが「そんなの簡単」「できそう」

と感じた気持ちを土台にして、

問題に取り組ませていくようにするとうまくいきます。

 

 

 

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算数が得意な子が口にする「わからない」という言葉 2

2017-06-20 20:44:08 | 算数が得意?苦手?の分かれ目

スライムで遊ぶついでに、「どうして海の潮が満ちたり引いたりするのか、地球、月、太陽ということにした

玉を用意して、図鑑にあった話を実際にやってみました。

年長のAくんは、大乗り気で月の軌道を作っていました。

太陽と月に引っ張られて海水が膨らむので、潮の満ち引きが起こるそうです。

 赤は太陽、黄色は月、青は地球です。ここでは、まだ地球が太陽の周りをまわっている軌道を描いていません。

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「授業後の小テストでは満点を取っているのに、学期末テストや外部のテストを受けると

びっくりするような悪い点になります。応用力がないのか、忘れてしまうのか……。」という相談を受けて、

中学年や高学年の子たちの学習を見ることがあります。

 

そうした子たちが、普段している学習を見せてもらうと、

プリントを埋める作業にとても長けているという共通点があることに引っかかっています。

最初の問題で、公式への数字のあてはめ方の手本があると、

次の問題のどの数字をどう公式に入れたらいいのかすぐにわかる、ということです。

ちょっと驚いたのは、まったく意味を理解していなくても

これができてしまうことです。

 

たとえば、角度の学習で、三角定規のそれぞれの角に

30°、60°、90°の角度を当てはめていくプリントをしていた子たちの

こんな姿を目にしました。

そのプリントの穴埋めでは満点を取れていたものの、そのプロントが三角定規の

ひとつについて学んでいるということに気づいておらず、

とがっている角を見ると、即座に30°だろう、と決めつける癖がついていました。

 

また、平均値を出すことができるのに、平均を出すということはどういうことか、

さっぱりイメージできない子もいました。

 

そうした子たちは、「わからない」と言うことはありません。

(「習っていない、知らない」と言うことはありますが……)

そもそも、作業として「できる」かどうかを気にしても、

「わかる」か「わからない」かという頭の中で行うことには、無頓着な子が多いのです。

それは、偏った幼児教育や効率化したプリント学習の弊害ではないかと

危惧しているところです。

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算数が得意な子が口にする「わからない」という言葉 1

2017-06-20 06:45:46 | 算数が得意?苦手?の分かれ目

小学5年生のAちゃんが外部の模試を受けた結果、算数の成績が偏差値70以上だった

という話を聞きました。

Aちゃんとわたしは2歳の頃からのつきあいです。

教室に来始めた頃、とにかくおままごとが好きでたまらなくて、

お皿とトングを手にしてちょこまか歩いていた

2歳の頃の姿が今も目に浮かびます。

 

現在、小5のAちゃんは虹色教室に2ヵ月に1度顔を出すくらいで、

自分ひとりでマイペースに学習している

塾には通っていない子です。

でも、お母さんから、一度、塾の短期講習に通ったことがある、

という話はうかがったことがあります。

理解力の高いAちゃんのことだから塾の短期講習なんて簡単だったろう、

と思って様子をたずねると、

「こうやって解きなさい、という方法は教わったけど、

ああした教え方ではどうしてそうなるのかわからない」

と言って頑なに拒絶したそうです。

それからは、「わからない」ところだけためて虹色教室に持ってきて、

わかるところは自主的にどんどん解いていくという形で勉強を進めています。

 

教室で関わっていると、すごく算数が得意な子たちというのは、

Aちゃん同様、「わからない」とはっきり言葉にする姿をよく目にします。

Aちゃんが通った塾の短期講習というのも、ただ覚えればすむことで、

公式に当てはめたら誰でもできるような問題を扱っていたようで、

Aちゃんが「わからない」と言ったのは、「できない」という意味ではなく、

解いて正解することはできるけれど、

ういう理由でこの解き方をしているのか納得できないということだったようです。


途中ですが、次回に続きます。






 

 

 

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小学生のつまづきと教え方

2017-04-20 20:15:29 | 算数が得意?苦手?の分かれ目

診断はくだっていないグレーゾーンの子も含めて
発達障害や知的障害がある子と、
障害のない子では、
つまずく原因もできるようになるための手立ても異なるケースが多いです。


ですから、子どもが「わからない」と言っているからと、どの子にも同じ方法で教えたのではうまくいかないように思います。

発達障害などがない子たちに教える場合、
いきなり解き方を教えるよりも、
まず学習に対する主体的な態度やメタ認知力をつけていくことが大事だと
考えています。

文章題が苦手な子にも、やる気がない子にも、学習の力の入れどころがずれている子にも、
他の子と計算時間などを比べて、「計算をもっと練習したらできるようになるよ」といったアドバイスをするのは、あまり良い教え方とは思えません。

そうした子たちには、
大人が、
「遠回りで本質からずれた方法でも、まず練習さえすれば、やってるうちに成績に結びつくから、それで欲が出て、勉強をするようになるはず……」という
子どもだましな方法で指導をしても、
心の底では、「そんなのおかしい」と感じて反発するので、大人の思惑通りいかないものなのです。
また、本当に計算さえすれば成績が伸びる子だったとしても、その必要性を本人が自覚しない限り、
やらされている作業をただこなすだけでは、成績に結び付けていくことは難しいのです。

現実に大阪市では、○○式なる大量に計算訓練をさせる教室をいたるところで見かけるし、小学生と話をすると、その教室に通っていない子の方がめずらしいほどなのですが、
大量に高速で計算させる学習をする子が増えたから、大阪市の子どもたちの学力が向上しているという話は、
聞いたことがないのです。

主体的な態度やメタ認知力をつけていくとは、
つまり、
子どもに、どこがどのようにわからないのか具体的にくわしく説明させたり、
自分にはどんな学習が足りないと思うか、どんなことをすればできるようになりそうか、分析させたりするのです。

自分のしている学習を、少し高い位置から客観的に眺めさせて、
自分でやることを決めさせるのです。

もちろん子どもにとって最初はどうすればいいかわからないでしょうから、
ヒントをたくさん与えます。
そうしながら、大人もいっしょに、
わからない原因と、これから必要な学習を分析していくと、
大人の側もどんなことをどこまで支援すればよいのかわかってきます。

虹色教室ではこんなことがありました。
小学4年生の☆さんは、頭は良いのですが、さみしがりやで飽きっぽい性格です。宿題を始めるやいなや、
「わからない、できない」と言うと、お母さんが飛んできて、手を変え品を変えして説明したり、「どうしたらいいんでしょう?」っと心配したり、「なら、先生に聞いてみようか?ならこうしたら?」と提案してくれるのにすっかり味をしめて、
『自分で考えてみる』ということは、思いもよらない様子です。

教室でも、すぐさま「わからない、できない」と言うと
よそ見を始める☆さんに、
私は、お友だちや年下の子たちに、解き方を教える役をさせたり、
友だちと協力しあって考える機会を与えたりしています。

☆さんには、読書家で、いつも図書室で借りた本を見せてくれるという一面があります。それで、
「本がたくさん読めるということは理解力がある証拠よ。めんどくさいという心を乗り越えて、がんばってみて。自分で考えるの」と説得していました。
すると、私の前では、「できない、わからない」と騒ぐのはやめて、
課題にきちんと取り組めるようになってきました。

この☆さんのように子どもが「わからない」というとき、
その子の力量を見極める大人の眼力が大切だと感じています。
ていねいな説明が必要な子と、
自力で少し考えさせる必要がある子がいるのです。
考えさせるというのは、問題の解き方だけではなく、「自分はなぜ解けないのか」という理由もです。
「そうだ、学校で先生の話を聞いていなかったからわからないんだ」と気づくかもしれません。
そんな場合は、先生の話など聞かなくても、いつでも「わからない」と言えばだれか助けてくれるよと身体に覚えさせるよりも、
「今度から、ちゃんと授業を受けよう」と本人が自覚した方がいい場合があります。

最近では、子どもが「わからない」と言おうものなら、
どう教えたらよいか、誰に教えてもらうよう手配しようかと考えることに忙しくて、
「まず、自分で考えてみた?」とたずねるのを忘れている場合がよくあるのです。
子どもの側も、まだオムツをしている年齢から、
ご機嫌を取りながら手取り足取り教えてくれる習い事や、
何も考えなくてもスローステップで出題されるプリント問題に慣れすぎて、
たった1分かそこらでも、自分の頭を使ってみる体験をしたことがない子もけっこういるのです。
考える前に、「自分で問題を読んでみた?」と問わなくてはならないケースもあります。

小学生が学習につまずくとき、
何らかのハンディーキャップが原因で
できていない場合があります。
「努力しないから」とか「先生の説明を聞いていないから」などと
安易に決めつけず、ていねいに原因を探る必要があります。

写真はアスペルガー症候群の女の子に勉強を教えていたとき使っていた紙です。
この子は、障害特性のせいで、『興味の範囲がとても狭い』です。
動物が大好きで、寝ても覚めても動物の話をしています。
私が「お家では、お姉ちゃんとどんなことをして遊ぶの?」とたずねても、
「この問題の解き方はわかる?」とたずねても、
「今日は、カーコちゃん(うちの鳥です)は何をしているの?」
「どうしてカーコちゃんは、飛んでいってしまうの?」と自分の好きな動物の話題にすりかえてしまいます。

何とか計算はできるようになっているものの
算数の概念の多くは、難しすぎて理解できない様子です。
いくら説明しても、首をかしげたままなので、親御さんが困っておられました。

こうした興味の範囲が狭い子には、その子の興味のある事柄で
算数の概念を説明するようにすると、
急に理解が進む場合があります。
この女の子も、「子どもが100人いました……」という話だと、
そわそわしたり、「うーん」と首をかしげて「わからない」と言うだけだったのですが、
子どもをフラミンゴに変えて、「フラミンゴが100羽いてね。そんなにいっぱいいたらどうする? 困るね~!!
100羽のフラミンゴを同じ数ずつ10の小屋に分けたら、
何羽ずつになるのかな?」という話で説明すると、ずっとわからなかった大きな数を10分割するときの概念に、理解をしめすようになりました。

興味の範囲が狭い自閉症スペクトラムの子どもたちに教えるとき、
電車とか、昆虫とか、動物とか、その子が興味を持っている分野の内容で
説明すると、学習に集中できる場合がよくあります。
また、学習内容を、できるだけシンプルにして、
理解させる部分だけ抽出して教えることも大事です。

1枚の紙に、1つの内容だけ書く。

といったことが、理解に役立ちます。

同じ診断名だから、同じハンディーを抱えているとは限らないので、
まず、苦手な部分を見つけると同時に、
得意なことや長所も見つけておくと、得意や長所を通して難しい概念の理解が教えやすくなるときがあります。

苦手は、字が小さかったり、たくさん字が並んでいたりすると、読むのが困難になる、聞くと見るを同時にできない、注意散漫、筆算が苦手、文章題が苦手、メタ認知力が極端に弱いなど……。
得意には、色に敏感、位置はよく覚える、数字好き、字を読むのが早い、褒められるとがんばるといったものがあります。
 
 
知的障害を持っている子たちに勉強を教えるときには、
大きく分けて3つの視点が必要だと感じています。

ひとつには、障害児専門の家庭教師の方々や特別支援教室の先生方がしてくれるようなハンディーに合わせた
『教えたい内容の一部分だけに特化して、スローステップで教える』
方法です。
それには学習内容をよりシンプルにして、噛み砕いて提示する工夫が必要です。
また『目で見えて、手で操作できる』教具を使って教えることも大切です。
文字を大きくしたり、漢字にふりがなを打ったりして
学習しやすくすることも必要です。

私が会ったことがある知的障害の子に関する印象は、人が好きで温和で素直ということです。
ですから、できないことは恐がってしないけれど、
できることは何度もやりたがり、褒められるといきいきとしてがんばります。
ルールが易しいトランプやボードゲームなどで遊べるようになると、
お友だちといっしょに遊びを共有できていることをとても喜びます。

私が知的ゆっくりさんに学習を教えるとき大切にしているのは、
『できることは何度もやりたがる』という性質を最大限に利用することです。

たいていの親御さんは、できることというのを、
学習課題の狭い範囲の中で捉えているので、
ひとつのことができるようになっても、いつまでもそこで足踏みしていて、
次の課題に進めない知的障害の子の様子にじりじりとしびれを切らしているように見えます。
でも、実際には、何かひとつできるようになって、何度も何度も同じことを繰り返している期間というのは、
親の接し方ひとつで、さまざまなことを訓練し、新しいことを学び取ることができるチャンスでもあるのです。

たとえば、知的ゆっくりさんが、折り紙を長方形に半分に折る作業をはじめたとします。何枚も何枚も、長方形に半分に折る姿を見た親御さんは、
三角に半分に折る方法や、折り紙で猫や犬を折る方法を教えて、進歩や新しい展開を求めることでしょう。
それでも、本人は、長方形を折り出したらそればかり……。
いろいろな見本を見せても、声をかけても、知らんふり。
いつまでたってもあまりに進歩がないので、イライラしてくるかもしれません。
そんなときは、「上手に長方形が折れているね。ちゃんと、角と角を合わせているわね。」と、本人の作業を認めながら図形の名前や、作業にともなう言葉の表現が覚えられるような声かけや会話をするようにします。
また、「どうやって作るのか教えてちょうだい」と作業の手順を説明させる役をさせるのもいいですね。

「たくさん折ったわね。いくつ折れたか数えよう!」と数の学習に誘うこともできます。
また、できた長方形を図形パズルにして遊んだり、
長方形の両脇をセロテープで貼って財布にするという
作ったものを生かした工作に誘うこともできます。

折り紙を例にあげましたが、文字の練習でも計算でも、ひとつ何かできることがあって、それを繰り返している期間は、
さまざまな新しい課題を習得させるチャンスでもあるのです。

 

 


学習していくとき、人が頭の中でする作業には、
次の4種類があげられます。

★わかる……認知する・分類する・意味を理解する
★覚える……保持する・記憶する・想起する

★考える……類推する、推測する、一般化する、抽象化する
★決める……企画する、評価する、判断する、選択する

学習というと、上であげた『わかる』と『覚える』を子どもに繰り返させることというイメージがあります。

認知させ、分類させ、意味を理解させ、その記憶を保持させて、思い出させてテストすることを繰り返すことこそ、学力につながると信じられています。
教材では、
類推する、一般化するといった『考える』作業は、
そのパターンをわからせ、覚えさせて、テストしていくことでマスターさせるようにできている教材は多いです。
またそういう学習の場では、『決める』は大人がしてあげる仕事という前提があります。

「読み書き計算は学習の基礎だから、まず読み書き計算の徹底を!」というスローガンはもっともだし、その大切さはよくわかるのですが、
子どもの能力を急いで上げようとするあまり、
『考える』体験と、『決める』を体験をする場や機会がなくなっているのはどうかなぁ?と感じているのです。

ひと昔前の子であれば、外で子どもだけで群れて遊ぶ時間が長かったので、
自分で選択したり、評価したり、判断したり、企画したりすることは、
しょっちゅうありました。
大人が飛んできて何でも解決してくれるわけではないので、
推測したり類推したりする力を発達させないと危険でしたし、
家のお手伝いは、考え、決める力を使う絶好のチャンスでした。

それが、最近では、学習法がどんどん合理的になり、系統化されているので、
テストの点としては、短期間に急速に進歩するようになっているものの、
そのせいで、子どもが自分で考える体験も、決める体験もできないということが起こりがちなのです。

★考える……類推する、推測する、一般化する、抽象化する
★決める……企画する、評価する、判断する、選択する

は、授業内容や教材の中に取り込もうとすると、複雑になって難しいですが、
遊びやお手伝いやものづくりや会話の中では、
大人の関わり方次第で、
自然に伸ばしていけることでもあります。

私が子どもの頃は、学校の規則がそれほど細かくなかったので、
学校でたびたびトラブルが発生していました。
そのたびに、学級会や終わりの会で、子供同士、活発に意見が交わして、問題を解決しようとしていました。

当時は、『考える』と『決める』が活性化されるような場面がたくさんあったのです。
授業中に交換日記を回している子がいるとか、
シャーリングなどのおもちゃをどこまで学校に持ってきてもいいかとか、
男の子の口が悪いとか、女の子がえらそうだとか、揉め事にしても、けんかや話し合いにしてもつきることはありせんでした。

本当にうだうだと言い合いばかりしていましたが、そうした真剣な言葉や感情のぶつけ合いを通して、
自分の責任を自覚したり、考えを練ったり、判断力をつけたりしていたのです。
「子どものことは、大人が何でも決めて、大人が勝手に解決する」という風潮は、最近のものだと思います。

基礎が大事だからと、『わかる』と『覚える』を訓練していく際の問題は、大人が子どもの能力を伸ばそうとあせるあまり、
視野が狭くなって、

★わかる……認知する、分類する、意味を理解する
★覚える……保持する。記憶する、想起する

の部分で、少しでも先に進ませようと、目に見える成果を求めるあまり、
『考える』と『決める』を体験する場や機会を奪ってしまうことにあるように思っています。
忙しくって、子どもたちに話し合いなどさせていられない……という大人のせかせかした態度をゆるめて、少しリラックスして子どもたちに接しないと、
勉強はたくさんしたけれど、考えたり、決めたりしたことがないという子が増えてくるかもしれません。


話を知的ゆっくりさんへの教え方に戻しますね。

九九を教えると、真似して2の段と3の段が言えるようになったとします。
教えている側が、「はやく4の段を!5の段を!」をあせっても、
知的ゆっくりさんたちは、ゆっくりゆっくりしか覚えていかないでしょうし、
九九を覚えたからといって、九九を使った文章題の理解に移行するのは難しいでしょう。

私は、2の段と3の段が言えるようになったなら、
それをさまざまな場面で活用できるように工夫しています。
写真のように、「2個ずつ人形におやつ(積み木)を配ってね」と言って、
「2いちが2~」と言いながら、配ってもらうこともそうですし、
友だちとの遊びや、お手伝いの場面で、かけ算が役立つようにするのです。
それと同時に、少しずつ次の段をマスターするための練習を進めていきます。

また、10の合成が言えるようになったとすれば、
最初に10個の物を見せてから、いくつか隠して、
「いくつ隠れているでしょう」と推理する遊びをしたり、
その問題を他の人に出題する役をさせたりします。

学ぶときに子どもが、教える役や説明する役、人形劇を演じる役など、
さまざまな役割を体験できるように工夫すると、
学習がなかなか進まず停滞しているように見える時期にも、
企画する、評価する、判断する、選択する、
類推する、推測する、一般化する、抽象化するといった経験を深めていくことができます。
 
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3、4歳の子でも、曲線のある立体物を作れるようになるための手順

2016-06-06 20:56:14 | 算数が得意?苦手?の分かれ目

 

ショベルカーが大好きな年少のAくん。

教室にある小さな宝箱を見つけて、

フタの部分を指さして、「パワーショベルのほるところ」と言いました。

確かにパワーショベルのバケットと呼ばれる部分は、そんな形です。

 

パワーショベルの土をほる部分は、年少児には難しいだ円を半分にした形です。

そうした曲線を扱う工作をする時、教室では幼い子向けに

こんな手順を見せています。

 

長方形の紙を用意して軽く曲げて

作りたいものの形にします。

側面にする紙に当てて、えんぴつで曲線をなぞります。

えんぴつでかいた曲線を切る時、紙をもう一枚重ねて

同じ形が2枚できるようにします。

側面にテープで貼り付けたらできあがり。

 

こういう作り方をしていた子たちは、自然に展開図を思い描くことができるように

なっていきます。

 

写真のように、細長い箱をふたつ貼りあわせると、

パワーショベルのアームと同じように曲がります。

アームを車本体に貼りつける時、ゼリーの空き容器などを2つ重ねて使うと、

アームを自在に回転させることができます。

 

 

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子どもの発達 見える尺度 見えにくい尺度 1

2016-06-04 08:12:46 | 算数が得意?苦手?の分かれ目

0、1歳児~の数学的なセンスの発達 と ハンディーを持った子の算数 1
0、1歳児~の数学的なセンスの発達 と ハンディーを持った子の算数 2
の記事に次のようなコメントをいただきました。
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今回の内面的な敏感期?のお話、とても勉強になりました。今までは目で見て分かるような敏感期にばかりとらわれていたように思います。推測する力を伸ばしたい時期があるという発想は新鮮でした。
息子も何かを隠しては、親に探させて、見つかると一緒に喜ぶという流れを毎日、飽きもせずやり続けているので、何か伸ばしたい内面的なものがあるのかもしれませんね。そういった視点から息子を見てみると新たな発見がありそうで楽しみです。
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『何かを隠しては、親に探させて、見つかると一緒に喜ぶという流れを毎日、飽きもせずやり続けている』
のは、
自分とは他の人の心の動きや視線に気づきはじめる時期に
よくするように思います。

そのためか他者の情動を推測するのが苦手な自閉症スペクトラムの幼い子たちが、こうした遊びを喜ぶ姿はあまり見かけないのです。

(けれど、就学前後の自閉症スペクトラムの子の中には、
こうした遊びを繰り返したがる子がいるように思います)

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↑の写真は今年、年長さんになる子たちのグループレッスンでのひとこまです。
『うちのタマ知りませんか?』というボードゲームをしています。
段ボールに入れられて捨てられたタマを探しに行くゲームです。

「自分ひとりだけ段ボールの中を確かめることができる」というカードを引いた☆ちゃんが、そっと段ボールの中をのぞいて、
「タマだったの?」というみんなの視線が集中する中で、
「タマじゃないよ~」と言いながら笑っているところです。
(本当はタマなのですが、嘘をついて、みんなに気づかれないようにタマを救いにいかなくてはならないのです)


このゲーム、言葉の上でも表情でも、みんなをだまして嘘をついて、
自分が有利になるように自分だけの秘密や
自分だけの記憶を保たなくてはなりません。

そのため、このゲームを本当に楽しむには、
複雑な他者の思いを理解できる準備が
できていなくてはならないのです。

男の子たちのグループだと、
こうした心理面での複雑なやりとりを面白がるのは
もっと月齢が上がってからかもしれません。
女の子たちは、とにかくおませです。


『自分が目にしているものを、
他の人からは見えないことを理解した上で、
自分がそれについて言葉で表現することで、
それが見えていない他者の心は、
自分の言葉を信じて真実と異なることを想像する。』

他者の心の動きに敏感になる時期の子たちは、
そうした体験をものすごく面白がります。
相手の表情を読んでは、ゲラゲラ笑い転げて、何度も繰りかえそうとします。

いただいたコメントにあった『物を隠して探させる』遊びの場合、
このゲームを楽しんでいる年長さんたちよりもう少し単純な

『他者の心が、目の動きやびっくりする表情で「見える」こと』
が面白くてしかたがない時期なのでしょう。


何気ない日常の暮らしの中で、
幼児の心は外からは見えにくい尺度で
進歩し続けています。


たくさんの乳幼児と接していて感じるのは、
体系化された早期教育や子育て情報の影響で、
幼児を 外から見える『ものさし』で測定しつつ育てることの弊害です。

外から評価できる尺度をあてて躍起になって子育てすると、
気がつかない間に、
子どもの内面で敏感になっているものを
無視したり、壊したり、つぶしたりすることが
起こりがちなのです。

早期教育の全てに、害があるというわけではありません。

外側に作られた尺度に気を取られるあまり、
子どもの内側から発信されてくる

『今、その子の成長にとって最も大切なこと』をスルーしてしまう

ことが、問題なのです。

このことは次回、もう少しくわしく
(2歳まで、3歳まで……という時期、
その後の成長に欠かすことができない内面の発達について)
書かせていただきますね。

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算数の世界への興味につながる『ふでばこ作り』が流行中

2016-06-01 08:11:05 | 算数が得意?苦手?の分かれ目

今、教室ではふでばこ作り(ふでばこの中身も)が流行しています。

なかでも一番人気が、コンパス。

子どもから子どもへ、作り方が継承されていくうちに進化して、

最近はコンパスの先に折ったえんぴつの芯を取りつけて

本当に円がかけるコンパスを作るのが主流です。

えんぴつの芯の折り方は、まずえんぴつけずりで芯を思い切りとがらせてから、

えんぴつの芯の根元にゆっくり前後に力を加えると、

5ミリ~1センチほどの長さに折れます。

 

色紙をくるくる巻いて作る『くるくる棒』の先に

色紙を円すい形に巻いたものを貼りつけて作ったえんぴつに

少しだけ手を加えてコンパスにしています。

ものさしや分度器作りもとても人気があります。

 

コンパスや分度器、えんぴつ、ものさし、ふでばこ、などを作っていると、

算数の世界への興味が増すようです。

円をかける道具、角度を測る道具などに愛着が湧くし、

円すい形や箱の形の展開図への理解もすすみます。

 

写真は小1の子たちの作品です。

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自分に自信がない、自己肯定感が低い子 5

2016-05-26 07:23:10 | 算数が得意?苦手?の分かれ目

自分に自信がない、自己肯定感が低い子 1

自分に自信がない、自己肯定感が低い子 2

自分に自信がない、自己肯定感が低い子 3

自分に自信がない、自己肯定感が低い子 4

の記事で、

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子どもにすると、そうして自分の気持ちに決着をつけるのは大変なことです。

それにも関わらず、その瞬間にお母さんが、(Aくんに対して怒っているわけでもないのに)

「それなら持って帰るのをやめておいたら?」と提案したのを聞いて、

こうしたやりとりの流れが、いつもあたり前のように

Aくんと周囲の大人との間でで展開しているのではないかと感じました。

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「こうしたやりとりの流れ」というのは、大人の側の頭のなかには、

最初から最後までAくんの考えや気持ちというものを想像して、

理解したり認めたりするスペースは存在しておらず、

大人側の正しい意見や意向に、少ない衝突で従わせていくことだけがある場合の

やりとりのことです。

 

こうしたやりとりの流れは、どんなに子ども思いの親であっても、

むしろ子どもへの思いが強く「あれもしてあげたい、これもしてあげたい、少しでも能力を上げてあげたい、少しでもよい

環境を与え、よい時間を過ごさせてあげたい」という望みが強いほど、

ありがちな展開です。

 

先日もこんなことがありました。

牛乳パックで車を作ることを繰り返していた1年生のBくんが、

車を作る作業に自信をつけて、「次は自分も乗れる大きな車が作りたい」と言いました。

「本物の車と同じように、車のなかにはちゃんとエンジンがついていて、ドアをあけたりしめたりできるようにしたい」と。

これは大きなチャレンジです。大きいものを作るのは小さいものを作る以上に

さまざまな作業をやりぬくエネルギーが必要です。材料集めも簡単ではありません。

思わぬアクシデントも起こります。

それでも、Bくんの今回のチャレンジにかける思いは強くて、

これまでにないほど凝った作品ができあがりました。

わたしが「大きい作品だから持って帰れないかもしれないよ」と注意していたので、

コンパクトに折りたたむことができるよう試行錯誤を続けていました。

そうしてやっとのこと作品を完成させたのですが、

残念ながら作品を持って帰ることはできませんでした。

Bくんは涙ながらに、「どうしても持って帰りたい」と訴えていたのですが、

お迎えにきたお父さんに

「持って帰るのも難しいし、家に置くスペースもないから」と説得されていました。

子どもの日々には、心の底から切望しても

断念しなくてはならないことがしょっちゅうあります。

それ自体は仕方ないし、そうした経験が子どもを成長させもするでしょう。

Bくんのお父さんの説得も、Aくんのお母さんの説得同様、常識的な

正しい内容でした。

 

ただ、わたしの心に少し引っかかったのは、Bくんの大きな車を目にしたお父さんが、

Bくんの「持って帰りたい」の言葉も耳にしたとたん、

Bくんのがんばりをねぎらうことも、Bくんがどんな思いでコンパクトに折りたたむ努力をしていたかも

作品の精巧さに感動することも忘れて、困った顔をして説得し続けていたことです。

 

その場では、ただただBくんが大人の「持って帰れない事情」に

納得することだけが優先されていました。

最終的には「持って帰れない」としても、

それは子どもの気持ちや思いを無視していいことにはつながらないはずです。

AくんもBくんも周囲の気持ちに敏感な繊細で優しい性質の子です。こうしたタイプの子を相手にする場合、

大人が極力注意しなくてはならないポイントだと考えています。

 

とはいえ、Bくんはこのくらいのことで、

「自分に自信がない、自己肯定感が低い」という心の状態には

ならないように思いました。

なぜなら、Bくんはこれまで「周囲が望むこと」よりも「自分がやりたいと思うこと」を大事にされてきた子で、

自分の興味を出発点に遊び込む体験をたっぷりしてきたからです。

 

 

 

 

 

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算数が得意?苦手?の分かれ目 1 <苦手派から得意派に変わるきっかけ>

2016-05-23 18:07:51 | 算数が得意?苦手?の分かれ目

自分に自信がない、自己肯定感が低い子4の続きは、時間がある時に書かせていただきますね。

 

教室で、算数苦手派だった子が、ある日を境に算数得意派に変わることがあります。

 

きっかけとなりえるのは、「いい点取った」とか、「他の子よりはやく解けた」とか「褒められた」といものではなく、

問題を考えるプロセスでワクワクする面白さを味わったことがあるか

につきます。

褒められるのも、解いている時にワクワクするのも、

どちらも快感にちがいありません。

でも、褒められるだけでは、だんだん成績が落ちていくことや次の失敗が怖くなるけど、

後者の「解いている時のワクワク」は、

考えるための筋道やコツがつかめるからです。数学の世界の感性も高まります。

 

写真は4年生の子たちが虫食い算にチャレンジしている様子です。ラミィキューブの数札を手に

4人の子たちが、「ここは、絶対2よ。だって、3×4=12だから」「こっちは、7がそのまま下りてくるから、7よね」

とわいわい言いながら解いています。

算数が好きなAちゃんが、ここは繰り上がらいから、3以下の数しかありえない。

だって、3×4=12だから、1のところのケタが必要になるから」といった推理をするなか、

「7があまりってことは、ここはゼロよね」とBちゃん。

Bちゃんは、算数に苦手意識を持っていた子です。

完璧主義でできるできないが気にかかるタイプのため、すぐに答えが出せないと、

「わからない。できない」と考えるのをやめてしまっていたのです。

 

でも、4人で協力しあって

難しい問題にチャレンジする時は、自分の正解不正解を気にしなくていいためか、

「こうじゃない?」「ああじゃない?」と面白そうに参加していました。

そうするうちに、「ああ、こういうところに注目すると、答えがわかるんだな」とか、

「こういう数があるってことは、あの場合とこの場合が考えられるな」といった推理自体が

楽しくなってきました。

この日、Bちゃんが、「算数面白い」と感じた理由は

もうひとつあります。

子どもたちが協力しあって解いた算数問題を

後でお母さん方にも協力しあって解いてもらう時間を設けて、

お母さんたちが考えに行き詰って困っている時に、

子どもたちが考え方のヒントをあげるようにしたのです。

 

お母さんたちが悩む姿を見ると、子どもたちは、もっと難しい問題にチャレンジして

先に解いておいて、

さらにお母さんを困らせてちゃえ!っとばかりに盛り上がります。

 

 ほとんどヒントの数がない虫食い算(写真の左)にチャレンジ。

子どもたち、しっかり解けていました。

 この日、円の面積クイズが大盛況でした。

みんな初めて円周や円の面積を学んだ子たちですが、

かなり凝った難しい問題の答えも出そうとはりきっていました。

 

 

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