虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

ドクターイエローに釣られて衝動買い

2013-03-31 20:57:15 | 虹色教室の教具 おもちゃ

今日は名古屋で虹色教室のサークルをしてくださっている方々のもとに

工作と算数遊びの1日講師に行ってきました。

 

新幹線で帰宅する途中、駅内にこんなかわいらしい売店を発見。

お店の人に撮影してもいいかたずねると、

「どうぞどうぞ、みなさん、お子さんを運転席に座らせて

写真を撮っておられますよ」と言っていただきました。

そこで、お言葉に甘えて、カシャリ!(新大阪駅です)

売店の商品を眺めるうちに

教室の電車好きくんたち、特に「連結」に強いこだわりのある子や

電車以外のことに関心がなくて、数や言葉を学ぶことに困難がある子たちのことが浮かび、

こんな2タイプのトランプを選びました。

 

新幹線の駅がどんどんつないでいけるトランプ。ひらがなの読みの学習にも、数字の学習にも

役立ちます。

連結していく新幹線のカード。

認知に偏りのかる子たちにも喜んでもらえることを願っています。

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こちらは名古屋のジュンク堂で購入した絵本です。

 

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知的な好奇心の種になる体験   (国立民族学博物館に行ってきました) 2

2013-03-30 21:38:33 | 

 

民族学博物館の魅力のひとつは写真を撮ってもいいところです。すごい迫力ですね。

前回の記事とは別の小学1年生の女の子。

お母さんが予想しなかったほど、展示品のひとつひとつに夢中になっていたものですから、

「また来年にでもここに来ようか?」と声をかけたところ、

「来年なんていや!またすぐに来たい!」という返事が返ってきてびっくりしたそうです。

 

 

 

 こんど年長さんの男の子は、家族で出かけたモンゴル恐竜化石展で

モンゴルのゲルの中に入る体験をしたそうです。

民博で、ゲルを見つけて大感激。

「これ、入ったことあるよ」と満面の笑みを浮かべていました。

この子は食べることが大好きなのだそうで、

ヨーロッパの展示場でのさまざまな小麦粉を使った食べ物やチーズ用の型などに

夢中でした。

子どもそれぞれ、興味を持つものが違って面白いです。

.

小3の女の子は、マンガ雑誌の編集会議に出た後で、どんな付録を作ろうか

と考え続けていました。

さまざまな民族の宝飾品のひとつひとつを覗きこんでは、

「こういうの付録にしよう」と言って、写真を撮っていました。

日本の各県の方言でももたろうの話を聞くことができる機械。

青森から来た女の子に青森の方言をチェックしてもらったところ、

その子の住んでいる地域のしゃべり方とは少し異なるらしくて、

北海道の方言の方が近いという話でした。

 

こういう展示物は、ただ機械のボタンを順番に押していくだけでは

「あ~面白かった」で終わってしまうのですが、

お友だちや自分の住んでいる場所について調べると、

興味が深まります。

 

 

子どもたちの目が釘付けになっていた

ちょっと毒々しい色の宗教的な飾り物。

 

 

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知的な好奇心の種になる体験   (国立民族学博物館に行ってきました) 1

2013-03-30 12:44:14 | 

(↑ 民博内には、後部座席に乗ってもいいバスの展示物があります。)

 

国立民族学博物館に行ってきました。

交通手段がややこしいので、

スムーズに現地に集まるのが大変でした。

でも子どもたちが

博物館内のひとつひとつの展示物に夢中になっている

姿に、そんな苦労も吹き飛ばされました。

 

 

「やっぱり行ってよかった」「みんなで行ってよかった」と心から

思いました。

壁画の左横に謎の手の影が描かれているのです。

「なんだろう?」「どうしてこんなところに手が描かれているんだろう?」という

疑問が子どもたちの興味を掻き立てます。

壁画の近くには、こんな造形物も飾ってあります。おおとかげや蛇です。

「そうか!壁画には、その土地で生きている動物が描かれているんだな」

そんな大人には当たり前のことも、子どもたちには

心を揺るがせる大発見にもなります。

子どもたちが覗きこんでいるのは、ガイコツたちがカードゲームをしている

展示物。

子どもたちの好奇心を惹きつけるのは、普段の自分の関心と

重なっていて、同時に意外性や本物のすごみのようなものが伝わってくるものです。

 

また、自分で推理したり、自分の過去の経験と合致したり、

自分で疑問を抱いたり、

それを見て、自分のアイデアが閃いたりした時などは、

いっそう強く興味が掻き立てられるようです。

 

 

きれいなものが好きな女の子たち。

お家には足のようなものが4つついています。

高床式倉庫のような作りなのです。

それを見て、「こんな高いところに住んでいたの?」と尋ねました。

説明を読むと、「宝箱容れる倉庫のようなもので、珍しい鳥の羽根などが納められていた」ということでした。

 

このお菓子のお家みたいなのが、宝物入れ?

おまけにその宝が鳥の羽根って……?

 

「動物の森」というゲームソフトの世界に入り込んだみたい!

 

「あっ、キラキラしたのが目のところにはめこまれている!」と発見して

喜んでいました。

 

 

一番惹きつけられていた展示物は、それぞれ異なります。

小1のお姉ちゃんと5歳の弟くんが夢中になっていたのは

アイヌのお家の前でした。

このふたり、たまたまお家から『アイヌときつね』という絵本を

持ってきていたのです。

最初、弟くんはアイヌのお家を覗きこみながら、絵本と同じのは

全然ないよ」と言っていました。

が、よく見比べていくと、お家の中にかかっている洋服の柄も

天井から吊り下げられている調理道具も

外かた見たお家の様子もそっくり同じであることがわかりました。

 

すると、お姉ちゃんはそれこそ夢中になって絵本と展示物にあるものを比べ始めました。

そこに他のお友だちもよってきて、めいめいが、

「本当!あったあった!」と大喜びしていました。

なんとびっくりしたことに、その絵本の著者と

その展示に関わっていた方が同じ名前であることを発見。

そこから動けなくなるほど感激していました。

弟くんも、アイヌの部屋に目を凝らしながら、アイヌのお話に出てきた

弓矢を探していました。

 

どんなに立派な展示物より、刺激的で音や映像が出てくる展示物より、

子どもが心から夢中になり、

その後の知的な好奇心の種になるような体験は、

こういうものなのです。

その子の内面とそれまでの経験と、

新しい世界が交わった瞬間です。

 

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マンガ雑誌の編集会議 

2013-03-29 22:09:16 | 日々思うこと 雑感

 

春休み企画の

マンガ雑誌の編集会議の様子です。

上の写真は、雑誌用に自分たちで描いたり、投稿してもらって集めたマンガ原稿です。

 集まった小学生5人。(新小3生~小6生)

最初は、マンガ雑誌やその付録やおのおのが持ち寄ったマンガの原稿を読みながら、

雑誌を作り上げるのには何が必要か、自分はどんな作業を担当したいかについて

話しあいました。

 

小6の★ちゃんと小3の●ちゃんは、新作のマンガを描くことに。

 

小4の◆ちゃんは編集長としての役割と付録作りと雑用をすることになりました。

小3の☆ちゃんは付録作り、小5の◎ちゃんは持ち寄ったマンガを

マジックでなぞって仕上げる作業をすることになりました。

 

 

 

 

青森から来てくれた☆ちゃんは、付録作りを担当。

実はこの●ちゃんが送ってくれた手作りの『なめこ図鑑』がきっかけで

教室でマンガ雑誌を作ることになったのです。

☆ちゃんの『なめこ図鑑』シリーズは付録として雑誌につけることになり、

さらに☆ちゃんのアイデアで、ご当地なめこのマップを付録としてつけることにしていました。

白地図を印刷してから、そこに切りとったなめこのイラストをのりで貼っていく作業をしていたのですが、

途中で「こんな風にしていたら時間が足りないから、できるだけ地図の形にあうように

大きな塊で切ることにした」と言い、その周りを青く塗って、手早く仕上げていました。

 

こんな☆ちゃんの行動は、「横着」なのか「効率的」なのか、

「怠け」なのか「無駄がなく、時間内に最適な結果を出す行動」なのか……?

 

こうした場面で、ユーモアをまじえて、

それを表現する最適な言葉をあれこれ挙げて

みんなでおしゃべりしていると、子どもたちの言葉に関する感性が磨かれていきます。

 

ポイントは、行為を好意的に捉えて表現することと、

良い面からと悪い面からの言葉のどちらでも言い表してみることです。

 

この日は、午後からこのメンバーを中心に遠足に行くこともあって、

その話題で盛り上がりかけたところで、

そうした言葉遊びをゆっくり楽しむ間がなかったのですが、

それでも、この☆ちゃんの機転とちょっぴり大胆な決断力のある態度とに、年上のお姉さん方ふたりも大喜び。

 

☆ちゃんに向かってあれこれ話しかけては、「遠足の時にいっしょに回ろうね」と声をかけたりしていました。

 

☆ちゃんは☆ちゃんで、それからは、

雑誌の名前についてや、雑誌を面白くする工夫についてなど、

思いついたアイデアを積極的に発表していました。

 

マンガ家さんとして、大量の原稿を仕上げている6年生の★ちゃんと

3年生の●ちゃん。

2時間の間、休む間もなくマンガを描き続けていました。

★ちゃんの作品は、どれも完成度が高くて、

「上手」「面白い~」とみんなから絶賛されていました。

 

●ちゃんは、青森から来た☆ちゃんから『なめこ図鑑』という本(手作りの方ではありません)を

借りて、それを利用して4コママンガを描いていました。

エジプトのファラオのようななめこを登場させる時は、

その特徴を生かしてオチをつけたり、

神様のようななめこを登場させる時は、

意外性で笑いを取ったり、どれも即座に思いついたとは思えない

出来でした。

 

★ちゃんと●ちゃんのマンガ作品については、

どのような点が面白いのか、どんな工夫がなされているのか、

みんなで話しあいました。

 

◆ちゃんと◎ちゃんは、メタ認知力が高い子たちです。

ふざけてゲラゲラ笑いすぎているふしもありましたが、

このふたりのおかげでいい雑誌になりそうでした。

 

雑誌を仕上げていくためのさまざまな作業をこなしていったり、

雑誌の巻頭を飾る記事に面白いスクープ映像を集めることにして、

写真をみんなに見せて、どれがいいか話したりしていました。

午後の遠足でも、雑誌用の写真をたくさん撮ってくることになりました。

 

<今回したマンガ作りのための話しあい>

 

① それぞれのマンガ原稿の順番 (子どもたちいわく、4コママンガは、メインの連載マンガの後ろしたい……とのこと)

② マンガの名前  (『なめこのほっぺ』が有力。 他に『ななななななめこ』『なめこファン』)

マンガの名前を決める時には、みんな自分やきょうだいの名前の由来などを説明していました。

③ 付録はどんなものにするか

④ 巻頭の写真記事。

⑤ 仕上げるために必要な雑用の種類。誰が担当するか。

⑥ 投稿されたマンガの感想。どんな点が面白いか。

⑦ マンガ雑誌をより魅力的なものにするためのアイデア

 

 

マンガ編集会議は、別のメンバーで、別の日に続きます。

最終的に多人数の子どもたちで1冊のマンガ雑誌を完成させる予定です。

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怖いもの知らずで聞き分けのない2歳児。 強く叱った方がいい?

2013-03-29 08:11:46 | 0~2歳児のレッスン ベビーの発達

過去記事です。

今日はマンガ雑誌の編集会議と民族学博物館への遠足の日です。

その様子は近いうちに記事で紹介しますね。

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怖いものしらずで、聞き分けのない2歳3カ月の☆ちゃん。

 

そうした相談をママ友や祖父母にしたところ、

「まだ2歳だから言うことを聞かないのは当たり前。いちいち怒る必要はない」というアドバイスと、

「昔のように怖い人がいないから、大人の言うことを聞く気がない。

もっと大きな声で厳しく叱った方がいい」という正反対のアドバイスを受けて、

どう接したらいいのかわからなくなったそうです。

 

叱られても知らんふりするか、笑い声をあげるかして、

悪さを続ける☆ちゃんに対して、

怖がらせるほど強く叱った方がいいのか、

危ないことをしたときには体罰を加える必要もあるのか、

まだわからないのだから、抱きしめて気をそらしてやればいいのか、

迷っていたのです。

 

そんな相談をうかがいながら、

わたしは☆ちゃんと☆ちゃんのお母さんと連れだって公園に遊びにいきました。

そうしていっしょに過ごすうちに

☆ちゃんのお母さんが叱り方に悩んでいる理由がよくわかりました。

というのも☆ちゃんは、道路で車が通りかかったとたん、

突然、手を振り払って車の方に走っていこうとしたり、

他所の家の郵便受けを開けることとか、汚いゴミを触ることとか、

どうしてもやめさせなければいけないことばかりしたがる上、それにしつこく固執するところ

があったのです。

抱いて連れて行こうとすると、反り返って激しく抵抗します。

アスレチック付きの滑り台にのぼっていく際、小学生のお兄ちゃんたちが

滑り台の前のスペースでカードゲームをして遊んでいたのですが、

ひるむことなくお兄ちゃんたちの輪のなかを横断すると、滑り台に上についている鉄棒に

ぶらさがりました。

その後、滑り台をいきおいよく滑ってきて、何度もそれを繰り返しました。

言葉でだけ説明すると、

 

「2歳児はまだものがわかっていないから、そんなの当たり前」と

言えばお終いなのですが、

どうも☆ちゃんには一般的な2歳児とは微妙な点で異なる面があって

☆ちゃんのお母さんを悩ませていることがわかりました。

 

それは「危険に対する警戒心のなさ」「危険そうなものに惹かれてこだわる傾向」といったものです。

 

「危ない、ダメ!」と強い口調でストップをかけたにも関わらず、

子どもが突然走っている自転車に近づこうとしてヒヤッとする……といった出来事が重なると、

大人が大きな声で「ダメ!危ない!」と注意したら、

ストップできるようにだけはさせておかなくちゃ、

怖いものがないから言うことを聞かないから普段からこの人は怒ると怖いよっと

わからせておかなくちゃ、と思うようになる気持ちはわかります。

 

また、☆ちゃんのように、わざわざ触って欲しくないものにばかりこだわったり、

他人に迷惑をかけることをしつこくやりたがったりする場合、

「怖がらせておかなくちゃ」という気持ちがだんだんエスカレートして、

2歳児相手に一日中、怒り続ける行為にもつながりがちです。

 

☆ちゃんのようなタイプの子には

どのように接するのがいいのでしょうか?

 

☆ちゃんを見るうちに、叱ったり、怖がらせたりするより

先にするべきことがあるように感じました。

 

わたしが気になっていたのは、☆ちゃんのお母さんを求める気持ちの薄さです。

 

☆ちゃんは誰にでもすぐ甘えて人懐っこい半面、

お母さんと他の人のちがいがわかっていないようにも見えました。

そのためか、転んだり、軽いけがをするような場面で、

泣いてお母さんに甘えるのではなく、

一瞬、泣き顔になって、放心したように突っ立っていたかと思うと、

たちまちケロリとして動きだすことがたびたびありました。

痛みや不快な体験に対する鈍感さのようなものも感じました。

 

暗い部屋にひとりでスーッと入っていって遊んでいたり、

ちょっとこれは危なそうだぞ、という人や場所にも

躊躇せずに近づいたりする姿も目立ちました。

 

わたしには、☆ちゃんの問題は、厳しく叱る大人がいないため怖い物がなくて

危険なことをするというより、

人見知りをする時期の子が他人に見せる警戒心のようなものの足りなさや、

「怖い」とか「不安」といった感情に対する鈍感さにあるように感じました。

 

そこで、☆ちゃんのお母さんに、

☆ちゃんが、「お母さんじゃなきゃだめ。お母さんが一番好き」と感じるくらい

たくさんスキンシップを取って、☆ちゃんにかかわるように勧めました。

 

また、日常の小さな体験を☆ちゃんの目線でいっしょに味わいながら、

「そうっとそうっとね」とか「痛い痛い」「怖い怖い」など、

感情を言葉やジェスチャーで表すようにもしました。

身体が固くて、背中を触られても気づかないような

鈍感さが気になったので、ごろごろ転がったり、ピョンピョン飛んだりする遊ぶなど、

感覚を統合する遊びを増やすことも提案しました。

 

それから2週間後、わたしを見るとすぐにだっこするようせがんでいた

☆ちゃんが、少し固い表情でわたしを見上げました。

そして、お母さんには何度も笑いかけながら、抱きついていきました。

 

そんな風に、お母さんが一番、他所の人はちょっぴり怖い……という

人見知りに近い態度が出てくると、

気になっていた鈍感さが、目に見えて減っていました。

まるで耳が聞こえないかのように振舞うことも多かったのに、

呼ぶとパッと振り向いたり、

「それ、ちょうだい」と指さして指示すると、

ちゃんと指さしている先のおもちゃを取って渡してくれるようにもなりました。

「怖いね、怖いね」とか「どうしよう、どうしよう」など、

感情をいっしょに味わうのも上手になって、

おそるおそる覗きこんだり、怖がる真似をしてキャッキャッと笑い声をあげるように

なってきました。

 

そんな風に、いろんな感情を感じとりやすくなってくると、

危険なものに会うと、ちょっと振り向いて、

お母さんの表情をうかがうようになってきます。

そうした☆ちゃんの変化を見て、

愛着の薄さが感じられるときに、叱って怖がらせて

さらに愛着がつきにくい状態にしなくてよかったとしみじみ感じました。

 

強く叱るべきかどうか迷ったときには、

まず子どもの様子をていねいに観察してから、

接し方を決めるといいですね。

 

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4歳前後の子たちの算数遊び

2013-03-28 19:01:35 | 算数

3歳7ヶ月の★くん、☆くん、4歳0ヶ月の◆くんのレッスンの様子です。

 

工作が大好きな◆くんは、何かを目にするたびに、

どうやって動かすのか、どんな仕掛けなのかなどを

詳しく説明するのが上手です。◆くんの観察力と洞察力には

いつも舌を巻いています。

 

回転させて玉を落とすガラガラの工作見本とエレベーター付きの立体駐車場の見本が

とても気に入って、「これは、くるっと回した時に、この穴が下になって、中に入れて

た玉がでてくるんでしょう?」「じゃぁ、ここに穴があってひもがあるのはどうして?」などと

微に入り細に入り質問しては、

自分の考えを息をするのも惜しむ勢いでつらつらと説明していました。

 

☆くんは、最近、恐竜博物館に行ってきたそうです。

恐竜の名前をたくさん覚えて、恐竜になりきって遊んでいました。

数が大好きで、電車がいくつ連結されているかや電車の速度など

数に関連することは、何にでも興味しんしんです。

 

今回のレッスンでは、初めて会うお友だちを前にして

ちょっともじもじと恥ずかしそうにしていた★くん。

でも、いろいろな活動をするうちに、満面の笑みを浮かべていました。

 

 

魚にエサをあげる遊びをした後で、

エサを食べた魚と食べていない魚の数を比べています。

「どちらが多いかな?」

 

電車の扉は片面が3です。

「全部のドアをあわせるといくつかな?」と質問すると、

「6!6!」と元気な声が飛び交いました。

写真では、足の数や手の指の数などの質問に答えています。

☆くんが恐竜に夢中なので、大昔、恐竜が生きていた頃、火山が爆発したところを

実験で再現することになりました。

 

最初はブロックで火山作り。

作り方はわかっているようでしたが、組んでいるうちに

ブロックがはずれてしまうので、大変そうでした。

それでもがんばって大きな火山を作りました。

重曹とクエン酸を入れた容器に

水を入れると、ブクブクと泡があふれてきます。

みんな大はしゃぎでした。

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発達に凹凸のある子たちの 就学準備クラス 2

2013-03-28 13:45:01 | 初めてお越しの方

 

◆くん、☆くん、●くんのそれぞれの困り感と

サポートについての話題の続きです。

 

 

☆くんは場の状況が読みづらく、どの場面でも「自分ルール」を押し通しがちです。

 

今回こんなことがありました。

 

レッスンの最初に、わたしはその日のルールを説明しました。

 

「最初の15分間は、自分の好きなおもちゃで遊んでいいです。

その代わり、使ったおもちゃは片付けます。

 

15分経ったら、みんなで今日することを話しあって決めます。

その時間からは、みんなで同じことをする時間。

他のことがしたいな~と思っても、先生が、こういうことをしますよ~と

決めたことをします。

遊びたいおもちゃがあっても、遊んではいけません」

 

この3人、最初の15分もそれぞれバラバラに遊ぶのではなく、

魚釣りのゲームをいっしょにしていました。

自分の釣りざおがなかった☆くんは、かんしゃくを起こさずに

「ならこれでもいいよ」とわたしが渡した他のおもちゃ用の小さな釣りざおで満足していました。

☆くん、お友だちと仲良くしようと努力しているな、みんなと楽しく遊べているな、と

感じました。とはいえ、時折、横柄な口調になったり、

お友だちに順番を代わってもらう際に乱暴に手から奪い取ったりする場面もありました。

 

どんな態度が相手を驚かせたり、怖がらせたり、悲しい気持ちにさせるのか

想像するのが難しいのです。

子ども同士の輪に、適度に介入して、

上手なやりとりを学んでいけるようにサポートしました。

15分経った後で、何をしたいか話しあいました。

○くんが「工作がしたい」と言い、☆くんも賛成しました。

◆くんは「ゲームがしたい」と言いました。

 

そこで、「最初に工作をし、その後でゲームをしてはどうか」と提案すると

全員納得しました。

☆くんと○くんはポップコーンを製造する機械を作り始めました。

 

ストローで空気を吹き込むとポップコーンがぽんぽんはじけます。

お札とコインを入れるための投入口も作りました。

◆くんはみなが工作を始めると、うろうろして

おもちゃの入った引き出しを探っていました。

それでも、「◆くん。15分経った後からは、決まり決まり。

おもちゃを触ってはダメよ。今は工作をするのよ」と言うと、

素直に従いだします。

でも1分もしないうちに、再びうろうろしておもちゃのところへ向かい、

注意されると、はっとした表情をしてこちらに従うことをくり返していました。

 

◆くんは、指示されたことを守ろうとする

まじめで素直な性質の子です。

でも、自分が何をしていたのかすぐに忘れてしまったり、

ルールの内容から自分に期待されていることを具体的に理解するのが

難しいようでした。

 

イラストなどで、「絶対、周囲と同じことをしなくてはいけない場面」と「自分で自由に活動を選んでもいい場面」

の違いを教えていってあげる必要も感じました。

 

 

 ☆くんは工作が大好きです。そのため、他の子より先に作品を仕上げました。

作り終えたからうろうろしてもいいと思ったのか、

発泡スチロールが入ったトレイを手に持っておもちゃのところに向かいました。

 

そして、くるくる回して玉を落としていくおもちゃに発泡スチロールの玉を入れようとしました。

 

「☆くん、それはダメ。それはしちゃいけない。

今は、工作をする時間で、おもちゃを触ったらダメだったよね。ルールだよね」

と言うと、

「これ(玉)を入れるんだよ」と言い張りました。

「工作の材料をおもちゃの中に入れるのは禁止。

今はおもちゃを出してはダメ。しまってきてちょうだい」と言うと、

手が滑ったようで、発泡スチロールの玉を床中にぶちまけてしまいました。

 

「大変、大変。散らかっちゃった。

みんな片付けるのを手伝ってちょうだい。拾ってね」

と言うと、◆くんと○くんは拾い始めましたが、☆くんは知らんふりして、再び工作の続きをしはじめました。。

 

「☆くん、自分でひっくりかえしたんだから、自分で拾ってちょうだい」と言うと、

☆くんは、「そんなことを言う先生は嫌だよ。やめてよ。そんなこと言うの。」とイライラした口調で言いました。

 

その時、○くんはニヤニヤしながら、「自分でひっくりかえしたのに、片付けなさいって言われたら、

そんなこと言うのおかしいなぁ」と言いました。

そう言いながらも、まだ玉を拾っています。

◆くんは、わたしに「拾って」と頼まれたので、玉を拾い続けているものの、

○くんが言っている言葉の意味がわかっていないようでした。

 

「☆くん。自分でひっくりかえした玉は自分で拾ってちょうだい。ほら、お友だちが

手伝って拾ってくれているでしょう?ありがとうってお礼を言って、

☆くんも玉を拾いなさい」

そう言うと、☆くんは、さらにイライラした声で、

「もう!なおみ先生ははやくぼくの工作を手伝ってよ。ここがちゃんと切れてないじゃないか!

穴が開けてほしいのに、早くやってよ。もう!」と言い放ちました。

「☆くん。工作は、自分でするものよね。自分のお仕事。

それから自分が散らかしたものを片づけるのも自分の仕事。」

そんな☆くんとわたしのやりとりを

○くんだけは、よく理解していたようでした。

 

ところが当の☆くんと

手伝ってくれている◆くんは、

何があったのか、何を言われているのか、どうすべきだったのか、どんな行動がよくなかったのか、

正しくわかっているように見えませんでした。

☆くんも◆くんも

状況の一部分だけを捉えて、解釈しているようです。

 

☆くんは、自分がルールを守らなかったことや、うっかりして玉をひっくりかえしてしまったことや、

自分の失敗は自分で責任を持たなくてはならないということや、

自分が散らかしたのにお友だちがそれを拾ってくれているので、自分もそれに参加する責任があるし、

「ありがとう」と言わなくてはならないことなどを

無視して、

 

「先生がぼくに嫌なことを言ってくるから、やめてほしい」ということと、

 

「ぼくがしてほしいと思っていた工作を、先生がしてくれていない。ぼくの手伝いをしてくれないなんて

不親切」ということに

 

気持ちを集中させて、文句を言い続けていました。

 

◆くんは、「○○しなさい」という具体的な指示には従っているし、◆くん自身は

人とトラブルになるようなことを起こさない温和な性質なのですが、

自分の周りで何が起こっているのか理解していないようでしたし、

やりとりされていることに意味にも気づいていないようでした。

 

☆くんはもちろんのことなのですが、◆くんにも、

こうした日常の場面をイラストつきの物語として

整理していって、気づく力や理解力を高める必要を感じました。

人形劇やごっこ遊びの舞台で演じるのもいいかもしれません。

これからも、そうしたメタな視点から自分のしていることを眺める機会を

たくさん設けていくことにしました。

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先の話に少し補足を付け加えさせてください。

 

アスペルガー症候群には、「孤立型」「受動型」「積極奇異型」の3つのタイプがあるとされていますが、

欧米では、「尊大型」というもうひとつのタイプが指摘されているそうです。

 

尊大型とは、自分の主張を振りかざして、攻撃的で強圧的な態度で、周囲を振り回してしまうタイプのようです。

学力が高く、仕事で高い地位に就いている方に多く、家族にだけ尊大な態度で接する人もあるようです。

本人にするとかなり生きづらく、困り感を抱えているそうです。

 

それを知って、誰の言葉にも耳を傾けなくなる前に、

人との関わりに苦手さを持つ子たちに

ひとつひとつていねいに教えていってあげる大切さを感じました。

 

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発達に凹凸のある子たちの 就学準備クラス 1

2013-03-27 15:18:19 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

発達に凹凸のある子たちの 就学準備のレッスンがありました。

(発達に凹凸のある子たちの就学準備クラスは何グループかあります)

今度、年長さんになる◆くん、☆くん、●くんが学びました。

 

このグループには、 

自閉っ子と学校ごっこ

という記事で紹介した☆くんも参加しています。☆くんは就学猶予で

もう一年、年長さんとして過ごす予定です。

☆くんは半年くらい前まで、集団でする活動への参加が

とても難しい状態でした。

 

が、ペアでレッスンしている★くんと徐々に親しくなっていき、ふたりでする『学校ごっこ』に少し参加できるようになってきたので、

就学準備クラスに入って、

数名のお友だちといっしょに遊んだり、物作りをしたり、ゲームをしたり、勉強したりする

体験をしてもらうことにしたのです。

 

☆くんは、ちょっと前まで、教室に入るだけで

何分間もかかっていたくらい緊張が強い子です。

 お母さんと別れて、知らないお友だちといっしょに過ごすなんて

本当にできるのか、ちょっぴり心配ではありました。

 

それが、案ずるより産むが易し……?

 

お友だちの輪にすんなりと打ち解けて、工作やゲームや算数の学習を

楽しんでいたので、心底ホッとしました。

 

ゆっくりゆっくりと、できることを増やしてきたことと、

人と関わる楽しさを体感させてきたことが、

☆くんに「新しい世界に足を踏み込んでみよう」という気持ちに

させたようです。

 

 

算数タイムの様子です。

 

右から順番に小さい数から並んでいます。

裏向けている数は何と考えられるか、いくつか数字を挙げています。

0~10までの数が1枚ずつある時、上のカードをヒントにして

裏返したカードを当てています。

 

☆くんと○くんはすんなりわかって、とても楽しそうに数を当てていたのですが、

◆くんは意味をつかみかねていたようでした。

2と5の間にある数を、「6?」「9?」といった推理をしては

混乱していました。

 

そこで、カードの枚数を減らし、ゆっくりと理解をうながすと

ちゃんと解けるようになっていました。

この問題の少し前に、みんなで魔法使いの男の子のゲームをした時は、

◆くんは一番素早くミスなく答えのカードを取ることができていました。

とてもたくさんカードを集めて、勝ちました。

 

このゲームは、「帽子」「服」「靴」「ステッキ」のそれぞれの色と体型が、

課題のカードと異なるものを探します。

 

たくさんのカードの中から、5つもチェックをして

正しい答えを見つけるのは至難の業です。

☆くんも●くんも何度も間違えていました。

 

が、◆くんは素早く確実に正しいカードを選んでいきました。

それはボーッとして

やっている最中に何をしていたのか忘れてしまったり、

指示が通りにくかったりする◆くんの普段の姿からすると

とてもびっくりするものでした。

 

◆くんがこのゲームをしたのはこの日が初めてです。

ルールを理解するだけでも難しそうなのに

一回の説明で理解し、一度もミスしないで正解のカードをたくさん

選んでいた様子を見て、

◆くんは情報が入りにくくてボーッとしがちなのではなく、

たくさんの視覚的な情報を取り込みすぎて、

その時々に必要な対象に集中するのが難しいのかもしれない、とも思われました。

 

◆くんは、「みんな」に向かってする説明を聞きそびれてしまうことがよくあります。

何かを見ていると、耳が聞こえないようだったり、

ボーッとしていたり、よそ見や手遊びをしていたりするからです。

また、何かをしている最中に、フラッと席を立って、

うろうろし始めることがあります。

◆くんが目でいくつかの情報をチェックしていく力が非常に優れていることが

魔法使いのゲームでわかったので、

学校に入って後は、説明の一部を黒板に書いてもらったり、目で確かめられる手順カードなどを

用いたりすると、

授業が受けやすくなるのかもしれません。

 

 

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大人の声のかけ方が、子どもの考える力を弱める時、高める時

2013-03-27 08:57:20 | 初めてお越しの方

春休みに入って、小学生のレッスンや遠足が続いているので、ブログを書く時間が減っています。

過去記事をアップする日が増えていて申し訳ありません~。

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↑色紙恐竜

親御さんの接し方や言葉のかけ方が、子どもの考える力に弱さの原因のひとつを作るときがあります。

以前、書いた記事に

少し書き足して説明しますね。

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「子どもとの会話がなりたちません~。思考力の伸びが弱いです。」
という相談を受けることがあります。

1年生ですが、しゃべったとしても、「あれして~これして~!」「うん、それで?」
といった簡単なやりとりばかりで会話になっていません。

「4歳児ですが、うまく言葉で表現できないので、すぐ手がでます。よく泣きます」

といった相談をときどき受けます。
実のところ、とても多くの子どもたちが、ごくごく簡単な言葉のやりとりだけで
日々過していて、
会話のキャッチボールがいい感じに続く子というのは少ないようです。

先日、そうした対話する力が弱いため、「遊び方が幼いし、考える力が弱いようで心配です」と相談を受けた年長さんたちのレッスンをしました。

そこで、いくつか気づいた点がありました。

★ 「短い」「浅い」場合も、「小さい」といった言葉で表現していても、
それで親御さんとの会話が通じてしまっている場合。

いちいち間違いを修正させる必要はないのですが、
語彙を正しく使い、
さまざまな言葉を使いこなせるように、
子どもが「この棒、小さいね」といえば、
「そうよね。短いよね。もう数センチ長ければ、車のタイヤに取り付けることができるのに」と返すなど、

正しい言葉や、別の言い方でのフィードバック+
親の意見や気持ちをひとこと

くらいに、ていねいな返事を返すことが大事です。

家庭では、「この棒、小さいね」に「そうね」と返していたり、「はやく片付けなさい」と返していることが多いものです。
大人がほんの少しでも子どもへの返事に
思考力や創造力を使うようにすれば
たちまち子どもの語彙は増えていきます。

★ 「レゴはブロックじゃない」と言うなど、
概念の理解に弱さがある場合。

「魚は生き物じゃない。生き物は、カブトとかクワガタだから。」など、
自分がこれまで見聞きした狭い範囲で言葉を理解している場合があります。

「金魚が尾をひらひらさせるのはどうしてかな?」
「どうして、あんな風に上手に浮かんでいられるのかな?」といった
子どもの疑問に対し、即座に答えを教えたり、図鑑で調べるのでなく、
いっしょに疑問を追いかけて会話することを楽しんでいると、
どんな生き物がどんな仲間に分類されるかといったことは、
会話の中で、自然と察して学んでいけますよ。

「そして」「だから」といった接続詞を補って
会話をつなぐ方法を自然に示していきます。

もし~だったらどうかな?
といったアイデアを子どもといっしょに、ユーモアもまじえて、ありえないことでもいっぱい出してみます。


子どもとの会話が成り立たない~という場合、
親御さん側は、
「かなりワンパターンの命令かうながす言葉か、簡単な感想や質問
しかしたことがない」
とおっしゃるケースが多いです。
それで、子ども側からは、スラスラと論理的に筋の通った返事を期待してしまうので、

期待が高い分、場が緊張してしゃべりにくくなりがちなのです。

大人の側が、
リラックスして、会話を楽しむ技術を少しずつレベルアップしていくと、
回を重ねるごとに、子どもの表現力は豊かになっていきます。

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子どもの知能を高めるには、身近な大人が

純粋に楽しみながら、子どもの話に耳を傾けるのが一番です。

 

子どもが何か言うたびに、「教えよう」「しつけよう」「評価しよう」として、

性急に大人が価値があると思うものを押し付けていけば、

子どもたちはよく考えもせずに、何でも鵜呑みにして動くようになります。

 

「こうしてごらん」と指示を出すのを控えて、ゆったりと子どもが何かを選択するのを

待っていると、

その子がどんな子で、何に価値を置いていて、どのようなことを望んでいるのか

見えてきます。

↑の写真は、3歳後半の●くんといっしょに過ごしていた

2歳4カ月の★です。

★くんは、言葉が達者で、慎重でよく考えてから行動する子です。

 

この日は初めて会った3歳の男の子を前にして、固まっていました。

心配した★くんのお母さんが、「~したら?」「~したら?」と声をかけようとしていらっしゃいましたが、

お願いして声かけを控えていただいて、

周囲を緊張した様子で眺める★くんをそっとしておきました。

 

年上の●くんが先に遊んでいたものを、

後から必ず★くんが、「~やりたい!」と言っているのがわかりました。

また、自分が遊ぶときには、

先に遊んでいた●くんの遊び方から良いものを吸収してもいました。

観察力や何をしているのか意味を察する力が優れているのです。

 

そうした★くんの性質からすると、

★くんが観察している最中に、「~してごらん」とうながすことは、

せっかく集中して学んでいるところを中断して、

「学ばずに何かするように」とせかすことになりがちなのがわかりますよね。

 

なら、どんな声かけをすると良いのかというと、

★くんでしたら、観察した後で、

何かをし始めた時に、

「よく○○することに気がついたね」とか、

「面白そう。どうやってするのか教えてちょうだい」とか、

本人が触っている物の名前や動作の名前を具体的に表現しながら、

楽しく会話を紡ぎだすことだと思います。

↑の写真では、環状線の本を読みながら、駅名や電車の名前を言いながら、

環状線について説明していた●くんを真似て、同じ本を読み始めたところです。

 

●くんの態度から学んでいる★くんの気持ちを汲んで

「次は何駅かな?次は何駅かな?環状線はぐるぐる回るね」といった

●くんがしていたことを、★くんが引き継げるような声かけをするといいかもしれません。

 

子ともと会話をするときに、

大人が言いたいことを言うのではなくて、

その子の性質を理解した上で、

子どもが自分の意志を向上する方向に向けやすいように

サポートすることが大事ではないでしょうか。

(たとえば、★くんでしたら、

年上の子の行動を見習って目的を定める性質を

尊重していくということです)

 

 

 

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小学生のつまずきと教え方

2013-03-25 14:40:38 | 子どもの個性と学習タイプ

診断はくだっていないグレーゾーンの子も含めて
発達障害や知的障害がある子と、
障害のない子では、
つまずく原因もできるようになるための手立ても異なるケースが多いです。


ですから、子どもが「わからない」と言っているからと、どの子にも同じ方法で教えたのではうまくいかないように思います。

発達障害などがない子たちに教える場合、
いきなり解き方を教えるよりも、
まず学習に対する主体的な態度やメタ認知力をつけていくことが大事だと
考えています。

文章題が苦手な子にも、やる気がない子にも、学習の力の入れどころがずれている子にも、
他の子と計算時間などを比べて、「計算をもっと練習したらできるようになるよ」といったアドバイスをするのは、あまり良い教え方とは思えません。

そうした子たちには、
大人が、
「遠回りで本質からずれた方法でも、まず練習さえすれば、やってるうちに成績に結びつくから、それで欲が出て、勉強をするようになるはず……」という
子どもだましな方法で指導をしても、
心の底では、「そんなのおかしい」と感じて反発するので、大人の思惑通りいかないものなのです。
また、本当に計算さえすれば成績が伸びる子だったとしても、その必要性を本人が自覚しない限り、
やらされている作業をただこなすだけでは、成績に結び付けていくことは難しいのです。

現実に大阪市では、○○式なる大量に計算訓練をさせる教室をいたるところで見かけるし、小学生と話をすると、その教室に通っていない子の方がめずらしいほどなのですが、
大量に高速で計算させる学習をする子が増えたから、大阪市の子どもたちの学力が向上しているという話は、
聞いたことがないのです。

主体的な態度やメタ認知力をつけていくとは、
つまり、
子どもに、どこがどのようにわからないのか具体的にくわしく説明させたり、
自分にはどんな学習が足りないと思うか、どんなことをすればできるようになりそうか、分析させたりするのです。

自分のしている学習を、少し高い位置から客観的に眺めさせて、
自分でやることを決めさせるのです。

もちろん子どもにとって最初はどうすればいいかわからないでしょうから、
ヒントをたくさん与えます。
そうしながら、大人もいっしょに、
わからない原因と、これから必要な学習を分析していくと、
大人の側もどんなことをどこまで支援すればよいのかわかってきます。

虹色教室ではこんなことがありました。
小学4年生の☆さんは、頭は良いのですが、さみしがりやで飽きっぽい性格です。宿題を始めるやいなや、
「わからない、できない」と言うと、お母さんが飛んできて、手を変え品を変えして説明したり、「どうしたらいいんでしょう?」っと心配したり、「なら、先生に聞いてみようか?ならこうしたら?」と提案してくれるのにすっかり味をしめて、
『自分で考えてみる』ということは、思いもよらない様子です。

教室でも、すぐさま「わからない、できない」と言うと
よそ見を始める☆さんに、
私は、お友だちや年下の子たちに、解き方を教える役をさせたり、
友だちと協力しあって考える機会を与えたりしています。

☆さんには、読書家で、いつも図書室で借りた本を見せてくれるという一面があります。それで、
「本がたくさん読めるということは理解力がある証拠よ。めんどくさいという心を乗り越えて、がんばってみて。自分で考えるの」と説得していました。
すると、私の前では、「できない、わからない」と騒ぐのはやめて、
課題にきちんと取り組めるようになってきました。

この☆さんのように子どもが「わからない」というとき、
その子の力量を見極める大人の眼力が大切だと感じています。
ていねいな説明が必要な子と、
自力で少し考えさせる必要がある子がいるのです。
考えさせるというのは、問題の解き方だけではなく、「自分はなぜ解けないのか」という理由もです。
「そうだ、学校で先生の話を聞いていなかったからわからないんだ」と気づくかもしれません。
そんな場合は、先生の話など聞かなくても、いつでも「わからない」と言えばだれか助けてくれるよと身体に覚えさせるよりも、
「今度から、ちゃんと授業を受けよう」と本人が自覚した方がいい場合があります。

最近では、子どもが「わからない」と言おうものなら、
どう教えたらよいか、誰に教えてもらうよう手配しようかと考えることに忙しくて、
「まず、自分で考えてみた?」とたずねるのを忘れている場合がよくあるのです。
子どもの側も、まだオムツをしている年齢から、
ご機嫌を取りながら手取り足取り教えてくれる習い事や、
何も考えなくてもスローステップで出題されるプリント問題に慣れすぎて、
たった1分かそこらでも、自分の頭を使ってみる体験をしたことがない子もけっこういるのです。
考える前に、「自分で問題を読んでみた?」と問わなくてはならないケースもあります。

小学生が学習につまずくとき、
何らかのハンディーキャップが原因で
できていない場合があります。
「努力しないから」とか「先生の説明を聞いていないから」などと
安易に決めつけず、ていねいに原因を探る必要があります。

写真はアスペルガー症候群の女の子に勉強を教えていたとき使っていた紙です。
この子は、障害特性のせいで、『興味の範囲がとても狭い』です。
動物が大好きで、寝ても覚めても動物の話をしています。
私が「お家では、お姉ちゃんとどんなことをして遊ぶの?」とたずねても、
「この問題の解き方はわかる?」とたずねても、
「今日は、カーコちゃん(うちの鳥です)は何をしているの?」
「どうしてカーコちゃんは、飛んでいってしまうの?」と自分の好きな動物の話題にすりかえてしまいます。

何とか計算はできるようになっているものの
算数の概念の多くは、難しすぎて理解できない様子です。
いくら説明しても、首をかしげたままなので、親御さんが困っておられました。

こうした興味の範囲が狭い子には、その子の興味のある事柄で
算数の概念を説明するようにすると、
急に理解が進む場合があります。
この女の子も、「子どもが100人いました……」という話だと、
そわそわしたり、「うーん」と首をかしげて「わからない」と言うだけだったのですが、
子どもをフラミンゴに変えて、「フラミンゴが100羽いてね。そんなにいっぱいいたらどうする? 困るね~!!
100羽のフラミンゴを同じ数ずつ10の小屋に分けたら、
何羽ずつになるのかな?」という話で説明すると、ずっとわからなかった大きな数を10分割するときの概念に、理解をしめすようになりました。

興味の範囲が狭い自閉症スペクトラムの子どもたちに教えるとき、
電車とか、昆虫とか、動物とか、その子が興味を持っている分野の内容で
説明すると、学習に集中できる場合がよくあります。
また、学習内容を、できるだけシンプルにして、
理解させる部分だけ抽出して教えることも大事です。

1枚の紙に、1つの内容だけ書く。

といったことが、理解に役立ちます。

同じ診断名だから、同じハンディーを抱えているとは限らないので、
まず、苦手な部分を見つけると同時に、
得意なことや長所も見つけておくと、得意や長所を通して難しい概念の理解が教えやすくなるときがあります。

苦手は、字が小さかったり、たくさん字が並んでいたりすると、読むのが困難になる、聞くと見るを同時にできない、注意散漫、筆算が苦手、文章題が苦手、メタ認知力が極端に弱いなど……。
得意には、色に敏感、位置はよく覚える、数字好き、字を読むのが早い、褒められるとがんばるといったものがあります。
 
 
知的障害を持っている子たちに勉強を教えるときには、
大きく分けて3つの視点が必要だと感じています。

ひとつには、障害児専門の家庭教師の方々や特別支援教室の先生方がしてくれるようなハンディーに合わせた
『教えたい内容の一部分だけに特化して、スローステップで教える』
方法です。
それには学習内容をよりシンプルにして、噛み砕いて提示する工夫が必要です。
また『目で見えて、手で操作できる』教具を使って教えることも大切です。
文字を大きくしたり、漢字にふりがなを打ったりして
学習しやすくすることも必要です。

私が会ったことがある知的障害の子に関する印象は、人が好きで温和で素直ということです。
ですから、できないことは恐がってしないけれど、
できることは何度もやりたがり、褒められるといきいきとしてがんばります。
ルールが易しいトランプやボードゲームなどで遊べるようになると、
お友だちといっしょに遊びを共有できていることをとても喜びます。

私が知的ゆっくりさんに学習を教えるとき大切にしているのは、
『できることは何度もやりたがる』という性質を最大限に利用することです。

たいていの親御さんは、できることというのを、
学習課題の狭い範囲の中で捉えているので、
ひとつのことができるようになっても、いつまでもそこで足踏みしていて、
次の課題に進めない知的障害の子の様子にじりじりとしびれを切らしているように見えます。
でも、実際には、何かひとつできるようになって、何度も何度も同じことを繰り返している期間というのは、
親の接し方ひとつで、さまざまなことを訓練し、新しいことを学び取ることができるチャンスでもあるのです。

たとえば、知的ゆっくりさんが、折り紙を長方形に半分に折る作業をはじめたとします。何枚も何枚も、長方形に半分に折る姿を見た親御さんは、
三角に半分に折る方法や、折り紙で猫や犬を折る方法を教えて、進歩や新しい展開を求めることでしょう。
それでも、本人は、長方形を折り出したらそればかり……。
いろいろな見本を見せても、声をかけても、知らんふり。
いつまでたってもあまりに進歩がないので、イライラしてくるかもしれません。
そんなときは、「上手に長方形が折れているね。ちゃんと、角と角を合わせているわね。」と、本人の作業を認めながら図形の名前や、作業にともなう言葉の表現が覚えられるような声かけや会話をするようにします。
また、「どうやって作るのか教えてちょうだい」と作業の手順を説明させる役をさせるのもいいですね。

「たくさん折ったわね。いくつ折れたか数えよう!」と数の学習に誘うこともできます。
また、できた長方形を図形パズルにして遊んだり、
長方形の両脇をセロテープで貼って財布にするという
作ったものを生かした工作に誘うこともできます。

折り紙を例にあげましたが、文字の練習でも計算でも、ひとつ何かできることがあって、それを繰り返している期間は、
さまざまな新しい課題を習得させるチャンスでもあるのです。

 

 


学習していくとき、人が頭の中でする作業には、
次の4種類があげられます。

★わかる……認知する・分類する・意味を理解する
★覚える……保持する・記憶する・想起する

★考える……類推する、推測する、一般化する、抽象化する
★決める……企画する、評価する、判断する、選択する

学習というと、上であげた『わかる』と『覚える』を子どもに繰り返させることというイメージがあります。

認知させ、分類させ、意味を理解させ、その記憶を保持させて、思い出させてテストすることを繰り返すことこそ、学力につながると信じられています。
教材では、
類推する、一般化するといった『考える』作業は、
そのパターンをわからせ、覚えさせて、テストしていくことでマスターさせるようにできている教材は多いです。
またそういう学習の場では、『決める』は大人がしてあげる仕事という前提があります。

「読み書き計算は学習の基礎だから、まず読み書き計算の徹底を!」というスローガンはもっともだし、その大切さはよくわかるのですが、
子どもの能力を急いで上げようとするあまり、
『考える』体験と、『決める』を体験をする場や機会がなくなっているのはどうかなぁ?と感じているのです。

ひと昔前の子であれば、外で子どもだけで群れて遊ぶ時間が長かったので、
自分で選択したり、評価したり、判断したり、企画したりすることは、
しょっちゅうありました。
大人が飛んできて何でも解決してくれるわけではないので、
推測したり類推したりする力を発達させないと危険でしたし、
家のお手伝いは、考え、決める力を使う絶好のチャンスでした。

それが、最近では、学習法がどんどん合理的になり、系統化されているので、
テストの点としては、短期間に急速に進歩するようになっているものの、
そのせいで、子どもが自分で考える体験も、決める体験もできないということが起こりがちなのです。

★考える……類推する、推測する、一般化する、抽象化する
★決める……企画する、評価する、判断する、選択する

は、授業内容や教材の中に取り込もうとすると、複雑になって難しいですが、
遊びやお手伝いやものづくりや会話の中では、
大人の関わり方次第で、
自然に伸ばしていけることでもあります。

私が子どもの頃は、学校の規則がそれほど細かくなかったので、
学校でたびたびトラブルが発生していました。
そのたびに、学級会や終わりの会で、子供同士、活発に意見が交わして、問題を解決しようとしていました。

当時は、『考える』と『決める』が活性化されるような場面がたくさんあったのです。
授業中に交換日記を回している子がいるとか、
シャーリングなどのおもちゃをどこまで学校に持ってきてもいいかとか、
男の子の口が悪いとか、女の子がえらそうだとか、揉め事にしても、けんかや話し合いにしてもつきることはありせんでした。

本当にうだうだと言い合いばかりしていましたが、そうした真剣な言葉や感情のぶつけ合いを通して、
自分の責任を自覚したり、考えを練ったり、判断力をつけたりしていたのです。
「子どものことは、大人が何でも決めて、大人が勝手に解決する」という風潮は、最近のものだと思います。

基礎が大事だからと、『わかる』と『覚える』を訓練していく際の問題は、大人が子どもの能力を伸ばそうとあせるあまり、
視野が狭くなって、

★わかる……認知する、分類する、意味を理解する
★覚える……保持する。記憶する、想起する

の部分で、少しでも先に進ませようと、目に見える成果を求めるあまり、
『考える』と『決める』を体験する場や機会を奪ってしまうことにあるように思っています。
忙しくって、子どもたちに話し合いなどさせていられない……という大人のせかせかした態度をゆるめて、少しリラックスして子どもたちに接しないと、
勉強はたくさんしたけれど、考えたり、決めたりしたことがないという子が増えてくるかもしれません。


話を知的ゆっくりさんへの教え方に戻しますね。

九九を教えると、真似して2の段と3の段が言えるようになったとします。
教えている側が、「はやく4の段を!5の段を!」をあせっても、
知的ゆっくりさんたちは、ゆっくりゆっくりしか覚えていかないでしょうし、
九九を覚えたからといって、九九を使った文章題の理解に移行するのは難しいでしょう。

私は、2の段と3の段が言えるようになったなら、
それをさまざまな場面で活用できるように工夫しています。
写真のように、「2個ずつ人形におやつ(積み木)を配ってね」と言って、
「2いちが2~」と言いながら、配ってもらうこともそうですし、
友だちとの遊びや、お手伝いの場面で、かけ算が役立つようにするのです。
それと同時に、少しずつ次の段をマスターするための練習を進めていきます。

また、10の合成が言えるようになったとすれば、
最初に10個の物を見せてから、いくつか隠して、
「いくつ隠れているでしょう」と推理する遊びをしたり、
その問題を他の人に出題する役をさせたりします。

学ぶときに子どもが、教える役や説明する役、人形劇を演じる役など、
さまざまな役割を体験できるように工夫すると、
学習がなかなか進まず停滞しているように見える時期にも、
企画する、評価する、判断する、選択する、
類推する、推測する、一般化する、抽象化するといった経験を深めていくことができます。
 
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