虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

子どもが思い通りに育たないのは、育て方を失敗したため? 2

2015-05-30 20:17:08 | 教育論 読者の方からのQ&A

前回の記事の最後に、

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子どもの困った状態は、接し方や子どもの捉え方を変えれば改善するけれど、

だからといって、今、子どもの問題の原因は

それまで間違った育て方をしてしまったからとは思われない。

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といったことを書きました。

これはわたしが教室をしながら、何度も実感していることです。

 

わたしは「たくさんの子どもたちと接する機会がある」という点と

「今、困った状態にある子と非常によく似た時期を経た子が、

その数カ月後、1年後、数年後には、

どのように成長していったのか目にしたことがある」という点で培った勘のような

ものですが、それは、子どもの言動に途方に暮れている親御さんが感じたり考えたり

判断したりしている内容と、かなりずれがあります。

 

子どもの問題行動がエスカレートしている時、たいていの方は、

「叱りすぎているのでは」「これまでの接し方が間違っていたのでは」と

親の自分にその原因があるのではないかと悩んでいます。

でも実際にそうした子とじっくり付き合ってみると、子どもの気質の側に因があって、

親の叱り過ぎや接する際の悩みを引き出しているように見えるのです。

 

周囲を疲労困憊させるほど困らせる子には、

発達に偏りのある子もごく一般的なもあるでしょうが、

どちらにしろ、際だって魅力的な面を持っている場合がほとんどです。

知能がとても高かったり、美的な感性が優れていたり、好奇心が強く科学への関心が

強かったり、エネルギッシュで粘りがあったりするのです。

繊細で優しい気持ちを持っていたり、

きちんとしよう完璧であろうがんばろうという気持ちが人一倍強かったりする子も

多いです。

 

途中ですが次回に続きます。

 

 

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子どもが思い通りに育たないのは、育て方を失敗したため? 1

2015-05-29 06:06:55 | 教育論 読者の方からのQ&A

世の中には正しくて善意に基づいた子育てアドバイスがごまんと溢れています。

また園や学校や習い事では、毎日のように、

「そこの場で共有されている常識」を耳にすることでしょう。

子育て中のタレントのブログやネットの掲示板では、子育て中のママはどのように

振舞うべきか厳しい意見が飛び交っています。

 

そうやって母親のもとへ大量に押し寄せてくる情報は、どれも一理あるし、

子育てが順調な時には、日々の指針にしたり、問題を解決したりするのに

役立つ便利なもののはずです。

 

でも、順調とは言えない時……

子どもを育てていれば、否が応でもしょっちゅう遭遇する事態ですが……。

つい必要以上に子どもを叱り過ぎてしまったり、

理想の親像、子ども像と現実とのギャップに苦しんだりしている時期。

それまで何気なく取り込んでいた情報からまるで毒素でも流れ出しているかのように

内面を蝕まれていくようなことが起こりがちなのではないでしょうか。

 

子どもの言動が手にあまるような場合、内面化した多くの情報に責め立てられて、

子どもの気がかりや問題のすべてを、自分の育て方の失敗と結び付けて考えて

おられる方はたくさんいらっしゃいます。

 

でも実際に親御さんに会ってみると、どの方も9割方はきちんと子どもに対応していて、

罪悪感や失敗感は不必要という印象があります。

必要なのは、子どもの個性に添って、ほんの少し接し方を微調整すること、

修正するにしろ自分のあり方のだいたいに自信を持つこと、

子どもの育ちの道筋の大きな流れを把握して、うまくいかない状態に不必要に

うろたえないことではないでしょうか。

 

子どもによっては唖然とするようないたずらを繰り返す子もいるし、

かんしゃくや駄々をエスカレートさせていく子もいます。

年中、文句ばかり言ってやる気がない子もいるし、

激しく動き回って、トラブルばかり起こす子もいます。

自分の言い分を通そうとして長い時間ごね続ける子もいるし、

不安や緊張が強くて、新しい活動に頑として取り組もうとしない子もいます。

 

そうした子と接していて経験的に言えるのは、

子どもの困った行動の多くは接し方を変えたり、十分に甘えられるような時間や機会を

設けたり、過干渉を減らしたり、子どもの長所や強みにスポットライトを当てることで

改善するけれど、だからといって、今、子どもの問題に悩んでいるのは、

それまでの過去の失敗の結果でもないということです。

 

途中ですが、それについては次回くわしく書きますね。

 

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あっという間、工作♪

2015-05-28 14:45:48 | 教育論 読者の方からのQ&A

 

 

簡単な工作のアイデアをひとつ。

『手品のような得点ゲーム』。

 

<作り方>

↑ の写真のように

ペットボトルの8割くらいまで水を入れます。

2色のストローを同じ長さに切って入れます。

 

<遊び方>

ペットボトルをよく振ります。

水といっしょに回転していたストローは、不思議なことに

いかだのように側面同士で、ひっついていきます。

 

赤、緑、赤、緑のように

色が互い違いに並んだら10点。

赤で緑の2本を挟んだら5点。

 

といったルールを決めて遊びます。

 

 

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<この工作と遊びについて>

なかなか落ちついてひとつのことに集中できない

やんちゃな男の子たちも、落ち着いて作る作業や

得点遊びに熱心に取り組むようになる工作です。

理科実験の要素もあって楽しいです。(手品のようでもあります。)

 

本当いうと、暇つぶしにいろいろなものをペットボトルに入れて

振るとどうなるか試していた時に発見した

工作と呼ぶには???の遊びですが、子どもたちには大好評です。

 

↑ の写真の奥に写っているのは、ストローの輪投げです。

ストローに適当に切り目を入れて枝のようにし、

輪ゴムといっしょに水の中に入れて、輪投げゲームを楽しみます。 

 

 

 

 

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考える方法 と 行き詰った時の解決法 

2015-05-27 14:50:15 | 記事のまとめ(リンク)

年長のAくん、Bくん、年中のCくんの算数の時間にこんなことがありました。

サピックスのぴぐまりおん(1・2年生)の『のりものけん』という問題を

解いていた時のことです。

この問題は、園児にはいきなり解くのは難しいので、問題を解く前に、

12枚綴りの切りとることができるチケットを作り、

おもちゃを並べて作った遊園地の乗り物を選んで遊びました。

 

コロコロカー    のりものけん 2まい

コーヒーカップ   のりものけん3まい

メリーゴーランド  のりものけん 4まい

グライダー      のりものけん6まい

ジェットコースター  のりものけん8まい

という決まりです。

 

「グライダーに乗りたい」と言って6枚の乗り物券を切りとって渡し、

残りの6枚で何に乗ろうかと考える……

という遊びをしてから、ワークの問題を読みます。

 

ワークの問題を読む時、一区切りごとに、「どういう意味かわかる?」とたずねて、

理解度を確認しています。

 

「みんなは ゆうえんちに きています。どういう意味かわかる人?」

「はい、みんながゆうえんちにきたってことでしょう?」とAくん。

「そうよ。みんなっていうのは、すすむくん、だいちくん、かおりちゃん、

がんちゃん、めぐちゃん、けいこちゃんね。」

 

「のりものけんを 12まいずつ かいました。どういう意味でしょう?」

「のりものけんの、この点々って切ってある券が12あるから、

それを買ったってことでしょう?」とBくん。

 

「次は難しいよ。ちょうどなくなるように みんなはのりものに のりました。

ちょうどなくなるってどういうことかな?ちょうどじゃない場合ってどんなことかな?」

この質問には、Bくんが必死になって答えてくれました。

「あの、ジェットコースターに乗って8枚出して、それからコロコロカーに乗って、

もういっかいコロコロカーに乗って全部なくなるのは、

『ちょうどなくなる』ってことで、もし、ジェットコースターの後で、

コーヒーカップに乗ったら、ちょうどじゃない」

「そうね。Bくん。よくわかったね。コーヒーカップに乗ったら、

券が1枚だけあまるから、1枚だけで乗れる乗り物はないものね」

「のりものに 1かい のるのに ひつような のりものけんの まいすうは 

右のとおりです。意味がわかる人?右のとおりってどういうこと?」

「この右の絵のところの、コロコロカー2まいとかいうところでしょ」とAくん。

 

こんなふうに一区切りごとにわからない部分がないかていねいにたずねた後で、

『れい』をしっかり見るようにうながします。(『れい』を見て気づいたことを

言葉にしておくのもいいです)

 

「グライダーに 1かい、 コロコロカーに□かい のったよ。」と

すすむくんの言葉から、12枚のチケットの色を塗り分ける問題で、

3人とも考え込んでいました。

 

すると、Aくんが、「先生、ブロックを使ってもいい?」とたずねました。

許可すると、グライダーの6枚を除いた6枚分のブロックを持ってきて、

コロコロカーに何回乗れるのか考えて、きちんと解けました。

BくんもAくんからブロックを譲り受けて、解くことができました。

 

 

Aくんがブロックを使うことを思いついたように、考える方法のレパートリーを

いろいろ持っているといいですよね。

子どもたちが、考えるためにいいアイデアを思いついた時は

みんなでその良さを確認して、アイデアを共有できるようにしています。

 

 小2のDくんがレゴでコマを飛ばすマシーンを作っている時、

こんなことがありました。

初めて、ギアや滑車を使ったレゴに挑戦したDくん。

解説書の絵を見ながら、意気揚々と作っていました。

中盤あたりに差し掛かった時、

「ずいぶんできたね。どう?面白い?」とたずねたところ、ため息をつきながら、

「途中でわかんなくなってきた。やっぱ、難しいな。」とつぶやきました。

どうするのかとしばらく様子を見ていると、「はぁ~」と深くため息をついてから、

何やら決意した様子で、「いいや!戻ろっ!」というと、

それまで作っていたパーツをバラバラにしだしました。

それから、説明書の3の図を指して、「先生、ここからやりなおすことにした」

と言いました。

「それなら、今度は、1手順終わるごとにあっているかチェックしようか?」

ときくと、「そうする」とのこと。

そうやって、1手順ずつチェックする間、わたしはチェックしている内容を

「穴の位置は、左から3番目、うん、あっているね」

「ギアとギアがきちんとかみあっているかがポイントよ。ちゃんとかみあって

いたらクルクル回るからわかるわ」などと、口に出して確認しました。

 

 

そうして前にため息をついていた中盤あたりに差し掛かった時、

Dくんは、「もう自分でできるよ。チェックしなくても大丈夫」と

自信ありげに言うと、最後まで自分の力で仕上げました。

Dくんはうれしくてたまらない様子で、

「もっともっと作りたい」と言っていました。

 

このコマ飛ばしマシーンを他の子らにも見せる時、

わたしはみんなに

Dくんが自分で考えた行き詰まった時の解決法について話しました。

「Dくんはね、最初、自分でどんどん、どんどん作っていったの。

でも、途中でだんだんやり方がわからなくなって、どうしたらいいか

わからなくなったのよ。

そうして、行き詰ってしまった時、Dくんはどうしたと思う?」

他の子らは首をかしげて聞いていました。

「Dくんは、こんな風にしたの。

まず、せっかく作ったブロックをバラバラにしていって、最初の方の3番目の図に

戻ってやりなおすことにしたの。

それから、ひとつの図を完成させる度に、先生のチェックを受けて、

ちゃんとあっているかどうか正確に確かめるようにしていたの。

簡単でわかりきっていることも、そういう意味があったんだなって

理解しながら進んでいったら、先に進めば進ほど簡単になっていって、

途中からは自分ひとりで全部仕上げることができたのよ」

 

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ピッケのつくるえほんのワークショップで小2のAくんが

『くりんの木さがし』というすてきな絵本を作りました。

下の写真は、作品の一部です。

 

りすのくりんの家であった木が倒れてしまったため、

新しい家にする木を見つけにいくストーリーです。

 

 

この作品を作る過程で、Aくんは最後のシーンを作った後で、

先に作ったシーンに戻って手を加えました。

「倒れて枯れた木と周辺の環境」と

「新しく探し出した木と周辺の環境」の変化を際立出せるためです。

 

Aくんは、下の「新しい家にすることにした木」のシーンと

上の「倒れた木」のシーンについて、他の子らに説明しました。

 

「(下の)この絵の木は、いろんな実がなっていて、花も咲いていて、

木のまわりもいろいろな草や花があって、どんぐりも落ちている。

初めは、(上の)前の絵にも、どんぐりとか草とかもっと置いていたんだけど、

最後の絵と比べた時に、どんなふうにちがうかわかるように、

きのこのついている切り株と草だけにしたんだよ。

青い倒れている木は枯れているから青いんだ」

 

最後の作業を終えてから、

それまでしたことを振り返って、おかしな部分はないか、もっとよくなる方法はないか、

と考えてみるのはすばらしい知恵ですね。

 

工作をする時も、算数や他の学習をする時も、とても役立つ頭の使い方だと思います。

 

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年中のBちゃんの頭の使い方は、まるで見ているものに吸い込まれてしまうほど

真剣に物を眺めて、相手の言葉に全身全霊で耳を傾けることから始まります。

 

Bちゃんは、誕生日のプレゼントにシルバニアファミリーのお家を

買ってもらう予定だったそうです。

でも買い物に行った先で、上の写真のような

広げるとお城の中とお庭があらわれるポップアップ絵本を見つけて、

「どうしてもこれがほしい、シルバニアのお家よりもこっちがいい」と

言い張ったのだとか。

Bちゃんは工作が大好きなので、プレゼントにこの絵本をもらうやいなや、

「これと同じものが作りたい」と言いました。 

といってもBちゃんの手に余る大掛かりなポップアップの仕掛けです。

そこで、「虹色教室で作る」という流れになりました

 

Bちゃんといっしょに長い間、うっとりとこのポップアップ絵本を眺めた後で、

「Bちゃん、どの部分が作りたいの?どこがすてきだと思う?」とたずねました。

Bちゃんは庭にある六角形の噴水と植物で作った迷路を指さしました。

 

Bちゃんの指さすそれは、とても魅力的なポップアップの仕掛けでした。

 

「六角形の秘密」とでも名付けたいような

六角形という形を生かした仕掛けなのです。

 

作り方は単純です。

紙を帯状に切って折って、六角形のわっかを作ります。

 

六角形はふたつの向かいあう辺が平行ですよね。

Bちゃんとは、「平行」のことを、手のひらと手のひらの間に少し隙間を開けて

向かいあわせて表現しています。

向かいあわせの平行な辺の上も下も山の形に辺がつながっていますから、

それがぺったんこになったり広がったりするのです。

 

この平行な辺と辺をセロテープでとめて、他はとめません。

すると、とめていない部分の辺が開いたり閉じたりして、

ぺったんこに折りたたまれたり、六角形に広がったりするのです。

 

できた部分はプレゼントとしてもらった絵本に比べると、ほんの一部です。

でも、Bちゃんは、心から満足した様子でした。

真剣に、ポップアップ絵本を覗きこみながら、

「次はこことここを作る」と夢を膨らませていました。

 考える方法 と 行き詰った時の解決法 3

 

考える方法 と 行き詰った時の解決法 4

 考える方法 と 行き詰った時の解決法 5

 

考える方法 と 行き詰った時の解決法  6

 
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たくさんのたくさんの疑問

2015-05-23 20:18:23 | 理科 科学クラブ

 年長と1年生の子らの科学クラブの様子です。

1年生のAくんは、目にするもの触れるものが不思議でたまらない様子で、

家でも教室でも四六時中、疑問を口にしています。今回も教室に着くなり、

「どうして遠くに見える山は青く見えるのに近くだと緑に見えの?」とたずねたり、

持参した『じしゃくの本』を開いて、

不思議に思っていることを口にしたりしていました。

 

いっしょにレッスンしている年長のBくんは、科学実験が大好きな男の子。

新しい実験をする度に満面の笑みを浮かべて、

不思議に感じたことを言葉にしていました。

 

(「どうして遠くに見える山は青く見えるのに近くだと緑に見えの?」

の疑問を探究するのに

「空が青い理由」を考える実験をしました

の時に使ったこのボトルが役立ちそうです。

このグループで近いうちに、光についての実験や空や天気について考える実験を

いろいろやってみる予定です。

 

 

Aくんが持ってきた『じしゃくの本』に

磁力を持つ鉱物の絵が載っていたので、教室にある鉱物のコレクションを

広げて磁石にひっつく石探しをしました。

 

「あった!!」と子どもたち大感動。

こんなふうに磁石につく石は、河原や海岸でも100個に1個くらいの割合で

見つかるそうです。

多くは、地中のマグマが固まってできた玄武岩や花崗岩といった火成岩なのだとか。

興味のある方は、河原や海岸に遊びに行く際に強めの磁石(磁石を持っていく時は、

電子のICカード類に近づけないように注意してください)を持参して探してみては

いかがでしょう?黒っぽい石か白黒まだら模様の石を中心に探すといいです。

石が磁石にピタッと吸い寄せられた瞬間は何とも言えません。

 

でも磁石にひっつく石以上に人気があったのは、

鉄が含まれているとあるのに磁石には引っつかない『パイライト』。

「どうして?どうして鉄が入っているのに引っかないの?」と興味しんしんでした。

 

先カンブリア時代のストロマトライトも人気。

バクテリア(藍藻)と泥粒の層状の構造を持つ岩石なのだとか。 

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磁石に興味を持ったついでに砂鉄集めをして遊びました。

 

クリップを磁石で擦ってクリップに磁力を持たせるのも楽しかったようです。

磁石に興味を持った子らとは、忍者たちが方角を知るために使った道具を作ったり

やわらかいスライムに砂鉄を混ぜて、磁石に吸い寄せられて移動する、

不思議なスライムを作ったり、磁石を袋に入れて砕くとどうなるか調べる実験なども

喜びます。

 

AくんとBくんは、『電磁石とでかモーター』というキットで遊ぶことにしました。

 

スライム作りやスーパーボール作り、尿素の結晶作りなどもしました。

(尿素の結晶がうまくできないようなら、液の中に数滴だけ食器用洗剤を

入れてみてください)


尿素の結晶作りをする時、

尿素を大さじ5はい

水を大さじ5はい

PVAのりを小さじ3ばい

を混ぜあわせます。


Aくんに、「大さじ1は15(cc)。小さじ1は5(cc)。

大さじの1ぱい分は、小さじの何ばい分だと思う?」とたずねました。

しばらく考えてから、Aくんは3はい分?」と答えました。

「それなら、尿素の大さじ5はいを、小さじで測るにはどうすれないいかな?」

とたずねると、今度もしばらく考えてから、

「15はい分かなぁ?」と答えていました。


この問題、年長のBくんには言葉だけでは難しいと思ったので

ブロックを用意して、小さじ1はいをブロック1つとして大さじ1ぱいの

3の塊を5つ作って、「大さじ1ぱい、大さじ2はい……」と数えてから

「小さじだと何ばい分かな?」とたずねました。

合点したBくんは、ブロックを数えあげて、「15」と答えていました。 

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「見えない世界」の栄養

2015-05-22 13:33:02 | 記事のまとめ(リンク)

記事へのコメントでいただいた二つの言葉。

 

発見したのは、こどもにとって「見えない世界」の栄養がとても大事なんだな、

ということ。

ひとつのキーワードとしては、心、頭、感性を自由に働かせる、

それに夢中になって時間のないところまで行く、ということなのかなと思いました。

 

どちらも、とてもすてきで重要な言葉ですよね。

 

「見えない世界」の栄養って具体的にどんなものでしょう?

すぐにピンとくる方は、

子どもと過ごすあらゆる場面でそれを見いだしていることでしょう。

でも、わからない、という方は気づかないだけではなく、

子どもにより良いものが与えたくて、

「見えない世界」と「時間のないところまでいく」体験を減らすことに

躍起になっているかもしれません。

 

そこで、レッスンの中から、

子どもたちが「見えない世界」から栄養を得ているなと感じた瞬間を

いくつか切りとってみることにしました。

 

今日は2歳9ヶ月のAちゃんのレッスンでした。

まだ冬休み中なので、年長のお兄ちゃん(Bくん)も付いてきていました。

「工作をしよう」という流れになって、わたしがビー玉コースターの簡単な作り方を

披露しました。

2歳児さん向けの見本ですから、

「できるレベルであること」「やってみたいと思うような感覚的な楽しみを伴うこと」

「すでにできることをベースにすること」の3点が大事です。

幼い子には『興味があって自分ができそうなこと』しかきちんと見えていないような

ところがありますから。

 

両面テープを画用紙に貼って、はがします。

 

上の写真のようなレールの作り方なので、大人が作ってあげようとすると、

「先に画用紙を切って、両端に両面テープを貼る」という順序で作ってしまいがちです。

もちろん、その方が仕上がりがいいのですが、

それだといきなり難易度が上がって、2歳児さんの想像力では

作業の流れをつかむのは難しいのです。

また、もし訓練でそれができるようになっても、

他の工作でできるようになったことを応用しにくいのです。

 

そこで、テープを貼って、はがして、はがした後にストローを乗せて貼ります。

それからはみ出している部分をはさみで切り取るのですが、

その部分を大人がしてあげたとしても、見ていて、何をしているのかわかりやすい

ので、先の順序よりずっと学びやすいです。

 

わたしが両面テープを貼って見せて、先っぽを少しはがしてみせると、

Aちゃんはそれをペリペリはがして上機嫌でした。

「ここをはがしてごらん」と教えるよりも、思わずはがしたくなるような状態を

作る方がわかりやすいです。

Aちゃんは、うまくはがせたことで自信を得たのか、今度は自分で両面テープを

貼り始めました。何本も。

こんな時に、大人が仕上げたいものを意識して、「ここにこうして貼って……」とか

「2本までね」とか指示しないで(年齢によって、きちんと手本や指示通り作るよう

教えるのが大事な時もあります)、

よほどの無駄使いでもしない限り、

何度もやりたがることに熱中させてあげるのがいいと思っています。

次のアドバイスやお手本を見せるのは、本人が退屈しだした時でいいし、見本ではなく

大人は大人で自由に制作活動に興じるのもいいと思います。

Aちゃんは、ここまでこちらのお手本に添って作っていましたが、

そこからは、自由にはさみであれこれ切りだしました。

Aちゃんが空き箱を切ろうとした時、お母さんが、「Aちゃん、それ固いよ」と

注意したのですが、Aちゃんはどこ吹く風。ゆっくり着実に切っていきました。

Aちゃんは4歳違いのお兄ちゃんと同年代だと信じているような二人目ちゃん。

観察力の高く慎重に行動する一方で、

「それはAちゃんにはまだ難しいよ」というニュアンスの忠告をされると、

俄然やる気になるタイプなのです。

 

大人だって固くて切りにくい空き箱をチョキチョキした後で、得意気に

それを開いたり閉じたりしながら、「ご本ができちゃった」と言いました。

 

こんなふうに自分でやってみたことが何らかの形になって、おまけに

自分で見立てることができた時、

幼い子たちはどんなすばらしいものが手本通りできた時よりもうれしそうです。

わたしは、Aちゃんの作った本を開いて、読む真似をしました。

「Aちゃんが、おかいものにいきました。おしまい」とか「

むかしむかしあるところに、うさぎさんとかめさんがすんでいました」という具合に。

すると、Aちゃんは笑顔をはじけさせて、切った箱のもう一方も開いてみて、

それも本のように見えるのがうれしくてたまらない様子で作品を

ぎゅっと胸に抱きました。 

一回、真っすぐ切っていっただけで、二つもできた作品と呼べないような作品。

でもAちゃんにとっては、何も代えられないすごいもののようです。

  

「ご本ができた」と見立てたとたん、それまで箱だったものが、本に見えて、

本として関わって遊ぶことができる、ということは、

まさしく「見えない世界」の栄養分。

『星の王子様』の童話にあるような、王子様には見えるのに、『数字が好きで、

一番大切なことは何も聞かない大人たち』には見えなくなってしまった世界からの

贈り物なのです。

 

 

「Aちゃん、よかったね。2冊も本ができたのね」とお母さんが声をかけると、

Aちゃんは目をキラキラさせて、次の箱を切り始めました。

 

切った後で、Aちゃんはセロテープをペタペタ。何枚も何枚も。

「切ったり折ったりした後で、セロテープでそれを覆うのが好きな

2、3歳の子って多いんです。

紙を折って、テープで封印してテレホンカードみたいなものを大量に作ってから、

『お手紙』と命名する子たちがいますよ」と言うと、

Aちゃんのお母さんが笑いながら、「そうなんです!うちでも折り紙を折って、

テープで完全に貼り合わせてお手紙を作っています。

それも、内側が色がついている面になるように折るので、

裏の白い面だけの同じようなものがいっぱいに……」と返しました。

 

Aちゃんの作品(切った後でテープで貼り合わせた紙)を使って手品ができるように

お菓子の箱に細工をしてあげました。

引き出し式になっている内箱を半分で切って、逆さまになるように貼り合わせると、

入れた紙が、箱を逆さまにすると出てくるようになるのです。

引き出す際に小さな覗き穴から顔のマークが見えるようにして、

その顔を押して、箱をひっくり返すと、上から入れたはずの紙が下からでてきます

……という仕掛け。

 

これはお兄ちゃんのBくんが、箱を覗きこんで不思議がって、

「どうして?どうなってるのかなぁ?」と夢中になっていました。

模倣が上手なAちゃんは、手品のタネはいまひとつわかっていない様子でしたが、

たちまち、手品の演じ方を覚えて披露してくれました。

 

 

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年中、年長さんの遊びに文字や数字を取り入れて

2015-05-21 19:36:42 | 幼児教育の基本

年中や年長になると、文字や数字に対して敏感になってきます。

 

ブロックをするにしろ、ごっこをするにしろ、

文字や数字を取り入れるようにすると

遊びが盛り上がるし、文字や数字に対する親しみも湧きます。

 

遊びに取り入れる方法をいくつか教えると、子どもたちは出かける際も

駅や遊園地の料金表、レストランのメニュー、

禁止の張り紙、広告などさまざまものに興味を抱くようになります。

自分から積極的に文字や数字を遊びに取り入れるようにもなります。

 

文字や数字を書くことができない子たちには、

大人が子どもの要望に応じて書いてあげるといいです。

自分も書いてみたいと思うようになります。

 

それでは、文字や数字を遊びに取り入れるためのアイデアをいくつか紹介しますね。

 

<駅の電飾掲示版のテロップ>

紙の帯を作って文字を書いてブロックに巻くと、

簡単に電飾掲示版を作ることができます。


<映画館や博物館のチケットやお知らせ>


<パンフレット>


<お手紙><絵本>


<メニュー表>

↓の写真はメニュー表ではなく

レストランで注文を受ける機械を手作りしたものですが、

こうしたものといっしょにメニュー表も作ると楽しいです。


<絵本の世界に出てくるものを取り入れる>


<おまけ>

ついでに年中さんたちのレッスンの様子をコピペしておきますね。

年中のAくん、Bくん、Cくんの算数タイムの様子です。

 Aくんが、お弁当箱におもちゃの食材を詰めて、

「先生、けいさつのごはんって書いて!」と言ってきました。

 言われるままに「けいさつのごはん」と書くと、

Aくんは、「ぼく、『の』の字、書けるよ。」と言って、『の』と書きました。

 Bくんも、Cくんも、「ぼくも」「ぼくも」と、『の』を書きました。

 

わたしが、「けいさつの の の のごはん」とみんなの書いた『の』も

指でなぞりながら読むと、おふざけ大好きのAくんに大ヒット。

息ができているのか心配になるほど笑い転げてから、

「もっともっと、書いて!」とお願いされました。

 

ちょうど、『の』が多すぎる文章で笑った後ですから、

 次に『のぬき』の手紙……というのを書いてあげました。『の』の字だけ抜かすと、

お手紙が現れます。真剣に『の』の字にバツをしています。

どの子も文字にとても興味がある時期のようで、「ぼくにも、のぬきの手紙書いて!」

「ぼくにも」とみんな必死です

 

魚釣り遊びをする時、魚の色ごとに得点を考えてもらいました。

といっても、ある程度、釣った後で得点を考えたので、

どの子も自分が持っている色の得点を大きい数にしようとしていました。

 

 

カラスのゲーム。

このゲームでも果物の色ごとに得点を決めることにしました。

大きな数を言うのを心から楽しんでいたので、

「6点のが1つと7点のが1つと100点のがふたつ取れたよ」と報告だけ

してもらって計算をするのはやめました。

 子どもが数の何に興味を持っているのか、に応じて、ゲームのルールを調整するのは

 大切だと思っています。

 

ビー玉コースター作りやひもを引っ張ると回る回転すし、

同じしかけでバッティングマシーンなどを作りました。

 

 

 


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『きらめき算数脳 入学準備~1年生』 と 『キング オブ トーキョー』

2015-05-20 21:18:55 | 算数

小1のAくんとBくんのレッスンで。

 

算数の時間に、『きらめき算数脳 入学準備~1年生』の問題をブロックで解きました。

画用紙をブロックのサイズに切って解答用の枠を作ると、問題を作りやすいです。

プリントでする前にブロック等で手を動かしながら解いていると、

考え方のコツが身についてくるし、頭脳パズルを解くのが大好きになってきます。

AくんもBくんも、だんだん夢中になって、「もっと難しいのが解きたい!」

「自分ひとりで解きたい!」「もう一問だけ解かせて!」と大騒ぎでした。

 

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問題 

あか、あお、きいろの3つのいろをならべます。

どのれつを みても おなじ いろが

ならばないように します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<問題>

 

<答え>

 

 

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問題

あか、あお、きいろ、みどりの4つのいろをならべます。

どのれつを みても おなじ いろが

ならばないように します。

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<問題>

 

<答え>

 

 

次はレベル3の問題です。

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6このビーだまをならべています。

よこに1れつならぶと あめを1こ もらえます。

たてに1れつならぶと あめを2こ もらえます。

ななめに 1れつ ならぶと、あめを 3こ もらえます。

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というルールでいろいろなパズル問題を解いています。


この問題、大人もじっくり考えてみないとわからない面白いものです。

よかったら次の2問にチャレンジしてみてくださいね。

(ヒント、ななめがそろうと3こあめをもらうことになってしまうので気をつけて!)

 

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問題

あめを2こもらったとすると、のこりのビーだま3こは

どこにおいたのでしょう?

 

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 問題

もらったあめが7こだとすると、

のこりのビーだま5こはどこにおくといいでしょう?

 

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今、教室で一番流行っている『キング・オブ・トーキョー』という

ゲームをしています。遊びやすくてとても面白いゲームです。

 

 

 

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AくんもBくんもあんまりパズルに夢中だったので、

帰り際にお金を使ってパズルを作る方法を伝授しました。

 

折り紙を折ってマス目を作ります。

いろいろなコインを用意します。

お金を4マスか9マスのどちらかに並べて(写真は9マスの場合)

たてやよこの1れつのお金の額を計算して書き込みます。

お金をいくつかはずして折り紙の外に置いたらパズルのできあがり

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自閉っ子たちのレッスンで。

2015-05-19 13:32:03 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

自閉っ子の1年生のAくんと年長のBちゃんのレッスンで。

 

Aくんが作った『はやぶさ』です。取り外し可。

 

今回、親御さんもいっしょにブロックを学んでいただく日としていたのですが、

たちまち動くシステム作りやバッティングマシーン作りなどに夢中になった

Aくんに対して、気乗りしない様子のBちゃん。大好きなお絵かきを続けていました。

そこで、描いた絵を使って、テレビや動くお人形を作る方法を教えました。

すると、これまで絵を描くことにだけこだわって、

立体作品を作ることを避けていたBちゃんが、自分から描いた人形を切り抜き

だしました。

 

ずっと嫌がって避けていたことも、ちょっとしたきっかけでやりはじめる時があるので

こだわりが強い子たちにも、見せるだけでも体験の幅を広げてあげるのは

大事だなと感じています。

 

これまでは学習時間にうろうろすることが多かったBちゃん。

今回は、算数の学習に意欲的に取り組んでいました。

 

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算数の文章題を

『ピッケのつくる絵本』というアプリの

コピー&ペーストの機能を使って学習しています。

 

<ゆっくりさん向けの算数問題の作り方>

教科書にある文章題を1問だけ打ち込みます。

その後、三角マークのでコピーし、□のボタンでt儀のページを増やし、

次のページに飛んでから、三角マークのでペーストします。

こうしてコピー&ペーストした問題の数字の部分だけを変えます。

 

こうするとマスターするまで何度も同じレベルの問題に取り組むことができます。

 

こうしたオリジナルの問題集を作った後、保存ボタンを押しておきます。

問題を解いて学ぶ時には保存ボタンを押さないで終了すると、

答えだけ消えるので何度もチャレンジできます。

 

『ピッケのつくるえほん』で作った問題を解く時、指で操作するだけで

イラストを画面に置いたり、消したりできるので、考えるのが楽しくなります。

 

ブロックで合体ロボットを作る方法を学びました。

恐竜ロボット、鳥ロボット、人型ロボットを取り外しが簡単にできる形で合体させると、

飛行機になりました。

 

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女の子が夢中になる工作の作業

2015-05-18 22:15:52 | 工作 ワークショップ

 幼い子たちは、「折る」「切る」「貼る」「巻く」「ひもを通す」といった

シンプルな作業を繰り返して、秩序のあるパターン作っていくのが大好きです。

作業そのものに心地よさが感じられるようにしてあげます。

 

たとえば、セロテープを長く切って、

ペタペタした糊の面が上になるように両端を少しだけ折って

固定しておくと、子どもたちはきれいなスパンコールやビーズを選んで

並べていく作業を心から楽しむことができます。

写真は、折り紙を使った旗作りの様子ですが、

ひもの両端を作業台にテープでとめて、

旗を並べて貼っていく作業だけに集中できるようにしています。

 

三角形が作りだす美しさは子どもたちを魅了します。

 

ストローにラッピング用のビニールタイをくるくる巻いて

魔法のスティックを作っています。ビーズを穴に通していったり、

ゴムを編んでいったり、文字の押し型を押してプレートを作ったり、

はんこを押していったり、紙をパンチでくり抜いたりするのも子どもたちは大好きです。

 

<おまけ>

↑年長のAちゃんが喜んでいた、ゴムで決まった数を囲う遊び。

 

↑ 別の日。小学生の子らと()のある計算をゴムで囲って作って遊びました。

 

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