虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

ぜひ読んでいただきたい記事の紹介

2016-09-30 08:59:56 | 日々思うこと 雑感

このところ時間に追われていて、ブログを書く時間がなかなか取れずにいます。

とちゅうまで書いた記事をそのままにしているのが気になっています。近いうちに続きを書きますね。

 

何度か紹介させていただいている『マイコー雑記』というブログで、

子供の「注意持続力」を促す接し方についての研究が、まるで「子育ての基本」を集約したかのよう

という記事を読ませていただき非常に共感しました。

ぜひ、読んでみてくださいね。

 

 

 

 

PHP研究所から本を出版させていただきました。

 

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どうぞよろしくお願いします。

ご購入を検討してくださった方に心から感謝します。 

 

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手作りのポケモンカードゲームで算数の感性を磨く

2016-09-28 22:38:04 | 算数

 

教室には、幼児期から小数点がついている数を

読んだり扱ったりしてきたグループとそうでないグループがあります。

わざわざグループごとに分けて観察したわけではなく

たまたま小数点がついているものを使った遊びが流行した時期の子らと

そうでない時期の子らでちがいがでただけのことなのですが……。

結果として、小数に親しんで成長した子たちは、小数のたし算やひき算、かけ算やわり算を扱うときに

難なく正確に解いていたけれど、

学校で習う時期にはじめて小数に出会った子らは、

小数を10倍したり100で割ったりするときに

小数点を移動させるだけの作業で戸惑ったり

ミスしたりする姿がありました。

 

 

そこで、どの年代の子も楽しく小数に親しめるゲームを手作りすることにしました。

 

<作り方>

丸い形のカードを作り、ポケモンのイラストを描きます。

ポケモンずかんを参考にして、裏にそれぞれのポケモンの身長と体重を書きます。

写真は、ポケモンを描くうちに画用紙いっぱいのサイズになってしまった子がいたので、

画用紙ままカードにしたものです。こんな風に適当でOK。

マジックで身長等を書くと裏にうつるので、

水色の紙に身長と体重を書いて貼っています。

鉛筆で書くなら、そのまま書き込んでも大丈夫です。

年少の妹ちゃんもポケモンカードを作っています。

年長のお兄ちゃんは、このゲームが気に入って、小数点のついた数をきちんと読んで、

小数点がどの位置にあっても、数の大小を比べられるようになりました。

たとえば、6.25と24.1は

24.1の方が大きいということや、それぞれがだいたい数の6や24のことだと理解していました。

 

<遊び方 1>

カードを3枚ずつくばります。

参加者は順番にゲームの主役になって、

身長で勝負で勝負するか、体重で勝負するか決めます。

「いっせいのーで……」とポケモンをだしあいます。

ポケモンをだしあったら、カードをひっくり返して、

身長で勝負の場合、どのポケモンの身長が一番高いか比べて、

一番身長が高いポケモンを出した人が勝ち。

カードをすべてもらって、自分の脇に置いておきます。

(とったポケモンは手持ちの札に混ぜません。強いカードを取った子が勝ちすぎるので)

 

<遊び方2>

ポケモンカードの要領で、身長と体重を書いた自分や兄弟のカードも作ります。

カードを数枚選んで、身長順に並べていったり

体重順に並べていったりする遊びをします。

自分と同じ身長や体重のポケモンがいると楽しいです。

 

 

<遊び方3> 平均

電卓を用意します。

5枚のポケモンカードを並べて、

「平均の身長はどれだけか」を推測して紙に書きます。

平均を学ぶとき、

先に、「それぞれの子が持っているおこずかい(にせのお金)を集めてから分配する」という遊びをすると

低学年の子も平均の意味や求め方を理解しやすいです。

電卓を使って、身長を足し合わせてから人数分で割って平均を求めます。

誰の推測した値が一番答えに近いか競います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ハイリーセンシティブな子と工作 (算数の話も少し)

2016-09-28 07:57:07 | それぞれの子の個性と才能に寄りそう

年中のAくんのレッスンの様子です。

Aくんは完璧主義で敏感な面のある男の子です。

年中さんなので、まだ手指を思うように扱うことができないのですが、「こういう風にしたい」という

思いは人一倍強い子です。

ポップアップ絵本や恐竜の図鑑を見ながら、どんなものが作りたいのか相談に乗っていたところ、

「こういううんじゃないんだよ。そんなんじゃないんだよ。こういう風にバクッとして、体の中は見えなくて、外側で……」と

細かい部分まで自分の「こうしたい」があるようでした。

相談の末、「そう!そういうのが作りたい!」と、行き着いたのは、

教室のベビーレッスンで作ることが多いティッシュ箱2つと輪ゴムを使った

「パックン恐竜」の作り方。

ティッシュ箱を2つ用意して、一つの辺を養生テープでひっつけて、

輪ゴムをつけたらできあがり……という単純な作り。

作ったぱっくん恐竜の迫力のかぶりつきに大満足のAくん。

「歯が作りたいよ。ぎざぎざがいっぱいないといけない」と

銀色の紙に手慣れた様子でギザギザの歯を描いて、

「目がぎらぎらして、赤く光ってないといけない」というので、

自転車用の振動ライトを取り付けて、頭をなでると目が光るしかけにしました。

細かいところが気になるAくんは、顔や口の中に色画用紙を貼って、隙間を埋めていました。

 

「さぁ、完成!」というところで、「体が作りたいよ。こういう風になって、こんな風に大きくて、首があって、尻尾もあって、

脚は2本あって大きくてこんな風になってて、

手は前のところに小さいのがついているんだよ」とのこと。

「Aくん、身体を作るとお家に持って帰れなくなるかもしれないよ。

お母さんは、そんな大きいものを持って帰ってもいいっていうかな?」と説得するものの、

「どうしても、どうしても、身体を作りたいよ。この顔をつけたいから。うろこもつけたい」と

それは熱心に言い続けるので、

熱意に負けて、空き箱入れにしていた箱などをいくつか調達してきました。

頭が重くて2本足では倒れてしまうので、脚の中に水を入れたペットボトルを

入れることにしました。

どうしても恐竜のうろこがつけたいAくん。ドラゴン図鑑を見て、

「ドラゴンの皮」として貼られていた「ドラゴンの皮膚(もちろん、にせものです)」に強烈なインパクトを受けたようです。

それにしても、単純なぱっくん恐竜も身体ができると立派になるものですね。

算数のレッスンで、最レベ1年生の最高レベルの問題を小物を使って考えました。

こうした課題は、わからない場合も、

答えを教えず、問題の条件だけを繰り返し伝えて考えさせています。

この問題、いくつかの条件をきちんと覚えていて、その通りに従わなくてはならないのと、

自分の持っている先入観を壊して、課題の解決法をじっくり考えていかなければならないので

とても難しいのです。

でもAくんは、うまくいかない場面にぶつかるたびに、じっくり考えて、

すべての条件を満たす方法を考え出していました。

敏感さを持っている子ならではの

思慮深い一面を見た気がしました。

 

ちなみにAくんとビッグサイズのティラノサウルスは、

Aくんのお母さんの許可を得て、一時的に脚だけ取り外して、

お家に連れて帰られることになりました。

 

 

 

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感覚、思考、直観、感情タイプで違う勉強のモチベーション

2016-09-27 19:55:30 | 日々思うこと 雑感

よく検索されている過去記事を紹介します。

 

私が子どもたちの学習を見ていてしみじみ感じるのは、

それぞれの性格タイプによって「やる気のもと」となるものは異なるし、

「勉強嫌いの原因となるもの」もずいぶん違うということです。

十把ひとからげに「子どもは競争を好むもの」とか、

「子どもは褒められればがんばる」といった捉え方をしている

場合には、性格タイプによる勉強との付き合い方の違いを知ると、

少し考え方の幅が広がるかもしれません。

 

それでは、算数の学習について、それぞれの性格タイプの「やる気のもと」と、

「勉強嫌いにさせないコツ」について私の考えを書かせていただきますね。

 

感覚タイプの子は、コツコツと几帳面に作業をこなしはじめると、

そうした作業そのものにモチベーションを感じることが多いです。

幼い頃、パズルをしたり、モンテッソーリの教具のようなもので遊びだすと

ひとりで何度も繰り返す時の達成感が、そのまま学習の動機となりやすいです。

 

感覚タイプの子は同じペースで持続していくことは好きだけれど、

直観的なひらめきを求められる頭脳パズルのような問題は、

慣れないと嫌がることもあります。

感覚タイプの子を勉強好きにしようと思えば、毎日自然に繰り返したくなるような

スローステップの良質の教材を与え、手で触れる教具で五感から学ばせ、

このタイプの子を不安にさせる無理な負荷をかけないことだと思います。

黙々と同じことを繰り返す期間が長いので、進歩していないように感じるかも

しれませんが、そうした易しい作業を通して、単にそれができるようになるだけでなく、

多い少ないや増減の感覚を自分の内面に発達させていきます。

すると、「この子、天才?」と驚くような数学的なセンスを発揮するようになる子が

多いです。

感覚タイプはお金の計算をするのも大好きなので、

おこずかいを与えることも算数好きにするポイントです。

 

思考タイプの子は、

思考を必要とする「考える」問題を与えことが強い学習意欲につながります。

思考タイプは圧倒的に男の子が多いようです。(ユング派の心理学者の秋山さと子さんが、

「女性の思考タイプはほとんどいない」と書いているのを読んだことがあります)

すでにできている漢字を何回も書かされたり、作業的な学習が続くと

勉強を嫌がることもあります。放っておいても高学年くらいからは成績が

伸びてくるはずです。

 

直観タイプは、好奇心を刺激される算数クイズのような問題や、

ボードゲームやカードゲームで頭脳を使うようにしていると、

勉強好きになっていきます。

当てずっぽうで解いているように見えるときもあるので、調子よく学習しているときも、

答えを出すまでの道筋を言葉にするのを手伝っていると、思考が発達してきます。

このタイプに易しい問題ばかり解かせると、

考えずに勘で言い当てることが勉強だと思い込むので、

そこそこ骨のある問題を絵を描いて解かせるなどの工夫が必要です。

また、漢字練習や計算練習などの地味な作業を極端に嫌い、

かなり思考力のある子に限って、作業の量が多すぎると、

深刻な勉強嫌いに陥るかもしれないので注意が必要です。

 

感情タイプは、人から褒められることや認められること、みんなの注目を集めること、

友だちといっしょにわいわい活動することが学習のモチベーションとなります。

人と関わるのが好きで要領もいいので、言語能力や記憶力が高い子が多いです。

(言語能力や記憶力があまりよくない感情タイプの子は劣等感を抱きやすく、

非常に繊細で、言葉を介さない面では、大人並みに人を観察していて、

人が自分をどのように評価しているかなどに敏感なため、

特別に気をつけて育てる必要があると思います)

感情タイプの子は、場の空気を読むのがうまくタイミングよく物事をこなすのが

得意ですが、ひとりで「考える作業に集中する」ことを極端に嫌います。

感情タイプの子は、感覚が補助機能でもあるので、コツコツする作業もそれほど

苦手ではないので、記憶力がよい子の場合、「先に解き方と答えを覚えてしまって、

さっと答えを出して、即座に周囲からの注目や賞賛を浴びる」というスタイルで、

ある時期までは、たった1分間すら考える作業を持続できないまま優等生として

過ごしていることもよくあります。

でも、感情タイプの子は抽象的な思考を毛嫌いすることが多く、

いつも満点を取っているような子でも、ほんの少しの時間でも「考えを練る」ことが

耐えられない……熟考なんてとんでもない……という子もよくありますから、

小学校高学年以降の学習でつまずきがちなのです。

 

特に、親御さんも感情タイプの方だった場合、

一度つまずくと、なかなか持ち直せないときがあります。

というのも、感情タイプの親御さんは、

子どもが幼児期や小学校中学年くらいまでの期間に、

効率的に「できるようになること」や「よい成績を取ること」だけに注目して、

自分で工夫したり、遠回りでも自分で考えたりすることを、時間の無駄だと捉えて

子育てしていることがよくあるのです。

生活の場面でもそうした傾向は強いです。

親御さんのそうした合理的に効率的に良い結果を出そうとする態度は伝染して、

もともと「学習内容への興味は薄いけれど、そこから得る結果には強い関心がある

感情タイプの子」に対して、

「華々しい結果を出せないなら、全く何もしない方がまし。でも、考えることは嫌」

「自分の勉強ができないのは、先生の教え方が下手だから。

塾や家庭教師を変えるといい成績が取れるはず。

でも自分で考えるのは嫌。自分が変わるのは嫌」という考え方をするように

仕向けてしまうことが多々あるのです。

順調に物事が進んでいるときにも、親が自分の性格タイプの長所と弱点を

把握しておくことが大事だと思っています。

 

人の心から影響を受けやすい感情タイプの子らは、

堅実でぶれない大人の考え方の下では、

着実に苦手な面を克服していって、人を惹きつける魅力ある性質に磨きをかけていきます。

感情タイプの子の多くは、

「あんなふうになりたい」というあこがれの人を見つけて、努力します。

良い出会い、良い人間関係が大事です。

でもせっかくあこがれるような人と出会っても、それまでに強い劣等感を抱くように

なっていて、嫉妬や憎しみしか感じられないようになっていては、

せっかくの感情タイプの子の長所が発揮できません。

感情タイプの子は、

憧れの対象を見つけると、火事場の底力のようなしごいパワーをみなぎらせて

がんばりだすことがあるのです。

このタイプの子はたいてい、「思考ができない」のではなくて、

「思考が嫌い」なのです。食わず嫌いみたいなものなのです。

『ユングのタイプ論』に次のような一文があります。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

感情タイプが思考できないと考えるのもまた、大きな間違いである。

彼らはとてもよく考えるし、

深くて素晴らしい本物の思考や非凡な思考すすることも非常に多い。

しかし彼らは気まぐれなのだ。たとえば、感情タイプにとって試験の間に適切な

種類の思考を引っぱりだすことは難しい。

  (『ユングのタイプ論』M.L.フォン・フランツ J.ヒルマン/創元社P 27より)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

親はこのタイプの子の自己肯定感を高めるために、

勉強の成績とか、特技とか、態度といったものと関係なく

子どもが存在するだけで、その子の存在を丸抱えにあるがままで愛して認めることが、

他のどのタイプより大切なのでしょう。

 

感情が優れている子 と お勉強 1

感情が優れている子 と お勉強 2

感情が優れている子 と お勉強 3

感情が優れている子 と お勉強 4

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年中グループ 影絵のポップアップ絵本作り と 算数学習

2016-09-27 06:34:55 | 通常レッスン

年中のAくんとBくんのレッスンの様子です。

深海魚が好きでたまらない年中のAくん。いろいろな深海魚の絵をスラスラ描くことができます。

深海魚のポップアップ絵本を作りたいという話でした。

本を開くと立体的な舞台ができあがる方法(近いうちに作り方をアップします)を

教えると、喜んで影絵劇を作っていました。

ライトに色をつけるための装置は、総菜入れの横を切ったものにセロファンを貼って作ります。

 

立体的な舞台が本の内側に折りたたまれているときの様子。

工作上手のBくんも深海魚のポップアップ絵本を作っていました。

迫力のあるちょうちんあんこうの影。

ポップアップ絵本作りをした後なので、ギリシャ神話のポップアップ絵本を

使って算数の学習。

この本、おそらく今は売られていないのでしょうけど、子どもたちに圧倒的な人気があります。

算数学習にしり込みする子もいつの間にか前のめりになって学んでいます。

 

数字のマス目を前後しながら計算問題を考えています。

31+2=

45-3=

21+10=

など。

 

計算を解きながら、迷宮の中を進んでいます。

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お父さんやお母さんに悪態をつきまくる子の心 4

2016-09-26 07:38:55 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

同年代の子に比べてできないことがたくさんあって

「やったらダメ」と注意されるようなことをしてしまいがちな衝動性の強い子は、

成長過程で注意されたり叱られたりする回数が多くなりがちです。

その一方で、褒められたり認められたりして、自分を肯定的にとらえる機会が

皆無に近くなることも多々あります。

 

感情面や社会性の発達がゆっくりな子は、上手に甘えたい気持ちを表現できなくて、

不安定になって頼りたい時に、反抗的で強情な態度をとったり、

大事にしてもらって甘えを満たしたい時に、注意を引き付けるために、過激な言動に走ったり、

悪ふざけをしたり、人が嫌がるちょっかいを出したりしがちです。

 

本当は、同年代に比べてできないことがたくさんある子も、その子のペースで

成長し続けているし、

それまでできなかったことややろうとしなかったことを

克服しようとする意志が芽吹く時期があります。

でも、そうした子たちががんばる意志を見せるときは、

周囲の子たちは、もうすでにいろいろなことが上手にできているわけで、

もっと早いスピードで成長しているので、

結局のところ、褒められたり認められたりすることがないまま

叱られたり注意されたりすることを繰り返す悪循環が続くのはめずらしくありません。

 

話の途中ですが、次回に続きます。

 

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ビー玉コースター遊び いろいろ

2016-09-25 20:55:38 | こんなこと、やってみたい!

巨大ビー玉コースター

2階建てのビー玉コースター

巨大なピタゴラスイッチ装置を作りました♪

ピタゴラスイッチ遊びを盛り上げてくれる切り替えのあるレール

ピタゴラスイッチを楽しむコツ♪

ちょっとおかしなデュプロ規格!? 1 ビー玉転がし

↑最近の人気の梱包用の筒を使ったビー玉転がしです。

 

 

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お父さんやお母さんに悪態をつきまくる子の心 3

2016-09-24 13:49:08 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

Aちゃんが宿題を広げていたという話を書きました。

基本的に教室で学校の宿題をすることはないのですが、

この日はお母さんに言われてか自分で判断してか、

手提げに宿題一式を入れてきたようで、普段なら教室に着くなり、

「今日はこんな工作がしたい」とか、「絵が描きたいから画用紙ちょうだい」とか、「ブロックしてもいい?」と

矢継ぎ早にたずねて、こちらが答える前に、あれやこれや出してくるところ、

はぁーとため息をつきながら漢字の書き取りを始めていました。

 

「Aちゃん、宿題しているの?大変ね。それにしてもえらいわね。

BちゃんもCちゃんもブロックで遊んでいるのに、ひとりだけがんばって宿題をして。

さすがに2年生ね。やらなきゃいけないことを先にすませておくのね」

そう声をかけると、あからさまに褒められてうれしくてたまらないという顔をしたかと思うと、

漢字を一行書くごとに、はぁーとオーバーなため息をついて、

大変さをアピールしていました。

 

そこで、はぁーとため息をつくたびに、「本当に面倒な宿題なのに、がんばっているのね。」

とエールを送ると、その都度、「先生、わたし、えらい?」とたずねてきて、

「うん、えらいと思うよ。漢字の宿題は間違えないように一文字一文字注意して書かなくちゃならないし、

手が疲れてくるだろうしね。Aちゃんは自分の責任をきちんとはたす子なのね」と返し、

Aちゃんが照れくさそうな満面の笑みを浮かべるということを何度も繰り返していました。

 

そんな時間の流れのなかで、先の記事で書いたAちゃんの

「Cちゃんにそんないじわるな言い方をしないでよ」の言葉があったのです。

 

「Aちゃん、ありがとう。Cちゃんの味方をしてくれて。」とお礼を言ってから、

AちゃんとBちゃんのふたりに、

Cちゃんはね、おしゃべりするとき、どんなことを話したらいいのか思いつくのがちょっと苦手なのよ。

だから、つい、前に聞いたことをもう一回聞いたりしちゃうのよ。

今、ひとつひとつ、こんなおしゃべりをしたら楽しいなって言葉を覚えているところだから、

やさしく教えてあげてね」と伝えました。

それから、Aちゃんに、「Bちゃんはいじわるな子じゃないけど、それ前にも聞いたよって思ったから

ああいう風に言ったのね。Aちゃんは、前にも聞いたよって思っても、そう言われたらCちゃんが悲しくなるかもしれない

って思って、ちょっと考えて、いやなことを言わないように気をつけているのね。

 

そういえば、Aちゃんがお友だちにいじわるな言い方をするの聞いたことがないね。

いとこの子たちの話をするときも、大好きって話だけよね。

のどのところまで言葉が出かかっているときも、おともだちがいやと思うかもって考えて我慢しているの?」とたずねると、

Aちゃんは得意そうにこっくりしました。

 

それから、もうだいぶがんばったから……という態度で、「もう、宿題はこれくらいにしておこうかな」とつぶやきました。

見ると、漢字を6行ほど書いただけで、宿題の半分も終わっていない様子。

Aちゃん、勉強に対する強い拒絶心がある上、数秒おきに気が散る特性があるのです。

家庭での勉強の世話をする親御さんの大変さがうかがえます。

 

「Aちゃん、よくがんばったよね。

他の子が遊んでいるから、遊びたくなるのを我慢して宿題をするのは、

お家でひとりで宿題をするより、いっぱい我慢が必要だったでしょ。こんなにがんばったし、

ここまでがんばってやめちゃったらもったいないんじゃない?」と言うと、

「そうかな?」と言いながら、続きを仕上げていました。

 

そうして宿題をしながら、「先生、今日、教室で一番えらい人って誰?一番やさしいのは誰?

一番いいこは誰?」と

何度も聞いていました。

「えらいとかやさしいとかいいこなのは、一番とか二番とか競争するものじゃないけど、

確かに、今日、Aちゃんはえらかったね。すごくやさしいいいこだから先生はびっくりした」

と答えると、

本当にうれしそうににこにこして、しばらくすると、また、

「先生、今日、教室で一番えらい人って誰?一番やさしいのは誰?

一番いいこは誰?」と聞き、毎回、同じように答えていると、

そのたびに満足そうな笑みを浮かべていました。

そして、途中から、いつもの過激な言葉を使う癖で、

「今日、一番、最悪な悪い子はわたしだわ。わたしなんか死んじゃえばいいのよ。

一番悪いのはわたしに決まっているわ」

と言っては、わたしから、

「そんなことないよ。Aちゃんはとえもえらい子よ。すごくやさしいいいこだから先生はびっくりした」

 というフォローが返ってくるのを期待している様子でした。

 

次回に続きます。

 

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大阪の HEP FIVE 8Fで、『毒毒毒毒毒毒毒毒毒展』が開かれています。

2016-09-23 12:24:41 | 生徒募集 イベント参加募集

大阪の HEP FIVE 8Fで、『毒毒毒毒毒毒毒毒毒展』が開かれています。

猛毒を持つ生き物がたくさん集められているそうです。

 

鳥や犬猫は好きだけど、爬虫類や虫は

どうも苦手なんですけど……。

教室には、猛毒を持つ生き物に夢中な子がけっこういるので

紹介します。

苦手な子も、こわいもの見たさで寄ってみてね。

 

 

写真は、もうどく展とは関係ありません。

教室でお借りしている『蟻地獄』です。

漏斗の形の罠を作って、獲物の蟻を待ち構えています。

蟻地獄を始めてみる子どもたちの反応は、

「蟻地獄って、人間の地獄みたいにお話のなかにあるものじゃないの?」とのこと。

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お父さんやお母さんに悪態をつきまくる子の心 2

2016-09-22 13:44:26 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

家族との関係がかなりこじれている子というのは、出会ったばかりの時期は、とても難しい子という印象を受けます。

子どもによって態度は異なりますが、

1時間以上、不機嫌な様子で黙りこくっていたり、

「死んじゃえばいい」といった過激な言葉が口からポンポン飛び出してきたりするなど、

場の空気をどんよりさせたり、凍りつかせたりするのに慣れっこになっているようですから。

 

でも、最初に受けた「とても難しい子」という印象は、

付き合ううちに薄らいで、しだいにかわいい面が目立ってきます。

それはわたしが子ども好きということもあるけれど、

実際には、周囲と摩擦が絶えない子には、そうした子特有の

その子の年齢よりずっと幼い子のような純粋なところや

荒っぽい態度や言葉から想像できないような繊細で優しいところや

こちらがハッとするような感受性があるところに依るものが大きいと思います。

 

先の記事に書いたAちゃんにしても、わたしのなかで、いつの間にか「難しい子」の印象は、

「かわいらしい子」という印象に取って変わられていたのですが、

そうわたしが感じるとともに、Aちゃんの言葉や態度にもさまざまな変化が見られるようになりました。

 

Aちゃんのグループには、Bちゃんという学習につまずきがある女の子と

Cちゃんという自閉症の女の子が参加しています。

CちゃんはAちゃんやBちゃんに向かって、にこにこしながら、

「学校は何小学校ですか?」「何組ですか?」と繰り返したずねます。

あんまり何度も同じことを聞くので、Bちゃんは、ちょっと芝居がかった態度で、(アニメの主人公風に)

「もう~、おんなじことばっかり聞かないでよね、ぷんぷん!」と注意をしていました。

すると、傍らで、宿題を広げてやっていたAちゃんが、

「Cちゃんにそんないじわるな言い方をしないでよ」と言いました。

そういえば、お父さんやお母さんに対しては、

聞くに堪えないほど言いたい放題に悪態をつくものの、

Aちゃんが友だちを攻撃する姿は見たことがありません。

 

途中ですが、次回に続きます。

 

 

 

 

 

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