虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

虹色教室のレッスン【遊びと工作と学びのつながり】

2022-02-27 23:51:00 | 通常レッスン

虹色教室のレッスンはそれぞれの子が興味を持っていることややりたがることをする中で、子どもの知的好奇心が動いた物事をテーマに学びを発展させるようにしています。

工作、アナログゲームなどの遊びや理科実験と学びを行き来しながら、教室で過ごしている様子を、紹介しようと思います。

 

小学1年生のAちゃんのレッスンの様子です。

Aちゃんは幼稚園時代、ボードゲームやカードゲームに夢中で、工作はあまりしたがりませんでした。

でも、小学校にあがって、ていねいに手作業をすることへの関心が高まっているようでした。

そこで、コンパスを使って作るメダルの見本を見せると、作りたがりました。

子どもと工作をする時、ワクワクして何度もやりたくなるような作業が含まれるようにしています。

マスキングテープを貼っていく作業は子どもたちの大好きな作業です。

(こうした作業に余裕がある時は、どれくらいの長さのマスキングテープが必要か考える機会にもしています)

画用紙の裏に好きなマスキングテープを貼ります。

裏にマスキングテープを貼った画用紙に、コンパスで円をかき、その半径だけ開いたコンパスで円周を切ります。

すると、花のような絵柄ができあがります。

同じものを裏に何も貼っていない画用紙でも作ります。

Aちゃんのアイデアで、花の裏側には、残った面を貼りました。

(3年生以上の子とこうした工作をする時は、こうした面の面積の計算方法について問いかけています。)

虹色教室では、こうした基本の作り方を学んだらめいめいが自由に自分で発展させて工作を楽しんでいます。

最初から最後まで自分で作ることができてうれしそうなAちゃん。

100円ショップで見つけた六角形と10角形の紙皿を見せると、「はちのすの形」と喜んでいたので、辺同士をつなげて並べて遊ぶことにしました。

Aちゃんは秩序のあるパターンを作りたいようで、白い皿が足りないのを残念がっていました。

でも別の見方をすると、どこから見ても同じ形に見える6つの六角形の組み合わせができることを喜んでいました。

Aちゃんが形に興味を抱いているようだったので、『グローカルヘキサイト』という図形を敷き詰めていくゲームをしました。

合わせる辺の数だけ得点をもらえます。

このゲームが大好きな子は多いです。はじめて挑戦したAちゃんもたちまちこのゲームが大好きになってはりきって得点計算をしていました。

算数の学習時間にサピックスの『きらめき算数脳』の問題を解きました。

とても難しい問題でしたが、Aちゃんは喜んで取り組んで、正解していました。

 

こちらはシャボン玉遊びと工作で、実験をしている様子。

ストローにたこ糸を通して作った正四面体。

『数学は楽しい part2』(日経サイエンス社)の本の『シャボン玉の幾何学』という特集に載っていた形をストローとたこ糸を通して作りました。

シャボン玉の膜が120度を作る姿は神秘的。

はりきって正四面体を作る年長さんたち。

失敗。

また、失敗。

1年生の女の子グループも正4面体、正6面体作りにチャレンジ。

ストローにひもを通す時は、楊枝にひもをテープで貼って使います。

ひもとモールを通して作った正6面体。

息を飲むほど美しいシャボン膜の姿に場が静まりかえりました。

 シャボン玉遊びの実験は教室でいろいろしていますが、中でも人気のある記事です↓

シャボン玉をわると小さな雲が浮かぶ実験

シャボン玉を使って、お部屋の中に小さな雲を作ります。


算数が得意になる幼児のくらし

2022-02-24 18:44:00 | 算数
幼児期、毎日のくらしのちょっとした工夫で、

算数大好き♪
算数が得意♪

という子になるコツを、いくつか紹介しますね。

算数が得意になるには、「交換」に対するイメージが、とっても大事です。

中学生の関数の学習や方程式になっても、

ある点を別の言い方であらわしていく
ある数を別の言い方で言い換えていく

という交換のイメージがつかめているかが大事なんです。

もちろん、小学1年生の学習でも、小学校受験でも、交換のイメージがきちっとつかめているかは、重要課題です。

小学校受験の場合、
きりんマーク1つ = 赤い丸2つ
くまマーク1つ = 赤い丸3つ

きりんマーク2つでは、赤い丸はいくつか
くまマーク3つでは赤い丸いくつか

といった問題を解く力が必要です。

小学生のくりあがりくりさがりでは、1円10枚と10円ひとつを交換できることがわかる力が必要。
もちろん高学年になっても、算数の難問は、イメージを交換し続けていくことで解けていきます。

そんな大切な交換のイメージ……幼児期にたっぷり経験させてあげたいですね。

切符を買う

☆ガチャポンをする

☆自動販売機でジュースを買う

などは、普通の買い物より、交換がわかりやすい体験です。

また、コインやシールをいくつかためさせて、何かと交換することを、生活の中で、ちょこちょこ増やすといいかもしれません。
大人の世界のクーポン感覚のものより、遊び心がある楽しいものがいいです。

おりこうにしていると、宅配便が届いて、3個ハンコを貯めたら、水遊びさせてあげるとか……

宅配便は、もちろんそこら辺にある空き箱です。

子どもは夢の世界に生きていますから、あんまりリアルすぎる設定ではなく、心が温かくなるようなアイデアの中で、想像したり計算したりする力が育ってきます

子どもが開いているジュースやさんでジュースを3杯頼んで、入れてもらったらキラキラした大きなコイン(折り紙製の巨大コイン)と交換というのもいいですね。

幼児教材等の大人の満足を想定したものは、子どもの想像力を奪うことも多いと思います。

幼児は明るくて優しくて何でもできてしまう不思議な世界に生きているので、そうした世界に大人の方が入っていく必要があるのです。
そうすれば、たちまち算数も国語も理科も社会も、子どもが自由に扱えるおもちゃになっていきます。
 
 

以前、記事で、「自然に察することができる知力が育っていないときに、訓練で教えると、応用のきかないでたらめな解き方をするようになるからです。」と書いたことがあるものの、虹色教室の小学1年生たちの中には、面積の計算をしている子たちもけっこういます。

面積の意味をきちんと理解しているからです。

そうなると、どこで、自然に察することができる知力が育っているかどうかわかるの?という疑問が生まれますよね。

教室では、たてよこのマスに人形を置いたり、オセロの盤に駒を置いたりして、幼いときから、遊びの中で、九九を量や面積のイメージで見る体験をたくさんしています。
また、陣取り遊び、テトリスのような遊びなど、面積への気づきをうながすゲームもたくさんします。

こうした体験をたくさん積んでいて、自由工作で自分で自在に物が作れる子の場合、幼稚園児でも面積の計算をきちんと理解して解いていきます。

また、面積や九九の意味がわかると同時に、最大公約数を使って、同じ正方形でいくつに分けることができるかという問題や、中学受験の文章題を面積図を使って解く方法がわかっています。

次は、「順序」の感性を育てる方法です。

小学1年生の学習で、「前から○番目」「後ろから○番目」という概念を学習することを知っている方は多いと思います。
幼児用ワークなどで、それさえマスターさせておけば、順序の問題は十分と考えてしまいがちです。

しかし、実際には、かけっこをしたとき、追い越し追い越されしたとき、どのような順番になるか、階段で、あと何段のぼると、前の子と同じ段になるか、0から9までの数字を並び替えて、最も大きな数字を作るなど、順序にまつわる問題は何年生になっても続きます。

ですから、幼児期から、「並ぶ」とか「順序」の概念に触れて楽しく遊んで、そうしたセンスを磨いておくことは大事です。

幼児が喜ぶ順序を体感する遊びは、

★ミニカーや人形を並べる

★運動会ごっこをして遊ぶ

★積み木を階段状に積んで人形を置いていく

などです。

子どもと遊ぶ時、お勉強色が強いと、考えずに「はいはい」と丸覚えする癖がつきます。

感性を磨くには、ただ楽しくそうした経験を積めれば十分なんです。

病院ごっこで、待合室のお客さんを順番に呼ぶのも楽しいし、イスやざぶとんを並べて、バスごっこをするのも楽しいです。

ごっこ遊びに、人形も仲間に入れて、並んだり、順番を意識する遊びを取り入れるのです。

外出時に、並ぶことがあるときは、できるだけそうした機会を楽しんで、「まだかな?まだかな?」と、子どもと顔を見合わせて「並ぶ」や「順序」にフォーカスして時間をすごしてみることも大事です。


算数が好きになる遊び

2022-02-19 17:19:52 | 算数

トングで「デコレーションボールを2個ずつ配り、いくつになったか数える」課題をしています。

「2つずつ配るのをやってみたい子?」とたずねると、ハイ、ハイ、と元気に手が上がりました。

4歳の子を筆頭に3歳の子もきちんと2つずつ置いて、数えることができてうれしそうでした。

「もう一回やらせて」と何度もせがまれました。

子どもたちが大好きな数を数えながら、小物を並べていく課題。

「19、20!」と数えて置いたあとで、20個目を戻して、「20引く1はいくつ?」とたずねると、まだみんなわからないのですが、「19だったね」というと納得しています。

こうした並べながら計算する遊びは、さまざまな年齢の子たちとしています。

子どもたちが一つひとつ手に取るたびにわくわくするような小物を100個くらい集めておくと、算数の世界に触れることが楽しくなります。

 


こぐまくんの知育日記♦︎虹色教室mini♦︎更新しました♪

2022-02-15 18:43:32 | 0~2歳児のレッスン ベビーの発達

 

こぐまくんの知育日記♦︎虹色教室mini♦︎更新しました♪

バラバラの知識が、つながる瞬間1(1歳10ヶ月)

よかったら、のぞいてみてくださいね。


円の面積と円周を簡単に覚えられるカルタを作りました

2022-02-15 11:09:46 | 算数

円の面積と円周を簡単に覚えられるカルタを作りました。

九九を覚え始めた子とならすぐ遊べます。

 

このカルタ、ハンディーキャップがあるため、円の面積の学習でつまずいて困っていた子のために作ったのですが、その子はもちろん、小学校低学年の子まですぐ覚えてあそんでくれました。

ちなみに、この学習でつまずいていた子は、こんな↓複雑な面積の計算もできるようになりました。

 

 

子供といっしょに作ります。

子供にコンパスの幅をものさしで測ってもらいます。

厚紙(段ボールなど)にコンパスで円を描きます。

 

円より少し大きいサイズで切ってから、いったん裏返して、いろいろな柄のマスキングテープをびっしり貼ってから円を切り取ると下の写真のようにきれいなカードができます。

子供はこの作業が大好きなので、いっしょに作ると愛着がわきます。

 

<遊び方(学習の仕方)>

 

いろいろな半径の円のカードを置いて、円の面積と円周の違いについて子供と話をします。

違いについて話す際、円のカードを手に取って、どの部分にあたるのか、触れながら話をすると理解しやすいです。

まず円の面積の出し方を教えます。

 

「半径 かける 半径 かける 3.14」と説明する時、半径の時は手をパチンとたたき、3.14の時は指を3本立てて、「つまりだいたい3だね」と話すと覚えやすいです。

それから、子供と順番に好きな円を選んで、円の面積の公式を言えたら取ります。

「3 かける 3 かける 3.14」のように。

 

この円のカルタは、公式を覚える緊張感をやわらげてくれるようで、算数と聞くと頭がフリーズする子も楽しく取り組めるようです。

 

円周は、「半径 かける 2 かける 3.14」と覚えると、後から忘れたり、混乱したりする子がいるので、「直径」にあたるこの部分……と指で直径の長さを作って、「この長さがだいたい3本分あったら、円の回りにひもをぐるっと沿わしていった長さと同じよね」と、公式の丸暗記ではなく体感として納得できるよう説明するといいです。

 

その後、子供たちと、円周と面積を答えてカードを取っていく遊びをします。

 

さらにさまざまな形の図形のカルタを作ってみたい方は

虹色オンライン算数教室のおまけブログ(鍵付きです)で、

円の面積と円周を簡単に覚えられるカルタを作りました 2

という記事を書いています。

(おまけブログとは、虹色オンライン算数教室を購入いただいた方に見ていただける鍵付きブログです。見ていただく方法については、こちらの記事で書いています。)

 


第一次世界大戦、戦艦大和のジオラマ

2022-02-06 14:55:02 | 通常レッスン

「歴史の1シーンを積み木で作りたい!」と、AくんとBくんが第一次世界大戦の世界を積み木で表現していました。

教室のおもちゃは、折り紙やマスキングテープで、武器に変えられています。