虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

発達障害のある子の才能を伸ばすことと、その壁となる問題点。

2015-11-25 07:05:09 | 初めてお越しの方

発達障害のある子の才能を伸ばすことと、

その壁となる問題点について書いた過去記事を紹介しますね。

かなり前に書いた記事なので、「才能」という言葉の扱い方が誤解につながるかも……

と気にかけながらアップします。

「才能」というより「いいところ」「優れている点」という言葉の方が

合っているかもしれません。

 

映画監督のスピルバーグ氏が自身が、

学習障害のひとつである読字障害であることを公表されました。

トーマス・エジソンやレオナルド・ダ・ヴィンチ、

アルベルト・アインシュタインなども読字障害であったと言われています。

何かの機能がが劣ると、その分、他の機能が飛躍的に伸びることはよくあると聞きます。

凸凹のある子たちの自尊心を高めて、自分の人生を誇りを持って歩んでいくための

助けになりたいです。

  

発達障害のある子の才能というのは、

初めは、既存の価値観では測りにくい漠然としたもののはずです。

何かの技術が長けているとか、

その分野のテストの点が良いとかいったものではありません。

自分の好きな事への執着心だったり、同年代の子とは一風変った物…鉱石などへの

関心だったり、働きかけるとどう変化するか(実験の基礎となるような)への

飽きることない挑戦だったり、

なぜなのかどうしてなのかを知らずにおれないしつこさだったりします。

それは大人には見えにくく、それぞれが個性的であるため

周囲には無価値なものと映るかもしれません。

育てるよりもやめさせる対象となるのかもしれません。

虹色教室の小5の☆くんは、休憩時間に積み木でピタゴラスイッチを作ったり、

工作をしたりして遊んでいます。

そうした遊び方を見ていると、ただ遊んでいるようにしか見えない☆くんの行動には

ある一貫したテーマが隠れていることがわかります。

☆くんは、ビー玉があるものにぶつかって、その力を2方向に分けることや、

一つの力を多くの方向に分散させることに常に取り組んでいるのです。

それは扇形にドミノを倒すことだったり、ビー玉のレールの先に小さなチップを乗せて、

それをはじくことでビー玉の方向を変えることだったりします。

また☆くんは、輪ゴムを使って、物を回転させることにも、熱心です。

ブロックを使って、からくりのあるおもちゃを作り、力の方向を転換させることに

長けています。

その発想の豊かさと熱心さは研究者通じるものもあるので、

私は☆くんが機械の設計者や映画の世界の特殊撮影を考えるような仕事に就けないか、

それかそれに近い自分の興味を追求していける仕事に就けないか…?と考えています。

また、それとは関係のない仕事に就いたとしても、

自分の好きなことによって楽しみの多い生活をしてほしいと考えています。

そうした才能豊かな☆くんですが、能力を伸ばしていくには

いくつも超えなくてはならない障害物があります。

 

とにかく好きなこと得意なことに熱中して、

子ども時代を通してチャレンジし続けることが、

得意な分野で周囲に一目置かれた上で、極端な苦手があることを

「人には得手不得手があるわよ~」…と大目に見てもらえるような適職に就くための

近道でしょう。

どの職場もギスギスしていて、得意があっても大目に見てもらえるとは限りませんが、

ひとつでも得意があることは、本人のモチベーションを保つためにも大切でしょう。

でも、そうした仕事に就くには学歴がいるし、公立の学校はいじめが心配。

子ども時代に夢中になれる事を我慢して、

まず勉強が大事、今は受験に向けてがんばる!

忙しい学校生活を何とかこなすのが一番!

となりがちです。

私自身は受験をそれほど悪いものと思ってません。目標に向けてがんばると、

精神力や根気がつくし、がんばった事実が自信につながるからです。

ただ、受験という周囲も含めて一種の特別な精神状態を体験する中で、

本末が転倒してしまって、得意なことを生かした仕事に就くための勉強が、

自分の核となる得意な分野を軽視する、後回しにする、

気晴らしのような楽しみにすり替えるきっかけとも、なってしまうのです。

才能あふれる軽度発達障害の子が高学歴を手にした後、

勉強に休みなく明け暮れた日々の後で、新しい世界に飛び込んで行く自信が持てなくて

ニートとなってしまった話を耳にすると残念でなりません。

定型発達の子であれば、受験に熱中するうちに、自分の個としての

特技を伸ばしそびれても、就職した先で、多数派と同じようなレベルなのですから、

とりたててハンディに悩むこともなく、「好きなことを仕事にできる人なんて

ひと握りだなぁ~」なんて感傷にひたる日があっても、

それなりに元気に楽しみを 見つけながら働いていけることでしょう。

しかし発達障害の子は、いくら偏差値の高い学校を卒業しても、

ある程度、周囲を潤すほどの得意な作業も含む仕事に就かなくては、

周囲から浮いてしまったり、役立たずの烙印を押されたりして、

どんどん自分に対する自信を失っていくことでしょう。

ですから、発達障害の子は、子ども時代~思春期を通じて、

自分が他よりも得意なもの、したいこと、楽しいと思えること、

がんばっても苦にならないこと、興味があることを追い続け、育て続け、

将来を思い描き続ける必要があると思うのです。

たとえ本気で受験勉強に熱中している時でも、

自分の中身を空っぽにしてしまってはいけない、一般的な外の価値観に完全に

染まってしまってはいけないのではないでしょうか?

周囲の大人は、自分を見失いがちな発達障害の子に、

常にその子が「一貫して持っているテーマ」を思い出させてあげなくてはならないと

思うのです。

それは、そうしたテーマをきちんと見出して認めてあげること、個性を正しく

評価することで、見栄えが良いそれっぽいことをさせることではありません

(習い事やクラブなど…)。

 

わたしは発達障害の子の個性的な好奇心や才能とは、

ほんの一時も消してはならない炎のようなもの、と感じています。

どんなに立派な学歴をまとっても、それがなければ、社会人となる一歩は、

とまどうことや不安だらけではないでしょうか?

どこにもつき物の社会性や対人関係に弱さがあるのですから…。

しかし自分がずっと好きであり続けたことや、育て続けた能力がある子は、

それを切り札に失敗を穴埋めしながら、

何とか乗り切っていけるのではないでしょうか?

大成功だって夢ではないはずです。

 

うちの子は、得意なことってない気がします…。才能が見つけられません…。

というお話を聞きます。

そう伺って子どもに会ってみると、たいてい親御さんが見飽きていて、

何も価値を感じていなかった行動の中に、その子その子の大きな可能性が

隠れている気がします。

私がそうしたものに気づく時は、「あれ? この子の好むもの、見方、遊び方、

質問の仕方、こだわり方は、同年代の子のそれとちょっと違うな…」と

気づくところから始まります。

ですから、わが子とそのお友だちくらいしか見る事が少ない親御さんが

「…見つけられません」というのも当然なのです。

算数にLDがあって、理解力も考える力も2年年下の妹さんより

かなりペースが遅くなってしまう3年生の☆ちゃんは、

何をするのも自信がなさそうでした。が、デュプロブロックを使って、

ケーキ屋さんごっこをしはじめた姉妹を見て、ある事に気づきました。

☆ちゃんと妹さんのケーキを見ると、☆ちゃんの作ったものの方が

見栄えがいいのです。

なぜなのかよく見比べると、妹さんは、色んな色のブロックをばらばらに組んで

ケーキを作っていますが、☆ちゃんは配色良く形もバランスの取れた

作品を作っているのです。

また熱心さという点でも☆ちゃんにはすばらしいものが感じられました。

ていねいで繊細な作業の様子を見て、ケーキなどのお菓子職人のように、

何度も同じ作品をセンス良くていねいに作っていかなければならない仕事に向いて

いる才能だと思いました。

料理、ビーズ細工、ミニチュア作り、フェルトの小物作りなど、

☆ちゃんが興味を持つようなら、なるべくさせてあげるといいですよね。

その後、お家でお母さんといろんなことにチャレンジするようになった☆ちゃんは、

自信に満ちてきて、勉強にも意欲的になりました。

以前、得意なことをお家でするようになるまでは、☆ちゃんは自分がない感じ……

空っぽであるような表情をしていました。

 

落ち着きがなく、気分が高揚すると、寝ている弟のお腹をパチン!と

叩いてしまったりする5歳の☆くんは、しつこくいたずらをくりかえします。

例えば、小さなボールを手にしたら、高いところから落としたり、物にぶつけたり、

カーブを転がしてみたり…です

とにかくいつまでもしているので、お母さんが呼びかけて何かさせようとしても

聞く耳持ちません。

私は、☆くんが、そうしたいたずらをするときに、

「~なるよ、きっと」と言ったり、思ったとおりの結果にならないと、

「なんでだろう~え~??」とつぶやいたりしているのを耳にしました。

 

☆くんは、推測する実験する結果を検証するという流れを憑き物にでも

憑かれたようにいつでもくりかえしているのです。

それが、☆くんの一貫したテーマのようです。☆くんにさまざまな実験道具を与え、

推測する実験する結果を検証をより意識的なものになるよう支援すると

☆くんは5歳児とは思えない集中力を見せました。

 

☆ちゃんの能力も☆くんの能力も、いつも身近にいる家族が、

「これ」とわかる外から見えやすいものではありません。

それにどちらも可能性の段階ですから、

十分そうした能力を伸ばす時間を与えてあげることが大事ですね。

発達障害のある子は客観的に自分を見るのが苦手なので、周囲の一般論に基づいた

価値観に振り回されてしまいます。いつも大きな視点から子どもを眺めて、

応援してあげることが大事だと思っています。

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ダンボールを使った簡単なお店やさんの作り方

2015-11-18 13:51:16 | 初めてお越しの方

ダンボールに上の写真のような切り込みを入れると、

簡単にお店屋さんが作れます。

カラーの布テープ(100円ショップ)で、デコレーションするとこの通り。

バンダナ(100円ショップ)に両面テープを貼って

折り返すと、カーテンができあがります。

3歳前後の子たちは、お店のやり取りよりも、

「夜が来たから閉まります。」「朝です。開きます。」といった

カーテンの開閉自体が遊びになってしまう子が多いです。

 

お店には、ペットの出入り口や氷が出てくる機械、自動販売機などを

簡単に……1分程度で、設置(?)できます。

次回、作り方を紹介しますね。

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せっけん作り と 発掘現場作り

2015-11-16 13:18:22 | 初めてお越しの方

 

科学クラブで、「せっけん作り」と「発掘現場作り」をしました。

作ったせっけんで遊べるように、「ブクブク泡が出てくる小道具」も作りました。

 

<せっけんの作り方> (『せっけん』 前田京子 フレーベル社より)

無添加の植物石鹸180gをやさいカッターでけずります。

カモミールティー70CCとはちみつ小さじ1をけずったせっけんに混ぜて、

弱火にかけてねりながら溶かします。

最後にオリーブオイル大さじ1とエッセンシャルオイル(ラベンダーなど)を数滴加えて

好きな形を作ります。

 

<ブクブク泡が出てくる小道具の作り方>

ペットボトルの底を切り取って、

ガーゼやストッキングなどで覆って、ビニールテープでとめます。

ふたにキリで穴をあけて、ストローを通すとできあがり。

 

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歴史博物館の発掘現場に行ってから、教室では発掘遊びが小さいブームです。

地層から出てくる骨を作っています。

植木鉢の底に敷く石(100円ショップ)を洗って、

いらないドライバーで削っています。ひとつ1円もしない石ですが、

長い時間、遊べます。

大阪城の石垣作りをして気づいたのですが、男の子たち、本当に石削りが好きです。

植木鉢の底に敷く石は少しこすれば削れるもろい石です。

ドライバーを使うと、彫刻等に比べて怪我する危険はあまりないのですが、

力を入れ過ぎる子もいるので注意。

  

木でできた油ねんどにいろいろ埋めています。

 

 

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学ぶことが好きでたまらなくなる「気持ち」の作り方

2015-11-14 08:47:52 | 初めてお越しの方

 

★学ぶことが楽しくてたまらなくなる「気持ち」の作り方

★3歳前後の子の「思考の太陽」

★子どもの中の「自然」が 見えない 愛せない

★0~2歳の働きかけの大切さ

★3歳児 きちんと考える力が育っているかチェックするには?

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立体駐車場をいつも眺めている子と工作を楽しみたい。

2015-11-13 14:41:17 | 初めてお越しの方

1歳3ヶ月のAくんのお母さんから、

「息子はいつも近所の立体駐車場を眺めています」とうかがいました。

そこで、Aくんが遊んでいるうちに

形への理解を深めることができるような工作のアイデアを紹介しました。

 

箱にスロープを作る時は、写真のように切り込みを入れます。簡単に

車が上っていくスロープができあがります。

 

丸い形のものの一部を切り取って、中央に穴を開けて、モールで床部分と接続すると、

車を回転させる部分ができあがります。

 

 車が持ちあがると、Aくんが目をまん丸にしてのぞきこんでいました。

 

回転を利用すると、他にも面白い駐車場ができあがります。

 

立体駐車場に取り付けるエレベーターとして回る形を利用すると面白いです。

あっという間に完成するし、遊ぶだけで子どもに考える力をつけます。

 

筒の形のお菓子の箱にペットボトルを入れただけ。適当に穴をあけます。

底が円形なので、入り口はひとつでも、様々な方向から出ることができます。

回転のなせるわざ。

 

 

 

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愛情をかけて可愛がって育てているのに困った言動が増えてくる時 (ユースホステルのレッスンから)

2015-10-27 21:31:35 | 初めてお越しの方

親御さんはいつも優しく根気よく愛情をたっぷり注いで育てているのに

子どもの困ったちゃんぶりが日増しに強くなっていく場合があります。

前回のユースホステルのレッスンでも

今回のユースホステルのレッスンでも

そんなわが子の態度に戸惑う親御さんの姿がありました。

 

親御さんからの承諾を得て

5歳の★くんのケースを紹介します。

★くんはユースホステルの異年齢のレッスンにはじめて参加してくれました。

目がクリッとした茶目っ気のある男の子です。

運動神経がよくて活発な明るい子です。

 

発達面で気がかりなことはなさそうなのですが、

わかっていても大人の声かけを無視することがたびたびあって、

危険なことをしている時に注意しても知らんふりしていて

制止がきかない様子は気になりました。

 

また本人に十分できるレベルの課題も

いやがってやろうとしなかったり、質問を聞こうとしなかったりしました。

ちょっと考えなくてはならないような知的な課題全般に

耳を傾けることさえ拒否するような

意欲のなさが目立ちました。

 

「聞く」こと自体を拒絶して、

憎まれ口をたたいて逃げてしまうので、

語彙の量や語彙の理解力などに問題がないか

お泊りレッスンの間、★くんの言葉に注意を傾けていました。

また「見る」作業中、たちまち落ち着きなく視線が泳ぎだすようだったので、

見る力についても、何か問題が感じられないか注意していました。

 

★くんは人が好きな快活な子で、誰とでもすぐに仲良くなれる一方で、

年上の力のありそうな子を足で蹴ってちょっかいをだしたり、

友だちが集中して何かしていると邪魔したり、

理由もなくお母さんを叩いたりする

人との関わり方の幼さがありました。

 

★くんのお母さんもお父さんも

温和で常識的で落ち着いた方々で、

★くんにたっぷり愛情を注いで育てています。

 

次回に続きます。

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記事の内容とは関係がないのですが、ついでに

今回のユースホステルでのレッスンの様子を紹介します。

 

↑1枚の紙に切り込みを入れるだけで

立体があらわれる様子に4~6歳の子らはため息を漏らして感動していました。

さっそく見よう見真似で創り出す5歳の◎ちゃん。

↑◎ちゃんのお絵かき作品も素敵ですね。

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 ( ↑ 押し入れのなかで上映会。熱中症にならないように注意がいりますね)

 

教室外の子どもたちと接する機会があると、

発達障害などのハンディーキャップがないにもかかわらず

★くんのような気になる態度を示す5、6歳の子とたくさん出会います。

 

「どうしてそうした困った態度を身につけてしまうのか」のもとをたどると、

2、3歳という自我が生じはじめて

自己統制力が育っていく過程で

周囲の接し方がまずかったり、環境に少し問題があったんじゃないかな、

と思われることが多々あります。

 

過去の原因探しばかりしていても仕方がないのですが、これからどのようにして

気になる行動を克服していくといいのかを話題にする前に、

2、3歳児を育てている親御さんたちに学んでいただくためにも

そうした困った態度が生じてくる仕組みについて説明させてくださいね。

 

山梨大学の加藤繁美先生は、次のようにおっしゃっています。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「自己チュー児」などと呼ばれる「超わがままタイプ」の子どもは、

「しつけ」ができていないというよりも、

自分の言葉を聴き取られ、自分の思いを受け止めてもらう心地よさを

知らない子どもが、「荒れ」た行動をとっているのである。

その理由は、子どもの自己統制力が育っていく道筋が、

実はそうした構造をもっているからにほかならない。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

子どもは最初に、大人と親密なコミュケーションの過程で、

愛されることの心地よさを獲得していきます。

 

加藤繁美先生によると、一口に「愛されることの心地よさ」と言うけれど、

実は乳児期に体験する大人・子どもコミュニケーションの質は、

その後の子どもの育ちを規定するくらい大きな意味を持つものなのだそうです。

 

大人たちは子どもが自分でも自覚していない要求を読みとり、

ていねいに「意味づけ」し続けます。

子どもはそうやって繰り返されるコミュニケーションを通して、

自分の要求と音声が対応していくことを知っていきます。

 

そうして乳児期に獲得した「愛されることの心地よさ」をベースに、

音声で表現できることを知った要求世界を

自分の興味・関心にひきずられるようにして

どんどん表現するようになります。

 

それが「自我」の誕生と呼ばれるものです。

 

要求を主体として成長していくこの時期に、

大人が子どもの発するものを受け止め、同時に方向づける

という対応を辛抱強くていねいに続けていくことで、

子どもは言葉で表現するようになった世界を大人と共有することに

幸福を感じるようになるそうです。

 

そして2歳半を過ぎる頃から、大人と共有した価値の世界がはっきりしてきて、

知性として形成される「第二の自我」の芽となるのだとか。

第二の自我とは、

「社会的存在としての自分がどう行動すべきか」という形で

知性として認識される「規範的自我」「理想的自我」である点を特徴としているそうです。

 

 3、4歳とは、身体が求める要求世界としての「自我」の世界と、

知性として育てた「第二の自我」の世界の間に生じる

矛盾と葛藤を生きている時期で、

やがて4歳半を過ぎる頃から、「自己内対話」をしながら

生きていくようになります。

 

現在は、「自己内対話能力」がうまく育っていかない子が急速に増えていると言われています。

 

5,6歳という幼児後期になっても「自我」の世界だけは出し続けるけど、

「第二の自我」が育っていかないという

困ったちゃんが増えているのです。

 

5歳の★くんにしても、自分の要求はいくらでも出すのですが、

「社会的存在として自分がどう行動すべきか」に気づいて、

自分の内面でそれと折り合いをつけて行動に移すことができません。

「欲しい」とか「したい」とか、自分から要求を出すこと以外に無関心で、

外からの要求には無視するか、憎まれ口をきいて相手もやりこめるかの

どちらかで対応しているのです。

 

 

 

↑ ユースホステルのレッスンで。

回転すると模様がどのように変化するのか

確かめています。

 

★くんのお母さんもお父さんも★くんを心から可愛がっている方々です。

愛情をたっぷり注いで、しょっちゅうギューッと抱きしめています。

それにも関わらず、

 

「★くんがこれまで自分の言葉を十分に聴き取ってもらえず、自分の思いを受け止めてもらう心地よさを

知らないから、荒れた行動をとっている」

 

という捉えるのは

親御さんたちに対して失礼にあたるかもしれません。

 

とはいえお母さんが近くにいる時の★くんは

まるで聞き分けのない2歳児のように

わがまま放題に振舞っているのも事実でした。

 

そこでいったんお母さんに離れておいていただいて

わたしと★くんがペアになって行動することにしました。

 

すると★くんは、「こういうことがやってみたい」というチャレンジ精神が薄いわけでも、

大人の指示に素直に従えないわけでも、

見たり聞いたりすることが苦手なわけでもないことが

徐々にわかってきました。

もちろんふたりで過ごしだしたとたん、★くんの「困ったちゃんモード」が

「いきいきしたしっかりさんモード」に

コロッと切り替わったわけではありません。

 

でも、最初はこちらの声かけを無視したり、憎まれ口を返したりして対応していた★くんが

★くんの本当の気持ちに光を当てるうちに

自ら進んでお手伝いをしたり、

一度は放りだした課題に再度取り組んだりするようになってきました。

 

そうするうちに★くんの内面には、

個性的なさまざまな良い資質が潜在しているのに

それを発揮する機会がないために

わがまま放題な態度に終始しがちになっているのが見えてきました。

 

愛情をかけて可愛がって育てているのに困った言動が増えてくる時 (ユースホステルのレッスンから) 4

 

愛情をかけて可愛がって育てているのに困った言動が増えてくる時 (ユースホステルのレッスンから) 5

 

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年の離れたきょうだいで、いっしょにカードゲームを楽しむためのルール作り

2015-10-27 15:17:16 | 初めてお越しの方

「6歳と3歳など年の離れた兄弟姉妹でいっしょにゲームを楽しむことはできますか?

上の子が必死になって勝ちたがるので、

せっかくやりたがっていた下の子が負けてばかりで

途中からむくれてどこかへ行ってしまいます。楽しく遊ぶいい方法はないでしょうか」

といった質問をいただくことがよくあります。

 

先日も、「小学校低学年の兄と未就園児の弟で、トランプゲームをするものの

神経衰弱なども弟がルールを理解しきれずに何枚もめくってみたり、

七並べにしても数字がわからないまま出していったりするので、

揉め事が耐えません。」とお聞きして、こんなゲームの仕方を提案しました。

神経衰弱をする際には、カードの半分を表に、半分を裏にして、

弟くんは表になっているカードから同じものを2枚見つけ、お兄ちゃんは

裏になっているものから通常通りめくるのです。

力加減が対等であることが大事なので、これでは弟くんばかり勝つようなら、

お兄ちゃんがめくってもいいトランプの数を4~6枚に増やすのもいいかもしれません。

 

七並べにしても、スペードなどあらかしめひとつのマークのカードを全て

弟くんのものとして分けておいて、

お兄ちゃんには残りのカードで通常通りゲームをしてもらいます。

弟くんの番には、自分のカードを並べるコーナーに、「連結、連結」と言いながら、

トランプをきちんと隣につなげていければOKくらいのルールにすると

いいのかもしれません。

 

教室では算数の学習の際も、兄弟姉妹で同じ場で遊びながら、

少しルールを変えることがあります。

写真は、年長さんの●くんと年少さんの☆ちゃん兄妹のレッスンのひとコマです。

 

☆ちゃんは、「4の次の数は?」とか「さんじゅうごのカードはどれでしょう?」

という問題を解いています。

●くんは、「たかしくんは10個お菓子を持っています。

はなこさんはたかしくんより7個多くお菓子を持っています。

ふたりのお菓子を合わせるといくつですか」という問題や

「40+2+2はいくつですか?」といった問題を出しています。

☆ちゃんも●くんもとてもよくできていました。

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ゆっくり成長していく心 (発達に凹凸がある子)  

2015-10-10 07:19:35 | 初めてお越しの方

この記事を探している方がいらっしゃったので、再度アップします

発達に凹凸がある年長のAくん。

教室に着くなり午前のレッスンの子たちが作って帰った駅(↓の写真)を見て、

「壊してもいい?」とたずねてきました。

 

 

「それはね、前に来た子が一生懸命作ったものだから、置いておいてって

たのまれているの。だから壊さないで。もしAくんもブロックで何か作りたいなら、

新しいブロックをもっと出してあげる」と答えても、

Aくんは「でも、ぼく壊したいよ」と言いながら、作品に足を引っかけていました。

 

Aくんは発達の凹凸のある子の特性で

相手の気持ちがわかりにくいところはありますが、

意地悪な子でも攻撃的な子でもやんちゃな子でもありません。

気が優しくて純粋な心根の持ち主です。

 

少し前に、気持ちの行き違いから、お友だちの作っていた工作物をAくんが壊して

しまう事件があって以来、自分が悪かったことを認めるのを拒み続けていて、

「お友だちのものを壊す」という行為に妙なこだわりを持っているのです。

それでしばらくの間、ひとりでレッスンを受けることになっています。

罰でそうしているのではなく、少しの間、お友だちから離れて、

じっくり自分の内面を表現する活動をしたり、

信頼関係を築きながら、わたしと1対1で会話をしたりする時間がAくんには必要だと

感じているのです。

Aくんは学習に対する不安があって、遊びの最中も、「今日は算数をするの?」

「算数したくない」「算数しないよ。絶対しない」と数分おきに言い続ける癖があるので、

そうした学習に対しての不安感を和らげることも、ひとりでレッスンする期間の課題にしています。

 

少し前にAくんがお友だちの作品を壊してしまった事件のあらましは、こうです。

その日、いっしょにレッスンを受けていたBくんは、凝ったビー玉コースターを

作っていました。

ゴールをくぐると、輪ゴムでこしらえた罠のようなしかけがビー玉を捉えるように

なっています。

それが思うように作動しないので、Bくんは何度も熱心に試行錯誤を繰り返していました。

 

そんなBくんの作品に興味しんしんのAくんは、

「こうしたらいいよ」「ああしたらいいよ」と自分の作品のように

しかけを動かして調整しようとしました。

「やめてよ。ぼくが作ったんだから」と言うBくんの言葉も耳に入らないようで、

「こうしたらいいんだよ」と自分のやり方を押し通そうとしたあげく、

わざとではないのですが、よろけてコースターのレールをひっくり返してしまいました。

Bくんはちょっとしたことで動じない子なので、

「やめて、触らないで」と言うと、Aくんのことは頓着せずに壊れた個所を修復しだしました。

 

どう見てもAくん側の部が悪いのですが、自分がBくんのものを壊してしまったという

状況にパニックを起こしてしまったAくんは、

「こうしたらいいんだよ。それなのに嫌っていうんだもん!Bくんが悪い。

Bくんが悪いよ!」とBくんを非難しはじめました。

「Aくん。Bくんが作っているものは、Bくんがこうしたいなぁって思うように

作っていいのよ。Aくんは、Aくんが作っているものを、こうしようかな、

ああしようかなって工夫すればいいでしょ。

わざとじゃなくても、Bくんのものを壊してしまったら、ごめんなさいって謝らなく

ちゃだめよ」と注意するわたしの言葉に耳をふさいで大騒ぎしていました。

 

Aくんにとって、自分が「こういうふうにしたらいい」と思うのに

他の子は自分とは異なる考えを持っているいうことを推し量るのが難しい様子。

Bくんが作っている作品は、Bくんがどうするか決める権利を持っているということも

わかりにくいようです。

 

ちょうど今、Aくんの心はそれを少しずつ受け入れ理解していく過渡期にあるようで、

本来、快活で温和であまり他の子と揉めないAくんが、

たびたびそうした問題を起こしては、もんもんと葛藤していました。

 

そんな出来事の後、Aくんは何度かひとりでレッスンを受けることになりました。

 

Aくんは、ひとつでも不安なことがあると、ひたすらそれを言い続けるところがあります。

Aくんは口達者で利発な子ですが、数の理解については極端な苦手があるようで、

物を「1,2,3……」と数えていくこともままなりません。Aくんのお母さんは

「算数のLDではないか」と気を揉んでいるのですが、

実際には、嫌がってきちんと答えないからできないようにみえるのか、

できないから嫌がっているのか、はっきりしません。

教室では、まず算数の世界に親しみを抱くようになることを課題としています。

 

ひとりでレッスンしている間、Aくんは、

「今日は、算数の勉強はあるの?」「算数は嫌だよ」「ぼくは算数は嫌いなんだよ」

「算数の勉強はなしにして」と口癖のように繰り返していました。

でも実際、算数の学習がはじまると、ニコニコしながら楽しそうに学んでいて、

勉強が終わるのを惜しむ姿がありました。

Aくんは全てのこびとの生態を空で言えるほど『こびとづかん』が好きなので、

算数の学習にこびとのフィギアを登場させると、大喜びしていました。

その次のレッスンからは、

「今日は、算数の勉強はあるの?」「算数は嫌だよ」「ぼくは算数は嫌いなんだよ」

という訴えの後に、「今日はこびとづかんで算数する?こびとづかんせ算数しようよ」

と付け加えるようになりました。

そうするうちに、「算数はあるの?算数は嫌だ」という訴えはなくなって、

「こびとづかんで算数するの?」とだけたずね、

「算数で何をするかは、先生が決めることよ。今日はこびとづかんじゃないもので

算数の勉強をするよ。ワークもするよ」と言った答えにも納得し、

きちんと学ぶことができるようになってきました。

 

話をAくんがお友だちのブロック作品を、

「でも、ぼく壊したいよ」と言いながら、足を引っかけていたことに戻しますね。

足を引っかけていた……とはいえ、Aくんは乱暴な子ではないので、

足を引っかける真似だけして、自分の内面のもやもやと戦っている様子でした。

「Aくん、壊してはだめ。Aくんも駅を作りたいんなら、こっちでいっしょに作ろう。

ちゃんと大きな板もあるよ。ブロックもたくさんある」と言うと、

「大きい板が2つある?ちゃんとふたつだよ」とだけ言って、

「あるよ。ふたつある」と答えると、すなおにこちらに従いました。

「なおみ先生、ぼくは高いところを走る線路がいいんだよ。地面じゃ嫌なんだ。

高いところを走る長い線路を出してよ」と言うので、

Aくんのお気に入りの長いエッジで作った線路を出すと、落ち着いて作品作りに

取り組んでいました。

途中で、山の作り方を習って、山の中に山に住むこびとを隠しました。

 

牛乳パックを使ってふんすいも作りました。

 

 

 

川の上に鉄橋をかけて、こびとを配置して大満足のAくん。

 

悪いこびとのアラシクロバネがどんなに悪いのかひとしきり話した後で、

これまでBくんの作品を壊してしまった事件から、

「Bくんが悪い」の一点張りだったAくんが、ずっと言いたかったことを告白する

ように「Bくんは悪くないかもしれない」とつぶやきました。

実は当のBくんはすっかりそのことを忘れてしまって、

先日わたしが、「この間、Aくんが作品を壊しちゃったのごめんね」と謝ると、

何だっけ?という表情でキョトンとしていたのですが、

Aくんの方がずっとそのことで苦しみ続けていたようです。

「Bくんは悪くない」と言ってから、肩の荷が下りたように

すっきりした様子で、笑顔で帰っていきました。

 

 

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3年生の算数で男の子がつまずいたときに わかるように教える方法

2015-10-09 21:05:03 | 初めてお越しの方

算数って男の子がつまずきやすいところ、女の子がつまずきやすいところ

というものがあるように思います。

 

もちろん全ての男の子と女の子が同じような特徴を持っていて

同じようなところでつまずくわけではないのですが、

「男の子はこうしたところでつまずきやすい」

「女の子はこうしたところでつまずきやすい」と知っておくと、

事前につまずきを防ぐことができますよ。

またそれぞれに理解をうながしやすい教え方があります。

 

今回は、3年生の算数で男の子がつまずきやすいところについて書きますね。

 

36÷6とか37÷6といった計算を、そのまま暗算で解くのならできるのに、

筆算で解き始めると、ミスを連発する男の子がいます。

 

36÷2のように

答えが二桁になるとさらに混乱する子が続出することでしょう。

 

でも、どうしてこの割り算の筆算では、女の子より男の子のがつまずきやすいのでしょう?

 

理由は「筆算」ができるようになるかどうかは、

思考力や直観力や数学的な感性とはあまり関係なく

お料理や手芸を手順通りに繰り返すような力が要求されるからのようです。

 

また男の子がちょっと苦手な、「位置」について考えながら「計算」をする……

といった、一度に2つ以上のことを意識して同時にこなさなくてはならないという

器用さが必要だからなのです。

 

ちょっと大雑把だったり、

先生の指示を耳で聞きながら適切に作業をするのが苦手だったりする男の子は、

先に書いた2ケタ÷1ケタの割り算だけでなく

2ケタ×2ケタのかけ算あたりから

家庭で注意して見守ってあげることが大事だと思っています。

 

もしつまずいているようなら、男の子の場合、手順だけを覚えることに

かなり困難を抱えている子もいるので、

男の子が覚えやすいような体感にもとづく教え方をするといいかもしれません。

 

体感にもとづく教え方というのは、割り算の答えを上の位置に書くことを

何度も忘れて混乱する子でしたら、「答えは上だったね」と言いながら、

いちいち手の平に何か(答え)を乗せて上の方に置くような仕草をさせて

スポーツの型を教えるように計算方法をマスターさせるということです。

 

2ケタ×2ケタのかけ算も混乱しやすい子には

「1桁目のところから鉄砲を撃つよ!バンバン!

次は大きな桁のところに立って、鉄砲を撃つよ!バンバン!」と

身体を通して、どこからどの順序でかけていくのか覚えさせます。

 

男の子は「手芸」や「料理」のような手順を覚えるのは苦手ですが、

「スポーツ」の型のような体感を通した手順を覚えるのは得意な子が多いです。

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どんぐりを使った遊びと学び 1

2015-10-08 19:29:54 | 初めてお越しの方

教室に通っている子たちへ秋のお願い という記事を書いたら、

次々と教室へ来る子たちがどんぐりを抱えてきてくれました。

今、教室には茹でて乾かしたどんぐりがいっぱい。

 

さっそく、どんぐりだんごを作ったり、どんぐりのお家を作ったり、

どんぐり遊園地を作ったり、どんぐりの名前を調べたり……。

秋を満喫して遊んでいます。

 

3歳0ヶ月のAちゃん。どんぐりのお家とすべり台を作っています。

 

発達に凹凸のある子のグループでは、どんぐりで遊園地を作りました。

手先が不器用だったり、イメージしながら作業していくのが

苦手だったりする子たちと工作をする時には、

「作業がしやすく作っていて楽しいこと」と「見通しが立てやすく子どもたちの

興味と合致していること」のふたつを大切にしています。

 

今回の工作の要は、「穴をあけること」です。

あとは、「セロテープでつなぐこと」とストローに切り込みを入れること」です

 

 

穴をあけて、ストローを穴と穴に渡して、

ペットボトルのふたで作ったどんぐりの乗り物をぶらさげていくことで

遊園地を作っています。

 

 

途中で、すべりだいや松ぼっくり用ののりものも作りました。

 

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別の発達に凹凸のある子たちのグループでは

どんぐりだんごを作りました。

どんぐりをラジオペンチでつぶして、渋皮をむきます。

 

渋を取るために何度も水を変えて、15分ほど茹でました(家族に協力を

お願いしています)。茹であがったどんぐりをすりこぎで潰して、

だんご粉に混ぜて、丸めて茹でました。

この行程が楽しくてたまらない子どもたちは、できあがったら

「もう一度やりたい!」とはしゃいでいました。

わたしは、毎度、ヘロヘロ……。

ずんだ餅の粉をまぶして食べるととてもおいしかったようです。

 

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おまけ 

うちの子たちから、『バナナの正しい彫り方』という本をもらったので、

さっそく楊枝で「ガイコツ」を彫ってみました。

簡単ですが上手に彫るのは難しい……。

 

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