虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

急所を押さえるセンス と 考える過程を楽しむ習慣

2013-01-31 23:32:03 | 算数

小3の★くんと☆くんのレッスンでの出来事。

『サム・ロイドの「考える」パズル』という本の

切り抜いて使うパズルにチャレンジするというふたり。

この本、挿絵はかわいいのだけれど、何せ100年前のパズルですから

難解すぎたり、ちょっと退屈な展開だったりして

あまり子どもに勧められるものではないのです。

 

★くんは最初に条件を勘違いしてしまったり、延々と作業を続けていても

答えにつながる糸口が見つからなかったりしても、

意外なほどに……投げ出しません。

3年生になって、しつこく考え続けることが

苦ではなくなってきた模様。それよりも、何とか解いて見せたいという

意地のようなものが強くなってきています。

 

ブロックとカメラが大好きな☆くん。美しい建築物をブロックで作っては、

いろいろな角度からそれを撮影しているのが功を奏したのか、

「これは難しいな~」と一見大人でも戸惑ってしまうような

形のパズルをちゃっちゃと解いていきました。

初チャレンジです。

 

それにしても☆くんの解き方に感心してしまいました。

ばらばらのピースをめくらめっぽうに組み合わせてみながら

答えを探るのではなくて、

最初の時点で、「この形はここしかありえないよね。」と言いながら

解くためのキーになる形に目星をつけて、

出題者の意図を読み解くような形で置いていくのです。

おかげで、まるで答えを知っているかのように、ほとんどピースを動かすことなく、

十字、正方形、長方形を作っていました。

キーとなる部分をつかんでおくと、形を動かさなくても頭の中で組み立ててしまえるんですね。

 

今回、ふたりは久しぶりに、かなり前に遊んだ人物当ての

ゲームをして遊んでいました。

★くんも☆くんも、幼稚園時代から教室のさまざまなボードゲームやカードゲームに親しんで

きたのですが、

そうしたそれまでに遊んだことのあるゲームの楽しみ方がちょっと変化してきました。

かつてはルールが理解できて、ゲームができるからそれだけで楽しい……という感じだったのですが、

この頃は、「どの質問をしたら一番有利か」とか「どの手が一番いい方法か」ということを

よく練って遊ぶようになってきたのです。

「そうして思考するからこそゲームが楽しい」とい感じ始めるようになったようです。

算数タイムに、円の面積を考えたのは、パズルのようでとても楽しかったようです。

こういう問題は何問でもやりたがるのですが、

そればかり続けていると、「文章を読みながらじっくり考えていくのがめんどくさい~」と言い出す

ので、次回には文章題をする約束をしました。

 

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1歳児さん、2歳児さんと工作を楽しむコツ

2013-01-31 19:58:06 | 工作 ワークショップ

 

1歳児さんや2歳児さんと工作を楽しむコツを紹介します。

 

1歳児さんや2歳児さんと工作をする時は、

① テーマ選び

② 道具と材料の工夫

③ 子どもが「自分で作れそう」と思えるレベルのわかりやすい手本を示す

の3つが大切です。

 

テーマは、「最近、子どもが夢中になって見ていたもの。触りたがっていたもの。」

にするのがいいです。その子の個性と好みについて、日頃からよく観察して理解しておくと

関わりやすいです。

完成度の高いものより、できれば一部分だけを再現したようなものが

最適です。。

 

散髪屋さんのくるくるまわるポールが気に入っていたら、

「トイレットペーパーの芯を棒などに通してくるくる回るようにするだけ」など。

 

紙箱を「連結」「連結」と言いながら、

布テープで貼っていくのも喜びます。

 

一部分だけ、本人が納得するような作りになるように手伝ってあげたら、

後はどんな塗り方をしようと、切り刻もうと

自由に作らせてあげます。

 

 

 

子どもが素材と触れ合うのを楽しめるような材料を用意します。

ねんど、小石、ビー玉、濡らした紙、シール、ストロー、輪ゴムなど。

紙コップ、トイレットペーパーの芯、ティッシュ箱は作りやすい材料です。

描く道具やはさみやテープは、扱いやすいものにします。

 

↑の写真は100円ショップで売られているつるつるした小石です。

冷たくて適度に重たいので幼い子たちがとても喜びます。

 

紙コップに穴をあける時は、鉛筆のようなもので強く押してあけるようにすると、

「力を込めて穴をあける」という行為が

自分でできることをとても喜ぶ子は多いです。

穴の中に小石やビー玉などを入れていって

楽器や下から出てくるおもちゃなどを作ります。

 

セロテープも子どもが大好きな材料です。

「何から何までテープで貼りまくりたい」という時には、思う存分、貼らせてあげます。

物を貼りつける時に、子どもの力でもはずれないような

作品を作るのにはガムテープが便利です。

 

輪ゴムを貼るだけでカスタネットのような楽器ができます。

 

 

子どもはコロコロ坂道を転がってくる小石やビー玉が大好きです。

トイレットペーパーを貼っただけのトンネルや

紙で坂を表現しただけの滑り台なども、

子どもに自分で作ったという満足感を抱かせて、「次は、おすな(砂場)つくる~」

といった意欲につながることもあります。

ヨーグルトなどのコップを空き箱に貼って、

『ポケット』といった工作も1,2歳児さんにとって

魅力的でわかりやすい作品作りです。

 

工作遊びでは、たとえ本人が作らなかったとしても、

大人が物作りをする様子を観察して、

「手本を見る」ことを学ぶのも大事です。

「かんかんかん、作って!」と、自分が作ってほしいものをイメージする力を

育むのも大事です。

物を作る時間を楽しみ、自分のお気に入りがなくなっても、

新しく作ることができることを見せていると、情緒が落ち着いてきます。

 

「自分で」できた時に自信がついてくるので、

きれいな作品作りを目指すのではなく、

たとえぐちゃぐちゃになって終わっても、本人が「できた」「自分でやった」という

満足を得るような工作の時間にします。

作ったものをビリビリぐちゃぐちゃしはじめたら、思い切りビリビリぐちゃぐちゃさせてあげて、

「どろんこね」「雨」「ビリビリさん」「ゆきだるま」など本人が知っている言葉を

かけて、見立てるのを楽しみます。

 

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巨大迷路作りをひとりで黙々……

2013-01-31 18:05:01 | 虹色教室の教具 おもちゃ

小学2年生の☆ちゃん。

何かを作り始めると、周囲を圧倒するようなエネルギーで、黙々と作り続けます。

ブロック講座ではハムスターのおせち?を作り、教室内にハムスター敷き詰め遊びを流行らせました。

今回、「迷路が作りたい」と言うので、色の木の棒や色板を用意してあげると、

細部に工夫をこらしながら

休むことなく巨大な迷路を作り続けました。

  

1時間あまり迷路作りに没頭した後で算数の学習。

できあがった迷路にハムスターを敷き詰めて、迷路を走っているところを作りたかったそうで、

長文の文章題も大急ぎで解き終えました。

ところが丸つけをしたところで帰宅時間に……。

「ハムスターが……置きたかった!!」と残念がりながらも、自分の作った作品に満足気な笑顔を向けながら

帰りました。

 

 

 

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工作やブロックが好きじゃない子も工作やブロックをしなきゃいけないの? 4

2013-01-30 09:40:35 | 工作 ワークショップ

前回の記事で、1、2歳の幼い子たちの遊びの場でも

物作りを取り入れていることを書きました。

そうしていると、次のような良い効果も生まれます。

 

物作りに親しんでいると、お友だちとのトラブルが起こった時に

気持ちを切りかえたり、

問題を解決するのが上手になるのです。

 

幼い子たちはとにかく自分の物は貸したくないし、

他の子の持っている物が欲しいものです。

大人が間に入ってトラブルを解決してあげる場合、「ちゃんとお口で、貸して!って言ってごらん」

「ほら、○ちゃん、いいよ、でしょ」と、貸したくない側の子がおとなしくて聞き分けのいい子の場合、

その子の気持ちはそっちのけで、

物が行き来しておしまい、ということになりがちです。

 

そうして、大人の指示に素直に従う子は、幼い頃は、「えらいね、かしこいね」とほめられるのだけど、

自分の気持ちを上から抑え込んで我慢しているだけですから、

成長して意志がはっきりしてくるにつれ、意地でも自分の物を貸そうとしなかったり、

成長して意志がはっきりしてくるような年齢になっても、決めごとは何でも大人に頼ろうとしたり

するようになったりしがちです。

 

その一方で、人と関わりながら創造性を発達させていった子が、

年中さんや年長さんくらいになると、

こんなうれしい姿もよく目にします。

 

お友だち間でおもちゃや物の奪い合いが起こると、

「それなら、同じ物を作ればいいんだよ」と提案する子がいるのです。「作り方を知っているから教えてあげる」

「作るの手伝ってあげる」という子もいます。

「ふたりでいっしょに使おうよ。○くんが何の役するかと、ぼくが何の役するかを

決めたら、そのおもちゃは1個でも、大丈夫だよ」

「じゃあ、じゃんけんするか、何分ずつ使うか決めようよ。★くんはどういう風にしたいの?」

と遊び方の解決法を示す子もいます。

 

物作りは必ずしも、物を作ることに終始するのではなくて、

アイデアを作る、考えを作る、ルールを作る、ということにもつながっていくのです。

子どもたちは主体的に自発的に創造的に

自分の現実と向き合うことを、

自分で何かを作りだす作業を通して身につけていくのです。

 

工作の魅力的な材料が人数分足りない時なども、

「わたしはそのひもがなくても、モールを編んだら

きっと同じくらいきれいになるからいいのよ」とか

「その箱は最初から形が面白いけど、

でも普通の箱でも、いろんなところを切ったり、色紙を貼ったりした方がきっと自分の好きなものが

作れるからいいよ」

 

 

  

 ↑の写真は、科学クラブの小学生たちが協力して元素の周期表を作っているところです。

子どもたちの中から「やってみたい」と始まった作業ですが、

これまでも物作りをしながら関わる体験を積んでいるので、

思い通りにならない部分があるほど、一致団結してがんばりだして、

それぞれが自分のやるべきことを考えて、上手く役割分担して仕上げていました。

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発達障害のある子のお友だちとの関係をサポート 3

2013-01-29 20:45:03 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

発達障害のある子のお友だちとの関係をサポート 2

の続きです。

お友だちが近づくと不快そうに顔をしかめるか困惑した表情しか浮かべないという

発達障害のある子も、

子ども同士の遊びを適度にサポートすることで、

お友だちといっしょに同じものを見たり、同じ活動をしたりしながら

顔をほころばせて笑うことがあります。

また他の子は全く眼中にないような遊び方をする子も、

その子に合った介入をすることで、

相手の子におもちゃをお友だちに譲ってあげたり、優しい言葉をかけるように

なっていきます。

 

それでは、わたしが★くんと☆くんと過ごす中で、

お互いの距離が縮まるようにどのようなサポートをしたのか、書かせていただきますね。

 

「どんな誘いにも乗らないぞ」といった構えで固い表情をしている発達障害の子の

気持ちをほぐすのに、

その子がしつこくこだわっているものに注意しておくと役立ちます。

自閉傾向の強い子ほど、「えっ、それ?」と思うような

細部であることが多いです。

それが細部であればあるほど、その細部に注目した働きかけをすることで、

固い構えがほぐれてくることはよくあるな、と感じています。

★くんの場合、バスの扉をきっちり隙間なく閉めることと、

ブロックの柵を集めるのに凝っていました。

またブロックの車を連結させることやビスケットの端をズボンでこすって

細かいかけらを落とすこともしていました。

 

ビスケットのかけらを散らす行為は食べ方としては

そっと正しい方法に変えさせていかなくてはなりませんが、

それを本人がしつこくしたがることを知っていると、どんな工作素材や作り方なら★くんが積極的に

工作に取り組めるかや、どんな活動だとお友だちといっしょに楽しめそうか、といった

ヒントになります。

 

たとえば、発掘用のおもちゃの砂の塊を薬味をけずる道具でガリガリして粉を作る遊びや、

えんぴつけずり、細かいビーズや発泡スチロールの玉やアクアジェリービーズなどを用いれば

お友だちといっしょにする活動ができるかもしれないし、

そうしていっしょにする体験を積むことで、「いっしょに何かする」楽しみに気づいていくことがありますから。

この日は☆くんは散髪屋さんのくるくる回るポールを作り、

★くんは小さな発泡スチロールの玉やビービー弾を太いストローに詰めて

花火のように打ち上げる道具などを作りました。

 

わたしが警戒心が強いタイプの自閉傾向のある子と遊んでいて

いつも面白く感じるのは、

「最初のスタートさえ良ければ、後はバッチリ」となることたびたびあることです。

それをすることに対して激しい抵抗をしていて、

「大嫌いなのかな?」と心配していた物事でも、

最初の取っ掛かりで興味を引いてやる気にさせてしまえば、

今度はやめさせるのに苦労するほど、楽しそうに活動することがよくあるのです。

 

その「最初の取っ掛かりで興味を引く」のに役立つのが、

こうしたタイプの子がこだわっていたものの

細部です。

 

工作といっても、バスが好きだからと「バス作ろうか?」などと誘うのではなく、

バスの扉の開閉を思わせる動きが作れる素材を見せて、

「バスのドアを作ろうか?閉まるかな?閉まるかな?」と問うと、

ちょこんと椅子に腰かけて、作業を始めるのです。

 

またお気に入りのものを見つけた時に、やりとりをオーバーに表現しながら

そのお気に入りを渡すようにしていると、だんだん

やり取りそのものに興味を持ち始めたりします。

 

今回でしたら、★くんがブロックの柵に心を奪われていたので、

「柵はないかな、柵はないかな?」と探しにいって、「あったあった赤い柵、はいどうぞ」

「あったあった青い柵はいどうぞ」と一本ずつ渡すと、

次のこちらの行動を期待して、

手をさしだしたり、

「ありがとうね」とうながすと、ぼそぼそと「ありがとう」つぶやく姿がありました。

こんな時に相互の交流のあり方ややりとりの言葉を提示する時は、

子ども向けの人形劇や演劇のせりふを言う時のように

ゆっくりわかりやすく、声にテンポをつけて、できれば身振りを加えながら

何度も本人の心に響くまでくり返すといいと思います。

 

そうして★くんの喜ぶものをたくさん集めてあげていた時、☆くんが★くんの

ブロックの車を持っていこうとしたので、一瞬険しい顔になって自分のブロックに手をかけた★くんは、

しばらく考えてから、手を離して、

「どうぞ、かしてあげる」と小さな声でぼそぼそつぶやきました。

 その後、★くんはゆっくりとではありますが

☆くんをお友だちとして認めたかのような友好的な態度を取るようになりました。

 

 

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工作やブロックが好きじゃない子も工作やブロックをしなきゃいけないの? 3

2013-01-29 08:48:33 | 工作 ワークショップ

 幼い男の子たちが車や電車のおもちゃが気に入ると、

「何が楽しいのかしら?」と呆れるほど、

来る日も来る日も、ミニカーを前に動かしたり、後ろに動かしたりしながら、

遊び続ける姿がありますよね。

 

親御さんに、「この1月ほど、どんな遊びをしていましたか?興味を抱いていたものや、

好きになったものはありますか?」とたずねると、

目の前の子が車を前後に動かす姿に視線を投げながら、

「ずっと、あればっかりです。いつも車でしか遊ばないから、別のおもちゃも……と思うんですが、

それしかしたがらないんです。ひとりで遊んでくれるし、つい楽なんで放っといちゃうんですが、

もうちょっと遊んであげた方がいいでしょうか?」

「プラレールを買ってあげたところ、毎日、レールをつないで電車が走るところを

いつまでの眺めています。それ以外の遊びがないので気になるのですが、誘ってもそれしかしたがらないのです。

いっそのこと、好きなおもちゃ類を片付けちゃった方がいいんでしょうか?」

という質問が返ってくることがよくあります。

 

 本人が好きなことを存分にしているのですから、

いいにはいいのでしょうが、

遊べば遊ぶほど、遊びの幅が狭くなって、

親御さんやお友だちがその遊びに参加する隙もなくなってしまうのは、

ちょっと気になりますよね。

 

遊びのパターンが固定されて、柔軟性が失われると、

いつも同じことが、一貫したテーマで再現されないと落ち着かなくなるし、

遊びが、外の世界を遮断する道具になってしまうこともあります。

 

車の好きな子には思う存分、車で遊ばせてあげたいけれど、

遊び道具や遊び方の一部に、

創造的に変化させたり、

自分の思いを表現できるような柔軟性のある素材や方法を取り入れるようにするといいな、

と考えています。

 

 

ひとつのおもちゃやひとつの遊び方にこだわりが強くなると、

お友だちが近づこうものなら、「自分の遊びを邪魔される」「自分のおもちゃを奪われる」と

身構えたり、威嚇したり、人を避けたり、不安のあまり放心したようにボーツとなってしまう子がいます。

 

お友だちからお気に入りのおもちゃを奪われないかと緊迫した様子で遊ぶ子は、

お友だちが持っているおもちゃが目に付くと、

「それを自分のものにできないんだったらこの世の終わり」とでも

言いたげな態度に転じることがよくあります。

 

お友だちと過ごしている間中、

「自分のおもちゃを触られたくない」という気持ちと、

「他の子の持っているおもちゃが欲しい」という気持ちの間を行き来していて

その中間がないのです。   

すると遊びがいつまでも発展しないし、

遊びが発展しないということは、精神的な成長が停滞することにだってつながります。

 

虹色教室では、子どもの遊びの世界が、外の世界のあり様を受け入れやすい状態を保つよう、

また遊びが身の回りの環境への開かれた窓の役割を担うように……という意味もあって、

1歳、2歳という幼いうちから、遊びに物作りを取り入れています。

 

具体的な例を挙げると、たとえば、電車でひとり遊びをしている子がいれば、

ブロックで隙間を作ってもいいし、空き箱に穴を開けてもいいし、椅子の隙間をそのまま利用してもいいのですが、

それを切符の券売機に見立てて、切符が出てくる遊びを加えるようにするのです。

 

工作といっても、紙を乱雑にチョキチョキするのが楽しい時期の子もいるでしょうし、

細い紙を用意してあげて、一回、はさみを開閉するだけで

チョキンチョキンと切符ができていくのを喜ぶ時期の子もいるでしょう。

お母さんに切ってもらいながら、紙だったものが自分の見立てる力で切符に様変わりしてしまう

魔法に夢中になる子もいます。

「切符!切符!」と遊んでおきながら、ふいに紙をパラパラ散らして、

「雪!」と命名して笑みを浮かべる子もいます。

 

そのように物作りを遊びに取り入れたとたん、

自分の頭の使い道が広がり、「今日、駅で~した」と自分の体験をもっと遊びに入れてみようとしたり、

「切符だけじゃなくて、お金もいるよ」と知恵を披露してみたり、

「ジュースが出てくる機械とアイスが出てくる機械とトーマスの出てくるガチャポンも作る!(作って!)」

と創作することと想像力を使うことで、たちまち億万長者なみに自分の欲するものが手に入る喜びに浸る子も

いるのです。

 

 

↑の写真はビー玉をセロファンで包んで信号機を作っている様子です。(色の順番は

間違っていますが、本人の好きなように)

駅で信号機を発見した男の子の感動を、遊びの中で再現しているところです。

100円ショップのプッシュライトを当てると、信号を順番に光らせて遊べます。

 

こんな風に、遊びにいつでも物作りを取り入れられるようにしていると、

「駅に信号があった!」という子どもの感動が、光の性質や信号機の仕組みといった

ものに広がっていくきっかけにもなるのです。

また物作りを遊びの世界に取り入れると、「お手本をよく見て真似る」

という学びの姿勢を身につけさせる機会が増えます。

 

できるようになったことを、お友だちに教えてあげるようにも

なります。

 

そのように物に固執しなくても、さまざまな心を満たしてくれるものがあることを

知るにつれ、子どもたちはお友だちと過ごすのが楽しくなり、

上手に遊べるようになってきます。

既成の完成されたおもちゃには、たいてい子どものアイデアや想像が入る余地がありません。

 

↑の写真はブロックでケーキを作った子の作品。これから、お友だちとそれぞれ作ったケーキを持ち寄って

パーテーをする予定です。プレゼントを包み、ろうそくを立ててご機嫌の女の子。

急に思いついたように、

赤い部分をはずして、「火が危ないから、ろうそくを消しておくわ」と言いました。

自分が今、思いついたこと、知っている知識、想像したこと、願い事、自分の中に生まれた物語……

そうしたものを、遊びの世界にリアルタイムに活かしていくには、

自由に作り変え、自由に見立てることができる素材が必要ですよね。

 

工作やブロックのように自由度の高い遊びは、

子どもの頭と心の可動領域を広げます。

子どもの内面世界を目で見て触ることができるスペースを作りだします。

 

 

 

 

 

 

 

 

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工作やブロックが好きじゃない子も工作やブロックをしなきゃいけないの? 2

2013-01-28 21:30:54 | 工作 ワークショップ

児童館の館長さんの心配は

ある地域の限られた子どもたちの姿ではなくて、

ごく普通の大多数の子らが大人の管理を離れて、

自由な遊び時間を手にした時に陥る姿だと思います。

 

虹色教室では、子どもの創造的な活動に対する意欲が生まれやすいように、

お友だち間の学び合いや協力が起こりやすいように

さまざまな工夫を凝らしています。

 

物作りの技術を身につけつつ、

人と響き合う楽しさ、アイデアを出し合う面白さ、

自分の全エネルギーを無駄にも思えるような何かに投入してみる満足感、

問題を解決した時のスカッとする気持ちなどを味わうことができるような

環境を物の面でも人の面でも整えるようにしているのです。

そうした種まきや地道に心を耕す過程があってこそ、

子どもたちが主体的に遊びを生み出して、お互いの心を共鳴させあいながら

楽しい時間を作りだすことができているのです。

また遊びがそのまま学びの好奇心になり、学ぶ時の姿勢になり、学習動機や意欲にも

つながっているのです。

 

子どもたちはみんな現代っ子ですから、もともと想像力や創造力が豊かで、

自分で考えて遊びを作りだし、お友だちと協調して遊び、問題が起これば解決することができる子というのは

ごくわずかです。

 

教室に来ている小学生にしても、こちらが遊びを豊かにする方法を伝え、

子どもの心に「豊かさのある面白い遊び」という火を灯さなければ、

それぞれ好き勝手に自分で完結する遊びをしようとしたり、

遊びもしないのに教室を散らかしてまわったり、室内でボール投げをしたりして

ゲラゲラ笑い転げる……という児童館の先生が嘆いておられた「破壊する遊び」だけに興じるところがあります。

それが幼児期に聞き分けよく育ってきた小学生たちが好む遊びだからです。

 

そんな子どもの遊びの世界の質の低下を目にすると、大人たちは教育のことばかり語り合っていていいのかな、

と疑問を抱きます。

子どもの遊び世界とはそのまんま子どもたちの内面世界の現れではないか、

と感じるのです。また、子どもの生きている世界の投影でもあると思われるからです。

 

子どもの遊びの世界が衰退し、瀕死の状態にあるということは、

子どもの内面世界が枯渇し、子どもを取り巻く環境が寂しいものとなっていることを

伝えるSOS信号とも受け取れるからです。

 

次回に続きます。

 

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工作やブロックが好きじゃない子も工作やブロックをしなきゃいけないの? 1

2013-01-28 14:43:52 | 工作 ワークショップ

 虹色教室通信では子どもたちが工作やブロック遊びといった物作りを楽しんでいる姿を紹介しています。

そうした画像を見るうちに、

「うちの子は工作やブロックが好きじゃないけど、好きじゃない子にもやらせなきゃいけないの?」

と悩む方がいるようです。

 

もちろんやりたがらないものを無理にやらせる必要はないはずです。

 

ただ、「やりたがらない」の背後にあるものを、

安易に、好き嫌いの問題とだけ捉えて、

「うちの子にはあってないようだから、させなくていいわ」と白黒つけちゃうのは

どうかな、と思っています。

 

別に工作じゃなくてもいいし、ブロックじゃなくてもいいけれど、

子どもには、おもちゃに遊んでもらうんじゃなくて、

自分で遊びを作りだしていくようなシンプルな素材との付き合いが必ず必要だと思っているのです。

 

わたしが子どもの頃は、地面や草木や外の世界にあるありとあらゆるものが

子ども自身が創造的に遊びを生み出していくための素材として利用されていました。

 

「子ども時代、工作もブロックもしたことがない」という方も、

地面に円を描いて石けり遊びをしたり、線を引いてドッチボールをしたり、階段を上り下りしながら、じゃんけん遊びをしたり、

どろだんごを作ったり、草花でままごとの料理を作ったり、フェンスを上って新しい道を開拓したりした覚えはある

ことと思います。

そうした自ら作りだしていく遊びの場では、子どもから子どもへ、伝承されていく学び合いが

常に行われていたし、自分の気持ちを表現したり、

自分の考えを伝えたり、黙々と素材の感触と触れ合うゆったりした時間が

ありました。

 

「こういう風に遊びなさい」と大人に遊びを決められたり、「こういう遊び方しかない」とおもちゃに遊び方を

限定されたすることなく、

その日の気分と自分という個性とひらめきや想像の

全てをオールマイティーに受け入れて、さらなる発展をうながしてくれるような遊びの世界は、

今の時代、大人が意識して環境を整えてあげないと

存続できないようなところがあります。

 

もちろん現代の子どもの周りにも土や草花やフェンスや階段はあります。

でも、それらに自由に働きかけることは

今の子に許されていないし、そうした遊びの手本もありません。

 

異年齢の子どもたちが自由に外遊びをする姿が減り、兄弟姉妹が減り、

遊び時間が減り、

遊びを伝承する子どもの文化が衰退し、

子どもの世界に大人が良かれと思うあれやこれやが侵入しているのが、

今の子の現実です。

 

自分で判断したり、考えたり、工夫したり、

「わたしはこういう子だ」とか

「今はこういう気持ち」というものを表現したりするもの。

 

「やーめた、やっぱりこうしよう」と自分の意のままに変更したり、

破壊したり、塗りたくったり、ちまちました作業に没頭したり、巨大なものを完成させる夢を抱いたり

できるもの、していいもの。

 

物と物を会話させたり、他の子のすることに興味を持ったり、感動したり、

自分の作り上げたものに感激したり、称賛されたりするような

人と人とをつなぐ役割を果たしてもくれるもの。

 

そうした変幻自在に子どもの力で創り上げていく遊びは、どの子にとっても大切なもの、重要なものだと感じています。

 

もちろんそれを「工作」や「ブロック」に限らなくてもいいのです。

 

でも子どもにはそういう遊びの経験がいる、ということは現代の子育てでも

心に留めておく必要があるのではないでしょうか。

 

もし「工作」や「ブロック」に興味がない子なら、「知育玩具」や「パズル」や「絵本」でいい……

というのではなく、

やはり「工作」や「ブロック」ぐらい自由度が高く、能動的に働きかけられるような

「ごっこ遊び」「劇遊び」「お姫様ごっこ」とか「秘密基地作り」とか「冒険遊び」

などが楽しめるような環境を用意してあげることが大事かな、と思っています。

 

以前、近所の児童館で工作教室をしていた時のこと、児童館の館長さんから、

「とにかく遊びというと、物を破壊したり、投げたり、足蹴りしたりすることだけ

で終始する子があまりに多いので、どうしたものかと思っています」

という相談をいただいたことがあります。

 

児童館には毎日、大勢の幼児や小学生が集まっていたのですが、

どの子も成長して子ども同士で遊ぶようになったとたん、

おもちゃを破壊して遊ぶことしか興味を示さない……ということを危惧しておられたのです。

「破壊が創造の第一歩ということはわかります。

子どもだってストレスもあるでしょうし。

でも、破壊しかしなくて、遊びが生まれないというのはどうしたものか……」

館長さんは、そう言って、ため息をつかれました。

 

次回に続きます。

 

 

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イージス艦、戦闘機、バトルシップゲーム

2013-01-28 12:48:58 | 工作 ワークショップ

小学1年生の★くんのレッスンの様子です。

イージス艦が大好きな★くん。

これまで紙工作やデュプロブロックでイージス艦を作ったことがあります。

 

↓これまでの★くんの作品。

 

 

今回もまた「イージス艦が作りたい」と言っていたので、

素材を変えてみる提案をしました。

積み木とフィギュアと小さいサイズのレゴを用意。

 

 

レゴで作った戦闘機。

これから先、戦争のない平和な世の中であって欲しいと願うけれど、

こうした戦闘物好きの男の子のあこがれは大事にしてあげたいとも思っています。

初めて遊んだバトルシップゲーム。

Aの3、Gの5……といった指示を出して

相手の船や潜水艦に爆弾を落として沈没させるゲームです。

案の定、★くんに大ヒット。

最後にどうしてももう一戦したいから、という理由で、

算数の学習は集中して猛スピードで仕上げていました。

 

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発達障害のある子のお友だちとの関係をサポート 2

2013-01-27 21:59:16 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

発達障害のある子のお友だちとの関係をサポート 1

の続きです。

 

★くんといっしょに過ごしている間、「クイズですよ」と言うと、「はい、はい」と元気に手を挙げて

「工作の時間よ。さぁ、椅子を持ってきて」と言うと、

「はい、はい」と椅子を取ってきて席に着く☆くんには、

集団での活動の問題はほとんどないように見えます。

 

でも、以前、他のグループでのレッスンの際は、他の子が呼ばれて集まっていても

ひとりだけうろうろしたり、「○○の時間」というみんなでする活動には参加しようとしませんでした。

 

☆くんのお母さんは、保育園や習い事の場でもそうした指示の通りにくさや

集団活動での問題が見られることを気にかけておられました。

 

が、今回、わたしと☆くんと★くんの3人だけで遊んでいる間中、

☆くんはずっと上機嫌で、

わたしの言葉かけに即座に反応し、何かするたびに★くんといっしょにすることを欲し、★くんに話しかけたり、

★くんについてのクイズに答えようとしていました。

★くんは、☆くんを安心させ、積極的に振舞わせる要素を持っているようです。

 

★くんはムスッとした表情をしたまま、誰かが近づくと嫌がるそぶりをする

友好的とは言いがたい態度を取る子です。

そんな★くんを気遣って、わたしは新しい活動に入るたびに、

ゆっくり、わかりやすい短い言葉で、片手を挙げて合図をしたり、手を打ち合わせて合図をしたりして、

次にする活動を言葉にしていました。

目で見てわかるものを提示したり、そっと背中をとんとんして知らせたりして

何をするか気づかせてから、ひとつひとつ行動に移し終えるまで

見守っていました。

また、行動の急所や理由に気づくように、

身振りを交えた解説やクイズを出していました。

 

そうした関わり方をしていると、1度耳にした時は無視しているように見える★くんも

ゆったりともう一度うながした時には

行動に移すことがわかりました。

自分が次に行うことを判断することだけに集中できるような

静けさや刺激の少なさも自発的な行動につながるようでした。

 

そうした★くんへのていねいな提示や★くんが行動に移すまでに

少し時間がかかることは、

☆くんにとってもとても過ごしやすい環境を作りだしていたようです。

 

☆くんの積極的な言動からは、

「自分が何をしたらいいのかよくわかる」ことからくる自信が

伝わってきました。

 

☆くんは状況を読んだり、何をすべきか判断したりすることに

困り感を抱えているようです。情報の処理にもかなり

時間がかかっているようです。

人が好きで従順な子ですから、本人としては困っていても、

外から見ると困り感が見えにくいし、

扱いやすい子でもあります。

ほんの少していねいなサポート(☆くんの場合、よりわかりやすい提示の仕方や解説)

があれば、☆くんのお母さんが気にかけておられるような

「指示が通りにくく、一人だけうろうろ……」といった場面は減ってくるのかもしれないのに、

適切な配慮を受けにくいのが気にかかるところです。

 

★くんは自分から☆くんに話しかけていくことはありません。

急に「こうしよう」「ああしよう」と誘いかけることもありません。

 

そのおかげ……といったら変なのですが、☆くんは★くんの世話をあれこれ焼いたり、ちょっと一方通行な

おしゃべりを繰り返したり、「★くんは、~なのかな?」と★くんの気持ちを推測したり

するのがうれしくてたまらないようでした。

 

途中ですが、次回に続きます。

 

 

 

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