虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

子供の数の世界への興味に付き合う

2020-05-22 13:53:54 | 年中、年長

教室では何かを教えるというより、子供が興味を持った時にとことん付き合うという形で

接しています。

特に数の世界への興味を広げたり深めたりするさまざまな工夫をしています。

年中のAくんのレッスンの様子を紹介する中で、そうした工夫のひとつを紹介しますね。

恐竜を作っていたAくん。箱を出すと、「大きいのがいい」と言い、ひもを用意すると、

「長いの。もっと長いの」と言います。

「大きいか、小さいか」に敏感になっているAくんに、

数の世界の面白さを味わってもらうのにこんな工夫をしました。

紙箱(写真はカレーやビーフシチューのルーが入っていた箱ですが、レトルト食品など

が入っている箱でもいいです)を下の写真のように切ります。

箱を切るのははさみに慣れている子じゃないと難しいので、大人が手伝ってあげます。

側面をつないでいくと、長く伸ばしたり、コンパクトにたたんだりできる

はしご車のはしご部分のようなものができます。

箱の先端にヨーグルトのカップなどを貼ると、人形を乗せて高いところに

移動させるエレベーターができます。

Aくんは自分の作った恐竜の頭まで人形を運んで大喜びしていました。

箱の一番下には土台になる薄い箱を貼っています。

下の写真はAくんとエレベーター?が伸びた時の長さを測っているところです。

この1メートルの物差しは子供が大きいサイズのものを作る度に重宝しています。

家庭では100円ショップの巻き尺などを利用するのもいいかもしれません。

箱の厚さを加えると、98センチでした。

その後、Aくんも身長測定。

伸びきった時に届く高さが、斜めの時は低くなることをAくんは不思議がっていました。

 

下の写真は1年生の子が作った忍者を移動させる道具で遊ぶAくん。

忍者にはストローをつけています。

今、教室ではひもを使って小さい人形を移動させるのが流行っているんです。

子供がひもを欲しがる時はどれくらいの長さが欲しいかたずねていっしょに測り、

使い終わったら下の写真のような厚紙に巻いています。

そうすると、次に遊びたい子も長さに興味を抱きますから。

単位の変換も自然に身につきます。

こうした工夫の数々を近いうちに虹色オンライン算数教室のおまけブログにアップしていこうと考えて

いますので、興味のある方はもう少し待っていてくださいね。


ピタゴラスイッチ遊びの様子です

2020-04-20 10:54:14 | 年中、年長

(過去記事から)ピタゴラスイッチ遊びの様子です。

今回は、5歳の3トリオさんたちと、5分工作とはいえ、
なかなか面白いものを作ったのでご紹介します。

大迫力の超ロング ビー球スライダー!!です。

コーナンで買った隙間テープ太めに、細いの2本を貼っただけ(最初から両面テープがついているのでらくちんです)

そのままでも超ロングビー球スライダーとして
面白いのですが、今回は物理の実験もできるように
途中のスポンジにキリで穴をあけて針金を通してしばって
波の形の調節ができるようにしました。
(針金が嫌な方は、スポンジですから針と糸で縫うように作ることができます。)

 

裏に100円ショップの波型ダンボールを貼っています。
スポンジの裏が両面テープになっているので、
おちびちゃんにテープを保護している紙ををはがされて、床や壁にビー球スライダーを貼り付けられる前に……
予防策です!

やわらかい紙ならなんでもOKなんですが、
ちょっとかっこよく作りたかったので、ナミナミ~を貼っています。縦横に注意!
最初にこのロングスライダーの本体部分を作り上げたのは、
努力家Yくん。
その様子を見て、ひらめいたアイデアマンのTくん。
ゴール部分に工夫を加えます。
ビー球が車に衝突し、押された車がドミノのように
立ててあるブロックをたおす仕掛け。

ビー球の動きについて、きちんと計算して考えたい
Sくんは、ふたりにアドバイスを加えながら、
一生懸命お手伝い。
とても息のあった3人です。

ドミノが小さなブロックの上に乗っているのは、
わざとバランスを悪くして、
小さな力でブロックを倒す工夫です。
 
Yくん、ゴールまでビー球がよくすべる波の形が
作れました。
(このときは、まだ針金で調節する部分を作ってなかったので、
テープで輪ゴムを貼って調節しています)

完全なすべる形が作りたい方は、
高校用の物理の本や、ジェットコースターの仕組みを
扱った本を図書館で借りて
高さを調節してください。
輪ゴムでベルを取り付けて……
きちんといい音が鳴りました。

どの子も私のアイデアで何かするときより、
自分のアイデアを追求するときは本当に熱中します。

一番盛り上がるのが
うまくいかなくて、何とか新しい方法を試して
その難題を乗り越えようとしているときです。

前のゴール(ドミノ)はなかなかうまく倒れなかったんですが、
車を取り除いて、ビー玉の衝突が一番強く当たる場所に
ブロックを設置し、スタート地点を少し高くすることで
解決しました。
3人で試行錯誤しながらよくがんばりました。

アドバイスや手助けは最低限にして、
子どもが実現したいことを、よりしやすように……工夫しやすいように……
環境を整えています。

算数を学ぶ手動機械

2020-02-22 22:03:21 | 年中、年長

算数のレッスン中、子どもたちと自動販売機作りをすることがあります。

これがいろいろな年齢の子の算数の力を高めてくれる上、

作るのも遊ぶのも楽しいんです。

 

他にもさまざまな機械を作っているのでまたの

機会に紹介しますね。

 

<おつり暗算自動販売機です>

コイン3枚(100円2枚、500円1枚を段ボールなどで作ります。)

おつりのお金は口で言い、カードにチャージしてもらいます。

機械っぽくしゃべると面白いです。

カードは手のひらなどでカードのふりをしてもいいし、紙をカード風に切って

作るのもいいです。

 

遊び方

100円を投入して70円のボタンを押すと、

子どもに「おつりは30円です。カードをおつりの部分にタッチしてください。

おつりの30円をチャージします」と言ってもらうというしかけです。

 

200円投入したり、500円投入したりと

自然にレベルアップがねらえる上、チャージ式なので、

コインを増やさなくても遊べます。

 

 

↓の機械は1年生のAちゃんが作ってきてくれたものです。

年小の弟くんが自動販売機を作ってきたので、

自分用の大きな金額の機械を作ってきてくれました。

 

おみくじもついいています。


「先生、やって!」から、自ら進んで行動し、よく考える姿へ

2020-02-11 22:31:47 | 年中、年長

ちょっとなつかしい過去記事を。

記事にした年中グループの子たちは今はみな一年生になって

自分で積極的に物事に取り組むようになりました。

「やって!」と甘えていた子たちは、複雑な物作りの過程を

ていねいに最後までやりとげたり、算数で高い能力を発揮するように

成長してきました。

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年中になると、年少の頃に比べて、

できることも思考力もグンと伸びる一方で、

「あれれ?こんなにしっかりしている子が?」と思う子が、

十分にこなせる簡単な課題を、「先生やって!」と頼る姿もよく見かけます。

年中児の子らにありがちな「先生やって!」は、甘えて言っているわけでも、

めんどくさがって言っているわけでもなく、

この時期特有の完璧主義に由来することが多いです。

はさみで切るならはみ出さないようまっすぐ切れるか、鉛筆で書くなら

お手本通りきれいに書くことができるかが気になって、「できない」「やって!」に

つながるのです。

 

できるけれど「先生、やって!」を連発する子と関わる時は、

「自分でしなさい」とつっぱねるのでも、

「やってあげるわ」と簡単に引き受けるのでもない

心の葛藤につきあいながら、関わり方を微調整しながら、

自分でやっていく作業を励ましていくことが大事です。

子どもが「やって!」という時、不器用さから「やって!」と言っているのか、

急に他者の目や自分自身で自分のしていることを評価するようになったため

不安にとらわれているのか、

手伝ってもらうことで、より大きな目標を成し遂げようとしているのか、など

「やって」の背後にあるものを理解してから、

対応するようにします。

年中頃の「やって」は、それまでできていたことについて

やってほしがるものなので、

ただ甘えたり、怠けたりしているようにも見えるので、

心を傷つけるような声かけをしてしまう親御さんもいます。

でも、それは完璧主義に陥ってできない状態にある子には、

一番よくない対応だと思っています。

 

その子なら充分できるということを、

「できない。お母さん、やって!」と言う時、

これが正解というひとつの対応があるわけではなくて、

「自分でできるよ、やってごらん」と、本人がしはじめるまで待つのがいい時も

あるし、少し進むごとに、

「上手にできているよ。」「大丈夫、よくできている」と励ましていくのが

いい時もあるし、大雑把な完璧とはいえない手本や、

大人が手間取りながらゆっくり作業する様子を見せるのがいい時もあります。

また、時には、「やって」という言葉をそのまま受け止めて、してあげるのがいい

場合だってあるでしょう。

「完璧にやりたい気持ち」と「できないかもしれない不安」の間で揺れる気持ちを

理解している限り、どう関わろうと、

さほど気にしなくていいのだと思います。

 

完璧にできないかもしれない不安から

「やって」と頼る子への対応というと、

どうしても、「子どもが自分でするように仕向けること」がゴールとして

設定されて、

見守る大人の気持ちは、どんな声かけをしたらいいのかというところの

向かいがちです。

 

でも、「やって!」への対応は、それを自分でやるかどうか

ということとは全然別のところにたくさん答えが広がっている

感じています。

 

つい最近、年中のの女の子たちが、手作りのカートに貼る絵柄について、

「線がぐらぐらしてゆがんじゃうから切れない。先生して!」

「上手に切れないから先生切って!」と頼んできた出来事がありました。

その日、Aちゃんが、「ユースでお友だちが持っていたプリキュアの

コロコロがついたカバンが作りたい」と言い、他のふたりもそれに乗り、

スーツケースを作ることになりました。

それぞれが検索で出した画像から好きな絵を選んで印刷し、切り抜く運びになった

時、BちゃんとCちゃんが、「先生、やって!」と不安気な

声をあげたのです。

 

 

 

虹色教室に使っている部屋は、

もともと駐車場にしていたスペースをリフォームして作った部屋で、

外に面したところがガラス張りになっています。

そのため部屋の電気を消しても、ロールスクリーン越しに光が

差し込んで、部屋は明るいままです。

 

教室ではよく影絵遊びや光の実験をするのですが、

本格的に室内に暗闇を作る際には、外のシャッターを下ろすようにしています。

 

この日のレッスンでは、

子どもたちと「教室の中に宇宙を作ろう」と約束していたので

ライト類やセロファンなどを準備していたのですが、当日になって

子どもたちはスーツケース作りに熱中しはじめて、

「先生、後で、宇宙にしようね」

「先生、色水作って光らせるのしたいから、

プリキュアのやつ作ったらそれする」とわたしがシャッターを下ろす約束を

忘れないよう念押ししていました。

 

スーツケースを作り終えて、いざ、シャッターを下ろす段になって、

子どもたちが口々に、

「シャッターおろすのやらせて!」「わたしもしたい!」

「棒、かして、わたしも!!」と言いました。

 

金属の長い棒を高く掲げてシャッターの突起に引っ掛けて、引き下ろす作業は、

背の低い子どもには危険な作業です。

そこで、ひとりひとりに厳しく注意をうながした上で、

(事故を防ぐため、棒が顔に倒れないよう棒の横で支えています)

シャッターを下ろさせることになりました。

すると、どの子も、こちらの注意をていねいに聞き取って、

真剣な面持ちで重い金属の棒を扱う作業をやり遂げました。

 

最初から最後まで集中力をとぎらせず、一生懸命、

重い棒を扱う姿を見ながら、

少し前には、はさみでまっすぐ切るだけのことを

「やって!きれいにできないからやって!」と言っていたけれど、

実際、切りはじめたら、真剣な面持ちで、自分のしている作業を

逐一チェックしながらしていた姿が浮かびました。

 

また、懐中電灯に電池をセットする際も、

「先生、どちらの向きに入れたらいいの?これであっているの?」と

入れ方にも注意しながら作業していた様子が浮かびました。

 

できるのにすぐに「やって!」と頼るように、

大人の目には「悪いこと」と映る場面に遭遇した時、

即座にそれに対する対応だけに注意を向けるのではなく、

もう少し大きな視野でそれを眺め直してみると、

思っていたものとは真逆の肯定的な側面

見えてくることはよくあります。

 

子どもの中で今、成長しようとしている新たな可能性の芽が、

まだ慣れない環境でバランスが悪い状態のまま顔をだしている、

そう感じます。

「そんなことで?と感じる場面で尻込みする姿」と

「行動することだけでなく、行動する内容の質を気にかけるようなった姿」が、

表と裏、合わせてひとつのセットとなっているような年中さんたち

を目にして、年少までの姿との違いを思いました。

 

シャッターの棒を下ろす作業は、年少の子たちもやりたがります。

でも、たいていは、危なっかしく棒をふらふらさせて突起に引っ掛けた挙句、

グーッと力を込めて棒を下に引く段になると、力が抜けて、

「もういい」とこちらに仕事を預けてしまうことでしょう。

また、電池を交換するにしても、年少までの子は、

プラス極、マイナス極なんておかまいなしに、

とにかく電池を押し込んでおしまい、となりがちです。

 

それが、年中児となると、している作業にに心が伴ってきます。

やってることの意味を理解したり、うまくいかない原因を

推理したり、自分が何を期待されているのか、

自分はどんな風にやり遂げたいのか、意識したりしています。

とはいえ、そうした気持ちは、身近な大人に認めてもらい、

言葉にしてもらわないことには、

そうした思いが自分の中で渦まいていることすら気づけない時期でもあります。

こんなことがありました。

スーツケースの取っ手の作り方を教えると、

Bちゃんがいいことを思いつきました。

スーツケースの取っ手は引っ張ると長くなるし、

押さえると短くなるので、取っ手をストローに通すと、

伸びたり縮んだりするというのです。

Bちゃんの指示通りにストロー2本をつなげて作った取っ手を太めのストローに

通すと、伸び縮みするようになりましたが、

引っ張るとストローが抜けてしまいます。

セロテープのストッパーをつけることを提案すると、

それを見ていた子どもたちが、感心した様子で、

「長くしても取れないね」と言いました。

 

子どもたちと工作する時、いつも感じるのですが、

どんなにささやかなアイデアでも、発見でも、

子どもが自ら気づいたことは、他の何ものにも代えられないやる気のもとで

あり、もっともっと自分で考え、自分の手で取り組んでいこう

とする態度の起爆剤です。

 

年中の子たちというのは、「自分が気にしているポイント」については、

こうしたい、ああしたい、これは違う、こんな風になっている、

こことここはいっしょ、など、それは細かく言いたいことがあるものです。

思いが複雑になった分、自分の手にあまることも

やりたくて、うまくできない自分に

不安を覚えたり、イライラしたりしています。

 

伸び縮みする取っ手を作ったBちゃんは、今度は、スーツケースの側面にも

取っ手がつけたかったのです。

でも、困ったことが起きました。

上下の伸び縮み、右左の伸び縮みの取っ手を

スーツケースの背面に貼り付けると、ストローとストローが交差して重なり合って、

不格好な上、動かなくなるのです。

そこで、側面の取っ手は穴を開けて内側に貼ってはどうか?とたずねると、

とてもうれしそうでした。

こんな風に大人が解決した方法も、「そうか、そんなやり方があるのか」と響くのが

この時期の子ですが、手出しや何かを学ばせる働きかけは、全体の1、2割にして、

作業の面でも、方法を考える面でも、

ほとんど自分でやり遂げたという満足が残るように気をつけています。

 

下の写真は、スーツケースの内部の様子です。側面の取っ手が

スーツケースの中で伸び縮みするようになっています。

 

今回の話題は、年中児を中心に書いているのですが、

どの年代の子も、「あれれ?困ったな」と映る気になるところと

表と裏で一体となっている「この年齢ならではの新しい魅力や可能性

の芽」があるのを感じます。

対応はというと、「あれれ?困ったな」に大人が足をすくわれずに、

対になっているこれから育っていく肯定的な側面に

じっくりていねいにつきあっていると、いつの間にか、

最初に目にした否定的な面は、影をひそめてしまいます。

 

たとえば、年長児のそれは、

「やりたいことがないよ」「そんなのつまんない」という

めんどくさそうな態度です。

年中までは、それが何であれ、「やりたい!」「やらせて!」

と飛びついていたことに対して、「そんなのやったって面白くないもん」

「どうせ作ったってお母さんが捨てちゃう」

「あんまり大きいもの作ったら、持って帰ったらダメって言われるよ。

うちのお母さんは、これくらい(ティッシュ箱くらいを手で作り)じゃないと

だめっていうと思う」「どうせ~じゃない?」なんて生意気な言葉を

つぶやくようになります。

 

倦怠感を帯びたこうした年長児の姿と対になっているのは、

「急に全体像が見えてきた」「先が読めるようになって、やった後のことまで

見えてきた」という自分のしていることをメタな視点でとらえだした

兆しがあります。

 


年中さんの将来の夢は起業!?

2019-08-31 12:23:34 | 年中、年長

教室のリフォームのために9月の終わりまで教室をお休みとしていたのですが、

お願いする工務店が多忙なようで、リフォーム期間は少し先になりました。

心配していたトイレの手前の天井のヒビについては、専門の方に見ていただいたところ

安全性に心配がないとのことですので、教室を9月の頭から再開しようと思っています。

これからメールか電話で連絡していく予定ですが、まずこちらでもお知らせします。

(少し先になりますが、やはり新派いだからリフォーム後から通いたいという方はおっしゃってください。)

年中のAくんは、ずいぶん前からカーシェアリングに興味しんしんです。

お姉ちゃんが虹色教室でレッスンしている間、お母さんと近辺を散歩して、

「あそこにもあるね」「ここにもあるね」とカーシェアリングをしているタイムズの駐車場を

見てまわることから始まって、お出かけ時も田舎へ帰省した時も

カーシェアリングがあるかどうか気にかけるようになったそうです。

そうするうちに、看板にあるひらがなや漢字や英語の文字を真似して書くようになったのだとか。

こんなことがあって家族をびっくりさせたことがあるそうです。

Aくんと電車に乗っていた時、『女性専用車』という文字をじーっと見ていたAくんが、

女という漢字と専用の専が『カーシェア専用』と同じ字だと気づいたそうです。

そして、突然、漢字を指しながら、「ここは、女の人しか乗ったらいけないんじゃないの?」

とたずねたそうです。

Aくんによると、

カーシェアリングにはひとつ問題点があるそうです。というのは、車を借りたら、乗っていった先で乗り捨てできなくて、

借りた場所に戻さないといけないところだそうです。

それで、Aくんの今の将来の夢は、乗っていった先の駐車場に車を置くことができるカーシェアリングの

会社を作ることなのだとか。

Aくんのお母さんは、

「マイペースに過ごさせる幼稚園と虹色教室に通っているだけで

習い事などは何もさせていないけれど、子どもの興味につきあっていると

こんなにも主体的に学ぶんですね」と驚いておられました。Aくんには少し年の離れたお姉ちゃんがいるのですが、

「姉がAくんくえらいの時は、親がさせたいことや、外から入る情報に振り回されて

関わっていたので、今思うと、悔やまれます」ともおっしゃっていました。

 

Aくんにカーシェアリングについてたずねると、いきいきとこんな説明をしてくれます。

「まず、先にお家で予約をする。それから、ステーションでタイムズカーシェアの

ところでカードをあててタッチして、トランクをあけたら、チャイルドシートも入っているんだよ。

ロックして、ドアをあけてみて、あくだったら、もう一回やってしめて、おわり」

 

Aくんとの算数タイム。

Aくんのお気に入りのポーションエクスプローションというゲームをしてから

得点計算をしました。

いつの間にか、6+7+9+10+8=といった計算も

暗算でできるようになっていました。

Aくんのお母さんによると、大好きなゲームの得点計算をする時に、虹色教室で習った、

「7+7は、5と5で10、2と2で4。14!」などと言いながら、

手と手を合わせてする計算をするうちにくりあがりのあるたし算が自然にできるようになったそうです。

自分の興味を出発点にして学ぶ大切さを感じました。

時計で遊びました。


ドラムが作りたい

2019-06-27 22:05:33 | 年中、年長

小学1年生のAくん。

教室に着くなり、「ドラムが作りたい!」と意気込んでいました。

何でも間近でドラムをたたいている人を見る機会があったのだとか。

Aくんは体験したことや目新しく見聞きしたものを

工作で再現するのが大好きで、それは細かいところにまでこだわります。

足で踏むと、ドラムを打つしかけを真剣に作っていました。

できあがった作品はこの通り。

 


「木を育てるように子どもを育てる」こと と 長所と短所は紙一重という話

2019-06-08 08:59:37 | 年中、年長

都留文科大学副学長の福田誠治氏の記念講演会のレポートを読みました。
テーマは、PISA(国際学習到達度調査)で常に好成績を獲得している
フィンランドの教育事情についてでした。

簡単にまとめさせていただきますね。
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福田誠治氏は、PISAの結果を分析してなぜフィンランドが上位であり続けるのか、何度も現地を訪問して調査したそうです。

そこで、
PISAの結果がよかったからといって、現地の子の授業量は多いわけではなく、
PISA用の参考書や問題集があるわけではないことが
わかったのだとか。

義務教育期間中、クラス内の小テストはありますが、成績を比較するためのテストはありません。
フィンランドではテストがなくても、子どもたちは自発的に学んでいるのだそうです。

「木を育てるように子供を育てる」というように、フィンランドでは、長い目でみた子育てをしています。
大人は促しはするけど、強制はせずに子どもが学ぶ気がおきるまで
待っているのです。

フィンランド学校の雰囲気はのんびりまったり。
それにもかかわらず元教育大臣は、「もっとゆったりさせたい。人と会話するなかでも相手にも考えさせる時間を与えるという人間関係をつくってほしいから」と言うので、福田氏はびっくりしたそうです。

教育の重点を人とコミュニーケションをとることに置いていて、
背景にはEUがあるそうです。

27ヶ国4億9000万人からなるEUは、文化も言語も異なる人種がいます。
すると、考え方や正解を1つに定めるのではなく、
コミュニケーションを取りながら
異なる意見を組み合わせ、よりよい解答を見いだそうとなります。
そのコミュニケーションに必要となる読解力や想像力、考える力をつけるように子どもたちを導こうとしているのです。
                   (えるふ vol.27より)
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フィンランドの教育を、安易に子どもに「ゆとりをもたせよう」とする
スローガンだけで
取り入れるのは無理があるのかもしれません。

しかし、ますます国際化していく日本の子どもたちにとって、
コミュニケーションを主とする真の地頭力を育む教育が
これから求められているのも事実ではないでしょうか。

日本の親や教師たちの子どもへの接し方って、
「何度、鍵をかけても、心配になってもう一度確かめないと気がすまない」
「何度手を洗っても、汚れている気がして洗ってしまう」
といった不安からくる強迫的な行為を繰り返すのに似ていたりもします。


子どもが、ゆったりくつろいでいるだけで、
もういてもたってもいられなくなって、「はやくはやく」と
勉強とかピアノのレッスンとか何か有意義なことをさせておかないと、

他の子に遅れをとって取り返しがつかないことになると思っているようです。

幼稚園の子の親御さんからも、小学生の親御さんからも、
ちょっとゆったりと考え事をしながら、
子どもがボーッとしている時間がたまにある……というだけで、
「どうすればいいでしょう?」「何をさせればいいでしょう?」
「どうすればもっとテキパキしてくれるのでしょう?」と相談をお受けすることがよくあるのです。


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以前、ストレングス・ファインダーという
かなり本格的な自分の強みを調べるテストをしたことがあります。


テストは180項目もあって、
私はひとりでのんびりボーッとすることが好きなので、たびたびそういった内容にチェックを入れることがありました。
すると、ただの「のんびり屋のだらだらした性質」かと思いきや、
「内省」というそれなりの強みの名前がついて、悪いものではないんだな、
これはこれで自分の成長の種だったんだなと気づきました。

フィンランドの教育のように、人と人が響きあったり、
ひとつのことをじっくり考えることができるような余裕があれば、
子どもそれぞれの欠点のように見えるものからも、
その子固有の資質の輝きが育ってくるのかもしれません。

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<内省>

あなたは考えることが好きです。あなたは頭脳活動を好みます。あなたは脳を刺激し、縦横無尽に頭を働かせることが好きです。あなたが頭を働かせている方向は、例えば問題を解こうとしているのかもしれないし、アイデアを考え出そうとしているのかもしれないし、あるいは他の人の感情を理解しようとしているのかもしれません。何に集中しているかは、あなたの他の強みによるでしょう。一方では、頭を働かせている方向は一点に定まっていない可能性もあります。内省という資質は、あなたが何を考えているかというところまで影響するわけではありません。単に、あなたは考えることが好きだということを意味しているだけです。あなたは独りの時間を楽しむ類の人です。なぜなら、独りでいる時間は、黙想し内省するための時間だからです。あなたは内省的です。ある意味で、あなたは自分自身の最良の伴侶です。あなたは自分自身にいろいろな質問を投げ掛け、自分でそれぞれの回答がどうであるかを検討します。この内省という資質により、あなたは実際に行っていることと頭の中で考えて検討したことと比べた時、若干不満を覚えるかもしれません。あるいはこの内省という資質は、その日の出来事や、予定している人との会話などといったような、より現実的な事柄に向かうかもしれません。それがどの方向にあなたを導くにしても、この頭の中でのやりとりはあなたの人生で変わらぬものの一つです。 

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こうした内容を読んだとき、
今の子たちのほとんどが、「内省」という強みを持って生まれても
それを伸ばすのに必要な静かな時間を与えられていないことに
心が痛みました。

『教育』について、より高い視点からの理解が、
求められる時代だと感じています。


ほしいものは作って遊ぶ

2019-06-06 20:56:03 | 年中、年長

 

年長のAくんとBくんのレッスンで。

持っていないけれどゲーム機にあこがれがあるAくん。

お友達のお家で見たドラえもんの月面探査機のゲームを作ることにしました。

紙を引っ張るとゲーム画面が動きます。

途中でAくんは青いチップを画面上に並べて、「これを取ってもらえることにしていい?」と聞きました。

「青いチップは算数の勉強に使うものだからあげるわけにはいかないけど、

青いシールをあげるから自分で作ることができるよ。

ドラえもんがちゃんとチップを取れるように磁石とかで工夫してみたらどう?」

とたずねると、了解しました。

ドラえもんの裏に磁石をつけて、青いチップにクリップをつけると

ゲーム上のドラえもんがチップを取るしくみができました。

チップは画面の紙に貼った透明フィルムのポケットの中に入れました。

 

するとAくんが、チップを取ったら数字が大きくなっていくようにしたいよ。

ここにカウントするところがついているんだよ」と言って画面の右上を指さしました。

そこでAくんと相談しながら数字が変わっていく仕組みを作ることにしました。

丸い形に切ったプレートの真ん中に穴を開けてクリップを通してくるくる回転するようにしました。

上に四角い穴を開けた窓を取り付けました。

丸い形を回すと数字が変わります。

簡単だけど面白いしくみです。

 

工作の間に、AくんとBくんはせっせと子ども銀行のお札を数えていました。

 

算数の時間、最れべ1年生の問題を読んで、問題通りに人形や小物を並べて

答えを考えているところです。

 

14人の子どもにえんぴつを1本ずつ配ったら

2本足りませんでした。

えんぴつは最初に何本あったでしょう?


という問題を考えているところです。

まずえんぴつは配らずに答えを考えてみました。

Bくんは「12本」と答えました。

Aくんは考えるよりまずえんぴつを配ってしまいたいようでした。

「ちょっと我慢して、先に考えてみて」と言うと、悩みながら正しい答えがわかりました。


数当て遊び

2019-05-30 14:23:41 | 年中、年長

 

教室でさまざまな形でする数当て遊びの様子です。

最初の数が5と認識してから、子どもに目を閉じさせ、

その間にいくつかにトレイをかぶせて数を当てさせます。

はじめはとんちんかんな答えを言っていた子も

何度か遊ぶと見えている数から推理して中身をきちんと当てるようになちます。

 

下は答え合わせの瞬間。

間違っても気にせず、答え合わせを楽しみます。

 

次は最初の数を10にしてチャレンジ。

 

 

少し遊ぶと子どもたちは見えない数を推理するのがとても上手になってきます。

 

たし算やかけ算の結果も隠して推理して遊んでいると、

頭の中で見えない数をイメージして答えるようになってきます。

 

「いそげ、いそげ」と20ずつ色のキューブを置いています。

「あといくつ足りないか」瞬時に判断します。

 

答えるようになってきます。


年中さんの「なぜ?」「どうして?」

2019-03-30 08:55:05 | 年中、年長

年中のAちゃんは、さまざまな活動にマイペースにじっくり関わる子です。

この日も他の子が作ったビー玉コースターで、長い時間遊んで、どこがどうなっているのか、隅々まで観察して

うまく転がる理由や転がらない理由について熱心におしゃべりしていました。

Aちゃんのお母さんの話では、最近、「どうして?」「なぜ?」と一日中たずねているそうで、

工作や実験を通して物を観察する目が高度になってきたためか、

「このおもちゃの(さしこんである人形部分)あんぱんまんは、

どうやって入れたの?こっちを先に入れて、それから次にここを作ったのかな?

どういう順番で入れたのかな?」とか、

「どうして線路に石があるの?どうして線路に石がいるの?」とか、

どうして電車の上にひも(架線)があるの?どこまで(架線は)あるの?」

疑問が、以前より具体的なものになっているそうです。

Aちゃん、教室でも「なぜ?なぜ?」を連発していました。

この日は年中の女の子ふたりのレッスンだったのですが、年小時代に比べ、

何かやり遂げると、「もう一回」「もう一回」と繰り返しやりたがる熱心さが目立ちました。

 

上の本は、「1はウラパン、2はオコサ」と言いながら数を数えていく数遊びです。

けっこう難しいのですが、ふたりとも一生懸命参加していました。

ちょっと難しいことにチャレンジするのが楽しい時期のようです。