虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

就学前に何を学習したらよいか  心的パターンを創造するよう うながすには? 2

2014-03-31 12:08:30 | 教育論 読者の方からのQ&A

 

幼児期の子どもが心的なパターンを創造していくには、どんな環境が必要なのか、

レッジョ・エミリアにしても、モンテッソーリにしても、

そのほかの幼児の認知の発達をていねいに研究している方々にしても、

さまざまな貴重な実践方法を提示しています。

 

そうした実践のひとつひとつに向き合ってみたら、どうだったのか。

上手くいかない場合、どのような工夫が必要だったのか。

 

自分の子らや虹色教室の子どもたちと過ごす中で発見したことを

順に整理していきたい、と目論んでいます。

 

とはいえ、あれもこれもと盛り込もうとすると、

読んでいる方々に混乱を与えてしまうでしょうから、

まず最初に、赤ちゃん期から青年期までの子どもに必要な働きかけと、

発達研究の成果をバランスよく伝えてくれる

『よみがえれ思考力(ジェーン・ハーリー著)』で取り上げられている

<就学前の子向けのガイドライン>をベースにして

教室で発見したことについて書いていこうと思います。

 

ここから下の赤い文字で書いている部分は、『よみがえれ思考力』からの引用です。

 

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★六歳以前の子どもの仕事は、周りの世界を理解する方法を学習することであり、

学習に関わる神経構造が関与しない意味のない教材を丸暗記させることでは

ないことに気をつける。


★心的パターンは感覚連合のネットワークの上に作られる。

感覚的な世界のパターンに注意を向かせるように子どもたちに仕向ける。たとえば、

「これはどんな味がする?」とか「それは何の形に似てる?」という問いかけをする。


★日常的な出来事の中で、子どもが関係や意味を理解できるように助けること。

たとえば、子どもがくどくど聞き続ける「なぜ」という質問は、

出来事のつながりをつけたいニードの表現法の一つである。

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上の3つのことは、幼児との関わりでとても大切なことですが、

親子関係でも園などの先生と子どもの間でも軽視されがちなことのように感じます。

幼児は、目で見ること、耳で聞くこと、手触りや匂い、味などに注意を向けて、

言葉で大人と共感しあう中で、感覚的な世界のパターンに気づいていきます。


幼児の暮らしが、「とにかく何かをしなくては」「できるようにならなくては」と

アウトプットをして周囲に評価されることを中心に回っていることはよくあります。


そんなふうに忙しくしていると、長い時間、何かを覗きこんでみたり、耳をすませたり、

砂や粘土の感触と戯れたり、匂いを嗅いだり味わったりしながら、大人とおしゃべりする

時間は、どれも無意味で無駄な時間のようにしか感じられないかもしれません。

でも、それは大きな間違いのようです。

 

幼児の心的パターンは、感覚連合のネットワークの上に築かれるのですから。

以前、こんな記事を書いたことがあります。具体的な方法を知りたい方は、

リンク先に飛んでくださいね。

 

★幼児が「よく考える」ようになるためのいくつかのステップ 1 <見る>

★幼児が「よく考える」ようになるためのいくつかのステップ 2 <見た後で>

★幼児が「よく考える」ようになるためのいくつかのステップ 3 <聞く>

★幼児が「よく考える」ようになるためのいくつかのステップ 4 <聞いた後で> 

★幼児が「よく考える」ようになるためのいくつかのステップ 5<感じる>

 

子どもが関係や意味を理解できるようになるために、子どもの体験するさまざまな

出来事をていねいに解説を添えたり、子どもが自分でやってみれるようにしたり、

子どもにもわかるレベルの間違った推理をして、「ちがうね~」と考えさせる機会を

作るようにしています。ちょっとした工作をするのも、役立ちます。

次のリンク先は、2歳6ヶ月の◆ちゃんのレッスンの様子です。

 

2歳6ヶ月の◆ちゃん 昼と夜が気になる

 

◆ちゃんの一つひとつの体験に、ゆったりていねいに付き合うことで、

◆ちゃんはさまざまなことに疑問を持ち、周囲の物事を関連づけ、

論理的に考えていく力を発展させていきました。この春、年中さんになりますが、

観察力、ゲームのルールや物語などの理解力、分析する力、言葉で表現する力、

エネルギッシュに物を作り出す力など、どれもしっかりと育っています。

 

 

これは、春休みの算数クラブに来た新年長さんたちの工作風景です。

ゴムで飛ばす鉄砲のようなものや弓矢のようなものを作って

得点ゲームを作っています。

ゴムが引っかからず、うまくいかないとき、「どうすればいいのかな?」と

一緒に作品を眺めていたら、

「そうだ、引っかけるところを作ればいいんだよ」と言いながら、

ハサミで逆三角形の切り込みを入れていました。

また、お友だちの作品と同じものを作ろうとして、

真似してストローを貼り付けたものの、実際、ゴムをかけてみると、

ゴムがストローと鉄砲の間に食い込んで飛びませんでした。

「どうしてだろう?」と、うまくいかない部分を観察していると、

「わかった、セロテープを真ん中らへんに貼ってるからだ。

だから、ゴムが入っちゃうんだ」とうれしそうに言っていました。

「こうよ」と教えるのではなく、「どうすればいいかな?」「どうしてだろう?」と

一緒に首をかしげながら、物をさまざまな視点から観察してみる体験は、

見る力の質的な変化をうながします。

次回に続きます。

 

 

 

 

 

 

 

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就学前に何を学習したらよいか  心的パターンを創造するよう うながすには? 1

2014-03-31 09:16:11 | 幼児教育の基本

『よみがえれ思考力』の著者、ジェーン・ハーリーは、小中学校の教員、

読みと学習のスペシャリスト、大学教員、小学校校長などのキャリアを持つ、

国際的にも評価のある研究者です。

 

ジェーン・ハーリーは、子どもの学習について長年研究したのち、

パターンというものが知能にとっては鍵であると確信するようになったそうです。

情報をパターン化するということは、それまで発達している心的な留め金で

新しい情報を関連付け、まとめあげることです。

感覚レベルで入力された情報をまとめあげ、関係性を「見て取る」ことができる

子どもたちは、思考と考えをまとめあげるのに手間取りません。

 

わたしは虹色教室で自閉症の子たちと接することが多いのですが、

どの子も経験したことを意味へと落とし込めないために困っています。

学校での成績は抜群の一部のアスペルガー症候群の子らにしても、

経験から意味をつむぎだすのは、非常に苦手なようです。

 

ジェーン・ハーリーも、自閉症児のひきこもりや異常なこだわりは、

経験を意味のある形にまとめることができないことの障害から派生しており、

彼らは見たもの、聞いたもの、感じた物が混沌とした状態になっているのだと

多くの専門家が考えていることを指摘しています。

 

ジェーン・ハーリーによると、早期教育の弊害とは、

レベルの高い課題を、その脳の領域が発達する前にこなそうとすると、

低次の神経系を使ったり、自分で意味のパターンを創造するより、

言われたことをただ受け取るような「習慣」がつくことに原因があるようです。

 

就学前の子に何より大切なのは、

意味を探究し、自分で意味のパターンを創造するように援助することです。

 

虹色教室の活動でも、子どもが周りの世界を理解する方法を身につけること、

自ら心的パターンを創造していくよう助けることを一番大切にしています。

 

といっても、そうした言葉だけでは、具体的にどんな関わりをしたらいいのか

ピンとこないですよね。

『よみがえれ思考力』の中にも、ほかのさまざまな幼児の発達を研究する本の中にも、

ヒントやアドバイスが載ってはいますが、

実際にそれを実行するとなると、戸惑う方も多いのではないかと感じています。

 

そこで、教室で心的パターンを創造するために

どんな働きかけをしていて、子どもがどのように成長していったのか、

できるだけていねいに書いていこうと思っています。

 

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虹色教室をしながら心がけていること。 悩みとこれからの課題 1

2014-03-30 23:14:45 | 日々思うこと 雑感

この数ヶ月、ブログを書こうとするたびに、もやもやした迷いに捉われて、

書きたい伝えたいと思っていたことは書かずに、

溜まった写真にコメントを入れるような文章でお茶を濁して終わっていました。

 

どうすれば子どもが意欲的に自分の知力を限界まで使って活動するのか?

 

どうすれば子どもが遊びの中で、

さまざまな思考のパターンを身につけて使いこなすようになるのか?

 

どんな言葉かけが、子どもの物を見る力を変容させて、知的好奇心に火をつけるのか?


ひとりひとりの子どもの個性をどう育んでいけばいいのか?

 

どうすれば親御さんの子育て上の悩みが解決するのか?

 

そうした疑問への答えは、教室を続けるうちに、

わたしの中ではずいぶん細かい部分まで整理されていて、

実際に試して、とてもよい結果を得た経験の積み重ねが、自信につながってもいます。

 

でも、いざ具体的な方法を言葉にしようとすると、

書きたいことはパンパンに膨らんでいるのに、

最初に書いた「もやもやした迷い」に捉われて、

何も書けなくなってしまうことが続いていました。

 

自分でもはっきりした原因がわからなかったのですが、

『よみがえれ思考力(ジェーン・ハーリー著)』という本を読むうちに

頭と心にかかっていた靄が晴れてきました。

また、自分が今すべきことも見えてきました。

 

 

わたしが幼児の認知発達の研究や七つ(あるいはそれ以上)の知能因子、

世界の幼児教育、思考力を育てるための教育システムの研究などに興味を持って、

いろいろな本に目を通すようになって20年以上経ちます。

読むだけでは飽き足らず、試してみなくては気がすまない性格なので、

研究で良い成果が出ていると知ると、

実際に子どもとの関わりに生かすようにしてきました。

 

すると、研究結果に、「これこれするといい結果がでましたよ」とあっても、

それを個性の異なる子どもにアプローチするとなると、

簡単ではないことがわかりました。

 

たとえば、

「子どもに遊びの主導権を与える。見せること。指示したり、指図してはいけない。

遊びや道具の新しい使い方に寛容であること」や

「多少の間違いがあっても子どもを保護しないこと。間違いから学ばせること。」

が、後の子どもの知力の礎になると知っても、

知ったら即、に実行できるようになることでもないですよね。

 

主導権を与えるといっても、子どもの言いなりになることではないし、

指示や指図がいけないとあっても、それが必要な場面ももちろんあるわけです。

「間違いを保護するって何?」とピンとこない方もいるかもしれません。

 

そこに書かれていることを正確に受け取って、現実の子育てで生かすためには、

子どもとの関わりを微調整するための知恵や洞察力がいるし、

遊びの場面ごとの具体的なアイデアや工夫や、

子どもから返ってくるフィードバックを確認しながら、

関係をより良いものにしていく努力もいります。

 

 

積み木やブロックが子どもの語彙を増やし、知能を高めるとあっても、

ただ買ってきて、子ども部屋に置いておけばいいというわけでもありません。

どうやったら、子どもがそれで遊び込み、想像力や創造力をしっかり使うように

なるのか、たくさんの具体的なアイデアが必要です。

また子どもの言葉を引き出すような適度な関わり方を学ぶことも。

 

そんなふうに、

さらっと読めて、当たり前のように感じる文にすれば一行か二行の内容も、

現実でうまく機能させるには、

とにかく子どもと過ごして、いろいろ試して、経験から学ぶ

たくさんの時間を要するのです。

 

前置きが長くなっちゃいましたが……。

 

教室をしていると、

日々はその試行錯誤と気づきの連続です。

環境のあり方や接し方は、より子どもの潜在的な力を引き出せるよう

洗練されてきたのを実感しています。

家庭での子育てや教育に役立つだろうと思う、具体的なアイデアも豊富にあります。

 

でも、これまで自分のやっていることの「もと」となっているものをきちんと伝えず、

共有する努力を怠ってきたから、

「こうしたら、こんないい成果があったよ」というさらっと聞き流す話の寄せ集めに

なりつつあるような気がして、

ここのところ、書くのをためらっていたんだとわかりました。

 

わたしがすごく大事だと思って、毎日、探究していることも、

相手がそれに価値を感じていなければ、伝えても無意味なはずです。

 

日本では、「脳の研究」として、

「こういうことをすれば知能が伸びる」とか「こうすれば発達する」といった

情報はもてはやされています。でもどれも実際に多くの子に試して、

追跡調査までして得た結果というわけではなさそうです。

 

一方、きちんと子どもが大きくなるまで追跡調査をし、多くの専門家や研究者が

太鼓判を押しているような情報のほとんどが、

日本で子育てをしている親の間で共有されていません。

 

だとすると、わたしも、「こんなことをしたら、こんなふうになりました」といった

枝葉にあたる話題ばかり書かずに、

一度、自分が教室でしていることの「大もと」となっているものを

ひとつひとつ書いて整理していく必要があるのかもしれません。

 

がんばって書いていくことにしますね。

 

 

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0~3歳の脳を形づくる環境がわかるスケール

2014-03-29 18:45:15 | 幼児教育の基本

『よみがえれ思考力(ジェーン・ハーリー著/大修館書店)』によると、

0~3歳の子の日常生活が、長期にわたって知能に影響を及ぼす要因を調べた

研究結果は一貫しているそうです。

 

次のスケールは、未熟児などで「危険な状態にある」子どもや、

このスケールで高得点った家庭は、

未熟児や出生前の悪い原因などで「危険な状態にある」子どもを、

知能テストにおいて、3歳までに健常児と同じレベルに引き上げることができている

ことが明らかになっています。

 

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<0~3歳の子どもの家庭環境の6つの要因を調べるスケール>

 

① 世話をする人の情熱的、言語的な反応の仕方

子どもが声を出したときに、反応しないとか、単に動作を真似するという

レベルではなく、親愛を込めて、心のこもった言葉で応えているか。

 

② 制限や罰を避けること

世話する人は、怒ったり、怒鳴ったり、体罰を加えたり、不必要に子どもに

制約を与えるようなことを慎んでいるか。

 

③ 物理的な環境を整えること

子どもの世界が安全な場所になっているか。

子どもはほかの大人たちといつも接しているか。

テレビを見る時間は定められていて、最小限になっているか。

 

④ 適切な遊び道具があること

 積んだり、まとめたりする道具、組み立て式のおもちゃ。

付け替えることができる部分のあるブロックなどのおもちゃ、

さまざまなやり方で使うことができる創造的な道具など、

手と目をよりうまく使わせるような操作ができるおもちゃがあるか。

表面的な細工だけが子どもたちの興味を惹きつけるような遊具ではないか。

子どもたちが受け身ではなく積極的に関わることができるようになっているか。

 

⑤ 大人と子どもへの関わり方

世話する人は子どもたちがどこにいるか知っているか。

その人たちはよく子どもに目を向け、子どもたちの活動に興味をもっているか。

 

⑥ 日常活動でさまざまなものに出会うチャンス

世話する人は子どもたちを外に連れ出し、観察したり、操作したりできるような

何か目新しいことをさせているか。

愛情をもった大人が週に少なくとも3回は物語を読んで聞かせているか。  

          『よみがえれ思考力(ジェーン・ハーリー著)』より引用

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上のスケールについては、虹色教室のベビーレッスンでも、親御さんたちに

繰り返し気をつけていただいている点でもあります。

『よみがえれ思考力』にある研究結果同様、①~⑥のチェック項目のすべてを満たす

関わりをしている親御さんの子どもは、発達がとてもいいですし、

未熟児で病院の定期検診を受けている子や発達に気がかりなところがあった子も、

発達の遅れが取り戻されていくのを実感しています。

 

『よみがえれ思考力』には、先のスケールで、低い得点しか

得られなかった家庭の子どもたちは、発達の遅れを取り戻すことができなかった、とも

書かれています。

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鏡で作る雪の結晶?

2014-03-28 16:02:57 | 理科 科学クラブ

東京から、もうすぐ年長になる★くんが教室に遊びに来てくれました。

 

きれいなものが大好きな★くん。

 

書店の「世界の化石鉱物展」で購入した「アンモナイトの化石」と

「丸い卵のように見えて、内部がキラキラと輝いている不思議な鉱物」と

いただきもののハニカムペーパーを見せました。

すると、★くんは興奮しながら、

「アンモナイトの化石ね、丸の内ビルで見つけたよ」と言いました。

それからハニカムペーパーを指しながら、「あのねぇ、あのねぇ、

魚のうろこに似ているね、それ。同じ形がいっぱいで……」と付け加えました。

 

★くんがあんまり感激していたので、

『21世紀子ども百科』の自然の中に見られる美しい形について書いてあるページと

結晶の写真が載っているページをいっしょに見ました。

 

「結晶を作ってみたい!」という★くん。

「尿素の結晶を作る材料ならそろっているけど、できるまでに少し時間がかかるから……

そうだ、今日は鏡を使って雪の結晶作ってみる?」とたずねると、

「やってみたい」と★くん。

 

雪の結晶の本を見ながら、木の枝みたいな形を一本だけ描いて、

鏡二枚で、小さな結晶がだんだん形になっていく様を再現して遊びました。

本物の結晶ではないけれど、鏡が作りだす神秘的な世界に

夢中になっていました。

 

↑ 「名づけて、指の結晶!」なのだそうです。

 

 

作りかけの九九タワーを見て、即座に「2ずつ増えている」「3ずつ増えている」と

了解した★くんは、いっしょに九九を唱えながら、それにあった段をたどっていました。

 

発光する液体が入っているブレスレット。説明書を見ながら作ってから、

「4時間~6時間、光が持続する」ということは、

何時くらいまで光っているのか時計を見ながら考えました。

 

スライム作りは夏の間限定……ということにしたかったのに、年がら年中、子どもたちから

催促されるので、スライム用の洗濯のりを常備中です。

 

★くんの発見!

やわらかめのスライムを、スプーンでくるくるかき混ぜながら持ち上げると、

水あめ状の竜巻が発生しているように見えました。

  

ついでに、ろうそくの実験。

 

算数タイムに『カタンの開拓者』というゲームで遊んだり、

繰り上がりのある計算を学んだりしました。

 

 

帰り際、★くんは教室の棚に飾ってあるレオナルド・ダウィンチの発明スケッチを

模型にした、旋回する橋や連射式大砲を手に取って眺めていました。

 

そこで、ダ・ウ゛ィンチの発明のスケッチをCGで再現している

『ダ・ウ゛ィンチ 天才の仕事』(二見書房)を見せてあげると、

★くんは触れる模型を見るときよりもずっと熱心に、

動くしかけを説明したイラストを見続けていました。

★くんは教室に初めて来てくれた2歳の頃から、工作をしながら、

動くしかけについてあれやこれや口を挟むのが好きだったので、

設計図面のようなものに強く心惹かれるところがあるようです。

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自分なりの審美眼 (前回の記事の補足です) 3

2014-03-27 18:39:37 | 算数

 

1週間ほど前にいただいたコメントの中で、

『物理と対称性 クォークから進化まで(坂東昌子著)』という本を知り、

早速購入して読んでみました。読みやすくてとても面白かったです。

 

第一章のタイトルは「現代物理の審美眼」。

 

ちょうど記事で、東大パパさんのブログから借りてきた審美眼という言葉を

使っているところだったので、妙にこのタイトルに引き付けられました。

わたし同様、「現代物理の審美眼って?」と興味をそそられた方のために、

一部を紹介させていただきますね。

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推理小説の場合でも、一見何の脈絡もなく起こる事件の中に存在する共通の意図や

共通する手口などを見いだし、犯人を追いつめていく。

それと同じように、物理は、一見対称性もなく乱雑な現象に見えるときでも、

そこに隠れている規則性や対称性を鋭く見つけだし、背後にある美しさを発見する

営みである。

こうした「隠れた美しさ」を発見する「審美眼」こそが、自然の構造や宇宙の神秘を

解き明かす大切な武器なのである。

この「審美眼」を訓練によって持ちあわせているところが、物理屋の特性である。

そしてこれこそが、物理屋が「対称性」について語ることのできる

最も得意なところである。

(『物理と対称性 クォークから進化まで』坂東昌子著/丸善株式会社 P3より引用)

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 本の中に、「自発的対称性の破れ」という言葉を見つけて、

教室の子らと大阪市立科学館でさんざん遊んだ、

「磁石テーブル(4Fにあります)」のことを思い出しました。

 

「磁石テーブル」というのは、

「素粒子物理学と核物理学における自発的対称性の破れの発見」でノーベル賞を

受賞された南部陽一郎博士の南部理論がわかるようになっている展示物です。

ゲゲゲの鬼太郎の目玉おやじのようなもの(カーアクセサリー用の方位磁石)が

大量にターンテーブルに敷き詰めてあって、うにょうにょ動く……という……

いかにも子どもの興味を引きそうな展示です。

 

大阪市立科学館に行く予定がある方は、ぜひ寄ってみてくださいね。

 

大阪市立科学館に行ってきました♪ の記事の中で、

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磁石コーナーに関心がある子が多かったので、大阪市立科学館で作っている小冊子の

『磁石と自発的対称性のやぶれ(斎藤芳吉彦著)』を買ってきました(200円)。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

と書いたものの、子どもには難しい内容なので、

自分たちが遊んだ展示物の写真を見ながら、

あれこれ話をするために使っているだけなんですが、

「科学館で小冊子が買える!」という点に強い関心を示す子もいるので、

購入してよかったです。

 

 

算数ゲームを作っているところです。

テーマは流行のアニメでもゲームのキャラクターでも恐竜でも

何でもいいことにしているのですが、意外にも『世界遺産の図鑑』から

選ぶ子が一番多いです。 

 

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自分なりの審美眼 (春休みの算数クラブ ) 2

2014-03-26 16:16:30 | 算数

 

子どもと物作りをしていると、それぞれの子の性質や、

何に対して美意識を持っているのかよくわかります。

 

物を選ぶとき、何を基準にするか。

 

パッと目を引く得しそうなものを選ぶ子。流行に敏感な子。

素材やデザインの美しさで選ぶ子。

自分の中に閃いたアイデア重視の子(白い紙を好みます)。

大人に指示してもらわないと何も選べない子。

ほかの子らはまったく興味を引かないようなものに強い関心を示す子。

最終的な完成形をイメージした目的に添ったものを選ぶ子もいれば、

素材と戯れたり、実験的に素材と格闘したりする目的で、選ぶ子もいます。

選ぶ際に、何を選ぶかよりも、選ぶ活動の中で動く人の感情や人との関わりに

関心が行く子もいます。 

また選ぶ姿には、決断力とか想像力とか計画性とか柔軟性なんかが

見てとれます。

 

 

作る過程で、発揮される能力もさまざまです。

 自分のしていることをモニタリングしながら段取りよく作っていける子。

イメージの世界を広げて、さまざまな意味付けをしながら作る子。

こちらが教える技術を習得するのが上手な子。

模倣するのが上手な子。新しく学習したことを自分で発展させるのが得意な子。

作る過程で、気づいたことを言葉にする能力が優れた子。

  

 前回の記事(6日目)の●ちゃんは、立体の図形に対する感性が優れた子だな、と

感じるシーンがありました。

 

雑誌にあったシルバニアファミリーの写真を使ってゲームを作ることにした●ちゃん。

わたしが駒にする人形の絵を立てるために、細く切った画用紙を折って

上の写真のような形を作ると、●ちゃんが即座にそれを再現しはじめました。

 

その際、わたしがした作業を模倣するのではなく、

細い紙にどのあたりで折ったらいいのか、指を当てて推理しながらテキパキと

仕上げていました。

 

また、最終的にやめてしまったのですが、ゴールの地点に「入学式」と書いた門を

立体にして取り付けようとしていました。

 

シールを5つ貼って、進むマスを作っていたとき、わたしが、「これだと最初の人が

サイコロを振って、6の目が出たら大変なことになるね」と言うと、

「そりゃ、始まったばかりで、ゴールになっちゃう」と言って笑っていた●ちゃんは、

マス目を増やして「1回休み」とか、「○○進む」といった文字も書きこんでいました。

自分で考えて、実行する力を持っている子のようです。

 

ポケモンのカードゲームをコピーしてゲーム作りをすることにした○ちゃん。

ゲーム中、勝った人が計算問題に答えるというルールにしていました。

○ちゃんは、何を素材にしてゲームを作るか考えるとき、ポケモンカードの体重や

身長の数値がややこしそうだったことに惹かれて選んでいました。

また、質問用のカードも、なるべく難しそうな計算の式になるようにしていました。

○ちゃんには、計算式や小数点がついた数を美しく感じるような感性があるんだろうな、

と思いました。

それぞれの子の資質は本当に面白いです。

 

札幌から来てくれていた☆ちゃんは、★ちゃん同様、わたしが最初に提示した見本通りに

作っていて、作った作品を見る限り☆ちゃんらしさというのはわかりにくいのですが、

作るときも遊ぶときも、その場や状況の核心部分をすばやくつかみ、

こちらが伝えることを理解する面で卓越していました。

ちょっとした場面で、☆ちゃんから返ってくるコメントがとにかく的確なのです。

 

たとえば、自分が住んでいる地域のご当地キティーちゃんを探して

みんなに紹介するときも、各県と特産品や行事とのつながりについて

よく理解した上で、さまざまなことを話していました。

 

 

子どもによって、独創的でマイペースな子もいれば、

呑みこみが早く打てば響くような反応をする子もいるのです。

空間図形に強い子もいれば、情報通の子もいます。人の心の世界に敏感な子もいれば、

知的な世界に美しさを感じる子もいます。

記憶力が良い子、洞察力が優れている子、熟考するのが得意な子、頭の回転が速い子、

粘り強い子、言葉について敏感な子。

本当にひとりひとり違います。

 

前回の記事で、東大パパさんの記事を引用させていただきながら、

自分自身が幼かった頃を振り返って、

「自分の中に絶対的なものさしを持っていたものって何だろう?

自分なりの審美眼が利いた分野はどんなものだろう?

それは今の暮らしにどんなふうにつながっているんだろう?」と思いをめぐらせました。

 

すると、ずいぶん小さい頃から子ども時代を通して、あるものについて、

誰に何と言われようと揺るがないほど、その質を見分ける自分のものさしを

信頼していたものがあったことに気づきました。

 

いくつかの短い童話や説話や児童書について、

大した根拠もなく、「これは絶対に素晴らしいもの、質が高いもの」という

自己流の目利きで、愛着を抱いているものがありました。

 

どれも子どもの頃のわたしには、そこに書かれている内容を正確に理解することが

できないものばかりでした。

ですから、どうしてそれが素晴らしいのか、理由を説明する力は皆無だったのです。

それなのに、初めて目にした瞬間から、強く引き付けられて、

よくわからないながらに、何度も何度も読み返していましたし、

どんな賢そうな人がそれらを馬鹿にしたところで、

その質の良さについて微塵の疑いも抱かなかっただろうと思います。

 

そのひとつである『ムギと王さま』という童話はこんな話です。

 

村にひとりのばかがおりました。

その子は、実は校長先生のむすこで、

もとは、その先、何を望んだらいいのかわからないような天才児のひとりでした。

校長先生はあらゆることを望み、むりやり本をつめこみましたが、子どもが十に

なった時、ぜんぜん頭が働かなくなってしまいました。

この子はウィリーという名で、時おり、ふいにつつかれて鳴りだす壊れたオルゴールの

ように、突然、舌がゆるんでとめどなく話をすることがありました。

あるとき、ウィリーは、時計のくさりについているカブトムシ石をさわりながら、

「ぼくがエジプトにいて、まだ小さかったころ……」といった話をはじめます。

最後にウィリーは「エジプトの王さまとムギと、どっちが金色だ?」と問いかけます。

 

この話は、会話のほとんどが禅問答のようなものばかりで、

子どものわたしに何度も読み返させる魅力がどこにあったのか、不思議に感じます。

 

それらのわたしの心を捉えて離さなかった話の数々は、

ニューベリー賞やカーネギー賞やノーベル文学賞を取った作家が書いたもので、

その作者の生きてきた道や伝えたいことが結実したような内容だったことを

大人になって知りました。

 

わたしの両親は、

「○年生用とあるからいい本」とか「分厚くて字が小さいからすごい本」とか

「テレビで誰かが勧めていたから質がいい本」といった評価していました。

一方、子どものわたしは、ただただ活字を追いながら、

「これはいい本」「これはすごい本」と自分の判断に絶対的な確信を抱いていました。

子どもの頃、自分で選んだ話のどれもが、大人になったわたしの心を深く感動させている

ことを思うと、わたしは自分にとって大切な話を見分ける鑑識眼を持っていたのかも

しれません。

それは受験には役立ちませんでしたが、生きていく指針となっているように思います。

 

 

 

 

コメント (4)

算数に関する記事をまとめました♪

2014-03-25 20:20:51 | 初めてお越しの方

☆現代っ子に共通する算数が苦手になる原因

☆生活体験の多い子と算数   年長さんのレッスンから♪


☆2歳児もわかる算数文章題 『基本の形』

☆2歳児もわかる算数文章題 『基本の形』 2

☆2歳児もわかる算数 『基本の形』 3

☆幼児に2ケタの計算を教えるには? 1

☆幼児に2ケタの計算を教えるには? 2

☆幼児に2ケタの計算を教えるには? 3

☆幼児にくり下がりの引き算を教える方法 1
☆幼児にくり下がりの引き算を教える方法 2


☆お給料の計算~♪

 

☆小1☆くん♪ 中学入試のプチレッスン 1

☆小1☆くん♪ 中学入試のプチレッスン 2

☆たまには大きな子のレッスンも♪ 難関中学入試1

☆たまには大きな子のレッスンも♪ 難関中学入試 2

☆幼児期に体験しておくと、将来算数が得意になること 1

☆幼児期に体験しておくと、将来算数が得意になること 2

☆幼児期に体験しておくと、将来算数が得意になること 3

☆幼児期に体験しておくと、将来算数が得意になること 4

 

☆アルゴカードの幼児にもできる遊び方♪

☆100円 グッズで時計の学習♪

☆文章題が得意になる幼児期の遊び♪

☆絵本を見ながら文章題の練習♪

☆3~4歳児用 算数検定ガリレオの準備

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自分なりの審美眼 (春休みの算数クラブ ) 1

2014-03-24 14:30:07 | 算数

東大パパさんのブログの

きょーちゃんに国語の才能があると思う理由 という記事を

読ませていただいて、とても心に響きました。

ちょうど春休みのレッスンで、それぞれの子の持つ才能の多彩さや独自性を

面白く感じていたところなので、なおさらです。

 

「お父さん、『絶対にもらえるかもしれない』っておかしいよね」とか、

「お父さん!ここに『チョコレートできるまで』って書いてあるけどおかしいよね。

『チョコレートできるまで』だよね!」といった指摘をするきょーちゃんについて、

東大パパさんは、こんな感想を書いておられます。

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小学一年生で出版物の方が間違っていると主張できるくらいに、

自分の中の言葉の感覚に確信を持っているというのは大したものです。

国語に限らず才能というのは、自分の中に絶対的かつ合理的なものさしを

持てる力のことだと思うのです。審美眼と言い換えても良いかもしれません。

才能を認められるためには、独創的な何かを生み出さなければいけません。

相対的なものさしでは独創的な何かは生み出せませんし、

不合理なものさしで生み出す何かは誰からも認めてもらえません。

きょーちゃんはこれから、自分の中の絶対的かつ合理的な国語ものさしを使って、

美しい言葉、美しい文章を追い求め、これまで無かったような新しい表現を

生み出していくことでしょう。

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 教室の子たちと一緒に工作をしたり、ゲームをしながらおしゃべりしていると、

きょーちゃんの言葉の指摘のようなその子独自の目利きの冴えに「あれっ」と驚くことが

よくあります。個性的な才能の輝きを感じます。

 

ある種のユーモアに対して、すごく面白がって、表情をパアッーと明るくする様子

を見て、それを感じることもあります。

春休みの算数クラブの6日目に、こんなことがありました。

参加してくれていたのは新1年生の子たちです。

 

初めて会った★ちゃんと☆ちゃんが、★ちゃんの作ったカードゲームで

遊んでいたときのことです。

★ちゃんがカードを引くたびに悪い手が出て、☆ちゃんが勝ち続けていました。

 

それを見ていたわたしが、冗談半分、

負けている★ちゃんの気持ちを和らげる目的半分で、

「これは、★ちゃんが作ったゲームだから、★ちゃんが勝っちゃうと、

ちょっと気まずいかもしれないよね。

ほら、★ちゃんの自作ゲームで一緒に遊びましょって展開になっているとしたら、

☆ちゃんはお客さんのようなものじゃない?

お客さんには、自分より良いもの勧めるのが礼儀だしね」と笑いながら言いました。

 

するとたちまち、★ちゃんの顔に好奇心いっぱいの表情と満面の笑顔が広がりました。

この話題、★ちゃんの興味のど真ん中を突いたようです。

「そうそう、こういう場合は、☆ちゃんはさ、お客さんのようなもんなんだから、

わたしが勝ったら困っちゃう。そうなったら、し、つ、れ、い、になっちゃう」

と目をくりくりさせて、オーバーリアクション付きで、そうした相手への気遣いが

どれほど大切か熱弁したあとで、☆ちゃんとしっかり手を握り合ってゲームを

続けていました(もう一度、書きますが二人はこの日初めて会いました)。

 

★ちゃんは感情の世界の機微や人の振舞いに、とても敏感な子なのです。

わたしが、「もしもこれが3歳の子たちだったら……こうするはず」とか、

「もしも、これがやんちゃな男の子たちだったら……こんなことするんじゃない?」とか、

「もしもこれがお母さんたちだったら……どうなると思う?」といった話題を出すと、

お腹がよじれるほど笑ったあとで、

「きっとさ、こうなんじゃない?」と的確な推理を働かせていました。

 

 

二人のうちの一人は、札幌から来てくれた女の子でした。

そこで、ご当地キティーちゃんの人形(うにの帽子をかぶっています)を

みんなに見せて、北海道の紹介をしているところです。


この日のレッスンで、

★ちゃん☆ちゃんは、すばやくゲームを作って、遊んでいたのですが、

●ちゃんと○ちゃんはゆっくりと自分らしい工夫をたくさん加えながら作っていました。

 

そこで、わたしが、★ちゃんと☆ちゃんには、

「何でもテキパキ素早くこなすことはいいことよ。速いってすばらしいわ!」と言い、

●ちゃんと○ちゃんには、

「時間がかかっても、じっくり納得するまで取り組むのは大事よ。

自分らしい工夫を凝らしているのはすばらしいわ!」と言うと、

全員が、そのどちらにも「そうそう」とうなずいていました。

 

次回に続きます。

 

 

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ツルカメ算の面積図

2014-03-23 20:34:38 | 算数

新小3、小4の子たちのレッスンで、初めて面積図を学習しました。

 

写真は、全てがツルだった場合の足の本数を面積で表しているところです。

最初にブロックで、どの部分がツルの数で、どの部分がツルの足の数で、

どの部分がツルの足の数を足し合わせた数なのか確認しておくと、

面積図の意味の理解が早かったです。

 

ツルが20匹なら、足は40本。

 

ツルとカメを合わせて20匹の時、足が42本だった時、ツルは何匹でカメは何匹?

 

ツルとカメを合わせて20匹の時、足が44本だった時、ツルは何匹でカメは何匹?

 

といった問題、順にブロックを置きながら考えた後で、紙に面積図を描く練習をすると、

面積図を描くのが上手になってきました。

 

 

 

 

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