日伊文化交流会

サークル「日伊文化交流会」は板橋区で生まれ、元東都生協登録サークルとしてイタリア好きの人たちが集まり楽しく活動しています

イタリア文化セミナー「永遠の都 ローマ(Roma, la città eterna)」を受けてきました(2023.10.26)@吉祥寺LCIイタリアカルチャースタジオ

2023年10月29日 | イタリアの美術館・博物館

イタリア文化セミナー「永遠の都 ローマ(Roma, la città eterna)」を受けてきました(2023.10.26)@吉祥寺LCIイタリアカルチャースタジオ

 
毎回参加しているLCIの文化セミナー 今回は上野で開催中の「永遠の都ローマ展に役立つ内容です! 感想を書いた方に5枚のチケットが当たるそうです😊
 
第1部はローマ誕生の神話 第2部ではローマ王政~7人の王たち 第3部では カピトリーノ美術館の創立とその偉大なる作品群についてお話してくださいました
 
 
第1部:『ローマ誕生の神話』Le origini mitologiche di Roma

セミナーは ロムルスとレムスの神話(Il mito di romolo e Remo)から始まりました

ラツィオ(Lazio)は largo(広い)を意味するラテン語 "latus"から来ており 沼地の平野でした 

ローマの7つの丘のうち パラティーノの丘にローマは作られました

さてローマ神話の起源です  叙事詩『アエネイス(Eneide)』の作者ヴェルギリウス(Virgilio/70a.C.生まれ)は ダンテの神曲にも案内人として登場する詩人  です    彼は 未完の場合はすべて焼き捨てるように希望していましたが パトロンのアウグストゥス初代ローマ皇帝は 未完のままでの出版を命じました

 

伝説の起源(Le origini della leggenda) それはトロイア戦争(circa 1250a.C.)にさかのぼります   トロイアのパリス王子がスパルタ王メネラオスの妃ヘレネーを略奪したため起きた戦争で トロイアを助けるため ギリシャ神話の登場人物で ダルダニアの王子アエネアース(Enea)が登場しました 

ここでクイズ! アエネアースの母は女神で なんとアフロディーテ(Venere)でした😲 女神と人間の子ですね

トロイの木馬でギリシャ人が勝利し アエネアースは父アンキセス(Anchise)と息子アスカニオス(Ascanio)を連れてトロイアの街から逃げ 7年も旅をしてラツィオの海岸にたどり着き ラヴィニウム(Lavinium)の街を作りました 

この名前はアエネーアスが婚約者から奪って妻としたラティーノの王の娘ラヴィニア(Lavinia)にちなんでいます

アエネーアスの息子のアスカニオス(Ascanio)がアルバロンガ(Alba Longa)の街を作り(ローマの東南) 子孫のヌミトーレ王(re Numitore)が統治していました 

ヌミトーレの弟のアムーリウス(Amulio)は兄から王位を奪い ヌミトーレの娘 レア・シルヴィア(Rhea Silvia)巫女(ヴェスターレ/vestale)になるよう強制します 処女であることを求められますが 軍神マルスが彼女と交わり 双子のロムルス(Romolo)とレムス(Remo)が生まれます👶

アムリウスの家来は双子を殺すにしのびなく 双子の籠をテヴェレ川に流し 無花果(いちじく)の樹にかかり 雌オオカミ(la lupa)が乳をやり(allattare)育てたというのが ローマ建国神話ですね

ロムルスはパラティーノの丘に レムスはアヴェンティーノの丘に街を作ろうとして争い ロムルスはレムスを倒し 紀元前753年4月21日ローマが建国されました 

驚いたことに ロムルスの壁(il muro di Romolo)とロムルスの家(casa di Romolo)が考古学者によって発見されたのだそうです😲

     

   カピトリーノの雌狼/la lupa capitolina 

 

       *     *     *

第2部:『ローマ王政~7人の王たち』I primi Re di Roma

 

続いて 王政ローマの7人の王についてです:

                      ローマの7人の王/I 7 re di Roma

 

古代ローマは 王政ローマ(il periodo monarhico/753a.C.~509a.C.)  共和制ローマ(il periodo repubblicano/509a.C.~27a.C.)  帝政ローマ(il periodo imperiale/27a.C.~476d.C.)に分かれます

この王政ローマを7人の王が治めていました👑

1.  ロムルス/Romolo(753a.C.~713a.C.)  ラテン人

2. ヌマ・ポンピリオ/Numa Pompilio(713a.C.~670a.C.)  サビーニ人

3. トウッルス・ホスティリウス/ Tullo Ostilio (670a.C.~638a.C.) ラテン人

4.  アンクス・マルキウス/Anco Marzio (638a.C.~616a.C.) サビーニ人

 

      第2のフェーズ/エトルリア人の王

5.  タルクィニウス・ブリスクス/Tarquinio Prisco (616a.C.~578a.C.)  エトルリア人

6.  セルウィウス・トゥッリウス/Servo Tullio (578a.C.~534a.C.)エトルリア人

7. ルキウス・タルクィニウス・スペルブス/Tarquinio il Superbo (534a.C.~509a.C.) エトルリア人

 

前半(1~4)は主にサビーニ人の王(re sabini) 後半(5~7)はエトルリア人の王(re etruschi)でした

建国後に女性が不足したこことから ロムルスがサビーニ人をゲームに誘い出し 女性を拉致するという「サビーニ人の略奪(il ratto delle Sabine)」が起きますが サビーニ人と和解してクイリナーレの丘に定住します 

エトルリア人の王の時代には ファッションも変化し 貴族の家も変化しました 

そして 第7代の王ルキウス・タルクィニウス・スペルブス(superboは傲慢という意味)の横暴な息子が タルキニウス・コッラティヌス将軍の妻ルクレツィアに乱暴し ルクレツィアは自害し 夫と友人ルキウス・ユニウス・ブルトゥスは王に復讐し王は亡命 こうして509年王政が終わり 共和制が始まりました 

このルクレツィアの肖像画は永遠の都ローマ展で見られます 

 

                         *     *     *

 

第3部:『カピトリーノ美術館と代表作品 』 I Musei Capitolini e le opere piu‘ importanti 

 

      カピトリーノ美術館/i musei capitolini

 

そしてカンピドーリオの丘(il Campidoglio)に カピトリーノ美術館が建てられることになりました

ここには紀元前345年 ユノ・モネタ(Iuno Moneta)の神殿が建ち のちに貨幣の鋳造が行われました(monetaは貨幣という意味)

ガリア人のローマ侵入を神殿で飼っていたガチョウ(oca)が告げたため 「忠告する」という名を付され カピトリーノ美術館にもガチョウを称えた部屋があります

そして ミケランジェロカンピドーリオ広場の再設計(1538)をしたことや 1471年12月15日に 教皇シクストゥス4世Papa Sisto Ⅳ(本名フランチェスコ・デッラ・ローヴェレ(Francesco della Rovere)が ローマ市民に古代彫刻6点*を寄贈したことをきっかけに  世界最古の市民のための美術館としてこのカピトリーノ美術館がクレメンス12世(Papa Clemente Ⅻ)によって1734年に一般公開されたことをお話いただきました

    *  カピトリーノの雌狼/La lupa capitolina,   カミルス/ Camillus, コンスタンティヌスの巨像/il colosso di Costantino(頭部、左手),    球体(世界)/il globo ,棘を抜く少年/Lo Spinario

 

またこの美術展でぜひ見ておきたい作品の数々をご紹介いただきました

皇帝の描き方に変化(古典的スタイルから現実的スタイルに)が見られたことや 古代ローマの女性の髪形の変遷(シンプルからカール髪のかつらに)等々...  とても盛り沢山のセミナーでした💕

                                 *     *     *

永遠の都ローマ展」の作品ビデオは こちら ← これによると 「カピトリーノのヴィーナス(La Venere Capitolina)」像イタリアを出ることはおそらくもうないだろうとのこと😲 

LCI文化セミナー「永遠の都 ローマ(Roma, la città eterna)」は こちら 

すばらしいセミナーを開催してくださいましたLCI様に 心よりお礼申し上げます   

また来年も楽しみにしております😊

 

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