どこ吹く風

旅のことを主に書く。

シルトホルン

2009年08月14日 10時45分57秒 | チロル~シャモニ
 高い場所で見る夜明けはいいものです、薄暗く稜線のシルエットしか見えないのに数分後にピークに光が届き雪がピンクに染まる。その様を間近に見れる山岳ホテルが好きだ。
 9時40分ウィルダースウィルからラウターブルンネンまで行く。グルッチュアルプに上がるロープウェイ乗場へはホームから地下道で接続している。以前はケーブルカーで登ったけどロープウェイに変わっていた。セーバパス有効で無料と言われ気分良く5分間のパノラマを楽しんだ。

 グルッチュアルプからミューレンまでは電車が走っている、これもセーバパス有効、途中に駅があるも全線で12分しかかからない。シルトホルンへのロープウェイ乗場へはミューレンの通りを10分以上歩かねばならない。ミューレンから見るアイガーは北壁を真横から見るので、正面から見るのとは違う凄さが感じられる。

 シルトホルンのウリはジェームス・ボンドの007シリーズで”女王陛下の007”の撮影場所となったことである。もう40年前の映画で、主演もショーン・コネリーから替わって二代目ボンドである。それを今でも宣伝の柱にしている。

 チケットはスイスパス割引で一人往復35.7フラン。まず途中駅まで乗って、更にロープウェイを乗り継ぐ。ニッポン人グループもいる、引率している人を顔を合わせた途端お互いが”あら~ッ!"。
ドロミテのオーロンゾ小屋で初めて見かけ、次はマッターホルンのヘルンリ小屋からの帰り道、そして今日シルトホルンでと偶然とはいえイタリアからスイスにかけて3回もで会ったのです。

 現地受け入れガイドとして活躍なさっている若い女性で、トレチメのハイキングに同行したり、クライマーを案内してヘルンリ小屋まで行くほどの元気者のようでした。

 ”ヘルンリ小屋で私の話を横から聞いている人がいたので記憶にのこっている。”
「話をちょこっと盗み聞きする程度はいいじゃないですか。」
”ダメ、私の話は有料です。”
なんて話をする中で、ヘルンリ稜の若いカップル・クライマーたちはの事を聞くと、天候の都合でマッターホルンに挑戦できなかったことを知りました。

 もっとお話したかったのですが、ガイドという仕事は客さんへの説明やサービスがあるので話を切り上ざるを得なかった。今もアルプスの東に西にとお客さんと山を歩いていることでしょう。

 シルトホルンは午前中に登ったほうがいい、昼あとの頂上付近は雲に包まれるのが多くなる。アイガーはもちろんそれに連なる山から遠くマッターホルンまで広がる景色に寒さを忘れる。展望レストランのガラス窓が鏡になっているので自分も姿を写真に収める。
私たちが写っているのが分かりますか。(笑)

 30分の滞在で11時45分シルトホルンから下りる。シルトホルンへのロープウェイの発着場はギンメルワルド(Gimmelwald)で、そこから谷底にある村シュテッヒェルベルグ(Stechlberg)までロープウェイがあったので、それに乗るため乗場へ行った。
ところがロープウェイは廃止されていた。グルッチュアルプのロープウェイが新設されたので、そこに一本化されたようだ。
ミューレンまで歩いて電車を待った。電車もロープウェイも生活路線である。経営的には成り立っているのだろうか。

 廃止されたロープウェイでステッヒェルベルグに下りて、ポストバスに乗り換えトゥリュンメルバッハ滝を見物したことがある。外部からは見えない滝で狭い谷間や地中を曲がりくねって落ちて行く水は迫力がある。もう一度見たかったけどラウターブルンネンから逆戻りする形になるので止めた。
時間があるなら一度は見るべきでしょう。


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