どこ吹く風

旅のことを主に書く。

シーニゲプラッテ

2009年08月13日 08時42分49秒 | チロル~シャモニ
 シーニゲプラッテ(Schynige Platte) のクルムホテルは階段の踊り場にその昔実際に使われていたであろう古い民具が置かれていた。椅子、革製のトランク、山靴を植木鉢にしたもの、人形に楽器など各フロアへの踊り場にさり気なく展示されているので、エレベーターが無くとも苦痛を感じない。

 広い廊下は絨毯が敷き詰められて、宮廷画家が作品の中に描いている長椅子があるので座ってみた。食堂脇の部屋には古いピアノがあったので鍵盤を押すとちゃんと音が出た。バカンスを楽しみに来た往時の富裕層はこれらを実際に使ったのだろうか。

 夕食は前菜、スープにメイン、デザートも豪華にチョコムースにイチゴとムースだった。この内容で宿泊費は3人分で323フラン、ワイン1本の料金(38フラン)も含まれています。
突合せにフライドポテトが出たがその量が半端じゃない。3人分纏めて中華ナベごと運ばれてきた、とても平らげることはできない。それで明日の昼ご飯にするため持ち帰り用の容器を頼んだら、ナベを部屋の持って行き明日返しなさいと言われて、そのようにした。
 目が覚めてもアイガーは目の前に聳えている、メンヒもユングフラウも厚い雲の下で青黒く威容を誇っている。西の遠くに切り立った崖を背負った山が見える、あれはゲンミ峠周辺の山に違いない。
雲の隙間から朝日が射しまずユングフラウの雪を赤く染めた、続いてメンヒもアイガーも先っぽをピンクに染めた。ここからはベルナーオーバーランドの中核をなす三つの山が矛に広がって並んでいるのを見ることができる。シーニゲプラッテが売りとする景色だ。
対岸の中腹に若草色をした部分が見えるところはミューレンの牧場だ。

 外へ出るとトゥーン湖が見えた、天気の具合で色は出ていない。ほんの少し角度を変えるだけで風景が違って見える。このパノラマをカメラに収めたいけど全景を撮ると小さすぎるし、アップすると写る範囲が狭くなり雄大さに欠ける。目に焼き付けるのがイチバンだろうけど、脳の記憶装置が古びたのか、縮んでしまったのか容量オーバーとなってしまったようだ。

 丸太を半分に割ってベンチを作ったものがおもしろい、枝が脚となっている。枝打ちしていない木の効用か。(笑)
朝食を済ませ8時21分発の一番電車で下りた、客は我々3人のみ。駅には民族衣装を来た子供たちの等身大写真が置いてある、並んで写真を撮るとちょっと見には気づかない出来映えだ。そこに駅員の写真もある、そのモデルになっている駅員が車掌さんとして勤務していた。モデルは貴女でしょうと言うとニコッと笑った。
途中の駅で擦違う際にはポイント切り替えやらナンやらで忙しく動き回っていた。

 スイスの山々も今日でお別れで、明日はとうとう帰国の日となった。最後の夜を何処で過ごすか検討した結果ルチェルンにした。それで実質的な最終日の今日はベルナーオーバーランドの山々を記憶に留める為にグルッとひと回りすることにした。

 アイガーが見えなくなりトンネルから林になり木の間越しの遥か下にインターラーケンの町が見えてきた。実質的なスイス最後の日のスタートだ。
アルプスの美しい景色が何時までもアタマに残こしておきたい。


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