どこ吹く風

旅のことを主に書く。

小父さんたちの台北

2006年03月07日 06時59分58秒 | バリ
 数年前のこと50前後の小父さん達5名で2泊3日の台北旅行をした。
私は失業中で金は無いが一行の一人が旅費を出すというので付いて行った。皆さんは喫茶店の経営者で小金を持っているのである。
メンバーの皆さんとは何回か飲んだ事もあるので顔見知りで、その中の二人は改装工事でお世話になった人なので気心は知っている。

 台湾は初めての方もおられる、かつて台北に”いい人”がいたとかいるとかいう方もいる。私は居候メンバーなので希望も言わずおとなしく振舞うつもりだった。この旅行の立案者は一番若い人で私を誘ってくれた人である、航空券だけを手配して宿は現地で探すとのこと。

 機内でたまたま知り合いの台湾のご婦人に会って話をしている、そのご婦人は那覇で食堂をしていてカツギ屋も兼ねている様なことを彼は説明した。で、宿が決まっていないなら知り合いを紹介するので一緒に台北まで行こうと誘われて彼女の迎えの車で出発した。ご婦人は台北でも食堂をしているようでその店で休んだ、レストランでは無くて食堂と言う感じの店だ。

 宿はその食堂の近くだった、宿泊のみの安宿だが私にとって不満は無い、旅費を出さないからという理由ではなくこのクラスの宿でも充分だし妻と一緒に泊まっても良いとおもっているからです。
夕食は台湾料理を食べに行った、芋粥に炒め物あれこれ盛り沢山の品を美味しく頂いた。
 時間も早いし散歩がてら観光しようということになりお決まりの龍山寺と華西観光通りへ出かけた。龍山寺は相変わらず賑わっている、線香の煙に油が燃える臭いそれにローソク代わりの豆球で山形になった光の山など雑踏に揉まれながら見物した。しかし小父さん達はあまり愉快そうな顔をしていない。そこで彼が買い物でもしようかと提案して場所を移動する。

 5名で行ったので移動するのに不都合だ、タクシーが2台必要になり場所が不案内なので運ちゃんに前の車を追う様に伝える。見覚えのあるところに来た、この通りは前に来たことがあるマックが在ってチョット歩いて筋に入って数件目のバー・・・と記憶と場所が一致した。
着いた所は林森北路。

 彼はある洋服屋に入って女ご主人と話をし彼女は電話を掛ける、そして彼が出てきて歩き出す。皆で付いて行き薄暗がりの事務所風のビルまで来ると男が出てきて二階に案内する。鉄製の扉の横に付いたインターフォンで連絡すると扉が開いた。
そこは洋品店で棚にはバッグが並びショウーケースにもバッグに時計、貴金属類が展示されている。もちろん売り子さんがいる。

 ブランド品を扱う店だが海賊版専門店のようだ。日本語が達者な売り子が”このビトンのバッグは新製品でまだ一般に出回っていないヨ。”とか”ホンモノの三分の一の値段ヨ。”とか売り込む。
生憎私は文無しなのでただ見るだけ、本物も気をつけてみたことが無いのでニセモノを見てもホンモノと比較できない。シロートが見て判るような品は置いていないだろうから珍しいものを見る目で見ていた。

 同行の小父さんは「空港で没収されないかネ。」
”どうして税関がわかる? ホンモノと同じヨ、商品を入れるこの袋はホンモノよりリッパよ。”と訳の分からない事を言うている。
奥さんへのオミヤゲの新作ヴィトンやローレックスを買っている。彼は持っているホンモノのバッグのイミテーションを買っている。ニセモノは普段持つのに使うそうだ、普段着と余所行きというところか。

台湾のニセモノ販売所はとても厳重な警戒をして販売している、当局の取り締まりが厳しいのだろう。我々以外にも日本人の若夫婦が来店したのでアングラ情報はけっこう流れているんだろう。

その店はまだ上手くやっているかな・・・

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