どこ吹く風

旅のことを主に書く。

アーレシュルフト渓谷

2009年08月12日 09時41分25秒 | チロル~シャモニ
 フェルストの山岳ホテルは昼間は観光客で賑わうが夜は宿泊客が少なく静かになる。部屋へはトイレの脇に暗証番号付きのドアから出入りする。大部屋もあるが二段ベッド4組の部屋に通された、プレシーズンなので相部屋ではない。食事美味しいほうだ、二食付き3人分で287フラン。

 日が落ちて薄暗くなるとアイガーヴァンドの灯りはもちろんのこと山のシルエット沿いにポツンポツンと山岳ホテルの灯りも見える。あいにく星空にはならなかったけど山に抱かれているという雰囲気を感じる。

 9時15分にグリンデルワルドからグローセ・シャイデック行きのバスが出るということなので、8時38分のロープウェイで下る。
バスは狭い道を角笛風な警笛を奏でながら上り10時にグローセ・シャイデックに着いた。アイガーはここから見てもその威容は変わらない。東側は幾重にも重なる山並みが見えた、ドロミテも見えているのか。
模型グライダー仲間の例会があるのか、大きなグライダーを持ち運ぶ人が大勢いた。パラグライダーはよく見かけるが模型を飛ばす人は初めてだ。

 同じバスに乗ってきたニッポン人グループもそれぞれのコースへ歩き出す。私たちは10時半にマイリンゲン側下るバスに乗る。峠までの料金が一人10.3フランで、下るバスに16.5フランも払わされた。グリンデルワルド鉄道は電車もバスも高い。高いけど周りの風景やお花畑はきれいだ、ひと言二言文句を言いたくなるけど一度は通ってみたいルートである。
 
 Chalet Schwrzwald-alp という村でポストバスの乗り換える、ここからはセーバパスが通用するのでタダになる。グリンデルワルド鉄道のバスはセーバパスの割引を受けてあの料金なので高いぞ。ともう一度不満を書いておく。
この村には製材機を水車を動力として動かしている製材所がある、珍しかったので暫し眺めていた。

 10時50分に発って11時25分にマイリンゲンに着く。駅のロッカーにリュックを預けてアーレシュルフト((Aareschlucht アーレ渓谷)行きのミニ列車乗場へ行く。電車と渓谷への入場料を含めて9フランは安い。ガイドブックには途中で降りて半分歩く云々の記述があるが、全コース歩いても1時間なので東口から入って歩くのをお勧めします。なお東口からは下るコースなのでラクです。川に張り出した桟道はすれ違いができないほどの狭さなので写真を撮るには間合い、時間を要する。

 谷がいちばん狭まったところは対岸に手が届きそうだが、その箇所に登ることはできない。崖の上に昔の桟道の支柱を通した穴が見える。このようなところに何のために道を付けたのか不思議だ。

 予想以上に満足した散策でした。
マイリンゲンには13時40分着、キオスクでビールなどの必要な品を仕入れて、14時22分インターラーケンへ向かう。プリエンツ湖を眺め、諦めざるを得なかったロートホルンへの登山鉄道を横目で眺めているうちに30分で着いた。

 10分ほどの待ち合わせで今夜の宿泊地シーニゲプラット(Schynige Platte) に向かった。たったひと駅乗って登山鉄道が出るヴィルダースヴィル駅に着く。
15時25分登山電車は林の中を上っていく、料金は往復一人29フラン。プリエンツ湖がエメラルド色になった、トゥーン湖はそれほどの色はでていない。途中に小さな駅があり下りの電車とすれ違う、その様も絵になる光景だ。
森林帯を抜けトンネルを出ると目の前に雪を被った真っ白な山が現れてアイガー、メンヒ、ユングフラウの三山がその姿を見せた。車内にウオ~という喚声が流れた、この景色を見るために上がってきたのだ。

 登山電車は各席毎にドアがついている、それを駅員が一つひとつ開ける。16時16分シーニゲプラッテ駅に着いた。雨が落ちそうで寒い、ホテルへは少し歩かねばならない。チェックインしてから植物園を散歩した。広い斜面のあちらこちらに高山植物が植えてありいい散歩道だ。目の前には理科の教科書に出てきそうな造山活動でできたしゅう曲が顕わになった山がある。造山活動時の凄いエネルギーのぶつかり合いが分かる。

 アイガーも部屋から見える、ミューレンも見える、山岳ホテルに泊まる喜びをここでも感じた。


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