どこ吹く風

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伯父の思い出の場所

2005年09月19日 07時29分02秒 | 旅-台湾
 伯父が住んでいたところをカワバタと呼んでいた、行政上の地名なのかたんに川の傍にあったのでそう呼んだのかは聞いていないので知らない。

 ”橋を渡り川沿いに上流にちょっと歩いて、川がカーブしたところを入ったところにあったはずだ。”とバスを降りてその付近を歩く。姉もこの辺りから川に降りて遊んだと言い出す。
ひと筋入ったところに店、沖縄ならマチヤグァー程度の店のオバサンに昔のことを尋ねるも戦前の事は知らない。昔は田園風景が続いたこの辺りも今では全域が住宅地に変わっている。昔の面影はカケラさえ無い。ガイドの謝さんを通じて付近にお住まいの方にあれこれ聞いてもらったが手がかりが得られない。

 伯父は土地を売ってもらった台湾人の息子の写真、それも子供頃の写真を持ってこの子を知らないかと問う。戦後住宅地になった地域なので誰からも情報は得られなかった。
私たちは諦めてバスに戻ったが伯父が戻ってこない、手分けして探したが何処まで行ったものやら見つからない。
 
 バスで待っていると、謝さんが「見つかった!」と知らせに来た。伯父さんが元の地主を知っている人を見つけたようだ。 皆で店のところまで戻ると一人の台湾人のオジサンを連れて伯父が居る。

 ”この方が写真の子供だ。”と興奮した様子で私たちに紹介する。何処でどう探し出したものやら執念とはスゴイものだ。

 そのオジサンによればかつての伯父の土地は最初の予想通りの場所だった。今は学校になっている、謝さんが学校に交渉して校内に入れてもらった。台湾の学校は高さが3mほどの塀で囲まれて門は閉じられている。

 校舎の脇を抜けて運動場を行き、「ここだ、ここだ!」との説明に感慨深そうな伯父の顔、しゃがんで土を握った姿は、過ぎ去ったあの頃を思い出している様子だった。
これでこの旅の目的は果たされた。

 私は、もちろん私の家族もだがお世話になった伯父に恩返しができたと思った。

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