沖縄を考える

ブログを使用しての種々の論考

詩587 琉球沖縄が今すべきこと

2015年03月31日 22時51分30秒 | 政治論

 何といっても沖縄県にとって最も深刻な問題は、この国がアメリカ合衆国の傀儡国家だという事実だ。次に決して見逃せない重大な瑕疵は、この国が現代琉球沖縄を恥ずかしげもなく軽んじていることだ。

 少なくとも、戦後戦無世代のヤマトゥ政官界にあっては、沖縄県の実情に真摯に向き合い、その改善のために何らかの努力、誠意をみせたことはただの一度もない、というのは、人間としてどうかと思うわけだが。沖縄戦と近接していた戦後の、未だ戦争の記憶が、ある年代まで生々しくあったころにはこの国の政治家にさえ、琉球沖縄を思いやるくらいの気持ちはあったのだろうが、戦後米国占領統治(アメリカー世)27年間の複雑な「潜在主権」宙ぶらりん時代も、佐藤栄作による沖縄返還で思い知らされた「核付き非本土並み」の実情も、結局は上記日本国の正体を余すところなく暴露した先駆けに過ぎなかったのだった。

 このような、国家とさえ言うもはばかられるような国家のそのまた属領のような扱いの中で、琉球沖縄が日本国憲法のもと、その生存生活を安定的発展的に営むことは到底望みようもないことは、残念ながら今となっては隠しようもない真実である。そしてかかる事実についてヤマトゥの常民たる日本人が、知ってか知らずかのうのうと便乗し、幻想に過ぎない日米安保の核の傘のもとで堕落した国民たる生存生活を続けている在り様には、沖縄県民も見るに堪えぬものがあると思っている。

 と、ここまで考えてはたと立ち止った。ヤマトゥの捨石には決してなるまいが、太平洋の要石にもされてなるまい。所詮米軍海兵隊をして沖縄に留まらせているのは軍司令官たちの保守主義によるのであろう。それは既得された権益の確保にほかならない。それだけのことだ。このような不毛な日米政府政治家官僚たちの留まるを知らない封建遺制的なお代官仕事に付き合っている暇は沖縄県民にはないはずだ。つまり琉球沖縄が琉球国として再生し万国津梁の実を上げるには、どうしても日米安保の押し付けられた負担者としての現在の立場をなんとしてでも脱却せねばならない。と同時に日本国憲法の精神に則って、この国がしているあらゆる軍事的アプローチ、戦争につながる国策はこれを決して実践させてはならない。このふたつのことを同時進行で実行する場が辺野古米軍キャンプシュワブゲート前と辺野古崎海域である。(つづく)

 


詩586 琉球における精神的、道徳的な独立論

2015年03月31日 09時19分45秒 | 政治論

 なんだかんだと言っても、要は、140万県民の9割が住する沖縄本島の20%にも及ぶ広大な中心部に、国内74%の米軍専用施設を押し付けて、しかも「負担軽減」といいながら同じ県内に新たに機能拡充された米軍用軍事基地を造るなんてことは、国民の一人一人が「それはおかしい」と思わないということの方こそ問題なのです。これも何となく付和雷同し寄らば大樹を是とする国民性がしからしめた、戦後の薄弱な理念性に基づく「民主主義」のなれの果て、ということでしょう。

 日米安保が積極的に容認されているヤマトゥの8割の安保是認国民意識に対し、沖縄県では真逆の9割の反安保数値を提供している。これは勿論基地負担が如何に住民にとってマイナス効果で作用しているか、ということの表れであり、逆に言えばヤマトゥの国民が如何にその負担を不当に免れているか、ということも証明している。

 元来、国家対国民、なんていう対立構図は形容矛盾であり、まして日本国憲法の在り様は明瞭に国民主権を唱えている。国家専権事項なんてものは元々存在しない。国家が専権的に行えるのは、飽くまで国民的支持のもとに、であり、少なくとも琉球沖縄に関しては「住民の頭越しに日米政府2者間で合意した」事柄においてこれを専権的、と称していて、全くの不法行為、暴虐、蛮行に極まっている。

 抑々、憲法9条に違背している、米国「押しつけ憲法」のもとでのグチャグチャの軍事同盟やら自衛隊やら、沖縄に住する国民の一人として不快極まりない。大体が、戦勝国米国にあって戦前から取り組まれていた戦後処理の一環である日本国傀儡化施策下にある日本国が、すっきりした独立国の尊厳ある態度を取れない国情からすれば、こうした国家の属領じみた扱いの琉球沖縄がこの国の何度目かの「捨石」になど金輪際なるものかと思うのが当然の成り行きであり、「独立論」はむしろ明らかな精神的浄化と昇華のための、琉球が図らずも手にしている最大の恩恵にほかならず、それを具体的にするしないに拘わらず、琉球の本気で真剣に取り組むべき本筋の課題かと思う。それは精神衛生上の問題でもあり、堕落し切っているヤマトゥが逆立ちしても手にすることができない、純粋に道徳的なアプローチである。(つづく)