C・ダグラス・ラミスの「なぜアメリカはこんなに戦争をするのか」を読んでいて次の文章に出遭った。「今日、ガンジーがやったことは忘れられようとしています。陳情かデモか選挙か暴力以外には抵抗の道はないとみんな言いますが、それはインド独立運動が歴史上なかったような言い方ですね。ガンジーの非暴力不服従は消極的な方法ではなく『非暴力』の実力でイギリスを追い詰め、独立を勝ち取ったのです。」非暴力が有効だという一見逆説めいた論理だが実は大衆運動の基本はまさに論理的な「不服従」にこそある。憲法が書き換えられようとしているとき多数決の原理からは最悪改憲が現実になる可能性はないとはいえない。このとき自衛隊にしろまた多くの国民がこの改憲に対して「不服従」を言い続けるなら、徴兵も防衛軍組織化もはたまた有事法制に対しても憲法違反を根拠に有効な抵抗運動となり頑強な保守主義者を駆逐することができるかもしれないという実例を、ガンジーは示したのだ。辺野古闘争は最終的にはここにたどり着くだろう。「ブルドーザーと銃剣」と知事が言ったが、古来この手の暴力的国家行為は枚挙にいとまない。ましてかの征服民族アメリカである。暴力と強権に対して非暴力と不服従。国家対人民の対立においては基本的にこの方法が最も有効な永続する抵抗運動といえる。言論闘争もこれに入る。沖縄の反基地反戦運動は概ねこうした精神に貫かれていると想像する。