沖縄を考える

ブログを使用しての種々の論考

詩211

2010年10月14日 10時50分31秒 | 政治論
 昭和天皇と吉田茂による旧帝国時代の思念に基づく国家的決断だった、戦後日本の出発点における重大な誤謬。それは沖縄をアメリカに人質乃至基地用の土地として提供することによって戦後日本の本土が安定した安保による守護のもと復興発展を望めると見込んだ天皇と吉田の偏頗な帝国的発想である。この点に注目しなければならない。彼らの全身にある国家思想は明らかに非民主的な国民不在の帝国主義といえる。何故なら彼らが提供した沖縄には数十万の住民が同じように焼け跡から出発する運命にあったのにもかかわらず、異人種の支配の下、軍事基地に占領された土地に非人間的な環境で住し続けなければならないという、極めて不公平な奴隷的境遇にぶち込んだ事実だ。このことをはっきりと見据えなければならない。そして今なおますます日米同盟のもと沖縄を拠点とする安保が軍拡化する状況で種々の事件事故犯罪悪質環境に苛まれている沖縄県民の人権無視を、見逃すわけにはいかない。全ての出発点が旧大日本帝国のエンペラーだった、本来戦犯として裁かれなければならない天皇の国民不在の国家的判断とそれに追随した宰相吉田茂の狡猾な政治的判断によったということは、どう考えてみても「現実主義者の平和論」としては非民主的結果を生んだとしか言いようがない。こと沖縄に関しては、物心両面で、本土においては精神的自律性の崩壊という意味で。(中断)