はっきり言ってこの政権(民主党政権)はまさに精神年齢12歳といわれても仕方がない、史上稀に見る幼弱な政権であるが今更元の自民の濁りを恋しがるのもお笑いねたにしかならないし、国民は失望とあきらめのハザマでこの政権の教育係というありがたくない役割を担わされ、忍耐の限界に挑戦するはめになった。しかしながら真の大人でない民主党に初めから成心ある政治成果を強要しても失望と幻滅以外帰って来ないのは眼に見えている。一方財源のないマニュフェストは別として、骨格たる基本姿勢が崩壊するのはどうしたわけか。政治主導、日米関係の見直し、行政刷新、他種々の売りが根こそぎ崩壊していくとき国民は裏切られたと実感するのだ。この政権は明瞭に裏切った。普天間において安保日米同盟堅持という理由で、沖縄を裏切った。これは一人鳩山の問題ではない。民主党の土台の問題なのだ。アメリカ次第で国民を裏切るその体質の問題なのだ。そのことに気づかないこの無神経さが問題なのだ。そしてこの裏切りがどれほどの意味があるかを認知しないその軽薄さが問題なのだ。かくしてこの政権は本土の日本人がいかにかばいだてしても到底許しがたい罪過を沖縄に対して為したということである。何故これを繰り返し言うかと言うと、沖縄がこれまで置かれた立場境遇待遇を考慮すると、どうしても何度でも繰り返さないとすぐに忘れてしまう本土の日本人がいるという歴史が絶え間なくあったということである。絶望は大声で叫ぶしかない、希望に眼を覚ましてもらうために。沖縄は今絶叫する。悲鳴を上げる。これ以上我々にアメリカ基地負担を押し付けるな、と。
日本人の中のsuperiority complexは対アジアにおいて歴史的に顕著に見られた。背後にinferiority complexがあり対欧米であることは自明である。人の心理状態としてはいずれにしても対人的アンバランス状態にある。国家においては外交局面でこのアンバランスが非対等な関係を生む。琉球王国が事実上無血開城したとき(薩摩侵攻か琉球処分かはわからない)以来この非対等関係が対沖縄において醸成されたことは容易に推察できる。そして日米同盟は対アメリカにおいて不平等関係を内包した。この対極的アンバランス状況を沖縄とアメリカに同時に抱えたとき、本来中心にある日本政府が最も主体的にこのバランスを操作できるのに何故自己改革のチャンスをむざむざ放棄するのか。complexの克服というチャンスを。いわば偶然にも今や西太平洋情勢やアメリカの事情について日本は極めて客観的視野を得たのだ。中国の経済的発展による国力の増進、日本自身の停滞下降傾向、あるいはインド、ブラジル等新興国の発展上昇傾向等により、いよいよ活発化するグローバルなダイナミズムに際して国際バランスを得た視点から内政外交努力を惜しまないという、本来的な主体性を取り戻せるのである。その一歩が対米関係改善であろう。(その一環として対沖縄に関する差別的待遇改善が当然ある。)この普天間の問題は日本の国家的自己克服という難題を含んで極めて重要な課題として扱わねばならないのだが、いち早くアメリカに重心を置く宣言をしてしまった。なんという余裕のなさか。マスメデアの論調がアメリカとの信頼関係に重大な支障という煽りを入れた。つまり沖縄の信頼は同時に失われる結果を生んだのだが、これは明らかに日本政府のまれに見る失政であり現実主義もへったくりもない。まして今や民意を越えた国家的優先課題などあり得ようもないのは歴然としている。(同時進行としてはあり得るが)この政権に期待しても失望しか得られないとはわかっていても言わずにはいられない。