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学生のゼミ

2016年09月30日 | 大学でのひとこま
ゼミのやり方について、長いこと試行錯誤してきました。
研究室をもった最初の頃は自分がやってきたゼミと同じようにやっていましたが、学生の理解が進まないので、もっと一般的な英語でまずやってみようかとニュースや小説を読んだりしたこともありました。基礎免疫学の教科書の英語版を読んだこともありましたが、他学科の学生さんが一緒に免疫を勉強したい、、、ということがあって今年は日本語でやってみたりもしました。卒論の季節になり、そろそろ英語文献でゼミを、と思いましたが、これまでの積み上げも足りず、まだその段階に至っていない人もあって、非常に困っていました。自分の今の実力とかけ離れた教材は役に立ちませんので、日本語の資料でゼミをやってきた人に、急に英語といっても無理は無理なのです。しかし、論文を書くには英語文献を読まずに済ますということはできません。これまでの指導が甘いと言えばその通りですが、荷重のかけすぎは学生をつぶしてしまいますし。

それに、これはここ数年感じていることですが、ゼミをやっても、通り一遍読んで終わりになっていて、学んだことが身についていないので、これまで勉強したことと結び付けて現象を説明するというところに至らないのです。知識が断片的、表層的で、有機的に結びつかない。うちは免疫の研究室ですから、たとえば「風邪をひく」というのはいったいどういうことが体に起こっているのかというのをざっくりでも説明できてほしいのですが、そういう大きな捉え方をしようとするとまず固まってしまいます。

それで、いろいろ考えた挙句、これまで、ある程度基礎的な知識が積み重ならないとできないだろうと思ってやらなかったんですが、4年生に自分の卒業研究のテーマのレビューをしてもらうことにしました。本当はこれを最初にやるといいと思います。うちの学生は学部生だし、基礎知識が足りなすぎて、研究室配属になった時に最初にやってもらおうと思ってもかなりキビシイでしょうが、今度の学生からはちょっとやってみようかと思っています。やってみた4年生に聞いたら、準備がすごく大変だったようです。いろいろ読んだり聞いたりしてようやく発表にこぎつけたらしい。

なのに、うっかり情報量が足りなすぎると言っちゃったんですが、でもこれまでの知識が非常に断片化されたものだということに、本人が気が付いたようで、それだけでも大変収穫でした。
私の方は、まずもう少しほめてやればよかったなあと思ってますが、何が足りないか、ということと、理解されていないところの説明もきちんとできたので、これまでのゼミよりはかなりよかったのではないかと思いました。これまではやってる本人が「わかってないところがわかってない」状態だったんじゃないかなあと思います。

いよいよ明日から10月、3年生が研究室に入ってきます。4年生の卒論の実験も正念場。
もうひと踏ん張り、頑張っていきたいと思います。

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