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「学振のポスドクだった」の、その後

2021年10月08日 | 仕事・研究
ずいぶん前に「学振のポスドクだった」という記事を書いたことがあるんですが、今もいろんな人に読まれているようです。「半人前だった自分が学振のPDのおかげで今がある」と書いているので、中には文字通りに読んで「こんな人でも採択されるのか!」とあきれたり怒ったりする人もいたようですね(笑)。私は修士卒で仕事に就いて、その最初の職場を8年後に退職しました。辞める年には科研費に採択されていたのに、当時のシステムでは移行はできず辞退しました。8年の間に仕事しながら論文を書いて博士の学位を取り、まだ年齢的には応募が可能だったので応募しましたが、ホントのことを言うと想定されている対象とは違ったでしょう。でも、採択され、そのおかげで新しい道に進むことができました。

学振のポスドク時代にアメリカのラボに行くことができ、その後、向こうでそのまま働かないかと言われて5年半を過ごしたのですが、この時までは論文を書いても最終的にはボスが見てくれるので安心という環境でしたので、そういう意味で「半人前」だったと考えています。論文はファーストも大事ですが、責任著者ができるようになって初めて一人前だと思います。

日本に帰ってきてからは、小さいラボを主催しているので、今も論文はゼロから自分で書きます。研究費の申請もどんどん書いて、それをもらうことで自分のラボの研究を進めています。つまり、自分で書いた研究費の申請が採択され、論文がアクセプトされるということがあって初めて「一人前」だろうと思うんですね。共同研究はすごく大事ですが、それでも、自分が主体となって書く論文と、その他の論文は全然違います。共同研究に加えていただけるとか、研究費の申請に分担で参加させていただけるのはすごくすごくありがたいことですが、それだけでは不十分。自分の主たるプロジェクトがあって、それに加えて共同研究もあるということでなければと思っています(わざわざ書くほどのことでもありませんが)。

あの頃の私は、論文の数はそこそこあったし科研費も採択されていたわけですけど、明らかに半人前でした。でも、学振のおかげでその先に進めました。そのことに感謝した記事なのです。

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