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大学の単位を落とす

2007年07月26日 | 大学でのひとこま
わたしは大学時代、専門科目のほとんどで優を取っていますが、二つだけ落とした試験があるのです。それはわたしの母校の家畜解剖学教室・橋本先生の「発生学」と「組織学」でした。いずれの試験も、90分間書きに書いて最後は鉛筆が手から落ちるほど書いたのに、60点未満で不合格。先生は点数を張り出されましたが、忘れもしません、59点で落としていました。

あのころの教務システムでは、再履修せず、再試験を受けることができたので、翌年、下級生とともに試験に臨みました。そして2年目は何とか合格できたのですが、今度も78点という点数で、やはり優は逃しました。

あのころのことを思いだすと本当に不思議なのですが、よりによってたった二つの不合格科目のひとつだった組織学、それをわたしは今本学で教えているのです。もうわたしは組織学を苦手とはしていません。むしろ組織学で食っていけるようになったのですが、それはやはりあの時、試験を落としたからではないかと思うんです。

橋本先生は優しい先生でしたが、そういう意味では厳しかった。後1点、おまけして可で通すより、再試験を受けさせました。それがわたしの身になったのですね。失敗を活かす、という話をこの間書きましたが、やはりこれも同じ話です。まわり道した分だけ、自分の力がついたのだと、それは後になってから思ったことです。

学校で習ったことなんて、実社会でたいして使わないようになるんじゃないか、とか、覚えたことをわすれちゃうんじゃのないかと思うかもしれませんが、実はそんなことはありません。失敗を繰り返して身につけたことは、そう簡単には消えません。わたしは形態には興味がなかったし、今も形態の研究者ではありませんが、組織学の知識と技術にどれだけ助けられたかわかりません。アメリカでも、そのことがわたしのアドバンテージになったのです。

来週はいよいよ大学は定期試験。
学生の皆さん、がんばってください。



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