昨日、郡山で開催された「食と放射能を考える意見交換会inふくしま」に参加してきました。この会は「食の安心・安全財団」が主催したもので、財団の考え方などはここに簡潔にわかりやすく示されています。今回の意見交換会は、パネラーの方の意見表明が中心で、時間の関係で討論にまで至りませんでしたが、いろいろな意見が聞けて大変参考になりました。わたしは科学者として、やはり科学的な根拠に基づく判断が重要だと思いますので、現在の風評被害などは非常に残念に思います。しかし、消費者の心理は科学的根拠だけでは動かせないものです。日本人の科学リテラシーの欠如というのはかなり深刻で、食にまつわる騒動やパニックの多くは、そこから発生しているのですが、これを根本的に解決しようとするのはかなり無理があります。心理はやはり別に考えた方がよいと思われるのです。専門家と呼ばれる人たちと、一般の市民の間の信頼関係がくずれているのですから、専門家が一生懸命説明しても容易には受け入れられません。「心に寄りそう」とは、また別次元の話だと考えねばならないでしょう。
ただ、消費者として、わからないことに対する不安ってのがベースにあるなら、勉強することは大事だと思います。昨日の会でも、生産者の生の声を、多くの方にぜひとも聞いてもらいたい、と思いました。今後もいろいろな機会があると思いますので、よろしくお願いいたします。
私は科学的に問題なければ問題ないと考えますが、生活の多くの時間を使う仕事が食に関するものでない中で受動的に生活していると驚くほど判断材料となる情報が入ってこないと感じています。
正直毎日の生活に追われているとなかなか情報収集をする時間が取れないのですが、信頼を回復しなくてはならないのは生産者の方たちではなく政府であり、私自身は多くの生産者の方や現場にいらっしゃる方をこれまでの実績から信頼している部分が気持ちとしてあるので少しずつでも調べて自分で判断し、生産者の方が生産を続けて頂けるように行動する必要性を感じています。
食べ物を作るってびっくりするぐらい大変なことをずっと続けて私たちの生活を支えてくれている人がいることを忘れたら本当にダメだと思うのです。
今、一番問題なのはリスクコミュニケーションなんだと思います。日本人が一番苦手とするところかもしれませんね。郡山の意見交換会でも、消費者の方が「自分の気持ちに一番近い情報を信じてしまう」というようなことをおっしゃっていて、なるほどなあと思いました。いろんな情報が錯そうしていて、一般の方には本当にわかりづらいですよね。生産者を支えていく、ということも、私たち一人ひとりが自分の問題として考えていくべき課題だと思います。