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一地方大学のありかた

2014年07月09日 | 仕事・研究
無名大学を優良大学にする力―ある大学の変革物語―
ジョン・ケラー
学文社


私が所属する大学は地方にある小さな大学で、特色のある3つの学部から成っています。近くにある東北大学は全国区の総合大学で、旧帝大の難関校。まったく違う層の高校生が受験する大学と言えましょう。しかし前にも書きましたが、日本にある700強の大学が、すべて同じ路線である必要はありません。世の中は多種多様な人々で形成されており、一般市民の文化度や教養を高める、あるいは科学リテラシーを身につけた賢い消費者を生み出す、さらに地方の活性化に尽くす人材を輩出するとなれば、一地方大学に大いに存在価値があります。幸せというのは人それぞれ。生まれてきた使命も人それぞれ。エリートとして国をひっぱる人材も必要ですが、それを支える国民の民度の高さもまた国の豊かさと言えます。ですから、地方の小さい大学がそれぞれ個性的な魅力にあふれ、進学してくる学生に大きな満足を与えられれば、都会の超難関校にはない存在意義があると思います。そうはいっても、国の予算は大きな大学に集中し、地方の小さな大学が特色を打ち出そうとしてもなかなか難しいということがあります。私はこの本を読んで、アメリカにも同じような状況があるんだということを知りました。そして一地方大学が小さいけれども魅力にあふれ、学生の満足度の高い優良な大学に変わるためにはどのように取り組んでいけばよいか、という考え方を学びました。大変参考になりました。わたしもうちの大学でできることをどんどん始めていきたいと思います。大学には若い人が集まります。地方の活性化に大学の果たす役割は極めて大きいのです。この本を読んで、大学をよりよく変革していくためには、地元自治体、企業、卒業生、保護者など多くの人を巻き込むことが大事だなと思いました。



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