寄り道 まわり道 遠くへ行く道

新しいことを見つけるって楽しい!

感覚を身につける

2013年04月25日 | 大学でのひとこま
今、学生実習でマウスを飼っています。
2グループに分け、違う種類の餌を与えて、体重の変化を調べています。あとで血液検査で肝機能・腎機能などを調べる予定。だいたい3~4週間飼育することになっていて、この間に飼育の仕方やマウスの扱い方、保定のし方などを習得してもらおうと思って行っています。

ある日、一人の学生が自分のマウスがどんどん体重が落ちていて、もうだめじゃないかと思う、と言ってやってきました。30gくらいあったはずなのに、今、15gしかないと。そのマウスは腹腔注射の実習をやったときに学生が太い血管を刺してしまい、出血が多かったマウスなので、直後は大丈夫に見えたけれどもじわじわ出血が続いていたのか?と思って見に行きました。

そしたらまあ、元気なわけです。毛艶もいいし、元気に動いてるし、しかもどう見ても体重が15gということはない。見てすぐ「体重計がおかしい」とわかりました。それで、正しく作動している体重計を使うように指示しました。

別の日、別の学生が来て飼育室に入るのでカギを貸してくださいというので、体重計ひとつ壊れてるよね。と聞くと、「大丈夫ですよ、はかれてます。」というので体重いくら?と聞いたら15gだっていうんですね。あの週齢で15gはあり得ないし、最初と比べてもおかしいでしょ?体重計が壊れてるから別なので測ってね。と言ったら「次回からそうします」というので、今測定したデータは使えないんだから、今測定し直すという考えにはならないのか?とがっかりしました。が、まあまだ3年生なのでそこは我慢。

そこで二つのことが心配になりました。

1、重さの感覚がない。

もしかして、身の回りのものがだいたいどのくらいの重さか、っていう感覚自体ないのではないか?という気がしました。長さも重さも時間の長さも自分の感覚がないのではないか?とおもってまわりの先生に聞いてみたら、「そうだね~。『牛乳の乳脂肪分ってどのくらい?』と聞いたら『40%くらいですか?』という答えでびっくりしたってこともあったなあ。」脂肪40%だったら、ぎろぎとじゃないか、って感覚はないわけですね。まあ、普段15gの重さは体感したことないかもしれないですが、100gでも危ない感じがするなあ。今度、いろいろなものの重さを測って体感してもらおう(って小学校でやるんじゃないかな、普通は)。


2、自分の目より数字を信頼?

目の前の動物が元気そうかどうか。そこがまず大事。また、飼育を始めるときに測定した値があるわけなので、一度に何十%も体重が落ちるようなことがあるかってことを常識的に考える。生き物に限らず、試薬を測るような場合も、デジタル表示が1mlと示していても、見たらそれより少ないよねってことは多々あって、自分の感覚がなければそれを見落としてしまいます。

何をするにしても、もうちょっと意識をもってやっていけば、違ってくると思うんですけれども。
ありふれた言葉で言えば、「主体的に物事に取り組む」ということでしょうかね、、、。自分の一日を丁寧に扱う、ってことでもあるかな。今日やり直せることを今日やらないという感覚は私から見たらかなり「雑」。その積み重ねで自分が出来上がっていく気がします。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする