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試験の採点

2011年08月20日 | 大学でのひとこま
1年生の試験の採点をしていました。
たぶんクラスの中のある子がノートをまとめたのを、みんなでコピーしてそれで覚えたんだと思う。
元のノート作成した子が間違っていた。だからみんな間違えた。
そんな感じの答案でした。

家畜の衛生についての問題なのに、「トイレを消毒して」ってみんな書いている。
牛舎にトイレはありませんから。

家畜の疾病発生の3要素は病因、環境、宿主であって、家畜の健康を維持増進するためにその3要素それぞれに必要な対策はという設問でしたが、非常に不思議な答案だらけでした。
よく寝るとか3度3度きちんと食べるとか書いてある。たしかに病原体の説明をするとき、わかりやすいようにと思ってヒトのウイルス疾患などの話はしました。でもどう考えても「ヒト」の話を書いてるなという答案がたくさんあって、文章もみな同じ。要するに元ノートが悪いんだと思うんですが、どうせならもうちょっと信頼できる人のノートをコピーすればよかったのに。

これ、授業の時板書しなかったんです。
口頭では話したけど、自分でまとめなさいねと言っておいた。
私が話した以外にもまだ考えられるから、自分で調べるんですよと言っておいたのですが、上記以外にもびっくりした答案には「宿主に対する対策をし、環境に対する対策をし、病因に対する対策を行う。」とか平気で書いてある。動物がストレスを感じないように飼育する。などもありましたが、私が聞いてるのは「そのために具体的に何をするのか?」ってことなんです。

1年生だけじゃなくて、上級生でも似たような答案は時々あって、たとえば口蹄疫の話なんかで「昨年のような悲劇を繰り返さないために、有効な対策を早急に打つべきである。」とか書いてくる。なんだ、その有効な対策って!!それを聞いてるんでしょーがっ。

ニュースとかですぐ「政府はなにをやってるんでしょう。早急な改善がのぞまれますね」などというコメントをつける芸能人がいますが、それと一緒。わたしは具体的に提言せよと言ってるのですが、全然疑いもせずに「有効な対策をとればよい」と書いている様子。牛ってのは飼槽の高さ変えただけで乳量が変わるような生き物なんです。乳牛飼ってる農家がみんな一律に牛の能力を100%引き出せているんじゃない。そこに技術の差が出てくるからこそ経営のおもしろさがあるんですよね。病気のコントロールも、乳房炎なんか一頭も出さないっていう家もあれば、次々に病気にしてしまう牧場もある。1年生と言えどももうちょっと深く考えてみてほしいです。



コメント (2)
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