読書・水彩画

明け暮れる読書と水彩画の日々

汚されたサーファーの世界

2012年05月18日 | 読書

◇『夜明けのパトロール』(原題:THE DAWN PATROL A NOVEL) 
                      著者: ドン・ウィズロウ(Don Wislow)
                      訳者: 中山 宥 2011.7 角川文庫 


  

 久々に面白いハードボイルド。
 「夜明けのパトロール」とは何ともおとなしい題名であるが、内容はなかなかのものだ。

 サンディエゴのパシフィックビーチで朝イチに海岸に集まりサーフィンに興ずるサーフグループ。
「朝焼けサーフィン(ドーン・パトロール)」と呼ばれている。
 この小説の主人公ドーンは、元サンディエゴ市警刑事で私立探偵ながらサーフィン第一人者で、
このグループの頭格である。波乗り仲間ドーン・パトロールのメンバーは水難救助員のディブ、
サンディエゴ市警のジョニー、サンディエゴ市公共事業課のハイ・タイド、サーフショップのハング、
麻薬組織のレッドそしてドーンの最強の友・女性サーファー・サニー。
 
 ある日事件が起きた。一人のストリッパーがモーテルの窓から投げ出され死んだ。そしてドーン
の前に緑の目をした魅力的な女性弁護士ペトラが現れ、行方不明となっている法廷証人ダンを
探してくれと依頼する。
 実は二つの事件はつながっていて、事件はこれからどんどん輻輳しつつ展開する。ドーン・パト
ロールのメンバーが複雑に絡んでいたりしてドーンを悩ませる。また、ぺトラの魅力と古くからの
友人サニーとの板挟みにあってドーンは悩む。この間、南カリフォルニアの海岸線におけるサー
フポイントの実情と歴史、サーファーの実態とサーフィンの技術、サンディエゴの歴史などが語ら
れる。

 事件はサンディエゴという多様な人種(メキシコ人・スペイン人・アメリカ人・東洋人・サモア人)が
ひしめく特殊な都市で、小児性愛好者向けの人身売買という唾棄すべき犯罪を働く集団が起こし
たものだった。

 最後はめでたしめでたしで終わる。

                                                 (以上この項終わり)

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