読書・水彩画

明け暮れる読書と水彩画の日々

西村 寿行『荒涼山河風ありて』

2024年07月08日 | 読書

◇『荒涼山河風ありて

   著者:西村 寿行   2005.8  徳間書店 刊(徳間文庫)

  

 某年4月22日5時頃、山形日報記者寺本徹は磐梯朝日連峰月山北剣が
峰方向に虹に似た怪光を見た。
 一方気象庁観測部地震課所属の河北央二はこれまで殆ど有感地震の記
録がなかった酒田測候所、山形気象台から震度1という微震ながら有感
地震の観測が報告されたことから不吉な予感に襲われる。妻香織と娘の
沙織が月山の春スキーに出かけていたからである。

 月山と並ぶ羽黒山の麓五彩沼は異様な地震による上流からの土石流で
隣接の民宿2軒が土砂に埋まり宿泊客らは巻き込まれ全員死亡と推定さ
れた。その一つが河北の妻子が泊まっていた民宿である。
 当時怪光を目視し、その時間帯に同地域に見られた黒いヘリコプター
に疑念を抱いて調査を始めた寺本と、不自然な有感地震の発現と土石流
の発生に疑念を持った河北は手を携えて不審な現象解明に奔走する。絶
対に妻と娘の仇を晴らさねばと復讐を誓う。
 
 二人は山形空港に近い陸上自衛隊第六師団司 令部に着目する。国家
機密の地震発生気象兵器の開発実験が行われていると見た。現地に向か
った二人を狙う特殊部隊。山岳部と都市部での激しい攻防の果て、最後
には勧善懲悪側の河北・寺本組が特殊部隊を壊滅させる。何度かエログ
ロ場面が登場するが、そこは西村寿行ワールド、読者向けサービスであ
ろう(それにしてもグロさが酷い)。
「終わったな」、「どこへいく」、「地獄以外にどこか行くところがあ
るのか」
                     (以上この項終わり)

 




 

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