◇ 透明水彩で阿修羅像を
clester F6
先週の教室では「写真を見て制作」がテーマ。
思い立って永遠の課題「興福寺の阿修羅像」に挑戦した。
前回阿修羅像を描いたのは2009年8月。
モナリザにも匹敵する謎のほほえみをどう表現できるか、無謀な挑戦であったが、
あれから8年、少しは阿修羅像の本質に近づけただろうか。
阿修羅像は青年なのかあるいは年若き女性なのか。
私は切れ長の、少し眦が吊り上がった表情が今は亡き女優夏目雅子の印象に近く、
若い女性像ととらえていたのであるが、今回描き終わって見れば、眼差しはもちろ
ん口元も全体の印象も見事に女性らしくなっていて、やはり受け止めた印象通りに
表現されてしまうのだなと納得した。
阿修羅像はこのころの仏像に多い脱活乾漆造の三面六臂。耳やあご下などには鮮
やかな朱色が残っているが、1300年に及ぶ時代の空気で突出部は色あせ、あるい
は黒ずんでいる。金箔で覆われた衣装や腕なども煤まみれと思われるまだら模様。
こうした年月が及ぼした実体外面を大胆に捨象し、仏像が持つ厳かな内面を映し
出すのも一つの描き方。またできるだけ対象を写実的に写し内面に迫るも一法。
さて、結果は御覧の通り。まだまだ実体に迫っていないと更なる研鑽が必要と感
じ入った次第。
(以上この項終わり)