消防士 兼 旅人の日記

消防署での出来事、ダラダラした日常生活を綴ります。

搬送拒否

2010-05-17 23:37:53 | 消防・救急
昨日は5件、この署にしてみれば多い方。

相変わらず夜中の出場は無かったのですが、昨日は休みの日であったために交通量も多く、緊急走行するにも神経を使う1当番でした。

渋滞の中を通り抜ける時って結構緊張するんですよね。車の間と間の狭いところを通り抜けますので、ぶつけたりしないかなんて


当消防署管内は休日になると人が増えます。

アウトドアなどのレジャーで来られる方が多く、それに伴って交通事故が増えたり、ケガをしたやら何やらで呼ばれることが多くなります。

昨日も例に漏れず交通事故が発生し、双方で負傷者が出ていたため現場に2台救急車が向かうことになりました。

(交通事故の当事者双方で負傷者が発生すると、トラブルを避けるため別々の救急車で別の病院に搬送します。しかし、双方にトラブルになりそうな気配は無く、了解が得られれば1台の救急車でまとめて搬送することも。ただし、意識もはっきりしており、ちょっとぶつけただとかの軽症と思われる場合のみです)


当初は1台だけ向かっていた救急車ですが、途中で双方にけが人がおり片方は重症とまでは行かないものの、固定したり酸素投与をしたりしなければならず1人だけ運ぶのが精いっぱい。

なのでもう片方の負傷者を搬送するべく私達が出場したのですが、ただでさえ救急車が現場に着くまでに10分以上が当たり前の地域。現場に着くまでに20分程の時間を要しました。


負傷したのは運転者ではなく同乗の方だったのですが、衝突の際に顔面をぶつけたようでした。

現場について首の痛みを訴えておりましたので、ネックカラーにて頚部(首)の固定。事故のショックで動揺していたのか多少過呼吸気味。

病院受診を勧めたのですがお住まいが遠方で、こちらの病院で診察をするとまたこちらに来なくてはならず、それが手間になるために搬送を拒否するとの申し出がありました。


バイタルサインを測定し特に異常を認めるような数値では無かったのですが、首には大事な神経があり、万が一のことがあると重大な障害が残ることがあるために強く病院受診を勧めたのですが、地元の病院に責任持って連れて行くからとやっぱり拒否。

意識のしっかりした方がはっきりと拒否をする以上、無理やり病院には連れて行けませんので、搬送拒否の署名をもらって現場を引き揚げることになりました。

同乗の方に必ず病院に行くことと、途中で何かおかしいな、体調が悪いなと思ったらすぐに119番するように伝えて。


たぶん病院に行っても軽症で済んでしまうような感じでしたが、やっぱり何があるか分からない。

ぶつかった衝撃も大きく(車がだいぶ変形していた)、思ったより身体にダメージはあることが予想されたために強く病院受診を勧めたのですが…。

その後どうなったかな?ちゃんと病院行ったかな?と気になる所です。

知る由はありませんが


昨日は件数も多く、走行距離も多かったのでいつもより疲れを感じた1当番でした。



明日はお休み。嫁は仕事。

嫁の職場に保育室があり、嫁が仕事の時にはチビムサシ君もそこに行ってるのですが、明日は嫁が外に研修に出るために保育室へは行かずに私とお留守番です。


最近は何でも『イヤ!』なようで、オムツ替えやお風呂、ご飯を食べさせるのにも一苦労。

明日はいかにご機嫌をとり、いかにお昼寝をさせるか。ある意味、戦いの1日になりそうです

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
難しいですね (うーわんマン)
2010-05-19 13:35:58
搬送拒否って難しいですよね。

それをめぐってトラブルになり、裁判になんて例も過去ありますもんね。

市民サービスである以上、無理矢理に搬送もできませんし。

僕なんかも『何かあったらすぐに119を』って事をかなり念押ししますね。



チビムサシくんとのお留守番どうでしたか?

『いや』を覚えると本当、大変ですよね。ウチもとにかく返って来る返事はそればっかりですよ。
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お疲れさまです (ひらこ)
2010-05-20 19:51:45
搬送拒否という言葉を初めてききました!

搬送する際に搬送先の病院が決まらなかったり、病院から拒否をされたりすることがあることは聞いたことがありますが、搬送拒否するということがあることに驚きました。

救急隊の方の気持ちはもちろん分かりますし 負傷者の方の言い分も後々のことを考えると分かる気がしますし…

難しいところですね。

私自身知らない内容でしたので、すごく考えさせられました。

あと余談ですが…
つい最近、消防士さんに恋をしてしまいました(笑)

通勤路に消防署があって もう4年も同じ道を通っているのですが…自分でもビックリしています(笑)

話すきっかけなんてないので どうなることはないですが 最近は『今日はいるのかな?』なんて考えながら通るのが楽しみになっています♪

ムサシさんにこんな話してすみません(笑)
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うーわんマンさんへ (ムサシ)
2010-05-20 22:07:48
こちらの言い分としては、何度も病院に行って診てもらいましょうと言っても断固拒否。

仕方なく不搬送で署名をもらい、万が一おかしいと思ったらまたすぐに119番するようにお願いしているのが現状。

しかしながら判例では、これでも消防側が負けるケースがあります。一昔前の『自己責任』という言葉はこの世界では無いようですね。


個人を尊重する時代になり、それが義務を果たさず権利ばかりを主張するように。給料だって安いのに、本当に一生懸命に働いてるのに、根拠の分からないデータで人件費が高いだの言われて給料はカットされ、やっつけ仕事だの何だの言われる。

働きにくい世の中だなとつくづく思います。
と、愚痴になってしまいましたね、すみません。


この交通事故事案は、片方の運転者は意識レベルは保っていたものの、車がだいぶ損傷していて高エネルギー事故が疑われたため、ロードアンドゴーとなりました。

エアバックに顔面を強打し、頚部も打っているようでしたので何度も搬送を勧めてみてもダメでした。

顔面は何とかなるにしても、やっぱり頚部の痛みは不安が取れません。

あの後ちゃんと病院に行き、何ともなければ良いなと思っています。まだ将来のある若い方でしたからね


最近のチビムサシ君は何でも『イヤ』

あれしようか?これしようか?と言っても『イヤ』の一点張り。何がしたいの?と聞いても同じ。

自分でも時々何がしたいのか分からずにかんしゃく起こすことがありますが、それもまた成長の証なのでしょう。

親の私達もイライラする時がありますが、これも子供の成長なのだと言い聞かせて見守るようになりました
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ひらこさんへ (ムサシ)
2010-05-20 22:28:05
わりとよくあると言うわけでは無いのですが、時々搬送を拒否され不搬送で引き揚げることがあります。

傷病者本人、もしくは関係者では無い第3者の方が通報し救急車が来たが、傷病者本人が必要無いと拒否するケースがまず一つ。(酔っ払って路上に寝てただけと言うのも含みます)

大半はこのようなことですが、中には病院受診を希望しているが、希望の病院に行けないことが分かるとヘソ曲げて帰る!と言い出してしまうこともあります。

昨日の事案がまさにそれ。1時間以上も現場にいて、結局不搬送で帰ってきました。


いずれはこの手のお話も書いてみたいと思います。今の署は出場件数が少ないですが、今年の3月まで勤務していた署では、通算3年いて2000件以上の出場をしています。

印象深かったのは今でも覚えています。もっとこうしておけばよかったと言う反省点や、ガッカリくるようなことまで。

ネタが無くなったら書こうと思いますので、気長にお待ちください(苦笑)


消防署の勤務は各消防本部によってまちまちですが、2交代か3交代制です。

なので気になる方も1日おき、もしくは2日おきにはいることでしょう。(休みを取っている場合もありますが)


話すきっかけが無くお困りでしたら、道を聞いてみるのも良いかもしれません。

いきなり、例えば救急のこと教えて下さい!と聞くよりかは難易度が低いと思われます。

よく道を教えて下さいと消防署に来られる方もいらっしゃいます。


それも私達の仕事。分かる範囲であればお答えできますよ
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ありがとうございます (ひらこ)
2010-05-21 20:28:21
私のしょうもない恋愛話に丁寧に答えてくださって ありがとうございます☆

道を聞くことは考えつきませんでした!

でも、いつも車で通るだけなのでちょっと難しいですね

本署なので建物も大きくて、寄るのにもかなりの勇気が必要です

ムサシさん ありがとうございました★
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ひらこさんへ (ムサシ)
2010-05-22 06:08:43
ご丁寧に消防署の来庁者駐車場に車を止めて、わざわざ道を危機に来られる方もいらっしゃいます。

聞かれるとすれば大体消防署近辺ですので、こちらも具体的に説明ができますし、ちょっと離れていれば地図を出したり、簡易的に書いてお渡ししたり。

できることがあれば、私達もできる範囲でそれに応えてたいと思っています。


お仕事柄、接触があるとすればやっぱり避難訓練とかになるのでしょうか。

もしもの時に何か応急手当を学んでおきたいこととかもしあれば、思い切って聞いてみるのが良いかもしれませんね

消防職員も熱心ですから、聞かれれば頑張って答える人が多いですよ
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