消防士 兼 旅人の日記

消防署での出来事、ダラダラした日常生活を綴ります。

道を空けて下さい

2011-10-01 22:17:49 | 救急隊の本音
連休最終日、今週1週間はほぼ休みであったために普段と違うことをやろうと決めていた1週間。

実践したことを振り返ってみますと、記事にも書いた洗車、献血(32回目)、それからパソコン上の写真・ビデオの整理、DVDを借りて来ての観賞。

いつもの嫁子どもの送り迎えにプラスしてこんなもんですね。1人でないとなかなかゆっくりできないものばかり。

比較的のんびり過ごせたかな?と思います。昨日ちょっと仕事の都合で出かけたのが余計だった気もしますけど


さて、最初から話が脱線してしまいましたが、ここからは仕事の話。

普段救急車にに乗っていると、タイトルにもあるとおり『道を空けて下さい』と思うことが多々あります。

サイレン鳴らし赤色回転灯を回しながら走っていれば緊急車両とみなされ、赤信号を通過できたり反対車線へはみ出して走行できたりなど色々な特例があるわけです。

それでも緊急車両側が気をつけなくてはいけないことがあるわけですが、車を運転するドライバーであれば免許があるわけですので、当然道を譲らなくてはいけないことは承知しているはずだと思います。

ですが現実、道を譲ってくれない車があるのが事実。これが本当にごく一部の…と言うわけでもなく、意外と多かったりする。10人いたら1割2割は道をなかなか譲ってくれないものです。


例を挙げますと、救急車がサイレン+赤色回転灯をつけて緊急走行中。

いつかのお話にも書いたとおり、救急車って緊急走行だからって極端にスピードを出して走っているわけではありません。

・救急車の存在には(たぶん)気がついているんだろうけど、そのままのスピードで走行する前の車。反対車線が来ていなければセンターラインをまたぐようにして走り、救急車が接近しているよってアピールするものの、一向にスピードを落とす気配は無く。間隔が詰まってきてようやく左に避けて止まるケース。

・早い段階から救急車の接近に気がついているが、左に避けただけでそのまま走り続けるケース。救急車を運転している側としては危なくて追い越しかけれません。

・救急車の2台前を走っていた車は救急車に気がつき、早めに左側に避けて止まったものの、そのすぐ後ろを走っていた車(救急車から見たら、救急車のすぐ前の車)は前の車が救急車の接近のため止まったにも関わらず追い越しをかけ、結果2重追い越し未遂のような感じになるもの。


サイレンなどを過信せずに運転するようには常々言われており、止まらない車もあることを考えて運転しろとは口酸っぱく言われてはいるものの、明らかに気がついているのに譲らないっておかしいんじゃないか?って思うこともあります。止まらない車があるから気をつけようと言うのは建前で、本音としては免許取った時に教わらなかったの?とイライラすることがあるのも事実です。

それが結構急ぐような容体の傷病者を搬送するときに限って多かったりします。

前述したような、なかなか譲らない車をようやく追い越した時にチラッと見てみれば、携帯電話で話しながら運転しているのもいますし。


最近の車は意外と防音がしっかりしているような感じがしており、窓閉めてオーディオかけていれば聞こえにくいと言うのもあります。

それでも近づいてくれば音にも気がつくでしょうし、赤色の回転灯にも気がつくはず。ミラーでも確認できるでしょうし、夜ならば尚更。

それにプラスして日中ならばハイビームにして走りますし、夜でも必要に応じてハイビームにして救急車の存在をアピールすることはあります。(特に夜間は事故を誘発しかねないので、やる時は慎重にやりますが)

とにかく救急車が走ってるんだよ!と言うのをこっちから積極的にアピールしないとなかなか譲ってくれないような、そんな感じがしています。


マイクとか使って具体的に指示をするものの従ってくれることのないまま平気で無視して走る車もありますし、救急車を避けようとしたら事故を起こしそうになった、と苦情の電話が入ることもごくごくたまにあります。これが緊急回線である119番で言われるもんだから困ったもの。いざ火災入電の時に繋がらない可能性も出てくるわけです。


なのでここで改めて言うのも変ですが、あえて言います。

救急車や消防車など、緊急車両が近づいてきたら道を譲って下さい。なかなか近づいてこないからまだ良いやではなくて、気がついたら早めに(原則)左によって緊急車両が通れるスペースを作って下さい。そしてできれば一度は止まって下さい。左に寄りながら走っている車を追い越すのは正直危なっかしく、対向車線の車も来ていたら正直追い抜くのは怖い。事故のリスクがあります。

サイレンを鳴らして走り、急ぐにはそれなりの理由があります。火災や事故、急な病気などにより生命を脅かすような状態になっている人がいるかもしれないと言うことを考えて頂けたら幸いです。


明日は仕事です。

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10 コメント

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悲しいな、といつも思っています (JF1NIA)
2011-10-01 23:18:43
私が原付免許を取った30年前頃は、『法律で決められているからでなく、人命の為に当たり前のこと』『罰則があるからと、救急車に道を譲るような世の中になったら悲しいな』と思えるほど救急車が来たら、慌ただしく車は左によけて停まっていた記憶があります。
カーオーディオをガンガン鳴らしていても、周りの車が一斉に左によけていたから、サイレンが聞こえなくても救急車の接近に気がつかない事はありませんでした。

私を含め家族が救急車のお世話になった事もあり、特に息子が予防接種で強烈なアレルギー反応で一刻を争う事態を経験してからは、車に同乗した家族誰もが救急車のサイレンが聞こえた気がしただけで窓を開け救急車が接近する方向を確認するのが当たり前になっています。

しかし、

ムサシさんがご指摘の通り、私達家族の行動は少数派です。
何故?
救急車の中で生死の境をさまよっている人がいるかもしれないとの知識はあるはずなのに…

悲しい事です。

信号待ちだからと中央分離帯のある交差点を塞いでいるドライバーを怒鳴った事もありましたが、逆ギレされました。

震災でなくても、救急車の出場はそれだけで非常事態なのに…
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そうですよね。 (まなっぺ)
2011-10-02 23:38:46
遅い夏休みは ゆっくり過ごせたようですね♪しかもムサシさん献血 32回!凄すぎます!!

私も 今日同じような光景を偶然見ました…サイレンを鳴らし、赤色回転灯をつけて ゆっくり走ってたので、たぶん患者さんを乗せ、病院に向かってた時でしょう。 信号機のない交差点から右折しようとしていましたが、直進してくる車が まったく止まらず… なかなか曲がれないっていぅ雰囲気でした。 普通は気づきますよね…「え~。」って感じました。意外によく見ます。 先日も 左に寄らず、後ろから来ている救急車がいるのに、平気で前を車が走ってました…ちょっと 信じられません。
なんのために、そうしているのか…理解してもらいたいものですね。  
話は変わりますが、ムサシさんの消防署は普通救命講習以外に、上級救命講習 応急手当普及員の講習はなさられていますか?といぅのも… 私の住んでいる市は、普通以外の講習が行われていないんです。 普通救命講習にしても三ヶ月に一回。少な過ぎませんか?消防署に問い合わせをしたところ「人数が足りないので上級救命講習はしてないんです」と言われました。「じゃぁ受けたい人はどうしたらいいの?」とは言えず…

私は 将来的に、応急手当普及員になりたいので、他の都市で行ってるとこを探して 受講しようと思っています!

なかなか田舎の方の消防署は開かれてないみたいですね。(そこまで田舎ではないんだけどなぁ)

まずは上級救命講習に参加したいと思っています!
ちなみに 私は普通救命講習も受けてないのですが、上級救命講習から参加してもいぃのでしょうか?
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JF1NIAさんへ (ムサシ)
2011-10-03 22:16:48
人間自分が苦労や嫌なことを体験しないと、次に生きてこないのでしょうね、悲しいけど。

大震災の時もそれなりに生活に支障が出まして、お店に行けば品が無い状態。買い置きどころか普段の買い物すらできなくなり、ガソリンスタンドだって長蛇の列。ですが、今ではその記憶も薄れつつあります。


救急車が今では『救』うために『急』ぐ車では無くなってしまっています。『救』はまだあっても、『急』なことが少ないのです。下手すりゃ消防署に見学に来た小学生の方が救急車の使い方を知ってるよと言う皮肉なこともあります。


免許持ってるなら分かってるでしょ?って思うこともしばしば。権利意識ばかりで義務は果たさない。嫌な世の中ですね。
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まなっぺさんへ (ムサシ)
2011-10-03 22:42:57
昨日の当番の時も、やはり道を譲らない車が。

しばらく前から後方を走っており、気がついていないわけがないのにちっとも止まらず。交差点においても止まらずに直進してくる車。

全部が全部じゃないんですよ。でも、そんな車が多く感じています。救急件数が多くなれば必然的に救急車に遭遇する機会も増えるでしょう。

救急車が走ることがもはや当たり前の時代であり、それに慣れてしまっている。記事にも書いた防音面でも整ってしまい、音で気づかない。

気づかなければモーターサイレンやマイクも遣って注意を促すわけですが、そうしたら今度はサイレンがうるさいとの苦情が来る世の中です。中にはサイレン鳴らさずに来てくれって言うのもありますけど(論外です)

これじゃ嫌気がさして辞めて行く人がいるのもうなずけますね、これだけ自分勝手な人が多い中、公のために…と言う熱も冷めちゃう。分かる気がします。


さて上級救命講習、応急手当普及員講習は我が消防でも開催されています。普通救命講習に比べれば割合は減っていますが、それは消防署主催のお話。でも、普通救命講習はまなっぺさんの所よりもう少し多く開催しているかな?

普通・上級救命講習はある程度の人数が集まる団体さんからの要請であれば、こちらから出向いて開催します。元々の主催分とは別枠ですね。

資格取得に関しては、例えば隣の市町村での受講が可能なのか。(在住、在勤に限られる場合もあり)もしくは、日赤の救急法などを受講されてみるとか。こんな方法もあろうかと思います。

それと、一度お尋ねになった場所へ、上級救命を受講するにはどうしたらいいかですとか、普及員の資格を取りたいがどうすればいいか。お尋ねになってみても良いかと思います。

それはクレームでもなんでもなく、住民からのご意見として受け取るべきものであると考えます。

上級救命から受講されても、何の問題もないですよ!消防署へ入る前ですが、私も上級救命講習を受講(普通救命の受講歴なし)しましたから
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Unknown (Unknown)
2012-11-04 16:53:06
ブログで言う事ではないな
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Unknown (Unknown)
2015-06-18 13:46:15
ハイビームは対向車は気がつくけど、目くらましになるから危ないだろ。おまけにウインカー付けてたって、見えやしないよ?ハイビームにするなとは言わないけど、使い分けも必要じゃない?それぐらいのモラルもないと、道を譲らない人達にモラルは求められないと思いますよ?道を譲って当たり前ですが、譲ってもらう側にも謙虚な心は必要だと思います。
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名なしさんへ (ムサシ)
2015-06-19 23:10:18
ただ単にお忘れなだけかもしれませんが、せっかくコメントもらったのでお名前を頂きたかったです。普段、名なしのコメントに対してはお返事しないようにしたのですが、今回は私も意見を述べます。

ハイビーム、さすがに夜間は滅多にやりませんね。ですが日中は『知らせる』目的でハイビームにはします。後は対向車線にはみ出す時、パッシングなんかもしますかね。対向車線に出るよ!って言う合図として。

いかに緊急走行で周りの車に知らせ、安全に車を走らせるか。と言う目的を達成する中でのテクニックとしてご理解下さい。走るポジショニングなんかも意識して走ってるものです。

ウインカーですが、『見える』ことを目的にするのではなく、連動音声でやはり知らせることを目的にしています。


道を譲らない人にモラルを…とおっしゃいますが、運転する以上免許持ってるんでしょ?緊急車両に道を譲るのは当たり前のこと。気づいていてなお、避けない譲らないって言うのがそもそもドライバーとしてどうなんでしょうか?

こっちだってどけどけ!ってつもりで運転なんかしません。譲ってもらえばマイクで言うなり手を挙げるなりはしていますよ。

気づいてなければ色々な方法で知らせて、避けてもらうなりしないとなりません。命を救うと言う目的のためにね。

自分が今にも死にそうだ、家族、身内がそのような状態で一刻を争う時、道を譲らない車見ても何とも思いませんか?

自分には関係ない。そう思うような世の中に私は不安を感じますね。

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緊急時にモラル...? (Valrose)
2016-06-13 15:14:14
上の名無しさんのようなドライバーや歩行者が道を譲らないのかもしれませんね。

緊急時にもモラルが必要ってどういうことなんだろう?私にはさっぱり意味不明です。
例えば多数の目がある中でのBLSで傷病者のプライバシーを確保する事は、SNSなどが発達した今、重要だとは思いますが決して最優先事項ではありませんよね。この優先順位を混同しているのと同じでは?

>道を譲って当たり前ですが、譲ってもらう側にも謙虚な心は必要だと思います

救急車に遭遇する度に思うのですが、主張が不足している。だからこういう呑気に考える余裕を馬鹿者に与えるのでは?と思ってしまう。クラクションは消防車は鳴らすことがありますが、救急車ももっと鳴らしていいのでは?もしや道交法が邪魔をするのでしょうか。

緊急自動車妨害の厳罰化に加え、緊急自動車へLEDの増設、前照灯の点滅機能追加、サイレンの変更などが急務ではないかといつももどかしい思いです。

あとは、サイレンをもっと激しいものにし、断続的に鳴らすなど。ヨーロッパの救急車のサイレンは断続的に鳴らしてクラクションと併用しているので、総じて「煩い」という印象はあまり持ちません。理想を語るのはこの辺にしますが。

都内、歩行者信号が青の交差点では、救急車がもう止まりそうなほど慎重に徐行するのをよく目にします。まるで歩行者に道を譲っているかのような錯覚を与えるので、もう少し突っ込んでいっても良いのでは...と思う事があります。

譲らない人が増えると、そのうち有料化、高額化が現実となりそうです。
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Valroseさんへ (ムサシ)
2016-06-29 15:31:55
お返事が大変遅くなり申し訳ありません。また、動画もありがとうございました。

コメント頂いた記事は少し前の記事になりますが、こういったことは今でもあります。今では歩きスマホにより近づいても全く気づかない人もいます。こちらが赤なのでゆっくり交差点に進入し、歩行者との距離も近づくわけですが、歩行者からぶつかってきそうなケースもありました。思わずマイクで『危ない!!』って言ってようやく気づいてくれた人もいた…ってことがありましたね。

サイレン鳴ってようがこちらが優先なんだからって言う人が多いようにも思うこの頃です。
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Unknown (Unknown)
2018-11-07 11:35:39
緊急車両を運転する方に言いたいのですが、夜間対向車がいてもハイビームのまま走行する方が非常に多く迷惑しています。緊急車両だと気づけばすぐに道は空けていますがアピールのつもりのハイビームで赤色灯がまったく見えず、逆にわかりませんし迷惑です。
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