消防士 兼 旅人の日記

消防署での出来事、ダラダラした日常生活を綴ります。

応急手当普及員講習

2008-10-21 23:24:31 | 消防・救急
今日は本来ならば休みの日ですが、休日を返上して講師の仕事に行ってきました。

今日行って来たのは、タイトルにもあるとおり『応急手当普及員』という資格を取得するための講習。全部で3日間の日程で、そのうちのラスト1日が私たちの署の担当でした。


普段の救命講習などは我々消防職員が指導員として救命講習会を開催したり、各事業所などに出向いて指導したりするのですが、簡単に言えばこの資格を持っていれば、自分が指導員として教える側の立場になれるというもの。応急手当の指導者を養成する講習会ですね。

応急手当普及員の資格を持っている人が、消防署から署員を派遣してもらわなくても、自分の会社で自分が講師として、他の社員に教える事ができますし、登録しておけば講師の派遣依頼をお願いすることもあります。


この資格取得を目指すにあたって、自主的に覚えて会社でやろうという意欲のある方もいれば、会社の業務命令で仕方なく…と言う方も。


教える側の立場になりますので、やはり皆さん心肺蘇生法の基本的な流れは覚えていらっしゃいますし、とてもスムーズでした。

しかし、自分ができるだけでは意味がありませんので、まったくの素人に一から教えるための方法。自分なりにレッスンプランを作成してきてもらい、今日実際に受講者には講師として、私は何も知らない素人役として進めて行きました。


朝から夕方までの長丁場。私たちは1日だけの講師でしたが、受講者は朝から夕方までを3日間。大変お疲れだったと思います。ですが、やはり意欲的な方が多くて質問も多数飛び交い、時々笑いも起こり、意義のある講習会でした。

私もやりがいを感じましたし、収穫のある1日だったと思います。

明日もまた仕事だという事を除けば…


最近は件数も少なく、夜中も眠れていますので、どうか明日もこの流れが続きますように…

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7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お疲れ様です (まこ)
2008-10-22 14:38:53
こんにちは(^-^)/仕事以外にも色々とお疲れ様ですね。
今日もニュースで妊婦さんの救急の受け入れが決まらずあちこちたらいまわしにされ、結局亡くなってしまったというのを耳にしました。以前にも何回が聞いててこういうのが身に起こったら本人もとても辛いしまして家族も悲しい思いをすると思います。病院は何の為にあるのですかね(-_-)信じられません!この件は赤ちゃんは産まれたらしけど、お母さんが無念で。
現場で活躍してる救急隊員さんも無線で問い合わせたりと大変ですよね。こんな事故?事件?二度と起こらないといいけど。大事な命ですものね。
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お疲れ様です! ()
2008-10-23 14:16:13
そんな資格ができたんですね興味あるけど人に教えるのは難しいですよね
頭では理解してても人にうまく伝えられないけど消防士さんは講習会の時スラスラ分かりやすく説明してて凄いですよね
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まこさんへ (ムサシ)
2008-10-24 22:14:07
お返事が遅くなりました。

東京の妊婦さんのニュースでしょうか?ニュースを見て私なりに考えたことは、各病院間で言った言わないの食い違いがあるようで、システムの見直しも検討する必要があるのかなと思う事案でしたが、妊婦さんの脳出血と言う症状からすると、救命は難しかったのではないかと思うのです。

今のこのご時世、産婦人科医は少なくなり、出産を取り扱う病院もどんどん減少しています。こういった背景には、他の科目に比べて訴訟リスクが高いことが代表的な特徴です。

そもそも出産とは女性にとっての大仕事。それには必ずリスクが付きまといますし、決して安全とは言い切れません。ましてや高齢出産ともなればリスクはあがってくるものです。

日本は世界の国々に比べれば、死亡率の低さはトップクラスです。しかし、先ほども述べたとおり、お産は決して安全なものではないのです。ですが、出産は安全だと思い込んでる人があまりにも多く、子供に何か先天性の病気、障害があった場合、妊婦さんの予後に問題があった場合、それを病院の責任として訴えるケースが多いのです。

福島県の病院だったかな?最終的に無罪となりましたが、産科医が逮捕されたケースもありましたね。

そのために産科医を志す若い医師も少なくなり、結果的に産科医の減少につながってしまう。産科医がいなくなれば、必然的に出産を取り扱う医療機関も減少してしまう。


マスコミはたらい回しだ受け入れ拒否だ、その結果妊婦さんが死亡した。悲劇のヒロインのような書き方をしていますが、私はこれには強い嫌悪感があります。そもそもたらい回し、受け入れ拒否という言葉を使うこと自体、間違っていると思います。

産科医の減少、出産を取り扱う医療機関の減少。少ない医療機関に妊婦さんが来ることにより、慢性的なベッド満床状態が続き、休む間もなく処置をしなければならない。

救急車で運ばれてくる妊婦さんだけが患者さんじゃない。他にもリスクのある妊婦さんだっているんです。救急で運ばれてきた妊婦さん優先して処置した挙句、入院していた他のリスクの高い妊婦さんが亡くなったらどうするのか。

ましてや今回ニュースになったのは脳出血を発症した妊婦さん。症状から見ても不運に不運が重なった、不幸な事故だったと思うのです。

病院だって好きで受け入れを断っているわけではないはずです。それがこんな形でニュースとして取り上げられてしまったら、さらに産科医の減少が進んでしまい、悪循環に陥ってしまうと思うのです。こうなってしまったのは、医療を受ける私たち患者にも問題があります。


信じられないとお思いでしょうが、今はこれが現実です。救急の現場で、産科の病院で何件も病院をあたるのはいつものこと。すんなり決まることなんて無いに等しいです。どこもベッド満床、処置中で断られることが多いのです。


勘違いしてほしくないのは、私は決して病院の肩を持っているわけではないと言うこと。病院間の伝達ミスがあったかと思われますし、システム的に不備があったかもしれない。そこは検討する必要があるでしょう。

私たちが知らなければならないのは、今の産婦人科医の減少、出産を取り扱う機関の減少。そして、出産は命がけの大仕事。決して安全なものではなく、常にリスクもついて回るものなんだよと言うことを知らなければなりません。


長々と失礼しました。

母親の冥福と、産まれた子供が元気に育ってくれることを願ってやみません。
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8さんへ (ムサシ)
2008-10-24 22:24:41
お返事が遅くなりました。

私は人前で話すのが嫌いではありませんので、こういった講師の仕事があれば、どんどん行かせてもらいたいと思うのです。

普通救命講習などにも行って、心肺蘇生法を教えるのもそうですが、直接市民の方々に救急隊の現実を知ってもらい、救急車の適正利用を訴えるチャンスでもあるのです。


人に教えられるようにするには、教わるときの3倍勉強しろと言われたことがあります。まったく想定していなかった質問をされて回答に困ることもありますが、それも勉強。

忘れかけていたことも、改めて覚えなおすチャンスでもありますね。
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久々の晴れです〓 (まこ)
2008-10-25 08:04:52
おはようございます。

ご丁寧な説明、また、病院側にも諸事情というものがが色々とあるのですね。安易な事を言ってしまいごめんなさい。
しかしながら難しい世の中になってきましたなぁ少子高齢化社会、病院は満室、お医者さんも過労で限界、医者不足、どうなっていくのやら。大変な世の中です。
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Unknown (まこ)
2008-10-25 08:26:07
円滑にかつ安心してお願い出来る医療機関になる様に希望しまーす
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まこさんへ (ムサシ)
2008-10-27 11:22:28
またまたお返事が遅くなってしまいました。

妊婦になって初めて知る出産難民という言葉。医療従事者しか今の現状を知りえないこと。当事者にならない限り知ることは難しいことです。

現状を知らない人達に今の産婦人科医を取り巻く環境を伝え、医療従事者や一般市民も問題点を考えなければならないのに、どうもマスコミはたらい回しという言葉を使いたがり、医療従事者、病院、救急隊を悪いようにしようとしている。

こうなった原因は、モンスター化した患者に原因もあるし、マスコミのいらぬ責任の追求によるところが大きいと思います。

休日夜間に緊急性のないことで救急外来を受診する患者に人手を取られてしまい、肝心の救急車で運ばれる人に手が回らなかったり、処置が気にいらないからとの理由で医療費を踏み倒したり。産科に限っては、未受診妊婦の飛び込み出産や、医療費を支払わずに子供を置いて逃げてしまう患者もいます。

これらのことも出産を取り扱う医療機関の減少につながったり、産科に限らず救急車の受け入れに協力してくれる救急告示病院の減少にもつながってきます。

それがどんな影響を与えるのか?それを伝えるのがマスコミの役割であって、決して病院を咎めたり批判するのがマスコミの仕事ではないと思うのです。それはニュース番組に出るコメンテーターにも言える事。


伝えるものを間違えてないか?と思うのです。


どんな事情があるにしろ、結果的に亡くなってしまった方は無念でしょうし、残されたご遺族の方々にはお気の毒だと思います。


こういった問題が改善されて、希望の持てる世の中になると良いですね(^^)
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