消防士 兼 旅人の日記

消防署での出来事、ダラダラした日常生活を綴ります。

新人職員に思う

2014-11-28 21:59:39 | 消防・救急
今日もお休み。前回の当直は休日出勤の代休で休んだため、元々の休みの日を含めて連休になっておりました。

特に予定らしい予定もありませんでしたし、年末も近づいてきましたのでちょっとずつ大掃除を始めました。

今年は大規模な部屋の模様替えを考えていますので、それに伴う下準備も。誘惑も多くて予定の8割ほどしか捗りませんでしたが、私の性格からしてみれば8割できたことは万々歳な方かもしれません(笑)

暇を見つけてはちょっとずつ、やって行こうと思います。


話題を変えて、たまには仕事の話。

先日から消防学校を卒業した新人職員が各消防署に配属されました。

配属されたと言ってもまだ一人前の戦力、頭数としては見ておらず、言わばみそっかす状態。それでも災害出場の際は消防車両に乗って出場しますし、業務で外にも出ます。

怒られつつ励まされつつ、少しでも吸収しようと日々頑張っている新人職員達です。


そんな新人職員に対して、思うこと。

最近は救急救命士の資格を持って入ってくる新人も多くいます。

国家試験に合格してはいますが、就業前研修等はまだ終えてませんので、まだ救急救命士として任務につくことはできません。

それに、救命士を持っているからと言ってすぐに救急隊か…と言われても、そうじゃないことも。


救命士の資格を取った理由が消防に入って救急隊として活躍したいから…と言うのもあるし、中には(救命士)持っていれば消防に入りやすいから…と考える人も中にはいるだろうし。

理由はどうあれ、資格を取ってから消防に入ってくることに関しての是非は何とも言えませんけど、中には勘違いしている新人がいるのもまた事実なのです。


先日、ある消防署で一人の新人職員が退職したようです。

その理由が、簡単に言えば『救命士取って入ったんだから、自分は救急しかやりたくない。他のこと(消防隊とか救助隊とか)やるために入ったんじゃない』と。

自分の思うことができないことに腹を立て、職場に来なくなり辞めたそうです。


資格があったとしてもまだ救命士として業務を行って良いですよと言う認定も下りていないのに、何を言ってるのか?と。

救急だけが良いってそんな都合の良い話は無い。消防の仕事って救急だけって思ってるのか?出場の多い救急隊は忙しく、それと比べると出場の少ない他の部隊は暇だと思ってるのか?

まぁ理解に苦しむ感じでした。


救命士取るぐらいなんだから、少なからずその道に興味があって、将来的にもその道に進みたいんだろうけど、私達の働く消防の世界はそれだけじゃない。

消防(火消し)に始まり、救助、当然救急も。119番を受ける通信指令室、火災を未然に防ぐ予防の仕事、勤務を司る総務の仕事だってあるし、防災対策を専門にするところも。

これらのものが集まっての消防であり、組織がある。そして、方法は違えど人命・財産を守ると言う点では皆同じ。

希望はあるかもしれないけど、与えられた任務で人命救助に当たるのが消防職員としての任務である。希望とは違っても、与えられた仕事をきっちりこなさなければならないのが消防職員であると言う前に社会人として当たり前のこと。

どうもこれがね、残念ながらできない新人さんがいるのも事実。ここ数年で何度か聞く話。


これは私の勤める消防署でのお話ではありませんが、先日仲の良い同期からこんな話を聞いたので、思ったことも交えて。

ついていけない、自分には合わないで辞めて行くのもいます。それはそれで自分で見極めての結果なんだろうからどうこう言いません。

しかし、この『資格を持ってるから』が少々面倒にもなっているのも実情ですね。資格を持ってるが故に救急しかやりたくないと言いだすのも数年に1度は見かけます。


ここで伝えたいのは、救命士を持っているからと言って特別に優遇されるとは思わないで欲しいと言うこと。

救急救命士制度ができて20年が過ぎ、救急隊に救命士が乗務することがほとんどになった時代。小規模な本部だとまだまだ足りないと言うこともあるかもしれませんが、都市部では飽和状態となっており今では消防隊やら救助隊に救命士資格を持つ者がいることも珍しくなくなってきました。

現状救急救命士の資格を活かせるのは消防組織の救急と言う、極めて限られたところ。

その消防組織に入ると言うことは、救急だけじゃ無くて火消しも救助も、あるいは予防関係の仕事もやらなくてはならないと言うこと。救急だけしかやりたくないは通用しないと言うこと。

もし今後、消防に入ろうと言う若い人がこれを見てるならば、そのことを頭に入れて欲しいな、と。そんな想いで書きました。


今は大学や専門学校でも救命士の資格が取れる時代。

大学とかじゃそこまできっと言わないんでしょうね、一人でも多くの合格を出して実績を作って、また入学者を増やしてってだけ。

勉強はしてきてるから知識としては立派なもの持ってるんですが、それ以上が無い感じ。

資格がある故のデメリットを感じる一面なのでした。


こういうことを思うようになったのも、年を重ねてきたからかな


明日は仕事です

2ヶ月遅れのプレゼント

2014-11-22 23:46:44 | 育児日記
今日はお休み。子どもたちとお留守番な1日。

午前中は子どもたちの散髪に行ったり買い物に行ったりで、午後は皆でお昼寝。やりたいことあったので起きてるつもりでしたが、気づいたら一緒になって寝ていました(苦笑)

途中で起きて、やりたいことの一部は無事にできたんですがね


ここ数日で急に寒くなり、それに伴ってか救急件数も増えてきたように感じます。

いつもながらの言い訳ですが、非番はすぐに寝てしまいパソコンのスイッチすらも入れず。そんなわけで更新もお返事も遅くなってしまいました。


さて本題。

11月21日、今我が家の子どもたちが好きなポケモンの新しいソフトの発売日であり、この日をずっと待ちわびていた長男。

後から聞いた話ですが、長男は朝からずっと『パパ早く帰ってこないかな~』と言っていたそうです。


話を2ヶ月ほどさかのぼりますと、9月に6歳の誕生日を迎えた長男。

誕生日ぐらい好きなものを…と言うことでリクエストを聞いたのです。その時に出たのが11月に発売されるポケモンのソフト。

11月に発売される物だし、まだ2ヶ月ぐらい待つようだよって伝えたのですが、長男の答えは『それがいい!』と。

それが良いのだったら今は何も無いよ?他に欲しいもの無いの?と聞いても答えは変わりませんでした。


結局誕生日当日にはプレゼント無しでごちそうとケーキのみでお祝い。

それから約2ヶ月、ついにその日がやってきたのです。


発売日当日は私の勤務明け。

仕事終わったら買ってくるからと約束してましたので、眠いながらも予約後の残金を支払いに行き、プレゼント用のラッピングもしてもらいました。

いつもゲームをやる時は、やらなきゃいけないことを全て終わらせてからが条件。こどもちゃれんじの1日のノルマを必ず終わらせていること、使ったおもちゃ等をきちんと片付けていること、ご飯や歯磨き等を済ませていること等々、我が家で定めた条件を全てクリアしてから、1時間だけ認めています。まだ6歳だし、今からゲーム三昧になられても困るし。

性格は真面目な方の長男、決めたルールは今でもきっちり守っています。この日も、(保育園から)帰ってきたらアルファサファイアがやっとできる!と楽しみにしながら朝保育園に行ったそうです。ノルマのこどもちゃれんじは前日に2日分まとめてやってたみたいですが(笑)


夕方保育園に迎えに行って、ちゃんと買ってきたよって。

帰ってきて手洗いうがいしたら早速、DSを取り出してやっておりました。


よく2ヶ月、待ったもんだなと。

その努力や根性、忍耐力を評価して、本来1時間だけと言う枠はちょっとだけ大目に見ました

遅くなったけど、6歳のお誕生日プレゼントをようやく渡すことができてホッとしました。

やっぱり子どもの喜ぶ顔が親としては嬉しいものですね


明日は仕事。

ここ最近の傾向を考えれば明日も忙しいものと予想できますが、頑張っていきたいと思います

消防の雑学 その7 消防副士長の謎

2014-11-13 23:09:40 | 消防の雑学
今日はお休み。今日も良い天気。

いつもの洗濯&次男がおねしょしたため布団も一緒に洗って干して。長男はほとんど失敗しなくなりましたが、次男はまだまだ。

もう少しおねしょ布団との闘いは続きそうです。


今日は前回に続く『消防の階級』のお話。

前回(消防の雑学 その6)では消防組織のトップである消防長の階級は、規模の大きさにより決まっている旨を書きました。

根拠となる『消防吏員の階級の基準』に消防長の階級について示されていますが、消防吏員の階級については○○とするのような一文が一番最初に来ています。

今度は上から挙げて行きますと、(読み方は前回の記事を参照)

・消防総監

・消防司監

・消防正監

・消防監

・消防司令長

・消防司令

・消防司令補

・消防士長

・消防士

とあります。


ここで前回と違うのが、消えた『消防副士長』の謎。条文そのまま読んで行くと、消防副士長は存在しないことになる。

その後根拠となる階級基準を読み進めて行っても、消防士長及び消防士とすると言う一文で締められています。

では、なぜ消防副士長と言う階級が存在するかと言えば、この根拠となる消防吏員の階級の基準の最後に出てくる一文。

『市町村は、第一条及び前条の規定にかかわらず、特に必要があると認めるときは、消防士の階級を消防副士長及び消防士の階級に区分することができる。』とあります。

ここで初めて、消防副士長と言う階級が出てくるわけですね。


国としては消防士の次は(上は)消防士長と言う階級の基準を定めている。

けど、実際消防は市町村単位で運用しているもの。その市町村で運用している消防組織、体制の都合により消防副士長と言う階級を設けて良いですよと言うことになりますね。



その市町村の必要性によりと言うことですので、消防組織によっては消防副士長の階級が無いところもあります。けど、私の勤める消防をはじめ、近隣の消防本部も消防副士長を設けているところがほとんどかな、と。市町村がどんな理由で消防副士長を置いているかは様々だと思いますが、消防副士長を置く場合はその市町村消防の条例ないし規程か何かで必ず定めているはずです。

消防副士長が無い消防は私も1つしか知らないぐらい、日本全国で770本部(平成25年4月1日の時点で)ありますから、消防副士長を設けていない本部ももっとあるんでしょうけど。


ちなみにこの階級は、活動服等の胸についている階級章で判断できますが、災害活動時に被っているヘルメットや制服の袖口でも判別できます。

階級章については線の数や星の数で、ヘルメットでは線の本数や太さによって階級が分かる。これも『消防吏員の服制基準』と言うものがあって、それによって事細かく決められているもの。

線の太さや間隔もミリ単位でホントに事細かく決まっているのです。


と、前回と今回に渡って『消防吏員の階級』についてまとめてみました。

このお話はどちらかと言うと若い消防職員向けだったかな、と。ちょっとマニア的なお話でしたかね

たかが階級、されど階級。私達のことを指す『消防士』とは、あくまでも通称であり10ある階級の1つであると言うこと。

その階級も実はこんな事細かな決まり事があるんだよと言うお話でした。


明日は仕事です。



※参考

消防吏員の階級の基準


消防吏員の服制基準

消防の雑学 その6 消防長がつける階級

2014-11-04 23:38:21 | 消防の雑学
今日はお休み。秋晴れの1日でした。

嫁は仕事で子どもたちは保育園。保育園は行事があるため、子どもたちも楽しみに登園していきました。

そんな私の1日は専ら主夫業。掃除して洗濯して買い物行って、雑用もこなして…と。残っていた子ども部屋の作成も。

ダラダラやってた分作業も捗らず、もう少しでカーペット敷きも終わりと言うところで夕方のお迎えの時間となってしまいました


今日のお話は消防の雑学第6弾。今回取り上げるのは階級のお話です。

例として、消防職員の絡む事件事故等がマスコミによって報じられる場合、『消防士』が負傷とか、逮捕だとか(いずれもあっちゃいけないんですが)、そのような表記で報じられることがあります。

既にご存知の方もいると思いますが、この『消防士』と言うのは消防吏員(しょうぼうりいん)が持つ階級のうちの1つです。全10種、下から挙げて行くと

・消防士(しょうぼうし)

・消防副士長(-ふくしちょう)

・消防士長(-しちょう)

・消防司令補(-しれいほ)

・消防司令(-しれい)

・消防司令長(-しれいちょう)

・消防監(-かん)

・消防正監(-せいかん)

・消防司監(-しかん)

・消防総監(-そうかん)

となります。
(消防吏員とは、消防組織で働き災害出場したり査察業務を行ったりする職員で階級を持つ者のこと。役所等などから来ている職員もいますが、その人達は階級を持ちませんので消防吏員とは呼びません。)

一般的には消防吏員という言葉自体馴染みがありませんので、世間一般的に『消防士』で通っているわけですね。



話の方向性を変えて。

世の中の組織には、必ずトップに立つ人間がいると思います。例えば会社であれば社長だったり、学校であれば校長だったり。

当然消防組織にも、消防長と呼ばれるトップの人間がいます。

この消防長が付ける階級も、実は消防組織の規模によって決まっているのです。


上位の階級からたどって行きましょう。

まず『消防総監』、これは日本最大規模の消防組織である東京消防庁の消防長が付ける階級。

東京消防庁と言う組織はただ1つしかありませんので、消防総監は日本にただ1人と言うことになりますね。


次に『消防司監』、これは政令指定都市の消防長が付ける階級。

今は20都市ありますので、単純に考えて20人+東京消防庁の消防総監に次ぐ職務にある人と言うことになるかな。


次は『消防正監』、消防吏員の数が200名以上または人口30万人以上の市町村の消防長が付ける階級。


『消防監』だと、消防吏員の数が100名以上または人口10万人以上の市町村の消防長、『消防司令長』だとそれ以下の規模の市町村の消防長が付ける階級となります。

これは総務省消防庁が告示している『消防吏員の階級の基準』と言うものがあって、それに基づいて決められているものなのです。

階級一つにしても、実は事細かい決まり事がある世界なのです。


階級の話を掘り下げればもっともっと出てくるのですが

長くなってしまうのと、もう夜も遅いので今日はこの辺でおしまいにします(笑)


今日は消防組織のトップである消防長が付ける階級のお話。次回の雑学ネタは階級のお話の続きを書けたら。

いつになるか分かりませんけど、気長にお待ちいただけたらと思います


明日は仕事です