労務管理・安全対策向田社会保険労務士in札幌

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ある従業員の「ひと言」

2009-03-20 18:30:38 | Weblog
雪も解けて、車の走行がしやすくなりました。
そろそろ、車の洗車に行かなくは・・・。


ここ1週間で「150枚程度」の離職票を作成しました。
数十年取引をしていた企業が「破綻」したことによるものです。
「破綻は新聞・テレビのこと」と考えていたので、身近に生じたことは残念です。
一時は「上場するために就業規則について意見を交わす」こともありました。
最近では「従業員についての健康診断に関しての相談」を受けていました。
その企業の負債総額は数十億。
1千万、2千万なら金銭感覚としてわかるのですが、億単位になると金銭感覚がありません。

従業員には賃金の遅配もなく、突然の出来事。
まさに青天の霹靂(せいてんのへきれき)。

多くの従業員は「会社に対しての不満が一気に爆発します。」
しかし、ある従業員のひと言が心に残ります。
会社が破綻したことに対し「会社は悪くない。自分たちががんばらなかった結果である」「こうなる前にがんばればよかった」「今からがんばりたくてももう会社はない」などなど。

この言葉の後に続ける言葉が見つかりません。
分かってはいてもなかなか言える言葉ではありません。

何十年も勤務している従業員の方。つい最近採用された従業員の方。
小さな子どもがいる従業員の方。病人などを扶養する従業員の方。

様々な従業員の方にいち早く「離職票を渡したい」「健康保険の手続をしてあげたい」。それが、企業の信用を失墜させないために重要なことです。
これが、その企業に対する最後の御奉仕と考え、心を込めスタッフともども忙しい日々が続きます。
























老舗の悩み

2009-03-07 15:21:01 | Weblog
カレンダ-は3月。
しかし、今日の札幌は、肌寒く冬の嵐か。
「冬将軍さようなら」そして「春よこい」。

先日、久しぶりに「リップサービス」があり、気分はハイテンション。
それは、得意先で「テレビを見ていてフィギュアスケートの小塚選手に雰囲気など似ている。」と言われたことです。
その時は、どんな人かも判らず「そうですか。ありがとうございました。」と帰ってきました。
しかし、調べてみると「かっこいい」しかも「若い」。
「若い人」とは聞いていたが、倍以上違います(笑)。
「雰囲気」は判りませんが・・・・・。
その方に、一言「ありがとう」。

さて、先日「仕事と生活の調和」に関しての相談があり創業80年以上の企業の社長にお会いしました。
社長は3代目で、ある建設業団体の副会長を務める立派な方でした。
社内は整理整頓され、社員教育もしっかりできている。

その社長が、近年の長引く不況により「競争力がなくなった」と悩みを話し始めました。
その企業では、季節労務者にも「有給休暇」を計画的に入社した月から付与しているそうです。
本来は、早くても6カ月経過後ですが、それでは10・11・12月に有給が集中してしまい業務上混乱を招くという理由からです。
とても理想的な企業です。

しかし、この有給休暇が全社員で年間600万円くらいかかるそうです。
この600万が企業に重い負担になっているそうです。
いつも企業にお伺いすると「仕事と生活のバランスをとるため有給休暇の促進」をお願いするので、この日は「衝撃的」でした。
有給休暇をとることで「生産性が落ちる」とは頭の中では判っていたのですが・・・。
実際に直面し、この企業を「なんとかしたい」という気持ちが高まりました。
次回お伺いする時は「業務の見直し」「社員の意識」などについてお話したいと思います。

この企業のように「有給休暇を取得」することにより業務が滞ることがあれば金銭的負担から見ても本末転倒になります。

最後に、社長の一言から・・・。
他の企業は、法律を遵守しない分、余分な経費がかからず利益が出る。
「法律を守ってやっているのに生産性が落ち体力がなくなるのは困る」。
この言葉が「心に強く」残りました。