労務管理・安全対策向田社会保険労務士in札幌

楽しく、プラス思考で書きますので読んでください。
ホームページ https://anzen.cc

自転車通勤に労災保険が適用されるか

2013-08-24 14:47:13 | ビジネス
 S社から「近頃、自転車通勤が増えてきたが労災は適用されるのか」というご相談がありました。
自転車通勤する目的は様々ですが、

 1.健康のため
 2.自転車が好きだから
 3.交通費を浮かせたいから
  などがあるのではないでしょうか。

 労災保険法上にいう「通勤」とは、労働者が就業に関し、住居と就業場所との間を、合理的な経路および方法で往復する行動をいう。
「就業規則に基づき会社に届け出た方法」という限定はなく、客観的に見て「合理的な方法」でさえあれば、自転車通勤も交通手段として法律上の「通勤」となる。

 しかし、自転車通勤には、労災以外の問題が残る。
1.会社から交通費の支給を受けている場合には、従業員は交通費の不正利得、あるいは長期間になると詐欺罪の可能性がありま  す。また、会社は源泉徴収する際に交通費を非課税とするため自転車通勤者に交通費を支給することは税法違反となる。
2.自転車通勤者に民間の保険を加入させることができるか。
  会社が安全配慮義務の観点から就業規則に明記することは検討できる。
3.交通量が多い区間があり危険であったり、通勤の疲労により業務の効率が低下したなどを理由に、自転車通勤を禁止できない  か。
  これも安全配慮義務の観点から就業規則に明記することができる。さらに、違反した場合は懲戒処分に関する規定も検討する 必要がある。

 さらに、厄介なのは自転車通勤と公共交通機関とを利用した日を把握して、交通費の精算をすることである。
 そのため、事務的コストもかかる。
 悩ましいことです。

 













最低賃金引き上げに向けて考える

2013-08-10 17:35:58 | ビジネス
今年も最低賃金の引き上げ額の目安を8月6日、全国平均で14円と決めた。
平均で10円以上の目安額をした裏には、安倍政権のデフレ脱却という方針が色濃く出た。


北海道は生活保護との差額が大きいため逆転解消に必要な賃金の上げ幅が時給22円と大きい。
そのため原則2年以内に解消すべきとして、引き上げ目安額が11~22円と幅を持たせた目安を示した。
22円÷2=11円が根拠かな。
私見としては15円前後(プラスマイナス1円)が妥当と考えます。
なお最低賃金の水準が低そうに報道されますが、北海道の最低賃金額は「全国のトップ10」に入るため安くはありません。

安倍政権は物価下落を理由に8月から生活保護費を下げる一方、最低賃金は増額を目指している。
いわゆる、「手当より仕事」、「働きが報われる」レベルの賃金が必要と考えている。

一方、企業を取り巻く環境といえば、円安は輸出企業や観光業界に恩恵をもたらしたが、国内を市場とする企業が多い北海道ではその効果は限られてくる。かえって原材料や燃料などのコストを押し上げている。
さらに、「来年予定されている消費増税により仕事が増えているが、増税後に引き続き仕事があるか」という不安があります。

とは言え、日本の国内総生産(GDP)は約6割を個人消費が占める。
そのため、景気回復には最低賃金の大幅な引き上げは不可欠と考える。

企業の立場として、賃金原資を捻出するために利益率を上げる必要があります。

なお、企業側・労働者側の意向を組んだ北海道の最低賃金は9月頃に決定されます。
近年は、目安以上の引き上げ額が決定される傾向があります。
新たな最低賃金は例年だと10月から適用されると思います。