さすらうキャベツの見聞記

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映画『ちいさな哲学者たち』

2011-07-28 21:52:54 | Wednesday 芸術・スポーツ
「プレ・映画『ちいさな哲学者たち』」のその後。


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 いやはや、子どもたちのことばや反応は、なかなか興味深い。
 社会や家庭の状況を、色濃く反映している上、新鮮だった。


 一方で、映画としての感想は、正直、
「やっぱり、フランス映画だなぁ・・・」。

 ドキュメンタリーにもかかわらず、
わざと説明を省き、
淡々と日々を映し出し、
どことなく、小物の配置や美にこだわり、
独特の雰囲気を漂わせつつ、

観る人に解釈をゆだねている。


 興味深い内容だが、もう少し説明があったほうが、さらにありがたい。


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 加えて、日本にいる人々にとっては、あの「哲学の時間」で
幼稚園児たちが異口同音に言っていた、

(「自由って?」の問いに対して)

「一人で外を出られること」

という感覚も状況も、理解しにくいんじゃないかと、思う。
 パリではなく、別荘のあるアルジェリアに行った時の、お手伝いさんのほうが
よっぽど、自由だ、と子どもらは言う。

「だって、一人で外に出られるんだもの」


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(ex。パリ・16区の風景。2009年時点)

 例えば、パリでは、日本の多くの家のように、ドアを開けたら、家、ではなく、
 建物の中に入った後、さらに、もう一つの建物がある(このような造りが、どのくらいの割合なのかは不明)

          
          (注:先の風景の建物の内部には非ず。)

 そして、この奥の建物が、日本のアパートやマンションのようになっている。
 その他にも諸々のことから、出入りはものすごく厳重だと、感じる。
 子どもたちならば、なおさら、だろう。

 加えて、パリでは小学生の登下校でさえも、親御さんがかならず付き添い、らしい。
(間違えていたら、教えてくださいf(^^;))

「外に一人で出れる」ということが、
あちらの子どもにとって、すぐに思いつく「自由!」なのだということと、パリの光景がリンクする。


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 逆に、自分たちにとっての「自由」とは、なんだろう?と、雨の降りしきる中、思い巡らした。

一緒に観た友人らはこう言っていた。
(ブログに書いていいよ~と言われてから、かなり経ったが…Thanks☆)

(自由って?)
「一人で、世界を巡ること、かな」

(自由って?)
「・・・え~、なんでしょうね。自由ってなんだろう。あんまり考えたことないけど、もしかして、自由…じゃないのかな」

(自由って?)
(何かひらめいたらしく)「…とりあえず、私を知れば、わかることだよ」

・・・すると、Cの答えに、AとBが首をかしげ、Dがくすっと笑った。
 (Cは「Aはともかく、BとDはすぐわかるでしょ?」と少し焦った。

D「ああ、新約聖書の『ヨハネ3章32節』の、つまり、『真理(しんり)はあなたがたを自由にする』、をかけているんだよね」
Aがぱちぱちと手をたたいた。


(自由とは?)
「必要なものがそろっていること」



             ***********


 もう一つちなみにメモすると・・・最後のあたり(幼稚園での2年間の「哲学の時間」の終わりごろ)、女の子は可愛らしい声でこう答えていた。


砂場で・・・最初は3人だったわ・・・

 死と愛について、考えたの。


 …なかなか厳かな内容だ。

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