さすらうキャベツの見聞記

Dear my friends, I'm fine. How are you today?

ほたる

2011-06-30 06:10:55 | Thursday 生活


  己(おの)が火を 木々に蛍や 花の宿 (芭蕉)


        *********


 先週、10年ぶりに、蛍(ほたる)を見た。
 今回が二度目。

 都内で見れるとは知らなんだ。


        *********


 ほたるは、水が良いところでないと棲めない、と聞く。

「前の日は、20~25匹出たそうです」
と、庭の入口にいた背の高いおじいさまが教えてくれた。

 おそらく、蛍より、蛍を見に来た人々のほうが多かったろう。


        *********


 夜が更けゆくとともに、
 ほたるの淡い、優しい、黄色い光が、
 どこからともなく、ぽうっと現れる。

「あ! 蛍がいる!!」
子どもらが騒ぐ。
着物姿の女性らも、一斉に同じ方向を向いた。


        *********


 うっすらとした暗がりの中で、
 音もなく、
 ほたるは、ほたるに、合い図を送る。


  ―― 私は、ここにいますよ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

伝えるということ

2011-06-26 22:03:11 | 日々の雑感
(アルフォンス・ミュシャ『四つの時の流れ―夜の安らぎ』)



        


“みんな”に伝えようとして、

“だれか”に伝えようとしなかったら、

“だれ”にも伝わらない。

(=その人の心には、届かない)






 不思議なことに、


“だれか”一人にでも伝えようとしたら、

“みんな”に伝わっていく。

 そのとき、すぐにではなくても。


        


   聖書(ルカ伝)ヲ 思イ起コス。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【news】被災地に26億発注の王族企業

2011-06-26 21:37:44 | Friday -news-
(絵:ミレー『落ち穂拾い』)



オマーン国の王族系企業 被災地企業に浄水器26億円分発注

 
 大津波にあって海岸沿いは全滅し、原発からは10数キロ~40キロ圏内にある南相馬市。一部は強制避難させられ、一部は屋内退避(震災当初)。また、一部は30キロ圏内で放射能は怖いが、生活は自由。『がんばらない』著者で諏訪中央病院名誉院長の鎌田實氏が、この町の現在を報告する。

          *********

 6月10日、僕は、南相馬に講演に行った。町では、地元の企業である「落合工機」に中東のオマーンから、約26億円の浄水器の大量発注があったという元気なニュースで沸いていた。その会社の斉藤秀美社長に話を聞いた。

 オマーンとの取引は、昨年の12月からだったという。
 「オマーンの王族系企業からの依頼だったのですが、最初は雲をつかむような話で、詐欺にひっかかってはいけない――と疑っていたのです」と斉藤社長は笑う。

 実は、その話をまとめたのは、中東の農業支援をしているNGOが母体の企業、J-action。ここと事業組合を設立し、中東向けに移動式の小型浄水器24台を作るというのが事の始まりだった。アフリカやアラブの耕作不適格地の土壌改良をし、浄水を提供できるのは、なんてやりがいがある仕事だろうと思ったらしい。

 しかし、3.11の大震災で落合工機は大打撃を受けた。
 従業員の家は津波で流され、原発事故による屋内退避で工場は稼働停止。
 斉藤社長は「会社がつぶれてしまう」となかば諦めかけていた。

 そこへ、再びオマーンからの浄水器の発注である。
 しかも700台の浄水器と14台の大型浄水器を合わせて、26億円という願ってもいない大きな契約。
 そしてさらに温かなサプライズの申し出が上乗せされていた。

 被災者の役に立つのなら、その新品の浄水器を被災地で使い、その後にオマーンに届ければいいという注文だったのだ。

 オマーンの王族系企業は、被災地の企業の連携の中で浄水器を作ってほしいと言ってきた。斉藤社長によれば、南相馬の20社近くの企業に仕事が回る予定だという。お互いに部品を調達し、南相馬の経済が回り出す。

 オマーンの企業には、26億円を日本赤十字社を通じて寄付するという方法もあったはずである。しかし、それをしなかったところがえらい。
(NEWSポストセブン 6/26)



  寄付より、施しより、
    仕事があるということのほうが、どんなにありがたいことか・・・いい話をありがとう


                       


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

暑い

2011-06-24 22:16:29 | Friday -news-
 暑い、暑い、暑い・・・。
 地元もそれなりに暑かろう、と思い、電話をしたら、
「こっちは朝10℃台でなぁ・・・長袖2枚着ないと寒かったわ~」というお返事、異口同音。

 足して二で割りたい、と思った一日也。



埼玉・熊谷市で39・8度…6月の国内最高気温(読売新聞)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

かおり

2011-06-22 23:44:49 | Sunday 写真&みことば
(2010年12月撮影)


        また、愛のうちに歩みなさい。

        キリストもあなたがたを愛して、私たちのために、

        ご自身を神へのささげもの、また供(そな)え物とし、

        香ばしいかおりをおささげになりました。

                    (新約聖書・エペソ5章2節)



  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

花の香に想う

2011-06-22 23:15:29 | 日々の雑感

 従妹たちからの花束や
 装花からいただいた花々の水を替えようとしたとき、
 甘い、かぐわしい香りが漂ってきた。

 花の命は短い。
 すでにしおれてきている。
 ・・・それでもなお、まだこんな良い香りを放つのか。
と、驚く。






 そして、想うのだ。
 ・・・さて、自分はどうかね?
と。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

夏至の日

2011-06-22 22:33:30 | Thursday 生活
「今日は夏至(げし)の日ね」
と、白髪の上品な(妙齢の)お姉さまに言われて、はっと気付いた。

 ・・・今日は、いちばん日が長い日だ!
(=北欧だと、白夜だ!)
と。

 ・・・どうりで、最近、日が長いわけだ


        **********


 そして、各地で30度越えした暑い日でした。

 水分補給、水分補給・・・。

各地で今年初めての猛暑日、都心も真夏日(読売新聞)2011年6月22日(水)

              

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

幸福とは 壱

2011-06-19 18:49:59 | ひとこと*古今東西


         

  幸福(こうふく)


  心が満ち足りていること。また、そのさま。
  しあわせ。
  「-を祈る」「-に暮らす」「-な人生」

              (by 広辞苑 第六版)

         



【関連記事】
「幸福 弐」

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

幸福 弐

2011-06-19 17:54:03 | Sunday 写真&みことば
(幸福とはなんぞや、と聖書を開くと、見つけるであろう有名なことば、の巻)。

        


   イエス 口をひらき、教へて言ひたまふ、

  『幸福(さいはひ=さいわい)なるかな、心の貧しき者。
   天国はその人のものなり。

   幸福(さいはひ)なるかな、悲しむ者。
   その人は 慰(なぐさ)められん。

   幸福(さいはひ)なるかな、柔和な者。
   その人は 地を嗣(つ)がん。

   幸福(さいはひ)なるかな、義に飢え渇く者。
   その人は 飽くことを得(え)ん。

   幸福(さいはひ)なるかな、憐憫(あはれみ)ある者。
   その人は 憐憫(あはれみ)を得(え)ん。

   幸福(さいはひ)なるかな、心の清き者。
   その人は 神を見ん。

   幸福(さいはひ)なるかな、平和ならしむる者。
   その人は 神の子ととなへられん。

   幸福(さいはひ)なるかな、義(ぎ)のために責められるたる者。
   天国は その人のものなり。

      ・

      ・

      ・
               (新約聖書・マタイの福音書5章2-10節)』






        



(やはり、文語訳はこういうとき、美しい・・・と、ほっこりしつつ、温かいお茶を飲みつつ、縁側でひなたぼっこをしたい気分になる。)

                   

【関連記事】
「幸福とは 壱」<定義>

「幸福とは 参」

「パレアナ」


                    

・<番外編>「謝謝」

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

幸福とは 参

2011-06-19 17:23:14 | ひとこと*古今東西
(写真は、未だ行ったことのない、京都ようじやの抹茶モカ)



(本多静六さん 1)の某著書から抜粋)

             


 どうにかして幸福になりたい、幸福に生きたいと多くの人が望んでいる。
 しかし、いったい幸福とはどんなものであるかということについては、単に仕合せなことだ、
運がよいことだくらいで簡単に片づけ、わかったことにしている。もちろんそれも幸福の
一面には違いないが、決して全部を言いつくしてはいない。
 われわれはここに改めて幸福について検討を加えなければならない。
 人間生活を、より幸福にするためには、幸福の意味をはっきりさせておく必要があるからである。・・・(略)

     *************

 人間の欲望にはいろいろな種類と程度があり、かつ人と場合によって一様でない。
 「いつも三月花の頃、

  女房十八わしゃ二十、

  死なぬ子三人皆孝行、

  使って減らぬ金(かね)万両、

  死んでも命のあるように」

という具合で、人間の欲望にはきりがない。人によってはむやみに金持ちになりたがる者があり、
ごくごく欲の深い人は―とくに強欲の高利貸しなどになると、打ち首にされた時、懐(ふところ)から
落ちかけた財布を首のない手でつかんだという話があるくらい金を欲しがる。

 そうかと思うと、金の不寝番に苦しんで、しきりに貧乏の心安さを羨(うらや)む者もある。
・・・(略)・・・

 また平素病弱な人は何よりも身体の丈夫なことを望み、子のない人は何よりも子宝を願う
というように、人は現在自分に満たされているもの、満たされた境遇には満足せず
(すなわち幸福を感じないで)、
かえって自分の持たないもの、持たない境遇を欲しがる傾向がある。
・・・(略)・・・



 さらにまた、同じこと同じ人が、先には幸福だと感謝したのに、後には不幸だと託(かこ)つ
ようなこともある。

 あの大空襲によって、焼死の災を免れて何より命の助かったことを幸福に思い、感謝した人が
その後再起できず、いっそあの時ひと思いに焼け死んだ方がましだったと、歎(なげ)き悲しむことも
少なくない。これなど同じ事態をはじめには幸福と感じ、後には不幸と感じた事例である。

 かつて京都円山の大火事の際に、多くの人々が泣き叫びながら家財道具を担いで逃げまどうのを、
四条の橋の下を定宿(じょうやど)とする親子連れの乞食(こじき)が眺めていたが、やがて乞食の子が、

「ちゃんや、俺たちはこういう時にも、安心して寝ていられるから仕合せだね」

というと、親乞食は、この時ばかりは得意そうに、「それもみんな親のおかげさ」と答えたという
笑い話がある。


 また「番町で目明き盲人に道をきき」とうたわれた塙保己一(はなわ ほきいち)が
弟子たちに講義中、フッと灯火が掻き消えたのに狼狽する弟子たちをしりめに、
「さてさて目明きは不自由なものじゃ」
といったのも有名な話である。

 実際、時と場合と気の持ちようしだいでは、金持ちより乞食の方が、目明きより盲人の方が
安楽で幸福だと感じられることもないではない。しかし、ごく少数の人を除いた一般人の欲望は、
まず世間並みに生活することにおかれているから、一般的普通の幸福とは世間並みの生活をしつつ、
その上に欲望の満たされる状態であるというべきである。


        *****************

 人が何と思おうと、どう見ようと、それは自分の幸福には無関係で、ただただ
自分で自分の心に快感を覚える状態が幸福なのだ。

 ところが、多くの場合、自分の心の持ちよう一つで同じことが幸福にもなり、
不幸にもなるのであるから、われわれはまずもってあらゆる場合を幸福に感じるよう、
精神上の修養が肝要である。
・・・(略)・・・

 誰かの歌に
 「破れたる 衣(ころも)を着ても 足ることを 知ればつづれの 錦(にしき)なりけり」
というのがあったが、まことにそのとおり、精神的満足は物質の不足を補って余りあるのである。

 ・・・(略)・・・



              


【注】
1)本多静六:1866年(慶応2年)-1952年(昭和27年)。埼玉生まれ。
  日本初の林学博士、造園家。日比谷公園をはじめ多くの国立公園の設置に携わる。
  あるとき、まとまった額の寄付を行ったところ、
  「こんな給料で、そんな多額の寄付が出来るのはおかしい。」
  と嫌疑をかけられたという(それで家計簿を公開した、という話もあったように記憶しているが、少々心もとない)。
  東大教授退官後、匿名でほぼ全額を寄付。「私の財産告白」という著書は有名らしい(未読)。




                    


【関連記事】
「幸福とは 壱」<定義>

「幸福 弐」

「パレアナ」

                

・<番外編>「謝謝」

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする