ブログ村の、アルコール依存症のカテゴリーで
Mi-yaさんという方の「One day at a time~アラノンで学んだこと」
というブログに出会いました。
アメリカ在住で、一年前から同居していた男性が、アルコール依存症を
再発。彼女自身が、アルコール依存者の家族の自助グループアラノン
に参加して、近々その男性と別れることを決意するまでの心の軌跡が
つづられています。
このブログの中で、アメリカでの依存症を取り巻く環境の、具体的な
話を知ることができます。まずアメリカのアルコール依存者は、日本の
十倍以上なのだそうです。(人口の比率で考えると大体3倍くらいと
いう感じでしょうか。その代わりにアメリカはギャンブル依存症の
人口に対する比率が約1.4%300万人くらいで、日本のギャンブル
依存症が5.6%、人数で比べると日本の約半分です。ただしアメリカ
は深刻な薬物依存の問題も抱えています)
「たいていのアメリカ人は大変さを理解してくれるし、病気だという
のを知っていて、責めたりしないで、ちゃんと(専門家の)ヘルプを
得ているのかを聞かれる」
「ミーティングの多さは、日本と比べ物にならない。人口10万人ほど
の小さな町で、AAミーティングは日に10回以上、アラノンミーティング
も5回くらい、違う場所、時間で毎日行なわれていて、だから、行く
場所にもそれほど困らない」
さらに「精神科にも気軽にいける。心理セラピストがたくさんいる。
セラピーにも保険がきく」
こうした記事や、アメリカのドラマの中で、カジノで大金をすってしま
った男性に、同僚が「ギャンブル依存症は病気だ。病院に行け」という
セリフや、アルコール依存症の人が、断酒を手助けする自助グループの
仲間でスポンサーと思われる人と会話するシーン、さらにドラッグが
関係する話では、必ずと言っていいほど、カウンセリング、セラピー
回復施設といった話が出てきます。
前のブログで書いたように、アメリカでAA(アルコール・アノニマス)ができて
80年あまり。AAとそこで回復の方法として考え出された12ステップ
プログラムをベースに、依存症に対応できる体制がある程度できている
こと、一般の人の依存症についての理解が進んでいることが分かります。
依存症は、どの依存症でも、病気の領域に入ると、おおむね同じような
経過をたどります。たまに依存症の本人の方のブログを見ることもありますが
「止めたい、止めなければいけない→やってしまった(スリップ)
自分はだめな人間だ、止められない(自己否定)→しょうがないんだ
これしか楽しみがないんだから(内面での自己肯定)」の繰り返しです。
本当に堂々めぐりで出口がありません。
依存症の問題を考えていると、入り口のない家の回りをぐるぐる回って
いるような気がすると書きましたが、それを依存症者の側から見ると
窓もドアもない家の中にいて、その中をぐるぐる回っているだけなのだと
いうことが分かります。
前のブログで書いた「12ステッププログラム」の1にある
私たちはギャンブルに対して無力であり、思い通りに生きていけなくなって
いたことを認めた
は、そういう自分自身を客観的に認識する一番大切な過程で、これが本当に
できるようになれば、回復の大きな一歩だと言われています。これは家族
の場合も同じで、自分で何とかしよう、何とかできるというこだわりから
手を離すことがとても大切です。
言うのは簡単ですが、こういう心の問題はとても難しいです。医学という
専門の分野でも、人間の脳や心の働きについては分かっていない部分も
多いです。だからこそ、もともとキリスト教が思考のベースにある国で
「自分を超えた大きな力」に自分を委ねることが回復の可能性なのだ
という考え方が確立されたのだと思いますし、それはある意味正しいとも
言えます。なぜなら依存症という病気自体が、理性とか知性とか意思とか
自分の手持ちの道具では、どうすることもできない
人間にある程度は備わった能力を弱らせ、前頭葉の機能を働かなくさせる
という、いわば人間の能力を超えた病気だからです。おまけのように
書きますが、私は自分の、治らない領域に入っているガンも、ほぼ
同じだと考えています。これもまた何をやってもまず治るということは
ありません。残された時間を、病気と、そして自分自身とどう向き合うか
という問題です。
12ステッププログラムが、医学的な見地からは「前頭葉の鍛錬」だと
分析されているのは、そういう理由だと思います。依存対象のことだけ
で頭がいっぱいになっている脳は、外の世界に出て、回復する可能性
があるとされるミーティングに参加をするだけでも、大きな前進なのです。
そしてそこには回復を続けている仲間がいます。自分が一人では何度となく
挫折し、失敗し続けたチャレンジを成功させている人に会う、話を
聞く、自分のことを話す。その一つ一つの行動が、依存症によって
動かなくなっていた前頭葉を動かすのに効果があるわけです。
12ステップ以外でも
例えばうつ病の治療で使われる「認知行動療法」を用いての回復という
スタンスを取る医療機関もあります。
依存症の理解、治療に関しては、日本はアメリカに比べて半世紀以上
遅れていますし、大きく前進しそうな雰囲気も感じられませんが
ネットや危険ドラッグや、最近ではストーカーなどいわゆるSCA(性依存症)
と思われる事件もたびたび報じられるようになって、依存症自体は
爆発的な広がりを見せていると思います。
そもそもはダンナのギャンブル依存症がきっかけで、依存症を勉強
してきましたが、今は私がよく知っている人でも、ダンナを含めて
3人は依存症と思われる人がいます。それだけ依存症というのは
私たちにとって身近で切実な問題になってきているのだとことを
少しでも知っていただけたらと思います。
Mi-yaさんという方の「One day at a time~アラノンで学んだこと」
というブログに出会いました。
アメリカ在住で、一年前から同居していた男性が、アルコール依存症を
再発。彼女自身が、アルコール依存者の家族の自助グループアラノン
に参加して、近々その男性と別れることを決意するまでの心の軌跡が
つづられています。
このブログの中で、アメリカでの依存症を取り巻く環境の、具体的な
話を知ることができます。まずアメリカのアルコール依存者は、日本の
十倍以上なのだそうです。(人口の比率で考えると大体3倍くらいと
いう感じでしょうか。その代わりにアメリカはギャンブル依存症の
人口に対する比率が約1.4%300万人くらいで、日本のギャンブル
依存症が5.6%、人数で比べると日本の約半分です。ただしアメリカ
は深刻な薬物依存の問題も抱えています)
「たいていのアメリカ人は大変さを理解してくれるし、病気だという
のを知っていて、責めたりしないで、ちゃんと(専門家の)ヘルプを
得ているのかを聞かれる」
「ミーティングの多さは、日本と比べ物にならない。人口10万人ほど
の小さな町で、AAミーティングは日に10回以上、アラノンミーティング
も5回くらい、違う場所、時間で毎日行なわれていて、だから、行く
場所にもそれほど困らない」
さらに「精神科にも気軽にいける。心理セラピストがたくさんいる。
セラピーにも保険がきく」
こうした記事や、アメリカのドラマの中で、カジノで大金をすってしま
った男性に、同僚が「ギャンブル依存症は病気だ。病院に行け」という
セリフや、アルコール依存症の人が、断酒を手助けする自助グループの
仲間でスポンサーと思われる人と会話するシーン、さらにドラッグが
関係する話では、必ずと言っていいほど、カウンセリング、セラピー
回復施設といった話が出てきます。
前のブログで書いたように、アメリカでAA(アルコール・アノニマス)ができて
80年あまり。AAとそこで回復の方法として考え出された12ステップ
プログラムをベースに、依存症に対応できる体制がある程度できている
こと、一般の人の依存症についての理解が進んでいることが分かります。
依存症は、どの依存症でも、病気の領域に入ると、おおむね同じような
経過をたどります。たまに依存症の本人の方のブログを見ることもありますが
「止めたい、止めなければいけない→やってしまった(スリップ)
自分はだめな人間だ、止められない(自己否定)→しょうがないんだ
これしか楽しみがないんだから(内面での自己肯定)」の繰り返しです。
本当に堂々めぐりで出口がありません。
依存症の問題を考えていると、入り口のない家の回りをぐるぐる回って
いるような気がすると書きましたが、それを依存症者の側から見ると
窓もドアもない家の中にいて、その中をぐるぐる回っているだけなのだと
いうことが分かります。
前のブログで書いた「12ステッププログラム」の1にある
私たちはギャンブルに対して無力であり、思い通りに生きていけなくなって
いたことを認めた
は、そういう自分自身を客観的に認識する一番大切な過程で、これが本当に
できるようになれば、回復の大きな一歩だと言われています。これは家族
の場合も同じで、自分で何とかしよう、何とかできるというこだわりから
手を離すことがとても大切です。
言うのは簡単ですが、こういう心の問題はとても難しいです。医学という
専門の分野でも、人間の脳や心の働きについては分かっていない部分も
多いです。だからこそ、もともとキリスト教が思考のベースにある国で
「自分を超えた大きな力」に自分を委ねることが回復の可能性なのだ
という考え方が確立されたのだと思いますし、それはある意味正しいとも
言えます。なぜなら依存症という病気自体が、理性とか知性とか意思とか
自分の手持ちの道具では、どうすることもできない
人間にある程度は備わった能力を弱らせ、前頭葉の機能を働かなくさせる
という、いわば人間の能力を超えた病気だからです。おまけのように
書きますが、私は自分の、治らない領域に入っているガンも、ほぼ
同じだと考えています。これもまた何をやってもまず治るということは
ありません。残された時間を、病気と、そして自分自身とどう向き合うか
という問題です。
12ステッププログラムが、医学的な見地からは「前頭葉の鍛錬」だと
分析されているのは、そういう理由だと思います。依存対象のことだけ
で頭がいっぱいになっている脳は、外の世界に出て、回復する可能性
があるとされるミーティングに参加をするだけでも、大きな前進なのです。
そしてそこには回復を続けている仲間がいます。自分が一人では何度となく
挫折し、失敗し続けたチャレンジを成功させている人に会う、話を
聞く、自分のことを話す。その一つ一つの行動が、依存症によって
動かなくなっていた前頭葉を動かすのに効果があるわけです。
12ステップ以外でも
例えばうつ病の治療で使われる「認知行動療法」を用いての回復という
スタンスを取る医療機関もあります。
依存症の理解、治療に関しては、日本はアメリカに比べて半世紀以上
遅れていますし、大きく前進しそうな雰囲気も感じられませんが
ネットや危険ドラッグや、最近ではストーカーなどいわゆるSCA(性依存症)
と思われる事件もたびたび報じられるようになって、依存症自体は
爆発的な広がりを見せていると思います。
そもそもはダンナのギャンブル依存症がきっかけで、依存症を勉強
してきましたが、今は私がよく知っている人でも、ダンナを含めて
3人は依存症と思われる人がいます。それだけ依存症というのは
私たちにとって身近で切実な問題になってきているのだとことを
少しでも知っていただけたらと思います。
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