本当は映画の話なんかをつらつらと書いているほうが
だんぜん楽しいし、体のためにもいいような気もしますが
まあ、そんなことばかりも言ってはいられません。
ギャンブル依存症の増加(7年で2倍以上)も、アルコール依存症の増加も
とても深刻で大変な問題だということは言うまでもありませんが
私が今一番危機感を持っているのはやはり青少年のネット依存の問題と
薬物の依存症の広がりです。
7年前に私はダンナがギャンブル依存症という病気であり
この病気は、ギャンブルの強烈な刺激によって
ドーパミンとかセロトニンといった脳内物質の分泌の仕方に
変化が起こり、その変化はもとには戻らないから
ギャンブル依存症は治らない病気なのだということを知りました。
それまでは、ギャンブルにはまってしまって抜け出せないのは
内向的でストレスを発散するのが下手な性格のせいなのか
やめることができないのは意思が弱いためなのかなどと
ああでもない、こうでもないとあれこれ悩んでいましたが
ギャンブル依存症の、科学的なメカニズムが分かったことで
なぜ依存症が治らないのかという理屈は取り合えず分かりました。
そしてこの脳内物質に変化が起こる依存症のメカニズムは、
ギャンブルだけではなく、アルコール依存症にも、薬物依存症にも、
ネットの中でも特にオンラインゲームや動画などのコンテンツに
長時間依存をして日常生活が困難になるタイプのネット依存症にも
共通する性質だと思われます。
脳内物質のドーパミンは、人間の脳の
大脳皮質の中では、前頭葉の部分にもっとも多く分布しています。
そして前頭葉の最も特徴的な働きは、意欲、創造、実行。
つまり 考える
我慢する
人の気持ちを感じ取る
意思決定する
といった、人が人らしくあるための、とても高度な情報処理を
行なっている器官が、前頭葉なわけです。
そしてこの前頭葉が効率よく働くためにはドーパミンが
「最適なレベル」にある必要があります。
けれど依存症になってしまうと、そのバランスが崩れて
前頭葉が働かなくなってしまうわけです。
その結果、正常な思考が働かなくなる、キレやすくなる、他人の気持ちが
分からない、人間らしい感情がなくなる、判断力がなくなるといった
様々な依存症の症状が起こります。ひと言で言えば
この前の「頭壊れちゃってる」状態です。
そんなことが、まだ子どもの時から起こって
しかもそれが一生治らないなどということになったら
想像を絶するような大変な話になります。
ただ現在治療を受けなければならないほど重症の状態になっている
ネット依存症(不登校、引きこもり、暴力、幻覚幻聴など)の場合は別ですが、
単純にネットをやっている時間が長いというような場合は
過剰に病気の心配をして、強制的にネットを止めさせたりして
親子のコミュニケーションが取れなくなるよりは
脳を活性化させる、つまりバランスよく脳を使うことができる行動や活動を
積極的に日常の生活の中に取り入れるように心がけるほうが
より建設的だし、効果的なような気がします。
特に「前頭葉が」と難しく考えなくても
たとえば友だちと遊びにいく、スポーツをする
読書をする(内容にもよりますがマンガだっていいと思います)
音楽を聴く、掃除や洗濯、買い物、料理などの家事を手伝う
これも内容にもよりますが、映画やドラマを観る
勉強、成績、友だち関係、ネットなどという、説教や指示、命令に
なりがちな話題ではなく、親子で他の話題で話すようにする
というように、ネット以外で頭や体を動かす時間を作るということです。
親としては勉強以外のことをしていたら
つい小言を言いたくなる気持ちは分かりますが
日常のいろんな行動が、前頭葉の正常な働きをうながすわけですから
長い目で見れば能力アップにもつながることになります。
また中学生くらいの子どもさんで、親子でちゃんと話ができる場合は
依存症によって起こる脳の変化、その怖さということも
説明すればある程度は理解できるのではないかと思います。
ネットの依存症については、おそらくまだ脳の変化とか脳内物質とかの
まとまった学問的なデータはないでしょうから
こういう話が出てくるのは3年とか5年くらい先のことになりそうですが
やはりそれでは遅すぎます。
それにどの依存症にしてもそうですが
それぞれの業界の利益や利権に影響しそうな話は
日本ではあまりおおっぴらにはならず、いつの間にかうやむやになるのが常で
そのことが、依存症に対する圧倒的な情報の不足につながっています。
ですから子どもたちのネット依存が、ギャンブル依存症のような現状にならないためには
問題意識を持った人間が情報を発信して、ひとりひとりができそうなことから
予防に取り組むしかないのだと思います。
脳の問題、心の問題というと何か難しいようですが
要は私たちを取り巻く社会や、家庭の環境が激変して
かつての、人間が五感をフルに使わなければ生きていけなかった状況や、
夫と妻、親と子、友だちといった、人と人が
もう少し自然に密接に関わりあっていた環境が失われて
代わりに様々な人工的な機器が生活の中に入ってきたことで
私たちの暮らしが未知の領域に入ったということなのだろうと思います。
余談ですが、今度引っ越した家は「お風呂がわきました」と
家がしゃべります。私は人間がアナログですから
こういうのにはなかなか慣れません。何か違和感があります。
こんなに至れりつくせりにする必要があるのかとも思います。
ただでもお粗末な脳が退化していくはずです。
こんな具合で、これから十年先、二十年先がどうなるのかは予測もできません。
しかし前にも書きましたが、これからは大学で勉強するのにも
自分のPCを持つことが必要とされる時代です。
依存症が怖いから、IT機器とは縁を切るという訳にはいきません。
そういう意味では、事故のリスクを抱えながらも
なくすことはできない自動車なんかと同じです。
多くの危険をしっかりと理解しながら
なおかつ上手に付き合わなければいけない
私たちは、そういう難しい課題と時代に向き合っているのだと思います。
だんぜん楽しいし、体のためにもいいような気もしますが
まあ、そんなことばかりも言ってはいられません。
ギャンブル依存症の増加(7年で2倍以上)も、アルコール依存症の増加も
とても深刻で大変な問題だということは言うまでもありませんが
私が今一番危機感を持っているのはやはり青少年のネット依存の問題と
薬物の依存症の広がりです。
7年前に私はダンナがギャンブル依存症という病気であり
この病気は、ギャンブルの強烈な刺激によって
ドーパミンとかセロトニンといった脳内物質の分泌の仕方に
変化が起こり、その変化はもとには戻らないから
ギャンブル依存症は治らない病気なのだということを知りました。
それまでは、ギャンブルにはまってしまって抜け出せないのは
内向的でストレスを発散するのが下手な性格のせいなのか
やめることができないのは意思が弱いためなのかなどと
ああでもない、こうでもないとあれこれ悩んでいましたが
ギャンブル依存症の、科学的なメカニズムが分かったことで
なぜ依存症が治らないのかという理屈は取り合えず分かりました。
そしてこの脳内物質に変化が起こる依存症のメカニズムは、
ギャンブルだけではなく、アルコール依存症にも、薬物依存症にも、
ネットの中でも特にオンラインゲームや動画などのコンテンツに
長時間依存をして日常生活が困難になるタイプのネット依存症にも
共通する性質だと思われます。
脳内物質のドーパミンは、人間の脳の
大脳皮質の中では、前頭葉の部分にもっとも多く分布しています。
そして前頭葉の最も特徴的な働きは、意欲、創造、実行。
つまり 考える
我慢する
人の気持ちを感じ取る
意思決定する
といった、人が人らしくあるための、とても高度な情報処理を
行なっている器官が、前頭葉なわけです。
そしてこの前頭葉が効率よく働くためにはドーパミンが
「最適なレベル」にある必要があります。
けれど依存症になってしまうと、そのバランスが崩れて
前頭葉が働かなくなってしまうわけです。
その結果、正常な思考が働かなくなる、キレやすくなる、他人の気持ちが
分からない、人間らしい感情がなくなる、判断力がなくなるといった
様々な依存症の症状が起こります。ひと言で言えば
この前の「頭壊れちゃってる」状態です。
そんなことが、まだ子どもの時から起こって
しかもそれが一生治らないなどということになったら
想像を絶するような大変な話になります。
ただ現在治療を受けなければならないほど重症の状態になっている
ネット依存症(不登校、引きこもり、暴力、幻覚幻聴など)の場合は別ですが、
単純にネットをやっている時間が長いというような場合は
過剰に病気の心配をして、強制的にネットを止めさせたりして
親子のコミュニケーションが取れなくなるよりは
脳を活性化させる、つまりバランスよく脳を使うことができる行動や活動を
積極的に日常の生活の中に取り入れるように心がけるほうが
より建設的だし、効果的なような気がします。
特に「前頭葉が」と難しく考えなくても
たとえば友だちと遊びにいく、スポーツをする
読書をする(内容にもよりますがマンガだっていいと思います)
音楽を聴く、掃除や洗濯、買い物、料理などの家事を手伝う
これも内容にもよりますが、映画やドラマを観る
勉強、成績、友だち関係、ネットなどという、説教や指示、命令に
なりがちな話題ではなく、親子で他の話題で話すようにする
というように、ネット以外で頭や体を動かす時間を作るということです。
親としては勉強以外のことをしていたら
つい小言を言いたくなる気持ちは分かりますが
日常のいろんな行動が、前頭葉の正常な働きをうながすわけですから
長い目で見れば能力アップにもつながることになります。
また中学生くらいの子どもさんで、親子でちゃんと話ができる場合は
依存症によって起こる脳の変化、その怖さということも
説明すればある程度は理解できるのではないかと思います。
ネットの依存症については、おそらくまだ脳の変化とか脳内物質とかの
まとまった学問的なデータはないでしょうから
こういう話が出てくるのは3年とか5年くらい先のことになりそうですが
やはりそれでは遅すぎます。
それにどの依存症にしてもそうですが
それぞれの業界の利益や利権に影響しそうな話は
日本ではあまりおおっぴらにはならず、いつの間にかうやむやになるのが常で
そのことが、依存症に対する圧倒的な情報の不足につながっています。
ですから子どもたちのネット依存が、ギャンブル依存症のような現状にならないためには
問題意識を持った人間が情報を発信して、ひとりひとりができそうなことから
予防に取り組むしかないのだと思います。
脳の問題、心の問題というと何か難しいようですが
要は私たちを取り巻く社会や、家庭の環境が激変して
かつての、人間が五感をフルに使わなければ生きていけなかった状況や、
夫と妻、親と子、友だちといった、人と人が
もう少し自然に密接に関わりあっていた環境が失われて
代わりに様々な人工的な機器が生活の中に入ってきたことで
私たちの暮らしが未知の領域に入ったということなのだろうと思います。
余談ですが、今度引っ越した家は「お風呂がわきました」と
家がしゃべります。私は人間がアナログですから
こういうのにはなかなか慣れません。何か違和感があります。
こんなに至れりつくせりにする必要があるのかとも思います。
ただでもお粗末な脳が退化していくはずです。
こんな具合で、これから十年先、二十年先がどうなるのかは予測もできません。
しかし前にも書きましたが、これからは大学で勉強するのにも
自分のPCを持つことが必要とされる時代です。
依存症が怖いから、IT機器とは縁を切るという訳にはいきません。
そういう意味では、事故のリスクを抱えながらも
なくすことはできない自動車なんかと同じです。
多くの危険をしっかりと理解しながら
なおかつ上手に付き合わなければいけない
私たちは、そういう難しい課題と時代に向き合っているのだと思います。
ランキングに参加してみました。よろしければクリックをお願いします!